事業等のリスク

 

2 【事業等のリスク】

当社グループは、当社グループに直接または間接に経済的損失をもたらす可能性、当社グループの事業の継続を中断・停止させる可能性、当社グループの信用を毀損しブランドイメージを失墜させる可能性など、リスクを「企業活動を脅かす潜在的事象」と定義し、継続的な管理・実践を行うことにより、リスクの発生防止、並びに発生時の会社損失の最小化に努めております。

当社グループでは、リスク管理にかかわる課題・対応策を協議する組織として、代表取締役社長を委員長とし、取締役(社外取締役を除く)、執行役員及び主要な子会社の役員で構成されるリスク管理委員会を設置しております。リスク管理委員会では、毎期、経営を取り巻く各種リスクの中から、特に重要性が高いリスクについて、「リスクの特定」(顕在化している、もしくは、潜在的なリスクの把握)、「リスクの評価」(リスクの大きさ・程度を定量化)、「リスクの抑制」(受容・移転・低減・回避等)の観点から審議を行い、優先的に取り組むべきリスクを重点管理項目としております。これらリスク管理委員会で審議した重点管理項目は、取締役会において承認が行われ、各事業では、重点管理項目に基づき、リスクの抑制に取り組んでおります。

2023年3月期の重点管理項目に関する取締役会での審議におきましては、引き続き新型コロナウイルス感染症に起因するリスクの把握に努めたほか、中長期的に影響を受ける可能性のあるリスクや当社グループ内で共通するリスクについてもグループ横断的な対応状況の確認が行われ、体制強化に努めております。

なお、重点管理項目の進捗・達成状況等については、期中・期末に評価を実施し、リスク管理委員会、取締役会にて確認を行っているほか、監査・モニタリング部門である内部監査室と情報共有を行い、継続的なリスクの把握・抑制に取り組んでおります。

 

当社グループの経営成績及び財政状態は、今後起こりうるさまざまな事象により影響を受ける可能性があります。有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主要なリスクには、「社会保障制度の改定等によるリスク」、「従業員確保に関するリスク」があり、以下にリスクの概要等について記載しております。

文中における将来に関する事項は有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであり、国内外の経済情勢等の影響を受ける可能性があり、将来に渡るリスクすべてを網羅したものではありません。また、リスクへの対応策につきましても、リスクの発生防止を確約するものではありません。

なお、当事業年度におきましても、新型コロナウイルス感染症の影響が継続し、世界的な移動制限によるインバウンドの減少、緊急事態宣言等に基づく企業の出張自粛等により、ホテルの稼働率が低下し、ホテルリネンサプライの需要減退がみられます。

今後も当社グループの一部事業においてこのような影響を受ける可能性がある一方、複数事業を展開する強みを活かし、影響の軽減に努めております。加えて、新型コロナウイルス感染症流行下においては、特に医療・介護分野で安定したサービスの供給が求められております。当社グループは、継続的なサービスの提供を通じて、社会生活を下支えするとともに、公衆衛生や院内感染防止の重要性が再認識される中、環境表面殺菌システムの提案等、新たなニーズに対応することで、今まで以上に事業活動を通じて社会に貢献してまいります。上記の通り、新型コロナウイルス感染症による当社グループへの影響は一部みられるものの、その影響を最小限とすべく取り組んでおります。

 

(1)社会保障制度の改定等によるリスク

我が国においては、他国に例を見ないスピードで進行する高齢化を背景として、医療・介護費の抑制が喫緊の課題となる中、法改正等により社会保障制度に大きな変更があった場合、ヘルスケア業界で主力事業を展開する当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

シルバー事業においては、3年に1度実施される介護保険法の改正等により、当社が提供する福祉用具貸与等のサービス内容や保険適用範囲の見直しが図られることで、当事業の収益に影響を及ぼす可能性があります。

調剤薬局事業においては、その収益のほとんどを保険調剤売上が占めております。そのため、2年に1度の診療報酬改定及び毎年の薬価改定等の内容によっては、当社調剤薬局事業の収益構造に大きな変化をもたらし、当社グループの経営状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

また、リネンサプライサービスの提供などを中心とする病院関連事業のほか、給食事業、清掃事業など、当社グループは医療機関や介護福祉施設等からさまざまな業務を受託しております。これら事業においては、社会保障制度の改定等により、当社グループの顧客である医療機関等の経営状況が変化することで、受託業務の内容や契約条件の見直しなど間接的な影響を受ける可能性があります。

これら社会保障制度の改定等については、関係省庁、各種業界団体等からの情報収集に努め、事業環境の変化に適切に対応していくとともに、「第2事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)中期経営計画」に記載のとおり、事業戦略に定めた事項を実行していくことで、経営への影響の極小化に努めてまいります。

 

(2)人材確保に関するリスク

当社グループでは、医療機関や介護福祉施設等、高度な衛生管理が求められる場所を中心に各種事業を展開しており、衛生管理のプロとして、また、調剤薬局においては薬学の専門家として、その専門的な知識や経験を活かし、お客様にとって安心かつ安全なサービスの提供を心がけております。

当社グループの事業の多くは、「人を介したサービス・商品の提供」を通じて医療・介護の現場を支えております。これらのサービスが当社グループの強みである一方、医療・介護の現場を支える事業を維持・継続していくためには、労働力不足がますます深刻化していく状況下においても、人材を十分に確保していく必要があります。現業のサービス提供に必要な人材を確保できなかった場合、主要事業における機会損失が発生する恐れがあるほか、人材確保のための各種待遇改善等に伴う労務費が増加するなど、業績等に影響を及ぼす可能性があります。

このような状況の中、当社グループでは「第2事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)中期経営計画及び (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に基づき、多様な人材が活躍できる労働環境・働き方の整備、積極的な採用活動、専門性を高める人材育成・教育に注力することで、より高品質なサービス提供を可能にする「人的資本」の強化に努めてまいります。

また一方で、システム投資やDXの推進等により業務効率化や生産性向上を継続的に図ることで、労働力不足といわれる環境下にあっても、攻めの企業活動を推進できるように取り組んでまいります。

 

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