(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における連結経営成績は以下のとおりであります。
当社グループは、日本の経営コンサルティングのパイオニアである株式会社タナベ経営、株式会社リーディング・ソリューション、グローウィン・パートナーズ株式会社、そして2021年12月に、新たにグループインした株式会社ジェイスリーで構成されます。これらTCG総人員550名を超えるプロフェッショナルがチームとなり、大企業から中堅企業のトップマネジメント(経営者層)を主要顧客に、あらゆる経営コンサルティングサービスを提供しております。
また、2030年に向けて持続的成長及び企業価値の向上を加速させるために、「One&Only 世界で唯一無二の新しい経営コンサルティンググループ TCGの創造」をビジョンとする中期経営計画(2021~2025)「TCG Future Vision 2030」を策定し、従来得意としてきた経営コンサルティングにおける戦略策定支援(上流工程)をアップデートしていくと共に、現場におけるマネジメント実装・オペレーション支援(中流工程から下流工程)もデジタル技術を駆使する「プロフェッショナルDXサービス」として強化し、企業経営を一気通貫で支援できる唯一無二の「経営コンサルティング・バリューチェーン」の構築を推進しております。
当連結会計年度においては、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種等のウィズコロナ対策による社会経済活動の持ち直しに伴い、企業の経営課題・コンサルティングニーズが一層、明確化してまいりました。このような環境下で感染防止対策を推進しながら、全国主要都市10地域に常駐するBusiness Doctors(コンサルタント)が全国の経営者・リーダーに寄り添い、新たなビジョン・成長戦略の構築やM&A・事業承継、DX等の経営コンサルティングサービスを提供することにより、TCG全体で企業と社会の課題解決に貢献してまいりました。
結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高105億72百万円(対前期増減率+14.7%)、営業利益9億26百万円(対前期増減率+23.2%)、経常利益9億31百万円(対前期増減率+20.7%)、親会社株主に帰属する当期純利益6億4百万円(対前期増減率+21.2%)となりました。
なお、当連結会計年度より、当社グループの多角的なコンサルティング事業の成果に対する理解に資するべく、報告セグメントを単一セグメントに変更し、セグメント別の記載から<経営コンサルティング領域別の売上高分析>の記載としております。また、当連結会計年度の連結財務諸表作成にあたり、株式会社ジェイスリーの11月から3月の5ヶ月分の業績を連結しております。
(単位:千円)
|
2021年3月期 連結会計年度 |
2022年3月期 連結会計年度 |
対前期 増減額 |
対前期 増減率 |
売上高 |
9,213,533 |
10,572,179 |
+1,358,646 |
+14.7% |
売上総利益 |
4,107,572 |
4,785,989 |
+678,416 |
+16.5% |
売上総利益率 |
44.6% |
45.3% |
+0.7pt |
- |
販売費及び一般管理費 |
3,355,920 |
3,859,671 |
+503,751 |
+15.0% |
営業利益 |
751,652 |
926,317 |
+174,664 |
+23.2% |
営業利益率 |
8.2% |
8.8% |
+0.6pt |
- |
経常利益 |
771,820 |
931,607 |
+159,787 |
+20.7% |
税金等調整前当期純利益 |
828,230 |
935,169 |
+106,939 |
+12.9% |
当期純利益 |
537,118 |
622,640 |
+85,522 |
+15.9% |
親会社株主に帰属する当期純利益 |
498,469 |
604,311 |
+105,842 |
+21.2% |
<経営コンサルティング領域別の売上高分析>
当社グループの経営コンサルティング領域別売上高の概況は次のとおりであります。
(単位:千円)
経営コンサルティング領域 |
内容 |
2021年3月期 連結会計年度 |
2022年3月期 連結会計年度 |
対前期 増減額 |
対前期 増減率 |
戦略コンサルティング |
ドメイン&ファンクション、HR、M&Aアライアンス、リージョンに係るチームコンサルティング等
|
5,011,706 |
5,940,362 |
+928,655 |
+18.5% |
DXコンサルティング |
デジタルマーケティング、マネジメントDX、ブランディングDX、マーケティングDX、FCCアカデミークラウド(デジタル教育コンテンツ)等
|
630,341 |
1,308,644 |
+678,303 |
+107.6% |
ブランド&デザイン コンサルティング |
マーケティング戦略の立案、ブランディング、CXデザイン、クリエイティブ、Webプロモーション等
|
2,211,478 |
2,594,193 |
+382,714 |
+17.3% |
セールス プロモーション商品 |
イベント等のセールスプロモーション活動に用いる仕入商品等の販売とブルーダイアリー(手帳)やカレンダー等
|
1,360,006 |
728,979 |
△631,027 |
△46.4% |
計 |
― |
9,213,533 |
10,572,179 |
+1,358,646 |
+14.7% |
【戦略コンサルティング】
戦略コンサルティングの当連結会計年度の売上高は、59億40百万円(対前期増減額+9億28百万円、対前期増減率+18.5%)となりました。
・ドメイン&ファンクションコンサルティング
業種別・事業別のビジネスモデル構築や組織開発等の戦略デザイン、グループ経営体制の構築や事業承継・資本政策等のコーポレートファイナンス、ビジネスプロセス等の改革を支援しております。
「中長期ビジョンの構築・推進」「ビジネスモデル・成長戦略の構築」を主として、「SDGsビジネス」「海外展開・海外撤退戦略」「収益構造の見直し(サプライチェーン見直しも含む)」等のニーズも高く、全体のチームコンサルティング契約数が伸長いたしました。
・HRコンサルティング
人材採用、育成、活躍、定着等のHR(人的資源)に関する課題解決をワンストップで支援しております。
「人事制度再構築(働き方改革・ジョブ型雇用等)」「FCCアカデミー(企業内大学)設立」等、当社独自のHR領域のマーケティングサイトも通じた大企業や上場企業からのニーズが増加し、全体のチームコンサルティング契約数が伸長いたしました。また、2021年6月に配信した「ファーストコールカンパニーフォーラム2021-DX価値を実装する」(オンデマンド開催)では約1,900名、2021年11月に全国で開催した「経営戦略セミナー2022-One&Only戦略」(リアルとオンラインのハイブリッド開催)では約2,700名の経営者・経営幹部がご参加されました。
・M&Aアライアンスコンサルティング
クロスボーダーも含むM&A戦略の立案から、ターゲット選定、アドバイザリー、デューデリジェンス、PMI(経営統合)までをワンストップで支援しております。
当社のM&Aコンサルティングの好調に加え、2021年1月に連結子会社となったグローウィン・パートナーズ株式会社の当該分野の売上高を新たに追加しており、同社における大型案件成約もあり、グループ全体で伸長いたしました。アライアンスコンサルティングにおいても、大手金融機関等との連携が加速し、顧客創造が好調に推移いたしました。
・リージョナルコンサルティング
北海道・東北・新潟・北陸・中四国・沖縄の各地域にコンサルタントが常駐し、地域密着でドメイン&ファンクションやHR、DXに関する課題解決を支援しております。
新型コロナウイルス感染症の影響下でも地域密着モデルの強みが発揮され、いずれの地域においても、大企業や優良中堅企業との契約が増加し、好調に推移いたしました。「ドメイン&ファンクションコンサルティング」「HRコンサルティング」「DXコンサルティング」における記載と同様のテーマを主として、全体のチームコンサルティング契約数が伸長いたしました。
【DXコンサルティング】
DXコンサルティングの当連結会計年度の売上高は、13億8百万円(対前期増減額+6億78百万円、対前期増減率+107.6%)となりました。
顧客企業の4つのDX領域(ビジネスDX・マーケティングDX・HRDX・マネジメントDX)を網羅し、支援しております。
デジタル技術を活用したマーケティング戦略の策定から実装・改善までのワンストップコンサルティングに加え、IT構想化支援(上流工程)やERP導入等のバックオフィス業務のデジタルシフト支援(中流工程から下流工程)が拡大し、売上高が伸長いたしました。また、新たに開発した「建設業DXCloudコンサルティング」(バックオフィス業務の標準化からERP導入、導入後の推進体制構築までをトータル支援し、建設業のDXを実現)や「Management Experience Online(MX Online)」(企業価値を最大化する経営計画・戦略の立案から意思決定まで、経営を疑似体験できるオンライン企業戦略ゲーム)のニーズも増えております。
なお、2021年1月に連結子会社となったグローウィン・パートナーズ株式会社の当該分野における通期売上高と、2021年12月(みなし取得日2021年10月31日)に新たに連結子会社となった株式会社ジェイスリーの11月から3月の5ヶ月分の売上高を追加しております。
【ブランド&デザインコンサルティング】
ブランド&デザインコンサルティングの当連結会計年度の売上高は、25億94百万円(対前期増減額+3億82百万円、対前期増減率+17.3%)となりました。
マーケティング戦略の立案からブランディング、CXデザイン、クリエイティブ、Webプロモーション等を支援するチームコンサルティングサービスであります。
前連結会計年度と同様、イベント等の中止や延期が影響いたしましたが、注力してきた好調業界向けのブランディング、大企業向けのSNSマーケティング、Webプロモーション等のチームコンサルティング契約数やCXデザイン、クリエイティブの案件数が増加し、売上高は伸長いたしました。
【セールスプロモーション商品(注)】
セールスプロモーション商品の当連結会計年度の売上高は、7億28百万円(対前期増減額△6億31百万円、対前期増減率△46.4%)となりました。
イベント等のプロモーション活動に用いる仕入商品等の販売に加え、ブルーダイアリー(手帳)やカレンダー等の販売を含みます。
前連結会計年度における感染防止対策商品の特需の反動減や各種イベント等の中止に伴うプロモーション商品全般の減少により、大幅に減収となりました。
(注)1.前連結会計年度において、新型コロナウイルス感染症の影響により品薄となっていた感染防止対策商品の販売をマーケティングコンサルティング本部全体で展開いたしました。これにより、前連結会計年度においてはブランド&デザインコンサルティングにも一部特需による売上高が含まれておりました。当連結会計年度より見直した経営コンサルティング領域の定義に従い、感染防止対策商品をセールスプロモーション商品に含めて集計した上で、前連結会計年度の売上高を算出し、対前期増減額及び対前期増減率を算出しております。
2.前連結会計年度のセールスプロモーション商品における感染防止対策商品の特需売上高は6億17百万円でしたが、当該商品の当連結会計年度における同売上高は73百万円と大幅に減少しております。
<その他の事業活動>
企業や社会の課題を解決するコンサルティングメソッドを常に開発し続けており、結果、新しいチームコンサルティングブランド(TCB)サービスとして、「SDGsビジネスコンサルティング」「デシジョンマネジメントシステム構築コンサルティング」「海外事業 戦略的撤退支援コンサルティング」「プロダクトデザインコンサルティング(住宅関連企業向け)」「建設業DXCloudコンサルティング」等の提供を開始いたしました。
グループ全体のマーケティング戦略として、「HR領域のマーケティングサイト」に続き、「事業承継・M&A領域のマーケティングサイト」も独自に立ち上げ、これらマーケティングサイトからのリード情報も全国で増加いたしました。また、見込み顧客獲得のための大型無料Web説明会を9本開催して合計1,200名以上の方々にご参加いただき、他にグループ企業連携でのDXやクロスボーダーM&Aをテーマとした共催説明会も好評であり、顧客創造にもプラスに働きました。
コーポレート戦略としては、引き続きデジタルツールに積極投資して社内外のコミュニケーション円滑化と生産性向上を図ると共に、新型コロナウイルス感染症の感染対策も徹底してまいりました。また、デジタル教育コンテンツを用いた「TCGアカデミー」によるプロフェッショナル人材の育成を継続することに加え、ERP(統合型基幹業務システム)の活用により経営活動の効率化や業績管理の高度化、顧客創造活動の向上を実現し、商品・サービスのブランディング・PRも積極的に実施してまいりました。
資本・株式政策としては、株主の持株数に応じた株主還元が適切であると判断して株主優待制度を廃止し、廃止に伴う増配を発表・計画しております。また、中期経営計画(2021~2025)「TCG Future Vision 2030」に掲げる業績目標達成への意識と企業価値の向上への貢献意欲を従来以上に高めるため、取締役(監査等委員である取締役及び社外取締役を除く。)に対して、譲渡制限付株式報酬制度を導入いたしました。加えて、株式流動性の向上を目的に、2021年9月30日を基準日として、同日最終の株主名簿に記載又は記録された株主の所有する普通株式1株を2株に分割すると共に、株主への利益還元の機会を充実させるため、従来の年1回の期末配当に加え、2021年9月30日を基準日に中間配当を実施いたしました。また、株式会社東京証券取引所の市場区分見直しに関して、当社グループはプライム市場を選択する申請書を提出して承認をいただき、2022年4月4日より同市場へ移行しております。
②キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報」に記載のとおりであります。
③仕入及び売上実績
ⅰ.仕入実績
当連結会計年度の仕入実績を示すと、次のとおりであります。
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
対前期増減率(%) |
金額(千円) |
|
2,353,328 |
△6.4 |
(注)1.当社グループは単一セグメントであるため、グループ全体の仕入実績を記載しております。
2.仕入品目が複雑多岐にわたるため数量表示は省略しております。
3.仕入金額には原材料費を含んでおります。
ブルーダイアリー(手帳)は特定の仕入先より購入しておりますが、当社は原材料(手帳用紙)をこれら各社に無償で支給し、各社は当社の指示する仕様に基づいて加工製本を行い、当社に商品として納入しております。なお、仕入先各社とは、当社の仕様による商品を第三者には販売しない旨の契約を締結しております。
ⅱ.売上実績
当連結会計年度の売上実績を経営コンサルティング領域ごとに示すと、次のとおりであります。
|
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
|
対前期増減率(%) |
金額(千円) |
||
戦略コンサルティング |
5,940,362 |
+18.5 |
DXコンサルティング |
1,308,644 |
+107.6 |
ブランド&デザインコンサルティング |
2,594,193 |
+17.3 |
セールスプロモーション商品 |
728,979 |
△46.4 |
合計 |
10,572,179 |
+14.7 |
(注)サービス・商品の内容が多岐にわたるため、数量表示は省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
1)財政状態
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は、138億24百万円となり、前連結会計年度末比4億18百万円増加いたしました。
流動資産は93億29百万円となり、前連結会計年度末比4億39百万円増加いたしました。主な要因は、有価証券が減少した一方で、現金及び預金や売掛金が増加したためであります。
固定資産は44億95百万円となり、前連結会計年度末比20百万円減少いたしました。主な要因は、退職給付に係る資産が増加した一方で、長期預金が減少したためであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は、23億7百万円となり、前連結会計年度末比3億32百万円増加いたしました。
流動負債は18億56百万円となり、前連結会計年度末比4億37百万円増加いたしました。主な要因は、前受金や未払法人税等が増加したためであります。
固定負債は4億51百万円となり、前連結会計年度末比1億5百万円減少いたしました。主な要因は、役員退職慰労引当金が減少したためであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は、115億17百万円となり、前連結会計年度末比86百万円増加いたしました。主な要因は、剰余金の配当を行った一方で、親会社株主に帰属する当期純利益を計上したことによるものであります。
2)経営成績
(売上高)
当連結会計年度の売上高の概況は、「第2 事業の状況 3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(売上原価)
当連結会計年度の売上原価は、57億86百万円となりました。
(売上総利益)
当連結会計年度の売上高から売上原価を控除した売上総利益は47億85百万円となり、売上総利益率は45.3%となりました。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、38億59百万円となりました。主な内訳は、給料及び手当12億97百万円、役員報酬3億73百万円、地代家賃3億33百万円、支払手数料1億66百万円、人材募集費1億45百万円です。
(営業利益)
売上総利益から販売費及び一般管理費を控除した営業利益は9億26百万円となり、売上高営業利益率は8.8%となりました。
(営業外収益・費用)
営業外損益は、純額5百万円の利益となりました。
(経常利益)
営業利益に営業外収益・費用を加減算した経常利益は9億31百万円となり、売上高経常利益率は8.8%となりました。
(特別利益・損失)
特別損益は、債務保証損失引当金戻入額7百万円や固定資産除売却損5百万円により、3百万円の利益となりました。
(税金等調整前当期純利益)
経常利益から特別利益・損失を加減算した税金等調整前当期純利益は、9億35百万円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額の合計が3億12百万円となった結果、親会社株主に帰属する当期純利益は6億4百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は73億99百万円となり、前連結会計年度末比6億20百万円増加いたしました。
なお、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、6億19百万円の収入(前連結会計年度は2億23百万円の収入)となりました。
これは、売上債権の増加2億10百万円、役員退職慰労引当金の減少2億8百万円等の減少要因があった一方で、税金等調整前当期純利益9億35百万円の計上等の増加要因があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、6億19百万円の収入(前連結会計年度は14億26百万円の収入)となりました。
これは、有価証券の取得による支出36億99百万円等の減少要因があった一方で、有価証券の売却及び償還による収入41億99百万円、定期預金の払戻による収入1億円等の増加要因があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、6億19百万円の支出(前連結会計年度は4億8百万円の支出)となりました。
これは、配当金の支払額4億90百万円等の減少要因があったことによるものです。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、事業活動のための適切な資金を確保し、資金の流動性を維持すると共に、健全な財政状態を目指すための安定的な営業キャッシュ・フローの創出が資本財源の最優先事項と考えております。
当社グループにおいては、大きく分けて運転資金と設備投資、及びM&Aを含む事業領域拡大のための資金需要があり、主に自己資金を充当しております。運転資金需要の主なものは、コンサルタントの人件費やセミナー等を開催する際の会場費、デザインプロモーション商品等の商品仕入、ブルーダイアリー(手帳)等の生産のための原材料仕入やそれらに係る外注加工費と、事務所の維持費(家賃)や新規採用・育成に関わる人材募集費等の管理費があります。また、設備投資需要の主なものは、事務所の建物附属設備、情報システム関連や器具備品等の固定資産購入によるものであります。さらに、「C&C(コンサルティング&コングロマリット)戦略」推進のため、M&Aを含む事業投資を積極的に行っていく方針であり、既存事業で得た自己資金を新たな事業領域の拡大のために活用してまいります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者により一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りに不確実性が伴うため、実際の結果は、これらとは異なることがあります。
以下の会計方針が当社グループの連結財務諸表の作成において使用される重要な見積りと判断に大きな影響を及ぼすものと認識しております。
a.のれん
のれんの減損については、少なくとも1年に一回、又は事業環境や将来の業績見通しの悪化、事業戦略の変化等、減損の兆候が発生した場合に減損の判定を行っております。報告単位の公正価値を評価し、公正価値が報告単位の帳簿価額を下回っていると判断される場合には、その下回る額について減損損失として計上することになります。
b.繰延税金資産
繰延税金資産については、将来の利益計画に基づく課税所得の十分性を慎重に検討し、回収可能性を判断した上で計上しております。繰延税金資産の回収可能性は、将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積額が減少した場合は、繰延税金資産が減額され、税金費用が計上される可能性があります。
c.固定資産の減損
「固定資産の減損に係る会計基準」(「固定資産の減損に係る会計基準の設定に関する意見書」(企業会計審議会 平成14年8月9日))及び「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第6号 平成15年10月31日)を適用しています。減損を判定する際のグルーピングは各事業所単位で行い、減損の兆候が認められる場合は、各事業所単位の将来キャッシュ・フローの見積りに基づいて行っております。
将来キャッシュ・フロー及び回収可能価額の見積りは合理的であると考えておりますが、将来の予測不能なビジネスの前提条件の変化によって見積りが変更されることにより、将来キャッシュ・フローや回収可能価額が減少し、減損損失が発生する可能性があります。
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