当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
流動資産は、前事業年度に比べ、81億円減少し、121億39百万円となりました。これは主に、前事業年度末が金融機関の休業日にあたり、仕入債務等の支払50億98百万円が3月1日となったこと、並びに土地の取得に係る支払いに伴う現金及び預金の減少によるものであります。
固定資産は、前事業年度に比べ、9億12百万円増加し、179億86百万円となりました。これは主に、土地の取得によるものであります。
この結果、総資産は、前事業年度に比べ、71億87百万円減少し、301億25百万円となりました。
流動負債は、前事業年度に比べ、72億74百万円減少し、64億34百万円となりました。これは主に、前事業年度末が金融機関の休業日にあたり、仕入債務等の支払50億98百万円が3月1日となったこと、及び未払法人税等の減少によるものであります。
固定負債は、前事業年度に比べ、23百万円増加し、19億34百万円となりました。
この結果、負債合計は、前事業年度に比べ、72億50百万円減少し、83億68百万円となりました。
純資産合計は、前事業年度に比べ、63百万円増加し、217億57百万円となりました。
また、1株当たり純資産額は、前事業年度に比べ、32円79銭増加し、3,765円46銭となりました。なお、自己資本比率は、前事業年度に比べ、14.2ポイント増加いたしました。
当事業年度におけるわが国経済は、長引く新型コロナウイルス感染症の影響により、国内においても政府が断続的に緊急事態宣言を発出し、10月の緊急事態宣言解除後も同ウイルスの新たな変異株が確認され、まん延防止等重点措置が適用されるなど、社会経済活動は引き続き非常に厳しい状況となりました。また、ウクライナ情勢の変化などによる原油価格・原材料価格の高騰や為替の影響による輸入物価の更なる上昇が国内経済を下振れさせるリスク並びに海外経済の動向及び金融資本市場の変動に留意が必要など、依然として先行き不透明な状況が続いております。
当小売業界におきましても、同感染症の長期的な影響により、雇用情勢の悪化や個人所得の減少が消費者マインドに与える影響が懸念され、低価格志向など根強い生活防衛意識の高まりにより、今後も厳しい状況が続くものと思われます。さらに、当社を取り巻く経営環境は、食品の取扱比率を高めているドラッグストアや同業店舗間競争の激化、人件費の高騰などに加え、資源価格や穀物価格等の上昇に伴う仕入価格への転嫁が進む影響により、引き続き厳しい状況が続くものと考えられます。
このような状況におきまして当社は、政府・自治体の指針に沿い、お客様及び従業員の安心・安全を最優先に、店舗における感染拡大防止対策に取り組み、営業活動を継続いたしました。
店舗政策では、6月に中村店・10月に今伊勢店・11月に清城店・1月に鳴子店をリニューアルオープンいたしました。また、5月に店舗用地として名古屋市北区に土地を取得しております。
販売促進政策では、生鮮食料品に強みを持つ食品スーパーである当社の特色を前面に打ち出し、月に一度、第2水曜日は鮮魚を中心とした「魚の日・新鮮大漁市」、第3水曜日は野菜や果物を中心とした「青果の日・青果大市」、29日は精肉を中心とした「肉の日」として、旬の食材やお値打ち品を多数取揃えた企画を実施いたしました。加えて、競合店対策として四半期に一度の大感謝祭・週に一度の95円(本体価格)均一等の企画を継続実施するとともに、毎週開催の日曜朝市を同感染症の状況を注視しながら再開いたしました。また、当社は6月に創業80年を迎えたことから、お客様からの永年のご愛顧に感謝し、創業80年を記念したスクラッチお買物券プレゼントやメーカーと共同でのお買物券プレゼントの特別企画等を実施いたしました。
業績面では、「新しい生活様式」の浸透による来店頻度の減少や生活防衛意識の高まりへの対策として、低価格販売の強化などに取り組みましたが、生鮮商品の相場変動や原材料及び包装資材等の高騰に伴う主力品目の価格改定の要請により販売促進企画が限定的となったこと、また、前期の同感染症の影響による内食需要の急激な高まりによる「巣ごもり需要」の反動減に加えて、10月の緊急事態宣言解除後の消費者行動の変化に伴う来店客数・買上点数の減少により、売上・利益ともに減少いたしました。
以上の結果、当事業年度は、営業収益1,004億57百万円(前年同期比5.4%減)、営業利益9億91百万円(前年同期比69.0%減)、経常利益10億85百万円(前年同期比66.7%減)、当期純利益6億13百万円(前年同期比70.1%減)となりました。
当事業年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)の期末残高は、96億76百万円(前年同期比46.6%減)となりました。これは主に、前事業年度末が金融機関の休業日にあたり、仕入債務等の支払50億98百万円が3月1日となったことにより、フリーキャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フローを差引いたもの)が、79億13百万円の減少となったこと、財務活動によるキャッシュ・フローが5億45百万円の減少となったことによるものであります。
営業活動による資金の減少は、52億27百万円となりました(前事業年度は87億40百万円の資金の増加)。これは主に、前事業年度末が金融機関の休業日にあたり、仕入債務等の支払50億98百万円が3月1日となったこと、及び法人税等の支払額の増加によるものであります。
投資活動による資金の減少は、26億85百万円となりました(前事業年度は7億75百万円の資金の減少)。これは主に、店舗等の設備投資及び土地の取得によるものであります。
財務活動による資金の減少は、5億45百万円となりました(前事業年度は2億38百万円の資金の減少)。これは主に、自己株式の取得及び配当金の支払によるものであります。
当社は、食料品を中心に生活関連用品等の販売を主な事業とする単一セグメントであります。
当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記金額には消費税等は含まれておりません。
当事業年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記金額には消費税等は含まれておりません。
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(営業収益)
営業収益は、前事業年度に比べ57億36百万円減少し、1,004億57百万円(前期比5.4%減)となりました。これは主に次の要因によるものであります。売上高の面では、6月に中村店・10月に今伊勢店・11月に清城店・1月に鳴子店をリニューアルオープンした一方で、「新しい生活様式」の浸透による来店頻度の減少や生活防衛意識の高まりへの対策として、低価格販売の強化などに取り組みましたが、生鮮商品の相場変動や原材料及び包装資材等の高騰に伴う主力品目の価格改定の要請により販売促進企画が限定的となったこと、また、前期の新型コロナウイルス感染症の影響による内食需要の急激な高まりによる「巣ごもり需要」の反動減に加えて、10月の緊急事態宣言解除後の消費者行動の変化に伴い来店客数・買上点数が減少したことによるものであります。その他の営業収入の面では、前期の同感染症の影響による内食需要の増加の反動減に伴い、総合物流センターの通過量及び通過金額の減少により、その他の収入が1億16百万円減少(前期比2.7%減)したことによるものであります。
(販売費及び一般管理費)
販売費及び一般管理費は、前事業年度に比べ5億29百万円減少し、186億81百万円(前期比2.8%減)となりました。これは主に、給与手当及び賞与が2億41百万円減少(前期比3.1%減)したことによるものであります。また、売上高比では前事業年度に比べ0.6ポイント増加し、19.6%(前期19.0%)となりました。
(営業利益)
営業利益は、前事業年度に比べ22億2百万円減少し、9億91百万円(前期比69.0%減)となりました。これは、売上総利益率が1.8ポイント減少したことにより、営業総利益が27億31百万円減少(前期比12.2%減)となったことと、販売費及び一般管理費が5億29百万円減少(前期比2.8%減)したことによるものであります。
(営業外損益)
営業外損益は、前事業年度に比べ24百万円増加し、94百万円(前期比34.6%増)となりました。
(経常利益)
経常利益は、前事業年度に比べ21億77百万円減少し、10億85百万円(前期比66.7%減)となりました。これは、営業利益が減益になったことによるものであります。
(特別損益)
特別損益は、前事業年度に比べ43百万円減少し、△1億41百万円(前期は△97百万円)となりました。これは主に、当事業年度において減損損失89百万円を計上したことによるものであります。
(当期純利益)
当期純利益は、前事業年度に比べ14億38百万円減少し、6億13百万円(前期比70.1%減)となりました。
当社は、売上総利益率と販売費及び一般管理費率を重要な経営指標とし、適正な利益確保に努めております。
売上総利益率は、計画に比べ0.1ポイント増加し15.3%(計画は15.2%)、販売費及び一般管理費率は、計画に比べ0.1ポイント減少し19.6%(計画は19.7%)と概ね計画の水準となりました。引き続き同業他社に勝る競争力を維持するため、重要な経営指標の進捗状況に注意を払い、今後も計画水準の維持に努めてまいります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
イ キャッシュ・フローの状況の分析・検討
営業活動によるキャッシュ・フローは、52億27百万円の支出となり、前事業年度と比較し、139億67百万円の収入の減少となりました。これは主に、前事業年度末が金融機関の休業日にあたり、仕入債務等の支払50億98百万円が3月1日となったこと、及び税引前当期純利益が、前事業年度と比較し、22億21百万円の減少となったことによるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、26億85百万円の支出となり、前事業年度と比較し、19億10百万円の支出の増加となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が、前事業年度と比較し、18億96百万円の増加となったことによるものであります。
これらにより、フリーキャッシュ・フローは、79億13百万円の支出となり、前事業年度と比較し、158億78百万円の支出の増加となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、5億45百万円の支出となり、前事業年度と比較し、3億7百万円の支出の増加となりました。
ロ 資本の財源及び資金の流動性
当社の資金需要は、店舗展開における出店資金(店舗建設)や、店舗の改装(建替えを含む)資金で、主に設備投資に関するものであります。
当社は、引き続き財務の健全性を保ち、営業活動によりキャッシュ・フローを生み出すことによって、当社の成長を維持するために手元流動性を確保し、将来必要な運転資金及び設備投資資金に充当することを基本としております。
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
繰延税金資産の回収可能性は、将来の税金負担額を軽減する効果を有するかどうかで判断しております。当該判断は、収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性、タックス・プランニングに基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性及び将来加算一時差異の十分性のいずれかを満たしているかどうかにより判断しております。
見積り及び仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌事業年度以降の財務諸表において認識する繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に重要な影響を与える可能性があります。
ロ 退職給付債務の算定
当社は、確定給付制度及び確定拠出制度を採用しております。確定給付制度の退職給付費用及び債務は、数理計算上の仮定を用いて退職給付見込額を見積り、割り引くことにより算定しております。数理計算上の仮定には、割引率、年金資産の長期期待運用収益率及び昇給率等の様々な計算基礎があります。
見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌事業年度以降の財務諸表において認識する退職給付費用及び債務の金額に重要な影響を与える可能性があります。
ハ 固定資産の減損
キャッシュ・フローを生み出す最小単位として店舗を基本単位とし、賃貸不動産及び遊休不動産については、個別物件毎にグルーピングしております。
営業活動から生ずる損益において、継続して損失が発生している店舗や土地の時価の下落が著しい店舗等について減損の兆候を把握します。
減損の兆候を把握した店舗等について減損損失の認識を判定した結果、減損損失を認識することとなった場合、回収可能価額が帳簿価額を下回るものについて帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として特別損失に計上しております。
減損損失を認識するかどうかの判定及び使用価値の算定において用いられる将来キャッシュ・フローは、キャッシュ・フローを生み出す最小単位である店舗毎に、経営環境などの外部要因に関する情報や当社が用いている内部の情報に基づき仮定し見積っております。
見積り及び仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌事業年度以降の財務諸表において追加の減損損失(特別損失)が発生する可能性があります。
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