当警備業界におきましては、半導体不足による機器販売への影響等はありましたが、無観客となったものの延期されていた東京オリンピック・パラリンピックの開催や、再開されつつある各種イベント、継続的に行われている都市開発への警備ニーズに加え、新型コロナワクチン接種会場の警備等、新たなビジネス機会もありました。
このような経営環境の中、当社グループは第11次中期経営計画(2019年4月から2022年3月まで)の最終年度として、「変革への持続的挑戦」をスローガンに高い収益性と成長力を目指し、「環境変化、技術革新への挑戦」、「収益構造の変革(骨格、体質の改革)」、「ブランド(企業価値)の創造」への取り組みを行いました。
前年度に比べ新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響が限定的であったことや、コロナワクチン関連の受注や新規先獲得が寄与したこともあり、売上高合計は、27,465百万円、前期比1,464百万円、5.6%の増、11期連続の増収となりました。
利益面では、上記のとおり増収となったことや、コストコントロール、値上げに取組んだことで、ビル管理事業が増益となったこと、また、不動産事業も大口販売用不動産の売却で増益となったことから、営業利益は848百万円、前期比151百万円、21.8%の増益、経常利益は895百万円、前期比47百万円、5.6%の増益、となりました。投資有価証券売却益1,504百万円を特別利益に、訴訟解決のための和解金1,430百万円、本社隣接建物の取壊し費用67百万円、訴訟弁護士費用41百万円等を特別損失に計上しました。これにより、親会社株主に帰属する当期純利益は、459百万円、前期比101百万円、18.1%の減益となりました。
事業セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
(警備事業)
新規先獲得やコロナワクチン接種会場警備・東京オリンピック・パラリンピック警備で常駐警備が順調に伸長し、機械警備も4期ぶりに増収に転じました。前年度は苦戦しておりました工事機器販売も復調しましたが、一方で、収益性の高い金融機関のATM管理業務が減少したこと等によりセグメント利益は微減となりました。
その結果、警備事業の売上高は、17,714百万円(前期比512百万円、3.0%の増収)、セグメント利益は210百万円(前期比13百万円、6.2%の減益)となりました。
※その他:停解業務、緊急通報業務、保険代理店手数料等
記載金額は、単位未満を切り捨てて表示しております。
(ビル管理事業)
前年度に比べ新型コロナウイルス感染症(COVID-19)関連影響は限定的で、新規受注や大規模修繕工事の受注、コロナワクチン接種会場の消毒清掃等もあり、全般的に好調に推移しました。また、ビル管理事業の更なる強化を目指し、2022年4月1日付でグループ4社を合併し、東洋テックビルサービス株式会社を発足しました。
ビル管理事業の売上高は、8,968百万円(前期比666百万円、8.0%の増収)、セグメント利益は311百万円(前期比76百万円、32.5%の増益)となりました。
※記載金額は、単位未満を切り捨てて表示しております。
(不動産事業)
大口販売用不動産の売却や、新たな収益物件の購入がありました。不動産賃貸も引き続き堅調に推移しております。
その結果、不動産事業の売上高は、782百万円(前期比285百万円、57.2%の増収)、セグメント利益は259百万円(前期比80百万円、44.8%の増益)となりました。
※記載金額は、単位未満を切り捨てて表示しております。
財政状態は次のとおりであります。
(資産)
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、14,074百万円となり、前連結会計年度末に比べ157百万円減少しました。その主な要因は、現金及び預金が102百万円、受取手形及び売掛金が175百万円、契約資産が182百万円等がそれぞれ増加しましたが、一方でATM管理業務に係る受託現預金が628百万円減少したことによるものです。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は、15,804百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,096百万円減少しました。その主な要因は、建物及び構築物が161百万円、機械装置及び運搬具が271百万円等がそれぞれ増加しましたが、一方で投資有価証券が2,708百万円減少したことによるものです。
(負債)
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は、4,814百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,236百万円減少しました。その主な要因は、短期借入金が290百万円、1年内返済予定の長期借入金が2,001百万円等がそれぞれ減少したことによるものです。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は、4,618百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,285百万円増加しました。その主な要因は、繰延税金負債が618百万円減少しましたが、一方で社債が1,000百万円、長期借入金が714百万円、長期契約負債が162百万円等が増加したことによるものです。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は、20,446百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,302百万円減少しました。
なお、自己資本比率は、前連結会計年度末の67.7%から0.7ポイント減の68.4%となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ105百万円増加し5,490百万円となりました。
当連結会計年度における各活動別のキャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動の結果得られた資金は、783百万円であります。その主な内容は、税金等調整前当期純利益787百万円、減価償却費978百万円、投資有価証券売却益1,504百万円、法人税等の支払額308百万円等であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動により取得した資金は、203百万円であります。その主な内容は、有形固定資産の取得による支出1,668百万円、無形固定資産の取得による支出449百万円、投資有価証券の売却による収入2,373百万円等であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動により使用した資金は、881百万円であります。その主な内容は、短期借入金の返済による支出290百万円、長期借入金の借入による収入1,000百万円、社債の発行による収入969百万円、長期借入金の返済による支出2,286百万円、配当金の支払による支出319百万円等であります。
当社グループは生産活動を行っておりませんが、当連結会計年度末日現在実施中のセグメント別の契約件数は、次のとおりであります。
当連結会計年度におけるセグメントごとの販売実績は、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2 100分の10以上の相手先別の販売実績はありません。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
①財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績等は、以下のとおりであります。
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、27,465百万円、前期比1,464百万円、5.6%の増、11期連続の増収となりました。
前年度に比べ新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響が限定的であったことや、コロナワクチン関連の受注や新規先獲得が寄与しました。
(営業利益)
当連結会計年度における営業利益は848百万円、前期比151百万円、21.8%の増益となりました。
上記のとおり増収となったことや、コストコントロール、値上げに取組んだことで、ビル管理事業が増益となったこと、また、不動産事業も大口販売用不動産の売却で増益となったが影響しております。
(経常利益)
当連結会計年度における経常利益は895百万円、前期比47百万円、5.6%の増益となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は459百万円、前期比101百万円、18.1%の減益となりました。
投資有価証券売却益1,504百万円を特別利益に、訴訟解決のための和解金1,430百万円、本社隣接建物の取壊し費用67百万円、訴訟弁護士費用41百万円等を特別損失に計上しております。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因は、次のとおりであります。
当警備業界におきましては、半導体不足による機器販売への影響等はありましたが、無観客となったものの延期されていた東京オリンピック・パラリンピックの開催や、再開されつつある各種イベント、継続的に行われている都市開発への警備ニーズに加え、新型コロナワクチン接種会場の警備等、新たなビジネス機会もありました。
このような経営環境の中、当社グループは第11次中期経営計画(2019年4月から2022年3月まで)の最終年度として、「変革への持続的挑戦」をスローガンに高い収益性と成長力を目指し、「環境変化、技術革新への挑戦」、「収益構造の変革(骨格、体質の改革)」、「ブランド(企業価値)の創造」への取り組みを行いました。
当該計画期間における実績は以下のとおりであります。
なお事業等のリスクにつきましては、「第2事業の状況 2事業等のリスク」に記載のとおりであります。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、次のとおりであります。
◆第11次中期経営計画《2019年度(2020年3月期)から2021年度(2022年3月期)》実績
※2022年3月期は、中期経営計画の当初計画比、売上3,000百万円減、経常利益800百万円減としています。これは中期経営計画策定時に予想できなかった新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、大きく経済環境、社会情勢が変化したことから、現時点における当社グループを取り巻く環境、当社のおかれている状況を検証し、最終年度における2022年3月期の予想を計画比、修正することといたしました。
◆第12次中期経営計画《2022年度(2023年3月期)から2024年度(2025年3月期)》
当社グループでは、第11次中期経営計画に続き、第12次中期経営計画《2022年4月1日~2025年3月31日》を策定し、「構造改革への挑戦」をスローガンに、引き続き高い収益性と成長力を目指し取り組んでおります。計画の概要は、以下のとおりです。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「第2事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入、警備業務に係る現場対応費用、販売費及び一般管理費の営業費用等であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資、M&A、不動産等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、M&A、不動産案件や長期運転資金の調達につきましては、金融機関から社債及び長期借入を基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は4,041百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は5,490百万円となっております。
③重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたっては、決算日における資産・負債の残高及び当該期間における収益・費用の数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行っております。
見積り及び仮定については、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき判断を行っております。また、実際の結果は、見積りの不確実性により異なる場合があります。
この見積りと判断が、当社グループの連結財務諸表の作成において大きな影響を及ぼすと考えられるのは、以下の重要な会計方針であります。
(退職給付費用)
退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には、割引率、将来の報酬水準、退職率、直近の統計数値に基づいて算出される死亡率、年金資産の長期収益率などがあります。当社グループの退職給付においては、割引率は日本の長期金利の水準を基準として算出しております。期待収益運用率は、年金資産が投資されている資産の種類ごとの長期期待収益率に基づき計算されます。
(繰延税金資産)
当社グループは、固定資産に繰延税金資産を計上しておりますが、繰延税金資産の計上においては、将来の課税所得見込みと回収計画により行っております。
繰延税金資産の全部又は一部を将来回収できないと判断した場合、当該判断を行った期間に繰延税金資産の調整額を費用として計上しております。
(偶発債務)
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
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