業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

経営成績

当連結会計年度におけるわが国経済は、長期化している新型コロナウイルス感染症拡大の影響もあり、依然として厳しい状況が続きました。また、世界経済においても、一部の国・地域によっては回復の兆しが見え始めた一方で、同感染症による経済活動の低迷や株式市場の混乱などの懸念も大きく残っており、予断を許さない状況で推移いたしました。

当社グループが関連する建設業界におきましては、国土強靭化対策をはじめとする公共投資は堅調に推移し、民間設備投資も持ち直しの動きが見られましたが、資材価格の上昇や建設技能労働者不足の問題が顕在化するなど、依然として留意が必要な状況が続いております。

 

このような状況のなか、当社グループでは、中期経営計画「Creative 60」(2020〜2024年度)の3つの重点施策に基づき、国内外におけるアライアンスグループの基盤強化と事業領域の拡充を推し進めました。また、事業環境の変化を慎重に見極めた資産戦略や収益力強化に向けた選択と集中を図るなど、会社の持続的発展と企業価値の向上に尽力いたしました。

 

2021年10月期の連結業績につきましては、売上高は1,894億16百万円(前年同期比5.8%増)となりました。営業利益は146億24百万円(同2.6%増)、経常利益は153億91百万円(同7.9%増)、また、親会社株主に帰属する当期純利益は89億7百万円(同5.2%増)となりました。

 

セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。

イ.建設関連

主力事業である建設関連におきましては、公共投資は災害復旧工事やインフラ関連工事、防災関連工事を中心に堅調に推移し、民間設備投資は地域差がありましたが、全体として建設機械のレンタル需要は底堅く推移いたしました。

また、当社グループでは、高いシナジー効果の期待出来る業務提携やM&Aを推進するとともに、市場環境に応じた資産の最適保有と機種構成の確保に注力するなど、業務効率化と生産性の向上により、収益力強化を推し進めました。これらの結果、同事業における地域別売上高の前年同期比は、北海道地区6.7%増、東北地区1.9%減、関東甲信越地区2.5%増、西日本地区10.6%増、九州沖縄地区5.0%増となりました。

中古建機販売につきましては、期初計画どおりレンタル用資産の運用期間の延長を進めていることから、売上高は前年同期比10.5%減となりました。

 

以上の結果、建設関連事業の売上高は1,710億20百万円(前年同期比6.3%増)、営業利益は130億43百万円(同1.5%増)となりました。

 

ロ.その他

その他の事業につきましては、鉄鋼関連、情報関連、福祉関連ともに堅調に推移したことから、売上高は183億95百万円(前年同期比0.9%増)、営業利益は11億10百万円(同14.5%増)となりました。
 

 

財政状態

2020年9月30日に行われた㈱ソーキホールディングスとの企業結合及び2020年10月15日に行われたKANAMOTO AUSTRALIA HOLDINGS PTY LTDとの企業結合について、前連結会計年度において暫定的な会計処理を行っておりましたが、当連結会計年度に確定しています。当該暫定的な会計処理の確定に伴い、当連結会計年度の連結財務諸表に含まれる比較情報において取得原価の配分の見直しが反映されています。前連結会計年度末との比較・分析にあたっては、暫定的な会計処理の確定による取得原価の当初配分額の見直しが反映された後の金額を用いています。
 

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末から22億21百万円増加し3,037億54百万円となりました。主な要因として「現金及び預金」は75億29百万円増加した一方で、「受取手形及び売掛金」は21億45百万円、「レンタル用資産」は32億61百万円それぞれ減少したことによるものです。

負債合計は、前連結会計年度末から65億7百万円減少し1,688億37百万円となりました。主な要因として「長期借入金」は13億77百万円増加した一方で、「長期未払金」は77億60百万円減少したことによるものです。

純資産合計は、前連結会計年度末から87億28百万円増加し、1,349億17百万円となりました。これは主に「親会社株主に帰属する当期純利益」を89億7百万円計上した一方で、剰余金の配当により24億57百万円減少したことによるものです。
 

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は555億57百万円となり、前連結会計年度末から75億34百万円増加しました。各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によって得られた資金は393億51百万円(前年同期比3.3%減)となりました。これは主に「税金等調整前当期純利益」は147億47百万円、「減価償却費」は310億64百万円の収入をそれぞれ計上した一方で、「レンタル用資産の取得による支出」は54億24百万円、「法人税等の支払額」は47億42百万円の支出をそれぞれ計上したことが要因であります。
 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によって支出した資金は33億73百万円(前連結会計年度末は140億40百万円の支出)となりました。これは主に「有形固定資産の取得による支出」を35億28百万円計上したことが要因であります。
 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によって支出した資金は287億94百万円(前連結会計年度末は222億4百万円の支出)となりました。これは主に「長期借入れによる収入」は149億80百万円の収入を計上した一方で、「長期借入金の返済による支出」は144億15百万円、「割賦債務の返済による支出」は253億31百万円、「配当金の支払額」は24億54百万円の支出をそれぞれ計上したことが要因であります。

 

③ 販売の実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2020年11月1日

至 2021年10月31日)

前年同期比

建設関連

171,020百万円

6.3%

その他

18,395百万円

0.9%

セグメント間取引消去

合計

189,416百万円

5.8%

(注)本表の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在にて判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。また、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

なお、当社グループの目標とする経営指標の実績値は、下表の通りであります。

 

前連結会計年度

(自 2019年11月1日

至 2020年10月31日)

当連結会計年度

(自 2020年11月1日

至 2021年10月31日)

自己資本比率

39.5%

41.8%

ROE(自己資本利益率)

7.2%

7.2%

EBITDA+(減価償却他調整前営業利益)

53,785百万円

57,031百万円

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

イ.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容

当社グループのキャッシュ・フローの状況の分析については、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

ロ.資本の財源及び資金の流動性

当社グループの運転資金需要の主なものは、売上原価、販売費及び一般管理費の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、レンタル用資産の購入及び有形固定資産の取得等によるものであります。短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、割賦契約及びリース契約等の資金調達手段を活用しながら安定的な資金の源泉を確保するため、金融機関からの長期借入を行うことを基本としております。

 

なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務等を含む有利子負債残高は以下の通りです。

 

年度別要支払額(百万円)

契約債務

合計

1年以内

1年超3年以内

3年超5年以内

5年超

短期借入金

960

960

長期借入金

44,515

13,055

18,030

12,985

443

長期未払金(割賦)

64,612

21,657

31,235

11,246

472

リース債務

4,157

1,269

1,922

790

175

 

上記の表において、連結貸借対照表の1年内返済予定の長期借入金、未払金に含まれている割賦契約に係る未払金及び流動負債のリース債務は、長期借入金、長期未払金(割賦)及びリース債務にそれぞれ含めております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

(3)経営成績に影響を与える重要な要因について

「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

(4)財務政策

レンタル用資産購入等の設備投資計画を踏まえながら、より有効かつ安価な資金調達手段を模索しており、資金調達と資金運用の多様化・効率化を図りつつ、さらには受取手形等の債権について流動化等を行うことで、資産・負債バランスの軽量化に取り組んでおります。

 

 

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