課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 当社グループが属するICTサービス市場においては、新型コロナウイルス感染症拡大をきっかけとした「働き方の変化に対応するシステム導入」や「不確実な環境における経営の安定化のための基幹システムの刷新」など、顧客企業等の需要が引き続き堅調な状態にあると認識しております。その一方で地政学リスクの高まりなど世界経済に影響を及ぼすような不確実性の高まりも顕著になってきております。

 このような状況の中、当社グループは「持続的成長・企業価値向上の仕組み作り」のビジョンに沿った、2020年4月から2023年3月までの3ヶ年中期経営計画を策定しております。

 同計画においては営業利益率をより高め、収益性の高い企業となることで、当社グループがすべてのステークホルダーの皆様に対して魅力的な企業として存在し続けられると考えております。長期に渡り、持続的成長、企業価値向上を可能にするためにも成長の土台となる「仕組み作り」をさらに進めることが現在最も重要な経営課題と捉えております。

 中期経営計画の最終年度である2023年3月期は、社会情勢の不透明な状況やICTサービス市場の拡大に伴う人材獲得競争の激化から、即戦力となるエンジニアの獲得が困難な状況が続いております。これらに加え、ソリューションサービス事業における不採算プロジェクトの再発防止に向けた品質体制強化、量的拡大より質的向上に努め足場固めを行い、さらに持続的成長の加速に向け人材や製品・サービスへの投資を積極的に行う点を鑑み、中期経営計画発表当初の業績計画を修正しております。

 

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

 事業ごとの経営方針、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題等は以下のとおりです。

 

・ソリューションサービス事業

(人事給与・会計ソリューション「ZeeM」をはじめとするソリューションサービスを提供)

 同事業においては、「働き方改革関連法」の施行に伴い、長時間労働を抑制するソリューションの需要が特に活発となり、当社の人事給与システムと提携先であるアマノ株式会社の勤怠管理システムを組み合わせた「HR ソリューション」の拡販に注力しております。

 受注件数の増加と案件の大型化により、大規模案件のプロジェクトマネージャー、ソリューションの導入を担当するシステムエンジニアなどソリューション提供体制の強化が課題となります。

 

・受託開発事業

(富士通グループ、アマノ株式会社をはじめとする大手企業に対して、システム受託開発サービスを提供)

 主要顧客である富士通グループ各社との長期に渡る継続的な関係を基盤として、同社グループからの安定的な受注による売上高の拡大を目指しております。

 同事業における売上高は、稼働可能な開発エンジニアの人数に比例することから、協力会社を含めた安定的な人財確保が課題となります。

 

・システム運用・サービス事業

(主に国内大手ポータルサイト事業者に対してシステム開発・保守・運用サービスを提供)

 同事業においてはヤフー株式会社及びそのグループ会社を主要顧客とし、業績拡大のため顧客数を増やすことと、提供するサービス範囲の拡充、付加価値の向上に取り組んでおります。

 既存顧客への安定的なサービス提供を行いながら、新規顧客・サービスの拡大を同時に行うことが課題となります。

 

・サポートサービス事業

(ヘルプデスク、テクニカルサポートを中心としたサポート&サービス及び、社会調査、市場調査などのコールセンターサービスを提供)

 同事業においては顧客企業へのエンジニアの派遣や、コールセンターにおいての入電・架電対応など幅広いアウトソーシングサービスを提供しており、常に新規顧客の拡大と顧客ニーズの変化に合わせたサービスの拡充に取り組んでおります。

 その上でサービスの高付加価値化や原価等費用の削減努力によって収益性の向上を図ることが課題となります。

 

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