業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止策を講じ、ワクチン接種を促進する中で各種政策の効果もあり、持ち直しの動きがみられるものの、年度後半には、ウクライナ情勢等の影響により不透明な状況で推移しました。

建設業界におきましては、公共投資は、補正予算の効果もあり、高水準で推移しました。民間設備投資は、情報化投資や脱炭素に向けた環境対応投資等を中心に持ち直しの動きがみられました。

このような状況下にあって当社グループは、空調計装関連事業の新設工事においては、「全社最適方針の徹底および既設工事に繋がる物件の受注」、空調計装関連事業の既設工事においては、「エネルギー課題に則した提案型ビジネスおよびメンテナンスビジネスを両立させる事業展開」、産業システム関連事業においては、「グループ企業と一体となった業容拡大およびそれを可能とする事業体制の構築」を対処すべき課題として掲げ、事業展開してまいりました。

その結果、受注高につきましては、空調計装関連事業及び産業システム関連事業ともに減少し、34,016百万円(前年同期比1.3%減)となりました。

売上高につきましても、空調計装関連事業及び産業システム関連事業ともに減少し、31,669百万円(同7.1%減)となりました。

利益面につきましても、売上高の減少により、営業利益は4,074百万円(同11.1%減)、経常利益は4,139百万円(同11.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は3,029百万円(同8.9%減)となりました。

なお、当連結会計年度における新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う業績への影響は軽微であります。

また、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、当連結会計年度の売上高は1,009百万円増加し、営業利益、経常利益及び税金等調整前当期純利益はそれぞれ222百万円増加しております。詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおりであります。

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

〔空調計装関連事業〕

空調計装関連事業につきましては、受注工事高は、新設工事において研究施設及び事務所向け物件等が減少し、既設工事において、工場及び公共施設向け物件等が増加したものの、29,071百万円(前年同期比0.8%減)となりました。内訳は、新設工事が9,322百万円(同13.9%減)、既設工事が19,748百万円(同6.9%増)でした。

完成工事高は、新設工事において事務所及び工場向け物件等が減少し、既設工事において、教育施設及び医療施設向け物件等が増加したものの、28,025百万円(同1.8%減)となりました。内訳は、新設工事が9,067百万円(同6.9%減)、既設工事が18,958百万円(同0.8%増)でした。

次期繰越工事高は、新設工事及び既設工事ともに増加し、15,482百万円(同7.2%増)となりました。

また、制御機器類販売の受注高及び売上高は、297百万円(同0.2%減)となりました。

総じて、空調計装関連事業の受注高は29,368百万円(同0.8%減)、売上高は28,323百万円(同1.8%減)となりました。

〔産業システム関連事業〕

主に工場や各種搬送ライン向けの計装工事、各種自動制御工事及び食品工場向けの生産管理システムの構築等を行う産業システム関連事業につきましては、受注工事高は、電気工事が増加したものの工場設備における機器・システム更新及び地域冷暖房関連設備の計装工事等の減少により、4,349百万円(前年同期比1.3%減)となりました。

完成工事高につきましては、地域冷暖房関連設備の計装工事及び工場設備における機器・システム更新等が減少し、3,048百万円(同36.4%減)となりました。

次期繰越工事高は、電気工事等を中心に、2,724百万円(同91.5%増)となりました。

また、制御機器類販売の受注高及び売上高は、298百万円(同33.3%減)となりました。

総じて、産業システム関連事業の受注高は4,647百万円(同4.2%減)、売上高は3,346百万円(同36.1%減)となりました。

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1,145百万円減少し8,159百万円(前期比12.3%減)となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において営業活動の結果得られた資金は1,357百万円(同66.9%減)となりました。

これは、主に売上債権の増加1,711百万円に対して、税金等調整前当期純利益の計上4,403百万円及び仕入債務の増加966百万円があったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において投資活動の結果使用した資金は1,435百万円(同39.8%減)となりました。

これは、主に投資有価証券の償還による収入1,245百万円に対して、投資有価証券の取得による支出2,913百万円及び保険積立金の積立による支出427百万円があったことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において財務活動の結果使用した資金は1,067百万円(同5.0%増)となりました。

これは、主に配当金の支払999百万円があったことによるものであります。

 

③生産、受注及び販売の状況

イ.受注実績

区分

前連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前連結会計年度比(%)

空調計装関連事業(百万円)

29,606

29,368

( 0.8%減)

産業システム関連事業(百万円)

4,853

4,647

( 4.2%減)

合計(百万円)

34,459

34,016

( 1.3%減)

 

ロ.売上実績

区分

前連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前連結会計年度比(%)

空調計装関連事業(百万円)

28,841

28,323

( 1.8%減)

産業システム関連事業(百万円)

5,237

3,346

(36.1%減)

合計(百万円)

34,079

31,669

( 7.1%減)

(注)1.当社グループでは生産実績を定義することが困難であるため「生産の状況」は記載しておりません。

2.最近2連結会計年度の売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の売上高及びその割合は次のとおりであります。

(前連結会計年度)

高砂熱学工業㈱

4,525

百万円

13.3

(当連結会計年度)

高砂熱学工業㈱

3,636

百万円

11.5

 

なお、参考のため提出会社個別の事業の実績は次のとおりであります。

 

当社が営んでおります空調計装関連事業及び産業システム関連事業では、生産実績を定義することが困難であります。また、請負形態をとっているため販売実績という定義は実態に即しておりません。

よって、「受注工事高及び完成工事高等の状況」として次に記載しております。

 

受注工事高及び完成工事高等の状況

イ.受注工事高、完成工事高及び次期繰越工事高

期別

セグメントの名称

前期繰越工事高

(百万円)

当期受注工事高

(百万円)

(百万円)

当期完成工事高

(百万円)

次期繰越工事高

(百万円)

前事業年度

(自2020年4月1日

至2021年3月31日)

空調計装関連事業

14,865

29,307

44,173

28,543

15,630

産業システム関連事業

2,047

3,966

6,013

4,409

1,603

合計

16,913

33,274

50,187

32,953

17,234

当事業年度

(自2021年4月1日

至2022年3月31日)

空調計装関連事業

14,436

29,071

43,507

28,025

15,482

産業システム関連事業

1,363

4,044

5,407

2,742

2,665

合計

15,799

33,115

48,915

30,767

18,147

(注)1.前事業年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額に変更のあるものについては、当期受注工事

高にその増減高が含まれております。したがって、当期完成工事高にも同様の増減高が含まれております。

2.次期繰越工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)に一致しております。

なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当事業年度の期首から適用しており、前事業年度における次期繰越工事高と比べて、当事業年度における前期繰越工事高が1,434百万円減少しております。

3.当期受注高及び当期売上高としては、上記当期受注工事高及び当期完成工事高のほかに、制御機器類の販売に係る当期受注高及び当期売上高が以下のとおりであります。

(前事業年度)

空調計装関連事業298百万円、産業システム関連事業377百万円

(当事業年度)

空調計装関連事業297百万円、産業システム関連事業284百万円

ロ.受注の方法

当社の工事の受注方法は、そのほとんどが特命によっております。

ハ.販売実績

(a)完成工事高

期別

セグメントの名称

官公庁(百万円)

民間(百万円)

合計(百万円)

前事業年度

(自2020年4月1日

至2021年3月31日)

空調計装関連事業

9,414

19,128

28,543

産業システム関連事業

442

3,967

4,409

合計

9,857

23,095

32,953

当事業年度

(自2021年4月1日

至2022年3月31日)

空調計装関連事業

8,397

19,628

28,025

産業システム関連事業

200

2,541

2,742

合計

8,597

22,169

30,767

 (注)1.完成工事高のうち、請負金額が1億円以上の主なものは次のとおりであります。

(前事業年度)

高砂熱学工業㈱

・TGMM芝浦プロジェクト B棟Ⅱ期新築 自動制御工事

東洋熱工業㈱

・千葉県がんセンター新棟 自動制御工事

㈱きんでん

・ダイハツ工業㈱京都工場 自動制御及び動力二次側工事

ダイダン㈱

・北里大学医薬衛生学部新A号館新築 自動制御工事

㈱大気社

・㈱岡山村田製作所 G棟新築工事 自動制御設備工事

(当事業年度)

高砂熱学工業㈱

・日本テレビタワー 空調自動制御機器更新工事

新菱冷熱工業㈱

・広島市立新安佐市民病院(仮称) 自動制御設備工事・脱臭設備工事

ダイダン㈱

・中外製薬工業㈱藤枝工場 自動制御工事

新日本空調㈱

・東急戸越ビル 電気・計装工事

高砂熱学工業㈱

・㈱ゆうちょ銀行横浜貯金事務センター リモートユニット更新工事

 

2.最近2事業年度の完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりであります。

(前事業年度)

高砂熱学工業㈱

4,510

百万円

13.7

(当事業年度)

高砂熱学工業㈱

3,634

百万円

11.8

 

(b)商品売上高

期別

セグメントの名称

金額(百万円)

前事業年度

(自2020年4月1日

至2021年3月31日)

空調計装関連事業

298

産業システム関連事業

377

合計

675

当事業年度

(自2021年4月1日

至2022年3月31日)

空調計装関連事業

297

産業システム関連事業

284

合計

581

 

ニ.繰越工事高(2022年3月31日現在)

セグメントの名称

官公庁(百万円)

民間(百万円)

合計(百万円)

空調計装関連事業

3,235

12,246

15,482

産業システム関連事業

139

2,526

2,665

合計

3,375

14,772

18,147

(注)繰越工事高のうち、請負金額が1億円以上の主なものは次のとおりであります。

高梨乳業㈱

・高梨乳業㈱北海道工場 モバイルロボット搬送設備工事

2022年9月完成予定

三機工業㈱

・日本生命淀屋橋ビル新築工事 自動制御工事

2022年10月完成予定

第一工業㈱

・目黒清掃工場建替工事(機械設備) 計装工事

2023年3月完成予定

高砂熱学工業㈱

・千葉銀行おゆみ野センター 空調更新工事(中央、盤)

2023年3月完成予定

三建設備工業㈱

・虎ノ門ステーションタワー(1・2丁目再開発A-1街区) 計装工事

2023年7月完成予定

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

イ.受注高

当連結会計年度の受注高は、前連結会計年度に比べ442百万円減少し、34,016百万円となりました。

空調計装関連事業における新設工事の受注高は、研究施設及び事務所向け物件等が減少したことにより1,505百万円減少しました。既設工事の受注高は、工場及び公共施設向け物件等が増加したことにより1,269百万円増加しました。

産業システム関連事業における産業計装工事等の受注高は、工場設備における機器・システム更新及び地域冷暖房関連設備の計装工事等が減少したことにより56百万円減少しました。

また、当社グループは受注高を重要な経営指標としておりますが、当連結会計年度の達成状況は以下のとおりであります。

報告セグメント

区分

2021年度計画(百万円)

2021年度実績(百万円)

計画比(百万円)

空調計装

関連事業

空調計装工事

新設工事

8,050

9,322

1,272

(15.8%増)

既設工事

18,000

19,748

1,748

(9.7%増)

26,050

29,071

3,021

(11.6%増)

制御機器類販売

300

297

△2

(0.8%減)

26,350

29,368

3,018

(11.5%増)

産業システム関連事業

産業計装工事等

4,300

4,349

49

(1.2%増)

制御機器類販売

350

298

△51

(14.8%減)

4,650

4,647

△2

(0.0%減)

合計

31,000

34,016

3,016

(9.7%増)

空調計装関連事業の新設工事においては、「全社最適方針の徹底および既設工事に繋がる物件の受注」を対処すべき課題として掲げておりましたが、経営資源の効率的配分が奏功し、実績は計画値を上回っており将来的に既設工事に繋がる物件も相当数確保できたものと認識しております。既設工事においては、「エネルギー課題に則した提案型ビジネスおよびメンテナンスビジネスを両立させる事業展開」を対処すべき課題として掲げておりましたが、実績は計画値を上回っており提案型ビジネスおよびメンテナンスビジネス共に堅調に推移しました。

産業システム関連事業においては、「グループ企業と一体となった業容拡大および事業体制の構築」を対処すべき課題として取り組んでおりましたが、実績はほぼ計画値の水準を維持しました。

なお、空調計装関連事業における新設工事の次期繰越工事高は、9,673百万円となり、既設工事の次期繰越工事高は、5,808百万円となりました。産業システム関連事業における産業計装工事等の次期繰越工事高は、2,724百万円となりました。

ロ.売上高

当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ2,409百万円減少し、31,669百万円となりました。

空調計装関連事業における新設工事の完成工事高は、事務所及び工場向け物件等が減少したことにより676百万円減少しました。既設工事の完成工事高は、教育施設及び医療施設向け物件等が増加したことにより159百万円増加しました。

産業システム関連事業における完成工事高は、地域冷暖房関連設備の計装工事及び工場設備における機器・システム更新等が減少したことにより1,742百万円減少しました。

なお、計画比較に関しましては計画値32,000百万円に対し330百万円減少しました。

 

 

ハ.売上総利益

当連結会計年度の売上総利益は、前連結会計年度に比べ578百万円減少し、10,724百万円となりました。売上総利益率については、主に既設工事における工事採算の改善により全体で0.7ポイント上昇し33.9%となりました。

ニ.販売費及び一般管理費

当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、主に従業員給与手当及び法定福利費の減少により前連結会計年度に比べ67百万円減少し、6,649百万円となりました。

ホ.営業利益

当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度に比べ510百万円減少し、4,074百万円となりました。

売上高営業利益率については、0.6ポイント低下し12.9%となりました。セグメント別では空調計装関連事業においては、1.6ポイント上昇し24.0%、産業システム関連事業においては、8.7ポイント低下し3.4%となりました。

なお、計画比較に関しましては計画値4,050百万円に対し24百万円増加しました。

ヘ.営業外収益及び営業外費用、特別利益及び特別損失

営業外収益及び営業外費用は、主にその他の営業外収益の減少により前連結会計年度の75百万円の収益(純額)に対し、65百万円の収益(純額)となりました。

特別利益及び特別損失は、主に固定資産売却益の発生により前連結会計年度の1百万円の損失(純額)に対し、263百万円の収益(純額)となりました。

ト.税金等調整前当期純利益

当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度に比べ255百万円減少し、4,403百万円となりました。

チ.法人税等

法人税等は、法人税額の特別控除の減少により、前連結会計年度に比べ38百万円増加し、1,373百万円となりました。税効果会計適用後の法人税等の負担率は、前連結会計年度の28.6%から31.2%に上昇しました。

リ.親会社株主に帰属する当期純利益

当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ294百万円減少し、3,029百万円となりました。これにより1株当たり当期純利益は、前連結会計年度の415.28円から378.40円になりました。

なお、計画比較に関しましては計画値2,830百万円に対し199百万円増加しました。

ヌ.自己資本当期純利益率(ROE)

当社グループは、自己資本当期純利益率(ROE)を重要な指標として位置づけております。当連結会計年度の自己資本当期純利益率(ROE)は、前連結会計年度に比べ1.6ポイント低下し10.9%となりました。今後も、引き続き資本効率の向上及び株主資本の有効利用等の施策を検討し、10%以上の達成の継続に取り組んでまいります。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

イ.キャッシュ・フロー

「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載の通りであります。

ロ.資金調達

当社グループは、転リース取引等個別の条件によるもの以外については、内部資金により資金調達しております。

ハ.資金需要

当社グループの資金需要のうち主なものは運転資金であります。その主たる内容は各種工事のための原材料購入及び外注工事費の支払、販売費及び一般管理費等の営業費用であり、営業費用の主なものは人件費であります。また、その他の資金需要として、成長投資や株主還元があります。

運転資金については、営業活動より得られるキャッシュ・フローを基本とした流動性資金(預金及び取得日から3か月以内に償還期限が到来する短期投資)にて十分に補完できているものと考えております。また、急激な環境変化にも備え流動性を維持するための流動性補完資金については、流通市場が形成されている公社債等の中期投資で確保しております。

成長投資については、原則的に流動性資金を充当しており、研究開発や近年のデジタル化促進による設備投資及び採用・研修等の人的投資を行っております。また、成長投資の一環として業務上関係を有する企業の株式や社債等の金融商品に投資することで、投資先企業との円滑かつ良好な関係維持、取引及び事業領域拡大を図っております。

株主還元については、業績に多大な影響を及ぼす事象や新規設備投資計画が無い限り、配当性向を一定に保ち、業績に応じた配当を実施することを基本とします。具体的には、配当性向を30%程度とすることを目標としております。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般的に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表作成に当たりまして、期末時点の資産・負債及び期中の収益・費用の適正な計上を行うため、見積りや仮定が必要とされます。当社グループは、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき見積り及び判断を行い、その結果は資産・負債の簿価及び収益・費用の計上についての判断の基礎となります。実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

また、当連結会計年度における新型コロナウイルス感染症拡大に伴う業績への影響は軽微でありました。今後、コロナ禍の影響を受けた業界を中心に受注環境の悪化が懸念されますが、繰延税金資産の回収可能性及び固定資産の減損等の会計上の見積りに与える影響は限定的であると判断しております。

なお、新型コロナウイルス感染症拡大による影響は不確定要素が多く、上記の仮定に状況変化が生じた場合は、翌連結会計年度の当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、次の重要な会計方針の適用における見積りや仮定は連結財務諸表に重要な影響を与えると考えております。

 

イ.収益の認識

収益の認識に用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

ロ.完成工事補償引当金

当社グループは完成工事に係る瑕疵担保、アフターサービス等の費用の支出に備え、完成工事補償引当金を計上しております。

完成工事補償引当金の計上にあたっては、過去の補修費支出の実績を基準にした金額及び特定の物件については補償工事費用の個別見積額を計上しております。そのため、実際の結果が、見積りの前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合において、完成工事補償引当金が増減し業績に影響を及ぼす可能性があります。

ハ.投資の減損

当社グループは、特定のお客様や金融機関等の取引先に対する株式を所有しております。これら株式には価格変動性が高い上場株式と、株価の決定が困難である非上場株式が含まれております。

上場株式については、期末時点で市場価格が取得価額に対して著しく下落している場合、非上場株式及び関係会社株式については、投資先の純資産価額の当社グループ持分が当社の帳簿価額に対して著しく下落している場合につき、将来の回復の可能性を検討し、評価損を計上することとしております。

ニ.固定資産の減損

当社グループは、「固定資産の減損に係る会計基準(企業会計審議会 平成14年8月9日)」及び企業会計基準適用指針第6号「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針(企業会計基準委員会 平成15年10月31日)」を適用しております。

経済環境の著しい悪化等により営業収益が大幅に低下する場合等には、減損損失が発生する可能性があります。

ホ.繰延税金資産

当社グループは、連結財務諸表と税務上の資産・負債との間に生じる一時的な差異に係る税効果については、当該差異の解消時に適用される法定実効税率を使用して、繰延税金資産・負債を計上しております。

繰延税金資産の計上にあたっては、将来の課税所得と実現可能なタックス・プランニングを考慮して一時差異の解消に係るスケジューリングを行い、回収可能と判断される繰延税金資産を計上しております。回収可能性の判断には、実績情報とともに将来に関するあらゆる入手可能な情報が考慮されており、合理的なものと考えております。

 

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