課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)会社の経営の基本方針

当企業グループでは以下の通り「ミッション」を定めております。

・日本文化の伝統を継承、発展させ、世界文化に貢献する。

・時代のニーズをとらえ、あらゆる世代に豊かで多様なコンテンツをお届けする。

 今後もこの「ミッション」に則り、お客様の要望に応える魅力あるコンテンツやサービスを提供し、また社外とのパートナーシップを促進して、株主の皆様に信頼され続ける企業グループたることを経営の基本方針として事業活動を進めて参ります。

(2)目標とする経営指標

 当企業グループの中核事業である劇場用映画及び演劇は予想と実績の乖離が大きく、このため特定の経営指標をもって経営目標とすることはせず、安定した収益基盤を着実に強化していくことが第一と認識しております。

(3)中長期的な会社の経営戦略及び会社の対処すべき課題

 世界的な新型コロナウイルス感染症の拡大が長期化し、わが国経済においても、感染症を取り巻く環境は日々変化しており、終息時期が不透明な状況が続くものと見込まれます。当企業グループを取り巻く経営環境についても、引き続き予断を許さない状況ではありますが、引き続き感染防止策を徹底することで2023年2月期における影響は限定的となると見込んでおります。

 このような状況の中、当企業グループは、事態の推移を考量する中で事業を展開し、あらゆる世代のお客様に喜んでいただき、心の支えとなる映像・演劇のコンテンツを、提供して参ります。

 中核部門である映像関連事業及び演劇事業においては、伝統を活かしつつ、変化するお客様の嗜好を取り込みながらも、質の高いコンテンツを継続的に製作します。これを多様な形で水平展開して、より多くのお客様に提供していくとともに、不動産事業他では、資産のより効率的な運用を行い、安定的で活力のある、収益性の高い企業グループを目指して参ります。

 映像関連事業の映画の製作・配給では、感染症の感染拡大を予防するためのガイドラインに基づき、スタッフ・キャストの安全のため感染対策を徹底して参ります。他社との連携等を進め、多様な製作・出資形態による作品調達を行いながら、お客様に喜ばれる質の高い自社映画の企画・製作に一層傾注し、利益率を高めて参ります。当企業グループの充実したライブラリーの更なる活用も重要なテーマであり、ブルーレイ、DVD等既存のパッケージは勿論、配信や海外利用等のライセンスビジネスにも活用し、収益機会を拡げて参ります。映画興行では、㈱松竹マルチプレックスシアターズにおいて、より一層の収益力強化に向けて経費削減と効率的運営に努めます。また、他社との差別化につながる設備の導入を進め、お客様に選ばれるシネコンを目指して今後もサービスの拡充に努めて参ります。

 演劇事業では、引き続き感染防止策を徹底しつつ、上演形態や日程等も工夫しながら興行して参ります。歌舞伎につきましては、質の高い古典の上演、新しい作品の創作を続け、一線級の俳優の至芸を見せるとともに、次代を担う俳優の活躍の場を一層広げて参ります。また海外公演についても引き続き力を注ぎ、日本が誇る伝統芸能を世界に向けて発信していきます。歌舞伎以外の一般演劇につきましても、製作・興行に意欲的に取り組んで参ります。歌舞伎やメトロポリタン・オペラを高画質・高音質で映像化し、上映する「シネマ歌舞伎」や「METライブビューイング」は、人気が定着してきましたが、ファン層の更なる拡大に向けて注力して参ります。

 不動産事業では、長引く感染症の影響も踏まえた、綿密なテナントコミュニケーションによって既存テナントとの良好な関係を構築するとともに、テナントの入れ替えにも柔軟に対応し、賃貸収益の確保に努めて参ります。また、長期的な収益向上策として、最大の拠点である東銀座のブランド価値を高め、将来の開発計画も見据えた街づくりの一環としてエリアマネジメントも推進し、地域の活性化や環境整備等に貢献する活動にも積極的に取り組んで参ります。業界の動向に係わる広範かつ的確な情報入手に一層注力し、また、テナント戦略に創意工夫しつつ、より一層の経費削減と効率的運用に努め、安定収益基盤の強化に取り組んで参ります。

 

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