業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

(経営成績の概況)

当連結会計年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症による厳しい状況が徐々に緩和されつつあるものの、景気の持ち直しに一部の弱さがみられ先行き不透明な状況が続いております。

映画業界におきましても、2021年の興行収入は1618億9千3百万円と、全国の劇場が一斉休業するなど新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けた前年からは回復がみられたものの、13.0%の増加にとどまりました。

このような情勢下にあって当社グループでは、緊急事態宣言により映画館や商業施設等の臨時休業・営業時間の短縮や座席販売の制限、演劇公演の中止・一部公演チケット販売の停止等をいたしましたが、一方で東宝配給作品「劇場版 呪術廻戦 0」等の大ヒットやTOHO animationレーベルの作品が業績に寄与いたしました。また、緊急事態宣言解除後も適切な感染予防の取り組みを講じたうえで、営業を継続した結果、営業収入は2283億6千7百万円(前年度比19.0%増)、営業利益は399億4千8百万円(同78.0%増)、経常利益は427億9千万円(同76.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は295億6千8百万円(同101.3%増)となりました。なお、新型コロナウイルス感染症の影響に伴う特例措置の適用を受けた雇用調整助成金及び国や地方自治体等からの助成金等を「助成金収入」として特別利益に、劇場や商業施設等の臨時休業期間中の人件費・借家料・減価償却費等ならびに中止した演劇公演に係る製作費等を「臨時休業による損失」として特別損失に計上しております。

セグメントごとの経営成績は以下のとおりです。

 

映画事業

映画営業事業では、東宝㈱において、共同製作や配給した作品のうち、「劇場版 呪術廻戦 0」「シン・エヴァンゲリオン劇場版」「名探偵コナン 緋色の弾丸」「竜とそばかすの姫」「マスカレード・ナイト」「僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ワールド ヒーローズ ミッション」が大ヒットを記録したほか、東和ピクチャーズ㈱との共同配給において「映画 モンスターハンター」や東宝東和㈱において「ワイルド・スピード/ジェットブレイク」「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」等を配給いたしました。これらの結果、映画営業事業の営業収入は40,439百万円(前年度比1.5%増)、営業利益は11,507百万円(同77.6%増)となりました。

なお、東宝㈱における映画営業部門・国際部門を合わせた収入は、内部振替額(4,316百万円、前年度比42.7%増)控除前で47,475百万円(同3.9%減)であり、その内訳は、国内配給収入が35,893百万円(同9.9%減)、製作出資に対する受取配分金収入が1,792百万円(同185.9%増)、輸出収入が3,706百万円(同84.1%増)、テレビ放映収入が869百万円(同36.3%減)、ビデオ収入が530百万円(同53.5%減)、配信その他の収入が4,684百万円(同5.5%増)でした。また、映画企画部門の収入は、内部振替額(842百万円、前年度比59.6%増)控除前で1,608百万円(同69.2%増)でした。

 

映画興行事業では、TOHOシネマズ㈱等において、緊急事態宣言により東京・大阪等での休館・営業時間短縮や座席販売の制限等を実施し、緊急事態宣言解除後も公開予定作品の延期やリバウンド防止措置対応など引き続き厳しい状況にありましたが、上記配給作品がヒットしたことや、前連結会計年度に比べ劇場の休館等の制約期間が短くなったこともあり、増収となりました。これらの結果、当連結会計年度における映画館入場者数は30,008千人と前年度比18.5%の増加となりました。映画興行事業の営業収入は57,673百万円(前年度比24.7%増)、営業利益は1,678百万円(前年度は1,100百万円の営業損失)となりました。

なお、当連結会計年度中の劇場の異動は、TOHOシネマズ㈱が11月17日に大阪府松原市「TOHOシネマズ セブンパーク天美」(10スクリーン)をオープンいたしました。これにより当企業集団の経営するスクリーン数は全国で10スクリーン増の712スクリーン(共同経営56スクリーンを含む)となっております。

映像事業では、TOHO animationレーベルの作品が各種事業において好調に推移いたしました。パッケージ事業において、TVアニメ「ウマ娘 プリティーダービー Season 2」が好調なセールスとなった他、TVアニメ「呪術廻戦」、「舞台『刀剣乱舞』天伝 蒼空の兵 大坂冬の陣」、映画「ゴジラvsコング」等を提供いたしました。アニメ製作事業におきましては、TVアニメ「呪術廻戦」「僕のヒーローアカデミア」「ゴジラ S.P〈シンギュラポイント〉」「ハイキュー!!」等の作品に加え、映画「僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ワールド ヒーローズ ミッション」「劇場版 呪術廻戦 0」に製作出資し、商品化権収入をはじめとした各種配分金収入により増収となりました。出版・商品事業では、劇場用パンフレット、キャラクターグッズにおいて、映画「名探偵コナン 緋色の弾丸」「僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ワールド ヒーローズ ミッション」「劇場版 呪術廻戦 0」、TVアニメ「呪術廻戦」の販売が伸長しました。TOHOスタジオ㈱では、制作及びスタジオ事業の一体運営を図り、順調に稼働しました。㈱東宝映像美術及び東宝舞台㈱では、映画やTV・CM等での舞台製作・美術製作やテーマパークにおける展示物の製作業務に関して、一部持ち直しの兆しがみえたものの、依然として厳しい状況にありました。これらの結果、映像事業の営業収入は46,667百万円(前年度比55.0%増)、営業利益は11,708百万円(同135.4%増)となりました。

なお、東宝㈱における映像事業部門の収入は、内部振替額(8,690百万円、前年度比90.8%増)控除前で44,211百万円(同60.2%増)であり、その内訳は、パッケージ事業収入が11,396百万円(同38.4%増)、出版・商品事業収入が4,789百万円(同8.8%増)、アニメ製作事業収入が26,154百万円(同103.2%増)、実写製作事業収入が966百万円(同32.9%減)、ODS事業収入が572百万円(同10.2%減)、その他の収入が331百万円(前年度に比べ331百万円増)でした。

以上の結果、映画事業全体では、営業収入は144,781百万円(前年度比24.6%増)、営業利益は24,894百万円(同140.5%増)となりました。

 

演劇事業

演劇事業では、緊急事態宣言が発出され、公演の中止や公演チケット販売の停止・払い戻し対応等を行いました。緊急事態宣言の解除後も感染症予防対策に努め公演いたしました。東宝㈱の帝国劇場におきまして「Endless SHOCK -Eternal-」「モーツァルト!」「レ・ミゼラブル」「王家の紋章」「DREAM BOYS」「ナイツ・テイル―騎士物語―」「マイ・フェア・レディ」「ABC座 ジャニーズ伝説2021 at IMPERIAL THEATRE」「JOHNNYS' Island THE NEW WORLD」「笑う男 The Eternal Love -永遠の愛-」「舞台『千と千尋の神隠し』」を上演、シアタークリエにおきましては「GHOST」「きみはいい人、チャーリー・ブラウン」「CLUB SEVEN ZERO Ⅲ」「SHOW BOY」「リトル・ショップ・オブ・ホラーズ」「VOICARION XIII~女王がいた客室~」「GREASE」「ガラスの動物園」「リトルプリンス」「SLAPSTICKS」「ピアフ」等を上演し、その他全国へと社外公演を行いました。また、東京建物 Brillia HALLにおきまして「マドモアゼル・モーツァルト」を上演したなど、前年度に比べ公演数の増加により、大幅増収となりました。東宝芸能㈱では、所属俳優がCM出演等で好調に推移しました。以上の結果、演劇事業の営業収入は15,157百万円(前年度比90.7%増)、営業利益は2,472百万円(前年度は1,066百万円の営業損失)となりました。

なお、東宝㈱における演劇事業部門の収入は、内部振替額(193百万円、前年度比7.8%増)控除前で13,011百万円(同109.0%増)であり、その内訳は、興行収入が10,020百万円(同89.7%増)、外部公演収入が2,708百万円(同250.8%増)、その他の収入が282百万円(同64.9%増)でした。

 

 

不動産事業

不動産賃貸事業では、オフィス市況の変化や商業施設の休館等で、引き続き厳しい状況下にありました。企業集団の保有する賃貸用不動産の空室率につきましては、0.3%台で推移いたしましたが、一時的なテナントの入れ替え等もあり減収となりました。不動産賃貸事業の営業収入は27,155百万円(前年度比2.7%減)、営業利益は11,733百万円(同4.8%減)となりました。なお、東宝㈱が2021年11月1日を効力発生日として、連結子会社の萬活土地起業㈱を吸収合併いたしました。

企業集団の固定資産の含み益については、2021年1月1日の固定資産課税台帳の固定資産税評価額を市場価額として、税効果を考慮した後の評価差額のうちの東宝の持分は約3461億円となっております。(当該含み益の開示は、「賃貸等不動産の時価等の開示に関する会計基準」に基づくものではなく、当会計基準とは別に、開示情報の充実性の観点から従来より引き続き自主的に行うものです。)

なお、東宝㈱における土地建物賃貸部門の収入は、内部振替額(785百万円、前年度比3.4%減)控除前で29,238百万円(同1.2%減)でした。

道路事業では、老朽化によるインフラ整備をはじめとする公共投資が堅調に推移するなか、スバル興業㈱と同社の連結子会社が、技術提案等を通じた積極的な営業活動により新規受注や既存工事の追加受注に努め、労務費・資機材価格の上昇傾向が継続する等、依然として予断を許さない状況が続きましたが、緊急応急業務にも迅速に対応すべく、安定した施工体制を堅持し収益の向上に努めました。その結果、道路事業の営業収入は28,977百万円(前年度比5.5%増)、営業利益は4,207百万円(同3.9%増)となりました。

不動産保守・管理事業では、東宝ビル管理㈱及び東宝ファシリティーズ㈱において、新規受注獲得の取り組みや経費削減に努めました。その結果、営業収入は9,699百万円(前年度比0.5%減)、営業利益は715百万円(同4.6%増)となりました。

以上の結果、不動産事業全体では、営業収入は65,832百万円(前年度比1.1%増)、営業利益は16,657百万円(同2.4%減)となっております。

 

その他事業

娯楽事業及び物販・飲食事業では、東宝共榮企業㈱の「東宝調布スポーツパーク」において利用者数が増加傾向にあり、好調に推移いたしました。TOHOリテール㈱の飲食店舗・劇場売店等においては、外食需要の厳しい状況が続き、休業や店舗の閉店をいたしました。その結果、その他事業の営業収入は2,596百万円(前年度比3.1%減)、営業損益は90百万円の損失(前年度は320百万円の営業損失)となりました。

 

(財政状態の概況)

当連結会計年度末における財政状態は、前連結会計年度末と比較して、総資産は28,727百万円増加し、502,532百万円となりました。これは主に、現先短期貸付金で5,999百万円、土地で13,818百万円、投資有価証券で8,490百万円の増加があったこと等によるものです。

負債では前連結会計年度末から8,558百万円増加し、93,351百万円となりました。これは未払金で764百万円の減少がありましたが、未払法人税等で7,493百万円、未払費用で1,329百万円増加したことによるものです。

純資産は前連結会計年度末と比較して20,169百万円増加し、409,181百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益29,568百万円の計上及び剰余金の配当6,205百万円による利益剰余金23,362百万円の増加の他に、自己株式の公開買付けによる取得等があり自己株式で4,940百万円の増加があったこと等によるものです。

 

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ6,513百万円増加し、92,341百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動による資金は、税金等調整前当期純利益が44,481百万円、減価償却費が8,951百万円、未払消費税等の増加が2,350百万円、法人税等の還付額が2,355百万円ありましたが、売上債権の増加が2,452百万円、法人税等の支払額が6,512百万円あったこと等により、53,460百万円の資金の増加(前年度比40,948百万円の増加)となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動による資金は、有価証券の売却による収入が71,700百万円ありましたが、有価証券の取得による支出が65,315百万円、有形固定資産の取得による支出が26,942百万円、投資有価証券の取得による支出が15,830百万円あったこと等により、36,030百万円の資金の減少(前年度比8,804百万円の減少)となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動による資金は、自己株式の取得による支出が5,790百万円、配当金の支払額が6,208百万円あったこと等により、12,482百万円の資金の減少(前年度比4,737百万円の増加)となりました。

 

 

③ 生産、受注及び販売の状況

当企業集団の事業について生産実績を定義することが困難なため「生産の状況」は記載しておりません。

a. 受注実績

 

セグメントの名称

受注高
(百万円)

前年同期比
(%)

受注残高
(百万円)

前年同期比
(%)

映画事業

3,035

4.3

231

9.7

演劇事業

不動産事業

27,452

9.3

6,479

25.6

その他事業

合計

30,487

8.8

6,711

25.0

 

(注) 1 当企業集団では映画事業に含まれる映像事業の内テーマパーク関連事業及び不動産事業に含まれる道路事業以外は、受注生産を行っておりません。

2 上記金額には消費税及び地方消費税は含まれておりません。

 

b. 販売実績

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年3月1日

至 2022年2月28日)

(百万円)

前年同期比(%)

映画事業

144,781

24.6

演劇事業

15,157

90.7

不動産事業

65,832

1.1

その他事業

2,596

△3.1

合計

228,367

19.0

 

(注) 1 上記金額には消費税及び地方消費税は含まれておりません。

2 当企業集団の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、重要性のある相手先がないため記載を省略しております。

  映画事業、演劇事業及びその他事業の販売の相手先は主に不特定の個人であり、不動産事業についても総販売実績の100分の10以上を占める相手先はありません。

3 映画事業の販売実績の内訳は、映画営業事業40,439百万円、映画興行事業57,673百万円、映画映像事業46,667百万円です。なお、映画営業事業の主なものは、当社の映画配給収入26,037百万円です。

 

(2) 経営者の視点による当該経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
1)  経営成績の分析

当連結会計年度における当社グループを巡る経営環境は、緊急事態宣言による映画館や商業施設等の臨時休業・営業時間の短縮や座席販売の制限、演劇公演の中止・一部公演チケット販売の停止など厳しい状況が続いておりましたが、前期に比べて制約期間が短縮し前年同期より営業時間や公演数について増加させることができました。そのような情勢下で、東宝配給作品「劇場版 呪術廻戦 0」等の大ヒットやTOHO animationレーベルの作品が業績に寄与したこと等により新型コロナウイルス感染症の影響が直撃した前期からは大幅な回復を見せ、当連結会計年度の営業収入は、前連結会計年度と比べ36,419百万円(19.0%)増収の228,367百万円、営業利益は、前連結会計年度と比べ17,500百万円(78.0%)増益の39,948百万円となり、前回の中期経営戦略で「巡航高度」として掲げた連結営業利益400億円に迫る結果となりました。

現時点でも、収束が見えない新型コロナウイルス感染症に加え、地政学的リスクの高まりを受けた世界経済の混乱がもたらす様々な影響が懸念され、先行きの見通しは不透明感を増しておりますが、「TOHO VISION 2032 東宝グループ経営戦略」に基づいた取り組みを着実に推進してまいります。

 

(a) 営業収入

当連結会計年度の営業収入は、前連結会計年度と比べ36,419百万円(19.0%)増収の228,367百万円となりました。

(b) 営業原価、販売費及び一般管理費

当連結会計年度の営業原価は、前連結会計年度と比べ10,041百万円(8.1%)増加の133,527百万円となりました。

販売費及び一般管理費は、前連結会計年度と比べ8,877百万円(19.3%)増加の54,891百万円となりました。これは広告宣伝費が3,240百万円、人件費が1,774百万円、借地借家料が987百万円それぞれ増加したこと等によるものであります。

(c) 営業利益

当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度と比べ17,500百万円(78.0%)増加の39,948百万円となりました。その内訳は、「映画事業」で前連結会計年度と比べ14,542百万円(140.5%)増益の24,894百万円、「演劇事業」で前連結会計年度と比べ3,538百万円増益の2,472百万円、「不動産事業」で前連結会計年度と比べ405百万円(2.4%)減益の16,657百万円、「その他事業」では前連結会計年度と比べ230百万円増益の90百万円の営業損失でした。

 

なお、上記事項を含む報告セグメントごとの詳細については、「第2[事業の状況]3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1) 経営成績等の状況の概要」に記載しております。

 

(d) 営業外収益、営業外費用及び経常利益

当連結会計年度の営業外収益は、前連結会計年度と比べ903百万円(46.6%)増加の2,911百万円となりました。これは主として、為替差益が前連結会計年度に比べ858百万円増加したこと等によるものであります。

また、営業外費用は、前連結会計年度と比べ190百万円(73.2%)減少の69百万円となりました。これは主として、為替差損が前連結会計年度に比べ179百万円減少したこと等によるものであります。

この結果、当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度と比べ18,594百万円(76.9%)増加の42,790百万円となりました。

 

(e) 特別利益、特別損失

当連結会計年度の特別利益は、前連結会計年度と比べて1,232百万円(46.6%)増加の3,875百万円となりました。これは投資有価証券売却益が前連結会計年度と比べ626百万円減少しましたが、助成金収入が前連結会計年度に比べ2,917百万円増加したことによるものであります。

特別損失は、前連結会計年度と比べ915百万円減少の2,184百万円となりました。これは当連結会計年度に固定資産解体費用を1,186百万円計上しましたが、前連結会計年度と比べ臨時休業による損失が1,662百万円減少したこと等によるものであります。

(f) 親会社株主に帰属する当期純利益

当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、法人税、住民税及び事業税13,489百万円、法人税等調整額△46百万円、非支配株主に帰属する当期純利益1,470百万円を計上し、前連結会計年度と比べ14,879百万円(101.3%)増加の29,568百万円となりました。1株当たり当期純利益は、前連結会計年度の82.54円から167.24円に増加しました。

 
2)  財政状態の分析
(a) 資産

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比べ28,727百万円(6.1%)増加して502,532百万円となりました。

流動資産は、前連結会計年度末と比べ3,838百万円(2.1%)増加して187,866百万円となりました。このうち、前連結会計年度末と比べ現先短期貸付金は5,999百万円(12.5%)増加し53,999百万円、受取手形及び売掛金が2,506百万円(12.3%)増加し22,852百万円となりました。

有形固定資産は、前連結会計年度末と比べ18,238百万円(12.0%)増加の169,865百万円となりました。このうち、前連結会計年度末と比べ、土地取得等により13,818百万円(22.4%)増加し75,438百万円、建設仮勘定が3,347百万円(158.9%)増加し5,453百万円となりました。

無形固定資産は、前連結会計年度末と比べ679百万円(11.2%)減少の5,386百万円となりました。

投資その他の資産は、前連結会計年度末と比べ7,330百万円(5.5%)増加し139,413百万円となりました。これは主に、投資有価証券が前連結会計年度末と比べ8,490百万円(7.5%)増加し121,891百万円となったこと等によるものであります。

(b) 負債

当連結会計年度末の流動負債及び固定負債合計額は、前連結会計年度末と比ベ8,558百万円(10.1%)増加の93,351百万円となりました。

流動負債は、前連結会計年度末と比べ8,058百万円(10.1%)増加の47,531百万円となりました。このうち、前連結会計年度末と比べて、未払法人税等が7,493百万円(331.7%)増加して9,751百万円、未払費用が1,329百万円(47.3%)増加して4,136百万円となりました。

固定負債は、前連結会計年度末と比べて500百万円(1.1%)増加して45,819百万円となりました。これは主に長期預り保証金が390百万円(1.7%)増加して22,991百万円となりました。

(c) 純資産

当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末と比べて20,169百万円(5.2%)増加し、409,181百万円となりました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益29,568百万円の計上及び剰余金の配当6,205百万円により前連結会計年度末と比べて利益剰余金が23,362百万円(6.5%)増加、自己株式の公開買付けによる取得等があり自己株式が4,940百万円(20.8%)増加したこと等によるものであります。なお、当連結会計年度末の自己資本比率は、前連結会計年度末と比べ0.6ポイント減少し、78.7%となりました。

 

 

キャッシュ・フローの状況の分析・資本の財源及び資金の流動性に係る情報

キャッシュ・フローの分析につきましては、「第2[事業の状況]3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しているとおりであります。

(財務戦略の基本的な考え方)

当社グループは、持続的な成長と企業価値の向上を進めるにあたり、事業運営上必要な運転資金、設備投資等の資金は、自己資金を原則としており、不確実性が高い事業を運営するため、十分な手許資金が必要であると考えております。そのためグループ内の資金効率を向上させるべく、当社は、資金余剰が生じている子会社から借り入れる一方、資金需要のある子会社に対しては、貸付を行うことがあります。当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高92,341百万円に対し、有利子負債(リース債務含む)残高は2,205百万円と、自己資金での投資余力を高いレベルで維持しております。

(資金需要の内容及び経営資源の配分)

当社グループの資金需要の主な内容は、営業活動の支出として、劇場用映画の製作、出資やシネコンの運営資金、新規事業場の開設費、演劇興行における運営資金、製作費等及び不動産事業における設備投資及び物件の新規取得費等であります。戦略的に経営資源を配分し成長分野への投資を促進し、持続的な企業価値向上と長期的・安定的な株主還元の充実に努めております。

(資金調達)

短期的・中長期的な投資資金については、自己資金で賄うことを前提としており、中長期的な投資資金については、事業機会に即した資金調達の安定性向上に努めており、財務健全性や資金調達手段の多様化を考慮し、高い信用格付の維持向上を目指して、㈱格付投資情報センターより「AA-」の格付を取得しております。

なお、事業環境の変化を慎重に見極め、今後の経営課題に柔軟に対応するため、機動的な資金調達に努めております。

 

重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5[経理の状況]1[連結財務諸表等](1)[連結財務諸表][注記事項](重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

経営成績に重要な影響を与える要因

「第2[事業の状況]2[事業等のリスク]」に記載のとおりであります。

 

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