課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針

 当社グループは、「住まいを通じて生涯のおつきあい」をコーポレートスローガンとし、お客様の生活・暮らし方から環境にまで配慮した住まいを提供することにより、お客様の生涯にわたる満足を追求してまいります。

 住宅・技術開発に基づく環境重視の経営を推進するとともに、お客様に安全・安心、快適な暮らしをお届けするため、販売・施工・アフターサービス・メンテナンスそしてお客様のライフサポートに至るまで、顧客満足(CS)重視の経営を推進することにより、お客様から信頼され社会に愛される企業を目指しております。

 

(2)経営指標・ 経営戦略等

 当社グループは平成29年度を初年度とする新たな3ヵ年の中期経営計画「First Step For NEXT50」のもと、各事業において諸施策を実施してまいりました。平成30年度までの2年間、主力の戸建住宅事業の規模の維持を図りながら、資産活用事業やリフォーム事業を拡大し、まちづくり事業、海外事業などの新たな事業への投資も積極的に行っていくことで、持続的成長が可能な企業を目指してまいりました。平成31年度においても引き続きこの基本方針に沿った施策に取り組み、各事業を着実に発展させて計画の達成を目指してまいります。

 

(3) 経営環境

 当期のわが国経済は、米中貿易摩擦や欧州の政治情勢など海外の不安定な動きに注意を要しましたが、雇用・所得環境の改善が続く中で各種政策の効果もあり、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。

 住宅業界においては、貸家の相続税対策需要が減少したものの、住宅ローン金利が引き続き低水準にあったことなどから、平成30年度の新設住宅着工戸数は前期比0.7%増の95万戸となりました。

 

(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題

 当面のわが国経済は海外経済の減速や消費税増税の影響が懸念されるものの、住宅業界においては堅調な雇用・所得環境や低金利を背景に、緩やかな回復基調が続くものと思われます。

 しかしながら、長期的な人口減少やそれに伴う国内住宅市場の縮小、また新築重視から既存住宅の有効活用を重視していくという国や社会のニーズの変化など、取り組むべき課題は多様化し、その対応が急務となっております。

 こうした中、当社は住宅メーカーの今後のあるべき姿を見据え、持続的な成長と企業価値の向上を図るべく、トヨタ自動車株式会社とパナソニック株式会社が目指す「住宅とテクノロジーの融合」による新たな街づくり構想の中で、社会的使命を果たしていくことを決断いたしました。その一環として、令和元年5月、当社株式に一定の比率でトヨタ自動車株式を割り当てる「三角株式交換」の方法によりトヨタホーム株式会社を完全親会社とし、当社を完全子会社とする株式交換契約を締結いたしました。当社は、令和元年11月に予定する臨時株主総会での承認を得た後、同社の完全子会社となり、最終的にはトヨタ自動車株式会社とパナソニック株式会社が設立する合弁会社の完全子会社となる予定であります。

 当社グループは、こうした新しい枠組みに参画できることを大きなチャンスと捉え、これまで培ってきたノウハウや強みを最大限に発揮し、各社との連携のもと人々のより良い暮らしの実現を目指してまいります。

 

上記課題に対する事業別の主な取組みは以下のとおりであります。

 

①戸建住宅事業

 センチュリーモノコック構法を採用した商品の販売促進に努めるほか、災害に強い住まいの一層の強化を図り、新たに「MISAWA-LCP」の考え方を盛り込んだ商品をラインアップし、積極的に展開してまいります。耐震木造住宅「MJ Wood」においては、狭小敷地、防火地域に対応した商品開発により都市部の「まちなか」で高まる耐火ニーズに応えてまいります。

 

②資産活用事業

 都市部に多い防火地域に対応でき、賃貸併用・店舗併用住宅として限られた敷地の有効活用ができる中層耐火建物の販売強化を図ってまいります。また、低層賃貸住宅においては、大収納空間「蔵」と高天井を組み合わせた空間活用やZEH対応等で差別化を図り、富裕層の資産活用ニーズに対する提案を強化してまいります。

 

 

③リフォーム事業

 「ミサワリフォーム」のブランド名を浸透させ、戸建住宅のみならず、マンションや非住宅の受注拡大を図ってまいります。また、耐震改修や空き家問題などの社会的課題の解決に向けて、従来のリフォーム・リノベーションとはまったく異なる手法のリファイニング建築を本格展開するため、当社100%出資の新会社「MAリファイニングシステムズ株式会社」を設立いたしました。今後、同社を通じて不動産再生コンサルティングや買取再販事業、自社保有物件の賃貸収益事業など幅広く展開してまいります。

 

④まちづくり事業・海外事業

 まちづくり事業については、政府や自治体のスマートウェルネス構想を受けて官民連携のうえ、当社のまちづくりブランド「ASMACI」の積極展開を図ってまいります。また、地方都市を中心にマンション分譲を推進するほか、オフィスビルやマンション等への不動産投資の取組みも拡大してまいります。

 海外事業については、豪州と米国において戸建住宅の売建分譲を中心とした事業展開を本格化してまいります。

 

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