(1)経営成績等の状況の概要
① 経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種が進んできたことにより、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が解除され、回復の兆しが一部見られたものの、新たな変異株の出現により、再度の感染拡大に対する懸念が深まり、先行きは厳しい状況となっております。
インテリア業界におきましては、重要な指標である新設住宅着工戸数は、前年対比プラス基調で推移しているものの、原材料価格の高騰等の影響が顕在化しており、先行きも予断を許さない状況となっております。
この様な環境のもとで、当社の売上高は前事業年度比1.0%減の32,438百万円、営業利益は前事業年度比497.9%増の529百万円、経常利益は485百万円(前事業年度は経常利益37百万円)、当期純利益は前事業年度比492.7%増の329百万円となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
インテリア事業
壁装材は5月に戸建、マンション、アパート、新築、リフォームなど住まいの様々なシチュエーションに対応する全点準不燃の住宅向け壁装材見本帳“V-ウォール”、リフォームに最適なタフクリーンや汚れ防止、消臭、通気性など快適な生活をサポートするメンテナンス性に優れた様々な機能性壁紙が充実している壁装材見本帳“らくらくリフォームプレミアム”を発行、カーテンは9月に“時を楽しむ”をコンセプトに、カーテンで日々の暮らしが心地よくなるようなお部屋づくりを提案する“アンドタイム”を発行した他、壁装材見本帳“ライト”、“ウィル”、カーテン見本帳“ファブリックデコ”、“サーラ”、床材見本帳“エルワイタイル”等を増冊発行し拡販に努めた結果、売上高は前事業年度比0.0%減の26,275百万円となり、セグメント利益は前事業年度比674.6%増の448百万円となりました。
スペースソリューション事業
顧客企業のリニューアル、リノベーション需要の取り込み、3密を回避したオフィス空間の提案など顧客企業に対するより細やかなサービスの提供に努めましたが、顧客企業の投資意欲の減少から移転、請負工事等の変更も発生し、売上高は前事業年度比4.8%減の6,162百万円、セグメント利益は販売費及び一般管理費の圧縮に努めた結果、前事業年度比164.8%増の81百万円となりました。
② 財政状態の状況
当事業年度末の総資産は前事業年度末比136百万円増の19,084百万円となりました。
流動資産は前事業年度末比559百万円増の15,168百万円となりました。これは電子記録債権の減少(669百万
円)、受取手形の減少(305百万円)等の減少要因はありましたが、主に現金及び預金の増加(1,106百万円)、売掛金の増加(343百万円)、商品の増加(207百万円)によるものであります。固定資産は前事業年度末比423百万円減の3,916百万円となりました。これは主に差入保証金の減少(422百万円)によるものであります。
負債総額は前事業年度末比225百万円減の12,305百万円となりました。流動負債は前事業年度末比77百万円増の10,758百万円となりました。これは買掛金の減少(741百万円)等の減少要因はありましたが、主に電子記録債務の増加(822百万円)によるものであります。固定負債は前事業年度末比302百万円減の1,546百万円となりました。これは主に長期借入金の減少(199百万円)、退職給付引当金の減少(47百万円)によるものであります。
純資産は前事業年度末比361百万円増の6,779百万円となりました。これは主に利益剰余金の増加(329百万円)によるものであります。なお、自己資本比率は35.5%となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当事業年度の現金及び現金同等物(以下資金という。)は、前事業年度末と比較して1,106百万円増加し、当事業年度末は4,014百万円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
<営業活動によるキャッシュ・フロー>
当事業年度における営業活動により得た資金は、1,576百万円となりました。これは主に売上債権の減少(631百万円)、税引前当期純利益(526百万円)、差入保証金の減少(417百万円)によるものであります。
<投資活動によるキャッシュ・フロー>
当事業年度における投資活動により使用した資金は、99百万円となりました。これは主に無形固定資産の取得による支出(106百万円)によるものであります。
<財務活動によるキャッシュ・フロー>
当事業年度における財務活動により使用した資金は、370百万円となりました。これは主に長期借入の返済による支出(488百万円)が借入による収入(300百万円)を上回ったこと、社債の償還による支出(85百万円)によるものであります。
④ 仕入、生産、受注及び販売の実績
イ.仕入実績
当事業年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
金額(千円) |
前期比(%) |
インテリア事業 |
18,464,440 |
△0.9 |
スペースソリューション事業 |
1,240,409 |
△19.2 |
合計 |
19,704,850 |
△2.3 |
(注) 金額には消費税等を含んでおりません。
ロ.生産実績
当事業年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
金額(千円) |
前期比(%) |
スペースソリューション事業 |
4,557,155 |
△3.4 |
(注)1 金額は販売金額によっております。
2 金額には消費税等を含んでおりません。
ハ.受注実績
当事業年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
受注高(千円) |
前期比(%) |
受注残高(千円) |
前期比(%) |
スペースソリューション事業 |
4,353,627 |
△4.6 |
409,514 |
△43.3 |
(注) 金額には消費税等を含んでおりません。
ニ.販売実績
当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
金額(千円) |
前期比(%) |
インテリア事業 |
26,275,956 |
△0.0 |
スペースソリューション事業 |
6,162,533 |
△4.8 |
合計 |
32,438,490 |
△1.0 |
(注) 金額には消費税等を含んでおりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社の当事業年度の経営成績の詳細は「(1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載のとおりであります。
当社の経営成績に重要な影響を与える要因は「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は「(1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載のとおりであります。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社の当事業年度のキャッシュ・フローの状況は、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
また、キャッシュ・フロー関連指標の推移は、次のとおりであります。
|
2017年12月期 |
2018年12月期 |
2019年12月期 |
2020年12月期 |
2021年12月期 |
自己資本比率(%) |
33.6 |
32.1 |
33.4 |
33.9 |
35.5 |
時価ベースの自己資本比率 (%) |
11.0 |
8.9 |
14.2 |
9.5 |
11.4 |
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) |
2.6 |
- |
2.0 |
- |
1.4 |
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) |
34.2 |
- |
65.8 |
- |
101.0 |
(注) 自己資本比率=自己資本/総資産
時価ベースの株主資本比率=株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率=有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ=キャッシュ・フロー/利払い
1 各指標は、いずれも財務数値により算出しております。
2 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
3 キャッシュ・フローはキャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。
4 有利子負債は貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
当社の資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりであります。
資金需要
当社の事業活動における資金需要の主なものは運転資金需要であります。
設備資金需要については、既存設備の維持、改修に係る費用を主としており、重要性のある費用の発生は見込んでおりません。
財政政策
資金需要については、内部資金を使用することを基本としておりますが、当社における重要な販売促進手段である商品見本帳の発行資金の一部については金融機関からの借入を行っております。
また、その他の資金需要についても一部は社債発行、金融機関からの借入等、幅広く効率的な資金調達を実施しております。
金融機関に対しては十分な借入枠を有しており、事業規模の維持拡大に向けた資金の調達は今後も可能であると考えております。また、調達コストの圧縮に努める一方、長期借入金の一部については、金利変動リスクの回避を目的として、金利スワップによるヘッジを行っております。
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