当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。
なお、新型コロナウイルス感染症の経営成績等への影響等に関しては、工事収益等については、当連結会計年度末現在において個別工事ごとに新型コロナウイルス感染症の影響を考慮したものとしているが、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載した新型コロナウイルス感染症に係るリスクが具現化した場合等には、当社グループの業績等にさらなる影響を及ぼす可能性がある。
また、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首より適用しているが、収益認識会計基準等の適用が財政状態及び経営成績に与える影響の詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (会計方針の変更)及び(セグメント情報等) セグメント情報 2 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産その他の項目の金額の算定方法」に記載のとおりである。
当社グループの当連結会計年度の連結業績については、売上高は、新型コロナウィルス感染症拡大の影響等による受注の時期ずれや工事着手遅れ等により、計画値132,000百万円に対し10.9%減の117,665百万円(前連結会計年度比0.3%増)となった。
売上総利益は、上記売上高の減少があったものの工事採算性の向上等による利益増及び連結子会社の業績が堅調に推移したことによる利益増等により13,212百万円(前連結会計年度比9.1%増)となり、販売費及び一般管理費8,637百万円(前連結会計年度は8,118百万円)を控除し、営業利益は、計画値4,200百万円に対し8.9%増の4,575百万円(前連結会計年度比14.5%増)となった。
営業外損益は、362百万円の損失(前連結会計年度は321百万円の損失)となり、経常利益は、計画値3,800百万円に対し10.9%増の4,212百万円(前連結会計年度比14.7%増)となった。なお、売上高経常利益率は3.6%(前連結会計年度比0.5ポイント増)、総資産経常利益率は3.6%(前連結会計年度比0.6ポイント増)となった。
特別損益は、減損損失の計上等により316百万円の損失(前連結会計年度は8百万円の損失)となり、資産売却に伴う課税所得の減少に起因して前連結会計年度比で減少した法人税、住民税及び事業税611百万円(前連結会計年度は1,153百万円)及び法人税等調整額64百万円(前連結会計年度は60百万円)を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、計画値2,400百万円に対し34.2%増の3,219百万円(前連結会計年度比31.3%増)となった。
報告セグメント別の経営成績は、次のとおりである。
(土木事業)
土木事業については、工事終盤を迎え大きく進捗する工事が前年同期と比べ少なかったこと等により、完成工事高は63,175百万円(前連結会計年度比4.0%減)、セグメント利益は5,104百万円(前連結会計年度比12.2%減)となった。
(建築事業)
建築事業については、工事が順調に進捗したこと等により、完成工事高は47,338百万円(前連結会計年度比3.7%増)、セグメント利益は1,757百万円(前連結会計年度比268.0%増)となった。
(開発事業等)
開発事業等については、保有資産の売却等により、開発事業等売上高は7,150百万円(前連結会計年度比21.6%増)、セグメント利益は502百万円(前連結会計年度は6百万円の損失)となった。
(注)セグメント別の記載において、売上高については「外部顧客への売上高」の金額を記載しており、セグメント利益については連結損益計算書の営業利益と調整を行っている。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりである。
当社グループでは生産実績を定義することが困難であるため「生産の状況」は記載していない。
(注) 受注実績の開発事業等については、当社グループ各社の受注概念が異なるため記載していない。
(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去している。
2 前連結会計年度及び当連結会計年度ともに、売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はない。
なお、参考のため提出会社個別の事業の状況は次のとおりである。
(注) 1 前期以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注高にその増減額を含む。したがって、当期売上高にもかかる増減額が含まれる。
2 次期繰越高の施工高は支出金により手持高の施工高を推定したものである。
3 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第79期の期首から適用しており、第79期に係る前期繰越高については、当該会計基準等を適用した後の前期繰越高となっている。
工事の受注方法は、特命と競争に大別される。
(注) 百分比は請負金額比である。
(注) 1 完成工事のうち主なものは、次のとおりである。
第78期 請負金額10億円以上の主なもの
第79期 請負金額10億円以上の主なもの
2 第78期及び第79期ともに、売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はない。
(注) 手持工事のうち請負金額30億円以上の主なものは、次のとおりである。
なお、当社グループの経営成績に重要な影響を与える主な要因は、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に、当社グループを取り巻く経営環境については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 経営環境」に、当社グループの目標とする経営指標やその達成状況は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 会社の対処すべき課題等 ① 中期経営計画」にそれぞれ記載のとおりである。
総資産は、主に土木立替工事の増加等による受取手形・完成工事未収入金等4,720百万円の増加及び主に立替工事の増加、借入金の返済等による現金預金12,471百万円の減少等これらに起因する流動資産の減少等により、前連結会計年度末比6,965百万円減の114,632百万円となった。
報告セグメント別の資産は、次のとおりである。
(土木事業)
土木事業については、65,825百万円(前連結会計年度比5.8%減)となった。
主な減少要因は、現金預金の減少等によるものである。
(建築事業)
建築事業については、23,579百万円(前連結会計年度比12.2%減)となった。
主な減少要因は、現金預金の減少等によるものである。
(開発事業等)
開発事業等については、24,385百万円(前連結会計年度比2.1%増)となった。
主な増加要因は、固定資産の増加等によるものである。
負債は、未成工事受入金1,032百万円の減少、JV工事代金の他社配分等による預り金3,159百万円の減少及び借入金3,997百万円の減少等により、前連結会計年度末比9,252百万円減の70,759百万円となった。なお、有利子負債残高は16,195百万円となり、自己資本に対する比率であるデット・エクイティ・レシオ(D/Eレシオ)は、前連結会計年度末比0.1ポイント減の0.4倍となった。
純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益3,219百万円の計上及び2021年3月期株式配当金961百万円の支払い等により、前連結会計年度末比2,286百万円増の43,872百万円となった。なお、自己資本比率は前連結会計年度末比4.1ポイント増の38.3%となった。
今後も自己資本の充実を図りつつ新規事業を含めた事業投資を行うことで、将来的な収益基盤の拡充に向けた戦略推進を加速させていく。
営業活動によるキャッシュ・フローは、6,187百万円の資金減少(前連結会計年度は4,173百万円の資金増加)となった。主な資金増加項目は、税金等調整前当期純利益の計上3,895百万円であり、主な資金減少項目は、立替工事の増加等による売上債権の増加4,694百万円及び未収消費税等の増加1,032百万円並びに未成工事受入金の減少1,032百万円、JV工事代金の他社配分等による預り金3,156百万円の減少である。なお、営業活動によるキャッシュ・フローの売上高に対する比率である営業CFマージンは、前連結会計年度末比8.8ポイント減の△5.3%となった。
投資活動によるキャッシュ・フローは、1,772百万円の資金減少(前連結会計年度は1,175百万円の資金減少)となった。主な内訳は、事業用資産投資等に伴う有形固定資産の取得による支出1,459百万円である。なお、将来の成長のための投資については、配当政策、事業リスク等を勘案し剰余金の範囲内で実施する方針である。
財務活動によるキャッシュ・フローは、4,561百万円の資金減少(前連結会計年度は846百万円の資金減少)となった。主な内訳は、季節資金返済に伴う短期借入金の純減額3,000百万円、長期借入れによる収入3,890百万円及び長期借入金の返済による支出4,412百万円である。
これらにより、現金及び現金同等物の期末残高は12,486百万円減少し、12,749百万円(前連結会計年度比49.5%減)となった。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、以下のとおりである。
(資金需要)
当社グループの運転資金需要のうち、主なものは、建設工事の立替資金のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用である。投資を目的とした資金需要のうち、主なものは、設備投資等によるものである。
(財政政策)
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としている。資金調達については、金融機関からのタームローンによる借入れをベースとして、不足が生じる場合には当座貸越或いはリボルビングラインによる借入れ等でそれを賄っている。また、これらの資金調達契約を締結することにより、必要な資金水準の維持や緊急的な資金需要に対応可能であることから、資金の流動性は確保しているものと思料する。
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されている。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者により、一定の会計基準の範囲内で見積り及び仮定を用いている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されている。これらの見積り等については、継続して評価し、事象の変化等により必要に応じて見直しを行っているが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらとは異なる場合がある。
当社グループの重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、使用される当社の見積り等が、当社グループの連結財務諸表に重要な影響を及ぼすと考えられるものは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりである。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響の考え方については、資産及び負債や収益及び費用等の額に不確実性がある場合、財務諸表作成時に入手可能な情報に基づいて合理的な金額を算出する上で、当社グループ自らが一定の仮定を置き最善の見積りを行っている。
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