当期の研究開発活動は、継続して、水・環境インフラの持続可能性(サステナビリティ)に寄与する技術開発に積極的に取り組んでおります。また、「中期経営計画2023」の目標達成に向けて、中長期的成長に不可欠な製品開発、ソリューション開発、新事業開発を推進しております。
研究開発体制は、当社の開発戦略委員会が研究開発方針や経営資源の配分決定等を統括し、当社の研究開発部門が個別の研究開発テーマを執行しております。
当連結会計年度における当社グループが支出した研究開発費は
セグメントごとの研究開発活動は次のとおりです。
(プラントエンジニアリング事業)
上下水道プラントの建設案件の受注拡大に向けた商品開発及び海外事業等の成長分野の事業拡大に向けた商品開発を活動方針としており、当社の持つ機械や電気に関する技術を融合させた、新しい差別化商品の開発を目的としております。
具体的には、固液分離技術、酸化処理技術、熱操作技術、計測制御技術、生物処理技術、ICT等の当社のコア技術を基に、新たな造水・水再生技術の開発、地球温暖化防止のための温室効果ガス排出削減及び省エネルギー技術の開発、監視制御技術の開発に取り組んでおります。
新たな造水・水再生に関する商品では、水道分野において、水源のカビ臭に対する新たな解決手段として、オゾン処理に過酸化水素を組み合わせた処理技術を開発しました。
温室効果ガス排出削減、省エネルギーに関する商品では、ICT・AIを活用した、下水高度処理の能力向上と省エネルギーを両立できる新しい処理システムの開発に取り組んでおり、国の実証評価を経て、本システムの導入ガイドラインが策定されました。
監視制御に関する商品では、監視制御システムの機能拡充開発、複数の監視制御設備間の接続・通信を大規模な改修を行うことなく実現する技術開発等を行い、EPC事業における電気分野の更なる競争力強化に取り組んでおります。
また、当社グループが開発した「流動タービン」「ディスク式特殊長毛ろ布ろ過装置」「初沈代替高速ろ過システム」は、日本下水道事業団(以下「JS」という。)との共同研究成果に基づき、JSの「新技術Ⅰ類」に選定されました。
当連結会計年度における研究開発費は
(サービスソリューション事業)
上下水道施設運転維持管理の第三者委託・包括委託案件の受注拡大を目指し、アセットマネジメントの合理化、維持管理費削減や保守・運転員の作業軽減を実現する新しい商品やサービス、さらに上下水道事業体の統合・広域化に対応したクラウド監視サービスなどの開発を目的としております。
当社のコア技術であるICTと機電融合技術を活用し、維持管理の省力化、安全性向上、運転者支援、設備延命化を実現する商品やサービスの開発、「WOODAP(注)」を実践するための新たなソリューション開発に取り組んでおります。
具体的には、「クラウド型プラットフォーム(WBC)」において、広域監視、画像監視、アセットマネジメント等の各種コンテンツの機能向上に取り組み、上下水道事業体及び運転管理事業者へ、より高付加価値なサービスの展開を図っております。また、現場作業の安全性を向上させる技術として、作業時に危険箇所に近づいてしまった場合、スマートフォンの警報と振動で作業員に危険を知らせる「危険個所アラームシステム」を開発し、運用を開始しました。
当連結会計年度における研究開発費は
(注)WOODAP(ウーダップ):災害時の早期復旧を核とした設計・建設、運営・維持管理の考え方
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