課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1)会社の経営の基本方針

株式会社東京ドームは、1936年に株式会社後楽園スタヂアムとして創立され、日本初のプロ野球専用球場である後楽園球場の運営にとどまらず、多種多彩なイベントの企画や、アイスパレス、遊園地、ボウリングセンターの経営など、都市型レジャーのパイオニアとして歩んでまいりました。1988年には日本初の屋根付き球場「東京ドーム」をオープンし、1990年には現在の社名に変更いたしました。その後も、2000年に「東京ドームホテル」、2003年に「ラクーア」、そして2008年に「ミーツポート」をオープンするなど、時代とともに変化を続けてまいりました。今後も東京ドームシティを中核事業所と位置づけ、事業価値向上を目指してまいります。

当社グループは、その経営理念である「私たちは、人とひととのふれあいを通して、お客様と『感動』を共有し、豊かな社会の実現に貢献します」を実践すべく、老若男女が楽しめる都市型レジャースタイルの構築と提案を使命とし、今後もレジャーサービス業のリーディングカンパニーであるという誇りを胸に前進してまいります。

(2)中長期的な会社の経営戦略及び目標とする経営指標

当社グループは2016年2月から2021年1月までの5年間を対象とする中期経営計画「新機軸」を策定し、次世代に向けた東京ドームグループの新たな価値創造を目指して取り組みを進めております。

「新機軸」における経営目標は以下の通りです。

①「2021年1月期の連結営業利益130億円」

②「2021年1月期の連結有利子負債残高1,390億円」

③「2021年1月期の連結ROA(総資産経常利益率)4%、連結ROE(自己資本利益率)6%」

④「一株当たり12円の配当に加え、連結当期純利益60億円を超える部分のEPS(一株当たり利益)×30%分の配当を業績に応じて実施」

(3)経営環境及び対処すべき課題

当社グループは、中期経営計画「新機軸」において掲げております4つの目標の達成に向けて、以下の取り組みを予定しております。

東京ドームにおきましては、プロ野球開幕の延期など新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、イベント開催は流動的な部分が大きくございますが、これまで培ってきた各主催者との良好な関係により、限られた条件のもと最大限の誘致に努めます。

一方で、これまで進めて参りましたスタジアムビジネス拡充策のひとつとして、現在のニーズだけでなく、今後の通信インフラを使用した将来の商品・サービスにもスムーズに対応できるよう高密度Wi-Fiを整備しました。球場内の302基のアクセスポイントにより、快適な通信環境の中でイベント主催者が展開するオリジナルサービスをお客様に体験していただけます。

また、昨年、一昨年と設置したパーティールームの高稼働を受け、更なるグループ観戦ニーズに応えるため、内野の2階立見エリアにリラックスして野球観戦を楽しめる、壁で仕切られた半個室のプライベートルームを8区画新設しました。

好調な客足を獲得している場内飲食及び物販店舗のリニューアルについては、既に4階コンコースに2店舗の飲食売店を備えた大型イートイン型のフリースペースの設置や、前期改装時に売上が伸長したウォークイン型の雑貨売店の設置、2階コンコースにも収益性の高い専門店をオープンさせるなど、購買意欲の喚起を図りました。

東京ドームホテルにおきましては、多様化するニーズに合わせた設備の改善やサービスの提供に取り組みます。本年6月に開業20周年を迎えるにあたり、「おかげさまで20周年 “こころ踊る未来” へ 東京ドームホテルはさらに成長を続けます」をテーマに、これまでご愛顧いただいた多くのお客様に感謝の気持ちを込めて、記念イベントや各種フェアなどの開催を予定しており、これらからもお客様へのおもてなしに努めて参ります。

 

熱海後楽園ホテルにおきましては、「ATAMI BAY RESORT KORAKUEN」として、ホテルと日帰り温泉を中心とした複合型リゾート施設へと生まれ変わり、新たなビジネスモデルの確立による収益力向上を目指しております。開業2年目となる今期は、新たなターゲットの取り込みを図り、ソーシャルメディアを最大限活用した宣伝・販促活動に加え、宿泊客やロープウェイ利用者の施設内の回遊性の強化、日帰りバスツアー獲得に向けた積極的なセールス活動等により、多くのお客様に海辺のリゾート施設ならではのくつろぎと癒しを体験していただけるよう、様々な施策に取り組んで参ります。

東京オリンピック・パラリンピックの開催に伴い、東京への関心が高まるインバウンド対応につきましては、更なる訪日外国人の集客に向けてのプロモーション強化を予定しておりましたが、新型コロナウイルスの感染の拡大により、中国だけでなくアジア・米国へのプロモーションを当面中止しております。

新型コロナウイルス感染症への対策としましては、社内に設置した対策チームにおいて、行政等から発せられる情報を収集し、対応策の検討と実施を行っております。具体的には、感染を予防するために、来場されるお客様に対して各施設の入り口に消毒液を配置し使用していただくことや、手洗い・うがいなどのお願いをHPや構内ビジョンにてお伝えし、ご協力をいただくよう努めております。施設面での対策では、東京ドームをはじめとする建物内の換気の向上や、手に触れる箇所の定期的な消毒なども日々実施しております。従業員においては、マスクの着用や手洗い・うがい・消毒液の使用などのほか、出勤前に検温を実施し、体調の管理の徹底に努めるとともに、時差通勤や土日祝日出勤の推奨など人事制度面でのバックアップも行っております。お客様から体調不良のお申し出があり新型コロナウイルス感染の疑いがあった場合、消毒など万が一の感染拡大を防止する対策を取りながら、保健所の指示を仰ぎ、対応する体制を整えております。

また、社長を本部長とし、常勤取締役を構成員とする災害対策本部を設置し、各事業所の営業休止など重大な意思決定が速やかにできる体制を整え、実行しております。

安全・安心な環境の保持については、従来より東京ドームシティ アトラクションズが取り組んで参りました、安全活動モデル「AAA」を当社グループにおいて横断的に実行すべく周知活動を推進していきます。「AAA」-東京ドームグループすべての(all)、安全管理における(anzen)、行動(action)-とは、全ての安全管理における行動を体系化、それを網羅的かつ簡潔に示すモデルで、今後このモデルに則り、現状の安全活動での弱い面・漏れなどに気付きやすくし、それを強化することによって安全管理のレベルを向上させる活動を実施します。これまでも当社グループにおいては安全理念及び安全基本方針の徹底を図るため様々な取り組みを行って参りましたが、この「AAA」導入により、グループ全体でよりレベルの高い安全管理体制の構築を進めます。

国内経済は、国民行事たる東京オリンピック・パラリンピックを間近に控え、良好な水準で推移することが見込まれておりましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大が憂慮される状況にあります。このような状況ではありますが、当社グループにおきましては、これまでに培った取引先や地域社会との協力関係を基礎として「新機軸」で掲げた課題を解決し、目標を達成するために、必要な施策をひとつひとつ実行し、グループの企業価値向上を目指して参ります。

当社グループは、「お客様と『感動』を共有し、豊かな社会の実現に貢献する」という経営理念を実践すべく、今後もグループの総力を結集して事業に邁進する所存であります。

 

 

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