文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループ(当社、当社の子会社及び関連会社)は、ガス事業を通じて地域社会の発展に貢献するとともに、業績の向上を図り、お客さまや株主の皆さまから常に信頼・評価され、選択していただける企業であることを基本方針としております。また、経営にあたりましては、「安定供給、安全の確保、天然ガスの普及拡大」を使命とし、グループ会社や協力会社も含めたオール北陸ガスで地域密着の体制を築き、サービスの向上やエネルギー利用の創出につなげてまいります。
さらに、企業活動のあらゆる場面において、企業倫理の向上、法令遵守の徹底を図り、社会的責任を確実に果たしてまいります。
(2)経営環境及び対処すべき課題
当社グループを取り巻く事業環境は、エネルギー事業者間の競争激化や少子高齢化に伴う人口減少に加え、昨今の原材料やエネルギー価格の高騰などにより一層厳しさを増しております。また、脱炭素社会の実現が求められる中、ガス事業者である当社グループの果たすべき役割は今後ますます重要になってまいります。
このような状況のなか、当社グループは新潟県内約46万件のお客さまへの都市ガスの安定供給を引き続き事業の根幹としつつ、お客さまのニーズや環境変化に応じた付加価値の高いサービスを提供していくことで、地域のお客さまに信頼され、選択され続ける企業グループを目指してまいります。
まず、今後の営業面では、2050年カーボンニュートラルに向けた取り組みが必要となります。脱炭素社会の実現には徹底した低炭素化が求められることから、レジリエンス機能を備えた高効率な家庭用燃料電池「エネファーム」や、潜熱回収型給湯器「エコジョーズ」による「ガス温水暖房システム」等、省エネ機器の普及拡大に向け、新築・既存住宅の両方で提案営業を強化してまいります。
また、家庭用・業務用ともに、他熱源をご利用のお客さまに対して、都市ガスへ燃料転換していただくための取り組みも強化し、脱炭素化に向けた移行期における低炭素化を進めてまいります。
さらに、ガスの生産から消費段階までの温室効果ガスの排出を実質ゼロとみなすクレジット制度を利用した「カーボンニュートラル都市ガス」の提案にも取り組んでまいります。
一方、今後の市況環境をふまえると、地域の人口減少、新築住宅着工件数の伸び悩みにより、お客さま件数の減少が想定されるため、付加価値が高く、健康面や快適性の向上につながる「床暖房」、「浴室暖房乾燥機」および「衣類乾燥機」の提案を強化し、ガス販売量の維持・増加を図ります。
保安強化の面では、お客さまに安心してガスをご使用いただくため、「Siセンサーコンロ」をはじめとした安全型ガス機器の普及促進や、「都市ガス警報器」・「住宅用火災警報器」のPR強化を図るとともに、経年ガス管の更新を継続してまいります。災害対策としては、ポリエチレン管等の敷設等による供給設備の更なる耐震化および遠隔監視システムの機能強化のほか、事業継続を想定した部門横断的な災害訓練を定期的に実施し、災害時における対応力強化を図ります。
業務全般の効率化に資する取り組みとしては、引き続きRPA(Robotic Process Automation)をはじめとするICT(情報通信技術)を積極的に導入・活用することで、一層のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進に取り組んでまいります。
加えて、当社は、持続可能な社会の実現に向け、サステナビリティに関する取組み基本方針を定めるとともに、SDGs(持続可能な開発目標)の達成に向けて、ガス事業を通じて地域社会の発展に貢献してまいります。
なお、2021年8月に当社、JFEエンジニアリング株式会社、株式会社INPEXの3社が共同で設立した妙高グリーンエナジー株式会社は、妙高市よりガス事業を譲り受け、同時に上下水道事業の包括委託を受託し、2022年4月より事業運営を開始いたします。今後は、多様なエネルギー事業を通じてより一層のお客さまサービスの向上に努めてまいります。
なお、新型コロナウイルス感染症の拡大につきましては、「2 事業等のリスク (4)自然災害・事故等 ④自然災害・感染症の流行による影響」にも記載しておりますとおり、今後の感染症の拡大状況によっては業績に影響を与える可能性がありますものの、現時点において当社グループの事業運営に重要な影響を及ぼすものではないと考えております。ただし、感染症拡大の防止及びガス供給の継続の観点から、当社グループでは感染症予防の啓発や感染予防備品の備蓄及び活用、従業員の健康状況の把握・管理の徹底、分散勤務や在宅勤務などの対策を実施しながら、今後の感染症拡大の動向をふまえて必要な対応を進めてまいります。
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