文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、わが国税理士・公認会計士事務所とその顧問先企業のために最適な経営システム及び経営ノウハウを開発し、これを普及(コンサルティング・セールス)するとともに経営情報サービスを行います。これにより、わが国税理士・公認会計士事務所とその顧問先企業の経営革新を推進し、もって職業会計人の社会的地位の向上と顧問先企業を中心とする中堅・中小企業の繁栄に寄与し、ひいては日本経済の発展に貢献することを経営の基本方針としております。
■サステナビリティ経営
当社の事業は、日本の経済・社会を支える中小企業の経営課題を解決し、その成長・発展に寄与することを目的としています。そして、中小企業の発展が、多くの雇用を創出して地域経済を活性化します。まさに当社は日本社会の持続的な成長に貢献する企業を目指して経営活動を行っています。
今後も、最新テクノロジーを活用したイノベーションの創出に挑戦し続け、社会の課題解決に繋がる事業活動を推進するとともに、新たな価値創造を重ねることで継続的な企業価値の向上を目指してまいります。
<サステナビリティ基本方針>
私たちは、企業理念のもと、税理士・公認会計士事務所と共に、中小企業の成長・発展を支援し、また、中小企業のサステナビリティ経営を推進することで、持続可能な社会の実現と企業価値の向上を目指します。
1.DX 推進による地球環境への貢献
2.会計事務所と中小企業の経営革新、成長・発展を支援
3.多様なプロフェッショナル人材が活躍する働きがいのある職場づくり
4.健全成長のためのガバナンスの強化
※DX:デジタルトランスフォーメーションの略
<マテリアリティ(重要課題)とSDGs>
当社グループは、持続可能な社会の実現に貢献する企業であり続けるために、ステークホルダーにとっての重要度と当社グループ事業にとっての重要度の2軸で取り組むべき課題を分類し、特に優先して取り組むべき9つのマテリアリティを特定しています。また、特定したマテリアリティとSDGs(持続可能な開発目標)との関連付けを行いました。
マテリアリティ(重要課題) |
貢献するSDGs |
1.DX推進による地球環境への貢献 |
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2.会計事務所と中小企業の経営革新、成長・発展を支援 |
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3.多様なプロフェッショナル人材が活躍する働きがいのある職場づくり |
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4.健全成長のためのガバナンスの強化 |
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すべてのステークホルダーの皆様のご期待にお応えできるよう、今後も企業価値向上に向けて一層努力してまいります。
MJSグループのサステナビリティ経営(https://www.mjs.co.jp/outline/sustainability/)
(2)中期的な経営戦略
当社グループは、コロナ禍におけるデジタル化の急速な進展の下、既存ERP事業の進化・ビジネスモデルの変革と新規事業によるイノベーション創出を実現するための戦略として、2021年度から2025年度の5カ年を対象期間とする「中期経営計画 Vision2025」を策定し、2021年5月13日に公表しました。
当社グループの継続的な企業価値向上を実現するために、次の項目を2025年度のありたい姿として掲げて事業活動を推進してまいります。
① 2025年度におけるありたい姿
<既存ERP事業領域>
デジタルマーケティングを取り込みサブスクモデル比率を高め、安定収益源確保・継続的成長を実現
<新規事業領域>
デジタル・非対面時代に誰もが簡単にDXを実現できる統合型DXプラットフォーム国内No.1
② 経営目標
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2025年度目標 |
売上高 |
550億円 |
経常利益 |
125億円 |
ROE |
20.0%超 |
③ 基本戦略
1.会計事務所ネットワークNo.1戦略
製品の機能を強化し、新たな業務効率化ソリューションを提供することで、会計事務所ネットワークNo.1を実現します。さらに会計事務所の付加価値向上、新たなビジネス創出に貢献します。
2.中堅・中小企業向け総合ソリューション・ビジネス戦略
中堅・中小企業のDX化に向けた経営課題に応えるサービス領域を拡大し、コンサルティングにより価値創造を最大化し、総合的なソリューションビジネスを展開します。
3.統合型DXプラットフォーム戦略(新規事業領域)
中小企業・小規模事業者の誰もが簡単にDXを実現できる統合型DXプラットフォームを構築し、日本企業に成長と活力を与えます。
4.クラウド・サブスク型ビジネスモデルへの転換
クラウド化を進め、継続的に顧客課題を解決し、顧客生涯価値を向上させます。サブスク比率を高め、売上の安定化、収益率向上、サービスの高度化を追求します。
5.グループ連携強化によるグループ会社の独自成長促進
専門分野に特化した高いコンサルティング力と独自のテクノロジーを活かし、MJSグループにおけるシナジー最大化を図り、総合的なソリューション力を高めます。グループの組織再編と運営体制の最適化を図り、各社が自立して業績拡大することを目指します。
6.戦略実現を加速する人材力・経営基盤強化
With/Afterコロナ時代を踏まえ、人材投資を加速させ、働きやすい職場環境を実現します。新しい働き方に対応する経営・業務の基盤を構築します。
(3)経営環境
当社グループは、「会計事務所とともに中小企業の発展に貢献する」ことを使命として、会計事務所における事務所経営の最適化やその顧問先である中小企業の業務改善を多彩な経営システムの提供を通して支援しております。
また、中堅・中小企業に対しては、財務・会計システムを中心とするERP(統合業務)システムを活用したソリューションビジネスを展開し、企業における経営資源の全体最適化や経営情報の可視化による迅速な意思決定、全社的な業務改革等を支援しております。
会計事務所業界においては、大型税理士法人の台頭やインターネット等を利用した積極的な広告宣伝活動、顧問料の低価格化をはじめ、事務所間の競争が激化しており、また、開業税理士の高齢化による事業承継も事務所経営における課題の一つになっております。一方、中堅・中小企業においては、少子高齢化、採用難による人手不足や経営者の高齢化による事業承継問題、デジタル化の遅れ等による労働生産性の伸び悩み、グローバル経済への対応など、経済・社会構造の変化への柔軟な対応が大きな経営課題となっております。また、ITの進展に伴い、経営の全体最適化やBPR(業務プロセス改革)による生産性の向上、テレワークをはじめとする従業員の働き方改革、内部統制・ガバナンスの強化、BCP(事業継続計画)対策等に加え、DX領域の技術を活用したイノベーションの創出やビジネスモデルの転換など、持続的な成長を遂げるための企業戦略とITの融合が求められております。
一方、新型コロナウイルス感染症の影響は、ワクチン接種率の上昇等により経済活動の正常化が期待されるものの、ウイルス変異株の感染拡大による国内経済への影響をはじめ、景気の先行きは依然として不透明な状況が続くものと考えられますが、前述の通り、企業における人手不足への対応やテレワークをはじめとする働き方改革への取り組み等を背景に、生産性の向上や業務効率化、職場環境整備を目的としたIT投資の需要は一層高まると認識しております。
当社グループは、長年に亘る経済社会の構造的な問題や業界内での競争環境、ITの進展に伴う大きな時代の変化に対して、地域経済を支える会計事務所や中堅・中小企業が柔軟に対応し、また積極的な変革を遂げることを支援してまいります。当社グループの経営方針を全うし、社会的な使命を果たすとともに、これら時代の変化を大きな事業機会と捉え、お客様の持続的な成長を支援してまいります。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループのお客様である会計事務所や中堅・中小企業は、「(3)経営環境」に記載のとおり、経済・社会構造の変化や業界内での競争環境、ITの進展に伴う大きな時代の変化の中で柔軟な対応を迫られており、当社グループの製品・サービスへのニーズも高度化・多様化しております。このような中、お客様に対して、最適な経営システム及び経営ノウハウ、経営情報サービスを開発・提供し続けること、そのための強固な経営基盤を構築することが経営の最重要課題と捉えています。
具体的には、「(2)中期的な経営戦略」に記載しております「中期経営計画 Vision2025」における基本戦略として掲げている6項目について、継続的に実行してまいります。このような取り組みを通して、2025年度の経営目標の達成に向けて邁進してまいります。
また、「(1)経営方針」に記載しております「サステナビリティ経営」を推進する上において、サステナビリティ基本方針に基づく、9つのマテリアリティに取り組んでまいります。すべてのステークホルダーの皆様のご期待にお応えできるよう、今後も企業価値向上に向けて一層努力してまいります。
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