有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、重要性等が高いと考えられる項目から記載しております。
(1) コンサルタント人材について
当社グループでは、顧客企業ごとの経営課題に応じて複数名の最適なコンサルタントがチームを組成する「チームコンサルティング」を提供しており、特定のコンサルタントへの業務・ノウハウの属人化を避けております。しかし万一、人材の大量流出が発生した場合や顧客の評価を得られる人材の採用及び育成・活躍・定着が進まない場合には事業拡大の制約となり、経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
前記のリスクの顕在化を避けるために、採用においては採用ブランディング投資等により新卒採用とキャリア採用を共に強化しており、育成においてはオンラインで場所と時間を選ばず学習できるデジタル教育コンテンツを用いてコンサルタントを養成する「TCGアカデミー」により、新入社員の早期戦力化を推進しております。活躍においては「ファーストコールカンパニー 100年先も一番に選ばれる会社(FCC)」の創出がコンサルタント個人の成果へと反映される人事制度によりモチベーションアップ・パフォーマンスアップを推進すると共に、積極的なスマートDX投資により労働環境等も整備し、コンサルタントが活躍できる体制を強化しております。そして、定着においては各コンサルタントがグレード・キャリア・ライフステージ等に応じて長く活躍できる制度等を構築しております。
(2) 顧客情報管理について
当社グループでは、提携先やコンサルティングを通じて顧客から得た機密情報の他に、過去に当社グループと取引を行った企業に関する情報を収集、整理し顧客情報として管理しております。万一、外部からの不正手段によるコンピュータ内への侵入や会社関係者の過誤等により、機密情報や顧客情報が漏洩し、信用の低下を招いた場合、経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
前記のリスクの顕在化を避けるために、「情報管理」を経営の最重要事項の一つと位置付け、情報管理体制の強化、情報管理に対する社内啓発及び意識向上の活動を推進する等、様々な角度から顧客情報及び機密情報の漏洩防止策を検討し実行しております。また、社内では個人情報保護規則、情報システム管理規則及び情報システム利用者規則等に則した情報管理に関する社員への意識付けを行うと共に、インサイダー取引に関する教育を実施し、データを取り扱う外部委託先に対して秘密保持の契約を取り交わしております。
(3) グループ企業管理について
当社グループでは、「コンサルティング」により顧客課題・社会的課題を解決することを通じて、持続的な成長及び中長期的な企業価値の向上を実現するために、「C&C(コンサルティング&コングロマリット)戦略」(経営コンサルティング領域の多角化)を推進しており、M&Aを重要な戦略オプションの1つと位置付けております。
しかしながら、M&Aによるグループ企業の急速な拡大により、グループ経営管理において問題が生じる場合には、適切な事業運営が困難となり、経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
前記のリスクの顕在化を避けるために、当社取締役や幹部従業員をグループ企業の役員として派遣し、適切に監督を行っております。また、コーポレート本部も関係各部門と連携し、グループ企業の取締役会・経営会議等に出席して営業成績及びそれに係る重要事項等について定期的に報告を受け、進捗を当社取締役会及び経営会議にて確認する等、適切なグループ企業管理を実施しております。
(4) 季節変動について
マーケティングコンサルティング本部において、ブルーダイアリー(手帳)の売上が第3四半期連結会計期間に集中することから、例年の傾向として同期間における売上高及び利益が増加する傾向にあり、通期の業績に占める第3四半期連結会計期間の比重が高くなっております。このため、特定の四半期業績のみをもって当社グループの通期業績見通しを判断することは困難な状態にあります。
なお、前連結会計年度及び当連結会計年度における四半期別の売上高及び営業利益の推移は下表のとおりであります。
|
前連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
||||
|
第1四半期 |
第2四半期 |
第3四半期 |
第4四半期 |
合計 |
売上高(千円) |
2,000,432 |
1,993,522 |
2,909,231 |
2,310,347 |
9,213,533 |
構成比(%) |
21.7 |
21.6 |
31.6 |
25.1 |
100.0 |
営業利益(千円) |
41,836 |
114,861 |
392,300 |
202,654 |
751,652 |
|
当連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
||||
|
第1四半期 |
第2四半期 |
第3四半期 |
第4四半期 |
合計 |
売上高(千円) |
2,128,366 |
2,408,303 |
3,394,193 |
2,641,316 |
10,572,179 |
構成比(%) |
20.1 |
22.8 |
32.1 |
25.0 |
100.0 |
営業利益(千円) |
78,317 |
218,080 |
466,612 |
163,307 |
926,317 |
(5) 手帳の生産委託について
当社グループの販売しているブルーダイアリー(手帳)は、当社仕様による生産指示のもとで、原材料の一部を支給し、加工(製本等)は特定の外部における加工業者に委託しております。
委託先において生産が出来ない事態が発生した場合、又は大規模な地震やその他の災害が発生し、委託先の生産設備等が被害を被った場合に備え、代替できる加工場を有しております。しかしながら、万一、当該事象が7月以降に発生した場合、代替できる加工場で十分な生産を出来ない場合には、商品の特性上、業界全てにおいて生産時期が7月から12月頃に集中しているために、代替できる加工場以外の新たな加工場を早急に確保することは困難な状況にあります。このような事態が発生した場合には、受注した商品の販売ができなくなるため、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 重大な不良品の発生について
マーケティングコンサルティング本部において、外部の加工業者に委託して商品と手帳を製造し、顧客や一般消費者に提供しております。不良品の発生防止のため、品質管理、生産管理等には十分注意しておりますが、何らかの事情により不良品が発生した場合、値引きや製品の再生産、再検品、回収、廃棄等の負担が発生し、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(7) システムトラブルについて
当社グループでは、FCCアカデミー会員向けに、クラウドシステムを通じて各種の教育コンテンツを提供しております。通常の運用において、想定されるシステム障害に対する対応策(外部アクセス制御、認証、ウイルスチェック、データのバックアップ等)と障害時の復旧体制を講じており、システムへの信頼性向上に努めております。
万一、災害や停電等で通信ネットワークにシステム障害が発生し、それが長期化した場合、教育コンテンツの提供ができず、顧客の離反を招き、経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 法的規制等について
①経営コンサルティング本部
現在のところ、特に関係省庁の許認可等の制限を受けることはありませんが、今後、法令等の制定改廃により何らかの制限を受けることとなった場合、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
②マーケティングコンサルティング本部
a.製造物責任法(PL法)について
商品の欠陥が理由で事故が生じた場合、商品の種類によっては製造物責任法(PL法)により損害賠償請求を受ける可能性があります。当社グループでは、このような事故が生じないように、仕入先の管理を含め品質管理体制の整備に注力すると共に、万一、事故が生じた時のために、製造物賠償責任保険(PL保険)に加入しております。もし当該法律に抵触する事態が生じた場合、顧客企業からの信用及び社会的信用の失墜等により、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
b.著作権等の第三者の知的財産権の侵害について
マーケティングコンサルティング本部が取り扱う商品について、当該商品が著作権等の第三者の知的財産権を侵害する可能性があるため、商品を提案する際には知的財産権の有無を確認する必要があります。当社グループでは、知的財産権に係る調査を行うことで、取り扱う商品が、第三者の知的財産権を侵害することがないよう努めておりますが、商品を販売した後に係争が発生した場合、顧客企業からの信用及び社会的信用の失墜等により、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 新型コロナウイルス感染症の感染拡大による影響について
新型コロナウイルス感染症の感染拡大初期には、移動制限や集合型研修・イベント等の開催中止が発生し、コンサルティング契約の月単位での休止や延期、クロスボーダーM&Aの延期、FCCセミナー・戦略ドメイン&ファンクション研究会の開催中止、各種イベント等の開催中止に伴うプロモーション商品等の失注等により、経営成績や財政状態に影響が発生いたしました。
昨今は、ワクチン接種等が促進される反面、感染力の強い変異種が次々と蔓延し、社会経済活動は一進一退を繰り返しております。また、感染による重症化及び感染長期化をもたらす変異種が発生した場合は、経営成績や財政状態に影響が発生する可能性があります。
今後も、引き続き前記のリスクを避けてウィズコロナの新しい社会環境等に対応するために、社内対応として全社員を対象にテレワークやシフトワークを推進しつつ、デジタル技術を駆使したオンラインコンサルティング、オンライン形式も併用したFCCセミナー・戦略ドメイン&ファンクション研究会、顧客企業の4つのDX領域(ビジネスDX、マーケティングDX、HRDX、マネジメントDX)を支援するデジタルコンサルティング等、従来の枠に囚われない新しいサービスを積極的に提供し、経営成績や財政状態への影響を最小限に止めてまいります。
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