業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態の状況

当連結会計年度末の財政状態につきましては、総資産が40,541百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,861百万円増加しました。一方、負債は17,373百万円となり、前連結会計年度末に比べ820百万円増加しました。また、純資産は23,167百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,040百万円増加しました。

 

②経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、欧米や中国などの経済活動回復に伴う輸出や設備投資の改善、新型コロナウイルス感染症対策の緩和による消費の回復など、景気に持ち直しの動きがみられたものの、半導体の世界的な需給ひっ迫やサプライチェーンの混乱による部材供給難、ウクライナ情勢や資源価格の高騰が世界経済に与える影響など、依然として予断を許さない状況が続いております。

このような状況の下、当社グループにおける当連結会計年度の業績につきましては、メモリー向けテスターの需要が旺盛だったことや半導体設計関連向けソフトウェア、受託サービスが概ね堅調に推移した結果、売上高37,238百万円(前期比14.5%増)、営業利益2,585百万円(同32.3%増)、経常利益2,984百万円(同21.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2,194百万円(同43.0%増)となりました。

 

③キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、投資活動において1,150百万円(前期比47.9%減)、財務活動において900百万円(前期は685百万円の獲得)の現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)を使用した一方、営業活動により2,741百万円(同227.6%増)を得た結果、当社グループの当連結会計年度末における資金の残高は、前連結会計年度末に比べ1,047百万円増加し、6,480百万円となりました。

 

④生産、受注及び販売の実績

当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりであります。

なお、以下の前年同期比については、前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。

a.生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

テストソリューション事業(千円)

10,174,729

148.45

半導体設計関連事業(千円)

2,980,931

119.81

システム・サービス事業(千円)

4,627,848

92.02

合計(千円)

17,783,509

123.74

(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2.一部の自社製品については、社外へ委託生産を行っており、上表の金額は外部委託先からの仕入価格を基準に記載しております。

 

b.商品仕入実績

当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

テストソリューション事業(千円)

98,189

16.43

半導体設計関連事業(千円)

6,818,472

107.18

システム・サービス事業(千円)

2,378,221

109.47

合計(千円)

9,294,883

101.78

(注)セグメント間の取引については、相殺消去しております。

 

c.受注実績

当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

テストソリューション事業

14,182,755

114.09

2,433,481

71.24

半導体設計関連事業

12,241,743

100.25

11,233,517

95.53

システム・サービス事業

10,846,762

99.79

3,024,613

115.62

合計

37,271,261

104.95

16,691,613

93.82

(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度から適用しております。なお、収益認識会計基準第89-2項に定める経過的な取扱いに従って、前連結会計年度について新たな表示方法により組替えを行っておりません。

 

d.販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

テストソリューション事業(千円)

14,447,757

135.78

半導体設計関連事業(千円)

12,429,583

108.87

システム・サービス事業(千円)

10,360,903

98.87

合計(千円)

37,238,244

114.45

(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度から適用しております。なお、収益認識会計基準第89-2項に定める経過的な取扱いに従って、前連結会計年度について新たな表示方法により組替えを行っておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する分析・検討内容

a.財政状態

(流動資産)

当連結会計年度末における流動資産の残高は、23,189百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,713百万円増加しました。これは主に、半導体不足の対応に伴う先行手配等に伴う棚卸資産の増加によるものであります。

(固定資産)

当連結会計年度末における固定資産の残高は、17,351百万円となり、前連結会計年度末に比べ147百万円増加しました。これは主に、子会社における機械装置及び運搬具の取得によるものであります。

(流動負債)

当連結会計年度末における流動負債の残高は、13,612百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,428百万円増加しました。これは主に、子会社における研究開発投資や事業拡大に伴う人員増に対する運転資金確保のため、短期借入金が増加したことによるものであります。

(固定負債)

当連結会計年度末における固定負債の残高は、3,761百万円となり、前連結会計年度末に比べ607百万円減少しました。これは主に、長期借入金の返済によるものであります。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産合計は、23,167百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,040百万円増加しました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益を計上したことによるものであります。この結果、自己資本比率は54.8%となり、前連結会計年度末に比べ1.5ポイント増加しております。

 

b.経営成績

(売上高、売上原価、販売費及び一般管理費)

当連結会計年度の売上高は、メモリー向けテスターの需要が旺盛だったことや半導体設計関連向けソフトウェア、受託サービスが概ね堅調に推移したことなどから37,238百万円となり、前連結会計年度に比べ14.5%増加しました。一方、メモリー向けテスターの大幅増収は収益性向上に寄与したものの、STAr Technologies, Inc.などでの部材価格高騰や三栄ハイテックス株式会社の退職給付債務の計算方法変更に伴う一時費用発生の影響により、売上高に対する売上原価の比率は前連結会計年度に比べ0.5ポイント増加の69.9%となりました。また、販売費及び一般管理費は、新製品開発のための研究開発費の増加や業績の向上に伴う従業員賞与の増加、業容拡大に伴う給与手当の増加などにより前連結会計年度に比べ7.9%増加し、8,634百万円となりました。

この結果、当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度に比べ32.3%増加し、2,585百万円となりました。

なお、報告セグメント別の経営成績は次のとおりであります。また、セグメント利益は連結財務諸表の営業利益と調整を行っております。当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前期比較については、前期の数値を変更後のセグメント区分に組替えた数値で比較分析しております。

〔テストソリューション事業〕

 テストソリューション事業は、半導体メモリー市場等の顧客を中心に当社グループのエンジニアリング力を活かし、高付加価値製品の提供に注力するとともに、顧客ニーズに対応した製品の開発、新規市場の開拓に積極的に取り組んでまいりました。自社製テストシステムは、メモリー向けテスターの国内需要が堅調に推移したことに加え、中国向け製品の販売が寄与したことにより、前期実績を大幅に上回り過去最高の売上高を計上いたしました。台湾のSTAr Technologies, Inc.は、部材の調達難や価格の高騰、台湾での新型コロナウイルス感染拡大による影響や研究開発への先行投資、事業拡大に伴う人員増などにより収益性が若干低下したものの、主に中国向け需要の回復により販売が伸長し増収増益となりました。

 その結果、当事業の売上高は14,447百万円(前期比35.8%増)、セグメント利益は1,534百万円(同51.3%増)となりました。

〔半導体設計関連事業〕

 半導体設計関連事業は、新型コロナウイルス感染症の影響により営業活動が制限されたものの、インターネット等を活用した積極的な営業活動を行い、売上拡大及び収益の安定化に努めてまいりました。主力商品の半導体設計用(EDA)ソフトウェアは、新規顧客への販売が増加したほか、既存顧客からの受注が伸長したことなどにより堅調に推移いたしました。三栄ハイテックス株式会社のLSI設計受託ビジネスは、海外事業が前期実績に及ばなかったことや、退職給付債務の計算方法を簡便法から原則法に変更したことに伴う一時費用を計上したものの、国内における主力顧客の需要回復により稼働率が上昇し、概ね好調に推移いたしました。また、前連結会計年度に子会社化した株式会社モーデックのシミュレーションモデル製品販売や設計支援サービスも堅調に推移し増収となりました。

 その結果、当事業の売上高は12,429百万円(前期比8.9%増)、セグメント利益は606百万円(同6.1%増)となりました。

〔システム・サービス事業〕

 システム・サービス事業は、当社グループのエンジニアリング力を活かし、特徴ある製品の開発やサービスの提供に注力してまいりました。当事業においては、半導体の世界的な需給ひっ迫による一部部材の長納期化や価格の高騰が生じておりますが、先行手配や調達ルート拡大などの対応により影響の最小化に努めてまいりました。また、新型コロナウイルス感染症の影響が一部において継続しているものの、感染防止対策を徹底した上で展示会へ出展するなど、事業活動を再開する取り組みを行いました。アイティアクセス株式会社は、新型コロナウイルス感染症の影響による決済端末需要の大幅な減少をサービス収入の伸長で補ったものの、前期実績には及びませんでした。一方、自社製CPUボードやBOX型コンピューターなどの組込み製品は、防衛向けやセキュリティー関連の需要増により増収増益となりました。ガイオ・テクノロジー株式会社の車載向け組込みソフト検証ツール販売及びエンジニアリングサービスは、主要顧客である自動車関連の需要が回復には至らず伸び悩みましたが、前期における製品開発への集中投資負担の減少などにより、収益性は改善しました。株式会社レグラスは、AIカメラシステムの量産販売や画像処理関連の受託開発が伸張し増収となりました。

 その結果、当事業の売上高は10,360百万円(前期比1.1%減)、セグメント利益は1,114百万円(同22.4%増)となりました。

(営業外損益)

当連結会計年度の不動産賃貸料は、テナントの一部退去があったことなどから456百万円となり、前連結会計年度に比べ4.1%減少しました。一方、不動産賃貸費用は、テナント占有率の低下や経費削減の効果などにより、前連結会計年度に比べ2.5%減少の325百万円となりました。また、Fenox Innotech Venture Company VI, L.P.に係る投資事業組合運用損を計上したことなどから、当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度に比べ21.3%の増加に留まり、2,984百万円となりました。

(特別損益)

当連結会計年度の特別利益は、三栄ハイテックス株式会社で補助金収入を計上したことなどにより72百万円となりました。一方、特別損失は、三栄ハイテックス株式会社で計上した補助金収入に係る固定資産圧縮損を計上したことなどから、81百万円となりました。

この結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度に比べ21.1%増加し、2,976百万円となりました。

(法人税等)

当連結会計年度の法人税等は、海外子会社の税金費用が減少したことなどにより、前連結会計年度に比べ16.2%減少し、693百万円となりました。

この結果、当期純利益は、前連結会計年度に比べ40.0%増加し、2,283百万円となりました。

また、法人税等の税金等調整前当期純利益に対する比率は23.3%となり、前連結会計年度に比べ10.4ポイント減少しました。

(非支配株主に帰属する当期純損益)

当連結会計年度の非支配株主に帰属する当期純利益は、主にアイティアクセス株式会社が減益となったことから、前連結会計年度に比べ7.4%減少し、88百万円となりました。

この結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ43.0%増加し、2,194百万円となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

a.キャッシュ・フローの状況

当社グループの当連結会計年度末における資金の残高は、前連結会計年度末に比べ1,047百万円増加し、6,480百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の営業活動の結果得られた資金は2,741百万円(前期比227.6%増)となりました。これは主に、法人税等の支払が976百万円あったものの、税金等調整前当期純利益を2,976百万円、減価償却費を1,058百万円それぞれ計上したことなどにより資金を得たためであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の投資活動の結果使用した資金は1,150百万円(同47.9%減)となりました。これは主に、投資事業組合からの分配により397百万円を得たものの、有形固定資産の取得に639百万円、無形固定資産の取得に639百万円、長期前払費用の取得に215百万円の資金を使用したことなどによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の財務活動の結果使用した資金は900百万円(前期は685百万円の獲得)となりました。これは主に、短期借入金の増加により454百万円を得たものの、配当金の支払に771百万円、長期借入金の返済に521百万円の資金を使用したことなどによるものであります。

 

b.資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品や原材料等の仕入代金や販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は経常的に発生するものではありませんが、生産設備を有する一部の子会社の設備投資や事業買収に係る費用等があります。これらの資金需要に対しては、まず営業キャッシュ・フローで獲得した資金を使用し、不足分について金融機関からの借入などによる調達を実施することとしております。長期借入金や社債などの長期資金の調達につきましては、金利動向などの調達環境を考慮のうえ、調達規模や調達手段を適宜判断して実施することとしております。

また、自己株式の取得につきましては、「資本政策に関する基本方針」に基づき、実行の是非を判断することとしております。

 

③経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

「第2 事業の状況、1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおりであります。

 

④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準により作成されております。

連結財務諸表の作成にあたって、経営者が採用した会計基準や、資産・負債及び収益・費用の計上並びに開示に影響を与える見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性により、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。

なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に、重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」にそれぞれ記載しております。

 

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