事業等のリスク

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

①法的規制について

 当社グループの業績は、建築基準法、製造物責任法、宅地建物取引業法、出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律、利息制限法、労働基準法、医薬品医療機器等法、その他多数の法令による規制を受けております。これらの法的規制の強化や大幅な改定により、それに対応するための新たな費用が増加した場合や、事業活動が制限された場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

②受注金額規模について(建設事業)

 当社グループが行う建設事業では、建設工事や土木工事、店舗内装工事を受注しておりますが、今後、大規模な工事を受注した場合で、建設工事の状況や発注者からの入金状況に大きな変化が生じた場合には、業績に影響を与える可能性があります。

③不動産の取得について(不動産事業)

 不動産事業においては、収益用不動産や開発用不動産等を取得することがありますが、不動産取得後に権利関係や建物の構造、土壌、環境等について瑕疵、欠陥、トラブル要素等が存在していた場合には、それらへの対応、修復等のための想定外の費用負担、開発期間(開発用不動産の場合)が発生したり、想定よりも低い価格での売却を余儀なくされる等により、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクの軽減に向けて、不動産取得に際して十分なデューデリジェンスを行って参ります。

④個人情報等の漏洩リスクについて(建設事業及び不動産事業)

 当社グループでは、建設事業及び不動産事業において、その業務の性格上、顧客の個人情報に触れることが多く、機密保持については当社グループ役職員や外注先企業の社員等に徹底したモラル教育を行うとともに、守秘義務の認識を徹底させ、個人情報等の情報漏洩の防止に努めております。しかしながら、万一情報漏洩が発生した場合には、損害賠償等による費用が発生する可能性がある他、当社グループの信用問題にも発展し、業績に影響を与える可能性があります。

⑤工事、製造原価の上昇について(建設事業、オートモービル関連事業等)

 当社グループでは、建設事業、オートモービル関連事業等において、原材料、資材価格、及び協力業者への外注コストがそれらの需給変動により高騰し、工事、製造原価が上昇した場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。具体的には、建設事業の工事原価については、主要建築資材の価格、下請け業者への外注コストの変動、また、オートモービル関連事業の製造原価については、エンジンオイルの原材料であるベースオイルや各種添加剤等のもとになる原油価格の変動に左右される可能性があり、これらの工事、製造原価上昇分を請負価格や販売価格に反映することが困難な場合には、粗利益の減少要因となり、その他のコスト削減努力ではカバーできない可能性があります。

⑥業界の依存特性について(オートモービル関連事業)

 オートモービル関連事業は、自動車業界等の動向に大きく依存しており、環境性能重視の潮流におけるハイブリッド車、電気自動車、燃料電池車等の低燃費車の普及、ガス、水素等他のエネルギーへの転換による市場の変化や技術革新が急速に進展した場合、それらへの対応に伴う新製品の開発コストの増大やエンジンオイル市場の減退により、業績に影響を及ぼす可能性がありますが、短期的なリスクは限定的であると考えております。また、若者の車離れ、シェアリングエコノミー化により自動車の国内需要の減少傾向が続く中で、エンジンオイル販売においては、国際石油資本系列の海外ブランド、国内自動車メーカーが独自に展開する純正ブランド、量販店チェーンが独自に展開するプライベートブランド等多くの競合ブランドが存在するため、これらブランド間の価格競争激化に伴う利益率の低下により、業績に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクの軽減に向けて、二輪用オイル販売、海外展開の強化、自動車部品・用品全体への事業領域の拡大等に取り組んで参ります。

⑦自然災害やパンデミックについて(全事業)

 大規模な地震、風水害、火災による事故等が発生し、建設現場の施設、事務所のシステム等に物的損害が生じた場合、取引先業者を含む当社グループ各事業のバリューチェーンに支障が生じた場合、お客様、従業員に人的被害があった場合、新型インフルエンザ等によるパンデミックが発生し、消費・物流活動の停滞や事業活動に制約が生じた場合等には、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクの軽減に向けて、特定事業への集中リスクを軽減するための事業の再構築に取り組み、グループ全体としてバランスのよい事業ポートフォリオを構築することで、経営基盤の安定化を目指しています。

 

⑧新規事業について

 当社グループでは、業態の拡大・事業の再構築に向けて、継続的に新規事業の開発・展開に取り組んでおります。しかしながら、新規事業は不確定要素が多く、取引先や提携先企業との連携が円滑に進まない等により、想定したとおりの成果を得られなかった場合には、想定していた業績の未達や投下した金額が回収できない可能性等があります。また、新規事業を展開する手段として、M&A等を行うことがあります。その際には、実施後に偶発債務や未認識債務が発生した場合、PMI(M&A後の統合プロセス)の難航、事業環境の変化等により、当初想定していた成果が得られず、有形固定資産やのれん等の無形固定資産の減損損失を認識した場合等に、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクの軽減に向けて、新規事業検討の際の十分なリスク評価の実施や、M&A等の対象企業の財務内容や主要事業に関する詳細なデューデリジェンスを行って参ります。

⑨重要事象等について

 当社グループは、前連結会計年度まで継続的に当期純損失を計上しており、当連結会計年度におきましても914,978千円の親会社株主に帰属する当期純損失を計上いたしました。また、営業キャッシュ・フローにつきましては、当連結会計年度も継続してマイナスとなっております。当社グループは、これら継続する当期純損失、営業キャッシュ・フローのマイナスの状況を改善すべく事業再構築と企業価値の向上ならびに管理体制の強化に向けて取り組んでおりますが、当連結会計年度において当期純損失の状況を改善、営業キャッシュ・フローをプラスにするまでには至りませんでした。

 当該状況が改善されない限り、当社グループが事業活動を継続するために必要な資金の調達が困難となり、債務超過に陥る可能性が潜在しているため、当社グループには継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。

 連結財務諸表提出会社である当社は、当該状況を解消、改善すべく、以下のとおり対応してまいります。

 上記のような状況の下、現在の当社グループには足元の業績回復策と持続性のある企業価値向上策の二つが必要不可欠であると判断しており、社会的な課題と結び付いた取り組みを行うことで、社会貢献を実現しつつ、当社グループ全体の事業成長と財務体質の改善を実現していくことを目指しております。

 具体的には、足元の業績回復策として、祖業である建設事業に注力し当社グループの土台を固めることとともにダチョウ抗体関連商品の販売強化に積極的に取り組んで参ります。

 また、持続性のある企業価値向上策としまして、後継者問題や新型コロナウイルスの影響等でポテンシャルや意欲がありながら苦しんでいる中小企業を当社グループの一員として迎え入れ、グループ全体での協力体制を構築することで、強い中小企業に変え、当社グループにとっても持続性のある企業価値向上となることを目指すともに社会貢献に取り組む「中小企業ホールディングスプロジェクト」を当社グループにおける新たな成長の主軸として取り組んで参ります。

 オートモービル関連事業では、エンジンオイルメーカーとして広告宣伝やモータースポーツ協賛に積極的に取り組みブランディングを強化し、売上や販路の拡大に中長期的に取り組んで参ります。また、今後は環境配慮型オイル製品の開発や輸出の強化やアフターパーツ販売システムの拡充に向けたアライアンスの構築等を進めて参ります。

 

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