事業等のリスク

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、次のとおりです。

なお、文中の将来に関する事項は、当有価証券報告書提出日(2022年6月29日)現在において、当社グループが判断したものです。

① 経済動向

耐火物事業及びファーネス事業は、鉄鋼業界の粗鋼生産量に大きく影響を受け、国内外での粗鋼の減産(新型コロナウイルス感染症の世界的流行の長期化及び世界の政治経済動向が不透明である事に伴う粗鋼の減産)は、当社グループの経営成績等の状況に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。

また、セラミックス事業は、主に半導体製造装置業界及び電子部品業界向けの製品を製造しており、各業界の設備投資の状況や市場の動向が当社グループの経営成績等の状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

当該リスクを踏まえ、生産体制、整備・施工体制の最適化(弾力的な生産体制、整備・施工体制の確立等)を図ることにより収益力を強化します。

② 特定の取引先との関係

日本製鉄㈱は、当社グループの継続的な主要取引先であり、また、当社グループは同社のグループ会社とも取引を有しています。当社グループの日本製鉄㈱の企業グループに対する売上比率は、約43.6%(連結、2022年3月期)となっています。

このため、同社グループの製鉄事業の動向や同社及び同社のグループ会社との取引の状況が当社グループの経営成績等の状況に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。

当該リスクを踏まえ、特定の取引先に加え、インド等の成長市場での拡販、欧米の成熟市場におけるターゲット顧客のシェア拡大等、グローバル展開をより積極的に推進します。また、耐火物事業、ファーネス事業に加え、事業分野として今後の成長が見込まれるセラミックス事業に注力します。

③パンデミックの発生

2020年に新型コロナウイルス感染症が世界的に流行し、世界的流行の終息が見通せない中、流行の長期化により、当社グループの事業活動に重大な支障をきたし、当社グループの経営成績等の状況に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。

当該リスクを踏まえ、当社グループでは、緊急対策本部を設置し、事業継続計画の策定(予防対策及び緊急対応体制の整備)を行うとともに、流行の状況に応じ、安全を最優先に考えた対策を実施しています。国内においては、在宅のテレワークの推進、オフィスにおける定期的な換気、飛沫拡散防止のためのパーテーションの設置の推進を行っています。グローバル各拠点でも、それぞれの地域で各国政府、地域の法令指導に従い、適切な対応を行っています。流行の終息まで引き続き、安全を最優先に考えた対策を実施するとともに、グローバルネットワークを活用した代替生産体制の整備、調達ソース多様化を推進しています。

④ 大規模災害の発生

当社グループは国内外に製造拠点を有しており、大規模災害により、各拠点の従業員や建屋、設備等に甚大な被害が発生し、操業を停止せざるを得ない場合には、当社グループの生産能力が低下し、当社グループの経営成績等の状況に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。

 

当該リスクを踏まえ、災害対応マニュアルや事業継続計画の策定、社員安否確認システムの構築、建屋の耐震補強、防災訓練等を進めています。また、グローバルネットワークを活用した代替生産体制の整備を進めています。

⑤ 情報セキュリティ事故の発生

当社グループは、様々な場面でコンピューターシステム及びコンピューターシステムを結ぶ通信ネットワークを利用し事業活動を行っています。また、新型コロナウイルスの影響によりテレワーク者が増加しています。そうした状況下で、サイバー攻撃等により、当社ネットワークへの不正アクセスやデータの破壊・改ざん、当社・取引先の機密情報の漏洩等により、当社グループの社会的信頼の失墜を招くとともに、経営成績等の状況に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。

当該リスクを踏まえ、NSG-CSIRT(日本製鉄グループのComputer Security Incident Response Team)への加入により、さらなるセキュリティ強化策を講じます。また、グループ内での情報セキュリティに関するEラーニング、標的型攻撃メール抜き打ち訓練の実施等を通じ、情報管理意識の向上を図っています。こうした対策を通して、セキュリティの強化に努めます。

⑥ 原料価格等の変動

耐火物原料は過半数を海外輸入に依存しています。また、耐火物を調達品として海外から相当量輸入しています。加えて、耐火物の製造工程の一部で、焼成用燃料として液化天然ガス(LNG)、重油を使用しており、LNG価格や原油価格の高騰は、製造・輸送コストの上昇や購入品の価格上昇に繋がります。

原料価格、調達価格、LNG価格、原油価格の高騰が長期化した場合、当社グループの経営成績等の状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

当該リスクを踏まえ、販売価格への転嫁を顧客との間で粘り強く交渉するとともに、調達ソース多様化の検討を進めています。

⑦ 特定国への依存に伴うカントリーリスク

当社グループは、グローバルに事業を展開しています。その中でも、中国は、製造拠点としての重要度が高く、耐火物原料等の購入についても、中国からの調達に依存しています。さらに、販売拠点としても重要です。

中国における各種規制、政策転換、新型コロナウイルスの感染再拡大への予防措置として実施するロックダウンの長期化等が当社グループの経営成績等の状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、当社は、インドのTRL KROSAKI REFRACTORIES LIMITEDを連結子会社としており、同社の売上高は290億円(2022年3月期)となっています。

インドにおける各種規制、政策転換、混乱等により、同社の事業活動に支障が生じた場合には、当社グループの経営成績等の状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑧ 為替相場の変動

当社グループは、グローバルに事業を展開しています。各国・地域における売上、費用及び資産を含む現地通貨建ての項目は、連結財務諸表作成のために日本円に換算されています。これらの項目は、換算時の為替レートにより、円換算後の価値が変動する可能性があります。

当社グループでは、現在のところ輸出額よりも輸入額の方が大きいため、概ね、円高は当社グループの経営成績等の状況に好影響を及ぼし、円安は悪影響を及ぼすこととなります。

当該リスクを踏まえ、一部の外貨建ての営業債権債務について、一定のルールに基づき先物為替予約を利用することにより、為替変動リスクをヘッジしています。

 

⑨ 事業活動に係る法的規制

当社グループは、その事業活動において、商取引法、独占禁止法、労働法、知的財産法、環境法、建築基準法、建設業法等の各種法的規制を受けています。

これらの法的規制により損害賠償責任が生じる場合や、これらの法的規制が改廃されたり新たな法的規制が定められたりして対応が求められる場合には、費用負担等が生じ、当社グループの経営成績等の状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑩ 保有投資有価証券の価値変動

当社グループは約63億円の投資有価証券を保有しており(連結、2022年3月末時点)、投資先企業の経営成績不振、証券市場における市況の悪化等でその価値が下落した場合は、当社グループの経営成績等の状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑪ アライアンス先との関係

当社グループは、世界の主要な鉄鋼市場に製品、技術を提供するという戦略のもとに、技術提携、資本提携、出資等の方法で、各国大手耐火物メーカーとの相互連携を展開、強化することによって、グローバル展開を推進しています。

しかし、当初期待されたアライアンスの成果を挙げられない場合や、アライアンスの関係が解消された場合には、戦略の見直しを迫られ、当社グループの事業展開に支障が出る可能性があります。

 

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