業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(経営成績等の状況の概要)

当連結会計年度における当社及び連結子会社(以下、「当社グループ」という。)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 経営成績

当連結会計年度におけるわが国経済は、社会経済活動の正常化に向けた感染防止対策が行われるなかで、景気に持ち直しの動きが見受けられました。しかしながら、新たな変異株出現のリスクやウクライナ情勢をめぐる地政学リスクに起因する世界的なサプライチェーンの混乱、半導体をはじめとした部品の供給不足が継続していることに加え、原油や原材料価格の高騰など、景気の先行きは依然として不透明な状況で推移いたしました。

情報サービス産業におきましては、公共分野では、デジタル庁が発足され、デジタル社会実現に向けて、行政サービスにおけるデジタル化推進の動きが見受けられました。民間分野では、業務効率を目的としたICT投資に加え、ビジネスモデルの変革を伴うデジタル化に向けた取り組みが見受けられました。また、コロナ禍を受けて、生産性の向上や新たな付加価値の創出だけではなく、感染症や自然災害に対応できる強靱性を確保するための社会インフラとして、ICTの重要性は一段と増してまいりました。

一方で、サイバー攻撃などによる情報漏えい事象や頻発する自然災害リスクを受けて、安心して利用できる安全で安定したサービス提供やデジタル化に向けた業務プロセスの見直しなど、情報サービス企業が担う役割の重要性がますます高まってまいりました。

このような状況のなか、当社グループでは、第9次中期経営計画の2年目を迎え、「RSビジョン2025」実現に向け、引き続き第9次中期経営方針である、「変革・成長」、「強化・拡大」、「構造改革」、「戦略投資」に取り組み、公共分野及び民間分野とも受注拡大、製品・サービス強化、ならびに収益構造の改善に取り組んでまいりました。

「変革・成長」の取り組みでは、データセンタービジネス拡大に向けクラウドサービスの強化を推進してまいりました。民間分野では、エネルギー事業において、スマートメータを活用したMDMSサービス※1を上市し、サービスの拡大を図るほか、新製品・新サービスの創出に努めました。また、組込事業においては、当社のコア技術であるMBDを自動運転車開発に応用するための研究開発を進めてまいりました。

「強化・拡大」の取り組みでは、公共分野において引き続き警察向けソリューションの強化に努めてまいりました。また、民間分野では、産業事業において、お客さまのDX(デジタルトランスフォーメーション)支援を推進するための取り組みとして、ERP(統合基幹業務システム)のAMOサービス※2強化に努めてまいりました。

「構造改革」、「戦略投資」の取り組みでは、営業機能、サポート機能、開発機能の機能強化を図るため、新たに東京支社を設置したほか、中部サポートセンター名古屋オフィスの開設や太田開発センターの拡張の準備を進めるとともに、更なる成長に向けて、新データセンターの建設計画を進めてまいりました。

引き続き、新型コロナウイルス感染症拡大防止への取り組みでは、行動ガイドラインを適宜更新し、当社グループ社員の健康や安全を確保してまいりました。また、SDGsの取り組みでは、お客さまに安定したサービスを継続的に提供するために、基本方針の策定、取り組み課題を整理し、展開してまいりました。

その結果、売上高は15,500,147千円(前期比6.9%減)、営業利益は1,384,894千円(前期比2.3%増)、経常利益は1,393,701千円(前期比1.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は965,271千円(前期比17.5%増)となりました。

なお、当社グループは連結営業利益額を経営の最重要指標と考えております。

 

※1 MDMS (Meter Data Management System)サービス  : スマートメータから得られる様々なデータを管理するしくみ

※2 AMO(Application Management Outsourcing)サービス:お客さまの業務システムを企画・設計から運用・保守までのシステムライフサイクルを通してサポートするサービス

 

セグメントごとの業績は、以下のとおりです。

 

(公共事業セグメント)

公共事業セグメントは、自治体向け「G.Be_U®(ジービーユー)」(総合行政ソリューション)のシステム販売などが堅調に推移いたしましたが、「GIGAスクール構想」関連商談の反動減や半導体不足によるハードウェア調達遅延の影響を受け、ソフトウェア開発・システム販売分野、システム機器・プロダクト関連販売分野で収益が減少いたしました。

その結果、売上高は7,490,486千円(前期比9.2%減)、セグメント利益は1,445,195千円(前期比6.3%減)となりました。

 

(社会・産業事業セグメント)

社会・産業事業セグメントは、半導体不足によるハードウェア調達遅延の影響を受け、システム導入案件が延期されるなど、ソフトウェア開発・システム販売分野、システム機器・プロダクト関連販売分野の収益が減少いたしました。収益につきましては、前年同期を下回りましたが、費用削減等が利益に貢献いたしました。

その結果、売上高は8,009,661千円(前期比4.5%減)、セグメント利益は1,844,439千円(前期比7.0%増)となりました。

 

(2) 財政状態

(資産、負債、純資産)

当連結会計年度末における資産合計は16,470,487千円(前連結会計年度末16,693,035千円)となり、222,547千円減少しました。流動資産は1,249,905千円減少し、9,705,339千円となりました。固定資産は1,027,357千円増加し、6,765,148千円となりました。

流動資産の減少要因は、現金及び預金が842,380千円、リース投資資産が588,611千円それぞれ減少したこと等によるものです。固定資産の増加要因は、主にサーバ機器などの建設仮勘定が838,939千円増加したこと等によるものです。

当連結会計年度末における負債合計は6,252,377千円(前連結会計年度末7,135,055千円)となり、882,678千円減少しました。流動負債は525,495千円減少し、3,077,937千円となりました。固定負債は357,183千円減少し、3,174,439千円となりました。

流動負債の減少要因は、リース債務が189,103千円、未払法人税等が141,981千円それぞれ減少したこと等によるものです。固定負債の減少要因は、リース債務が360,314千円減少したこと等によるものです。

当連結会計年度末における純資産合計は10,218,109千円(前連結会計年度末9,557,979千円)となり、660,130千円増加しました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により利益剰余金が775,885千円増加したこと等によるものです。

 

(公共事業セグメント)

公共事業セグメントの資産は、5,969,436千円(前連結会計年度末5,755,232千円)となり214,204千円増加しました。この主な要因は、建設仮勘定の増加等によるものです。

 

(社会・産業事業セグメント)

社会・産業事業セグメントの資産は、4,324,765千円(前連結会計年度末4,161,972千円)となり162,793千円増加しました。この主な要因は、受取手形、売掛金及び契約資産の増加等によるものです。

 

(3) キャッシュ・フロー

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ842,380千円減少し、2,745,984千円となりました。各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は、874,920千円(前期は1,592,604千円)となりました。この主な要因は、法人税等の支払額501,662千円、退職給付に係る資産の増加額211,343千円の資金の減少はありましたが、税金等調整前当期純利益1,392,629千円の計上等の資金の増加があったこと等によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、1,733,894千円(前期は1,163,984千円)となりました。この主な要因は、サーバ機器の取得や空調設備の更新等有形固定資産の取得による支出1,308,936千円、ソフトウェア開発等無形固定資産の取得による支出302,828千円の資金の減少があったこと等によるものです。

 

営業活動及び投資活動によるキャッシュ・フローをあわせたフリー・キャッシュ・フローは858,974千円の減少(前期は428,620千円の増加)となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果得られた資金は、9,683千円(前期は249,879千円の支出)となりました。この主な要因は、配当金の支払額137,073千円の資金の減少等はありましたが、セール・アンド・リースバックによる収入250,133千円等があったこと等によるものです。

 

(資本の財源及び資金の流動性)

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的としての資金需要は、設備投資、ソフトウェア開発投資等によるものであります。

当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。

なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は3,617,348千円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は2,745,984千円となっております。

 

 

(生産、受注及び販売の状況)

 

(1) 生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(千円)

前年同期比(%)

公共事業

6,733,427

99.6

社会・産業事業

5,958,985

94.1

12,692,413

97.0

 

 

(2) 受注状況

当連結会計年度の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

公共事業

7,129,590

77.3

1,326,100

78.6

社会・産業事業

7,419,182

89.0

1,054,924

64.1

14,548,773

82.9

2,381,024

71.5

 

 

(3) 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

公共事業

7,490,486

90.8

社会・産業事業

8,009,661

95.5

15,500,147

93.1

 

(注) 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次の
とおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自  2020年4月1日

至  2021年3月31日)

当連結会計年度

(自  2021年4月1日

至  2022年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

本田技研工業㈱

1,720,628

10.3

1,736,488

11.2

㈱ミツバ

1,630,576

9.8

1,673,649

10.8

 

 

 

(重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定)

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

 

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得

お知らせ

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得