研究開発活動

5 【研究開発活動】

 

当社は、≪~未来の産業振興・発展を支える企業となるべく~ 「飛島建設」から「飛島(トビシマ)」への企業変革を推進し 「New Business Contractor」へ進化≫という経営ビジョンのもと、土木・建築・環境分野を柱に、「カーボンニュートラル」、「インフラリニューアル」、「都市のレジリエンス化」、「AI・IoT・ICT」、「施工の自動化」を重点戦略とした技術の研究開発に取り組んでいる。

当連結会計年度における研究開発費は1,104百万円であった。また、当社の研究開発体制及び当連結会計年度の主な研究開発成果は以下のとおりであるが、一部の研究開発については、連結子会社と共同で開発活動を行っている。

 

(土木事業)

〔コンクリート吹付け時間の短縮と粉じん・はね返りの低減を同時に実現する型枠併用吹込み方式一次支保工構築工法「Smart Lining System」〕

山岳トンネル建設工事において、地山に直接コンクリートを吹き付ける従来工法に対し、本工法は、コンクリート吹付け仕上がり面位置に専用型枠をセットし、地山と専用型枠との間にコンクリートを吹き込むものである。地山と専用型枠で囲まれた空間内にコンクリートを吹き込むため、コンクリートの吐出量を増加させても、はね返りと粉じんの発生を大幅に抑制することができる。はね返りを抑制できることから材料ロスの削減分(最大20%程度)の施工時間の短縮が見込まれ、加えて、コンクリート吐出量の大容量化により、さらなる施工時間の短縮が期待できる。

 

(建築事業)

〔リアルタイム音響可視化システム「OTOMIRU」〕

学校法人早稲田大学と共同で、音の計測結果を実空間上にリアルタイムで投影する音響可視化システム「OTOMIRU」を開発した。従来の音の可視化技術では、計測結果がディスプレイ上で平面的に表示されるため、計測断面の位置情報が把握しにくいという課題があった。本システムでは光学透過型ヘッドマウントディスプレイ(OST-HMD)を介して、音の情報をカラーマップとして実空間上に重ね合わせることにより、奥行方向の計測位置が把握しやすい形で音を可視化することができる。これまで音場情報の詳細な計測・評価には、多大な時間や労力を要していたが、本システムではマイクロホンアレイを設置するだけで音の分布が可視化できる。また音の物理的な評価と視覚による評価を同時に行うことができ、より迅速な騒音等に対する対策立案と効果の検証が可能である。

 

〔小型PCによる簡易型地震計測システム〕

「小型PCによる簡易型地震計測システム」を開発し、日本石油販売株式会社所有の事務所ビル2棟に導入し共同研究を開始した。地震計はカードサイズのLinuxコンピューターに低ノイズのMEMS加速度センサーを組み合わせた強震計とし、従来の1/10程度のコストで地震計測システムを導入することが可能となった。今後は、建物オーナー向けの会員サイト「Customer Support Site」を通じて地震計測システムの情報をリアルタイムで見ることができる等の連携を進め、オーナーにとって手軽に導入できるSHMシステムになるよう開発を推進する。

 

 

(開発事業等)

  1 開発事業

当連結会計年度においては、研究開発活動は特段行っていない。

 

  2 その他の事業

〔共創プラットフォームの構築〕

◇「e-Stand」<建設現場の生産性向上と利便性向上を推進>

「e-Stand」は、建設現場における道具やお弁当を購入することができるEC(電子商取引)機能、顔認証(日本電気株式会社との協業)による建設キャリアアップシステム(CCUS)に対応する現場管理機能、新規入場者教育や安全教育などの動画を管理する安全教育機能の3点を備えている。「e-Stand」のサービス活用は、当社だけでなく10社を超える同業他社へも展開しており、今後は、建設現場へのサポート強化を推進するべく事業を拡大していく。

◇「e-Sense」<トビシマプラットフォームの確立を推進>

「e-Sense」は、遠隔地からの各種情報の共有(遠隔臨場(立会)機能)や建設現場における音声・テキスト・画像データの取得、さらには多言語による同時通訳を行うことを可能とする多機能ハンズフリーシステムである。「e-Sense」の開発は株式会社ロゼッタグループと行い、ベンチャー企業、保険会社との共創により、機能拡充を図っている。なお、このハンズフリーシステムは、同業他社だけでなく、多くの異業種への活用を見込むことができることから、今後、さらなる事業拡大を目指していく。

これら「e-シリーズ」は、共創プラットフォームとしてあらゆる企業やアプリケーションと連携し、建設現場におけるプラットフォーマーを目指しており、カード会社との連携のもと、建設業界におけるバックオフィスの効率化にも積極的に取り組んでいく。

 

(注) 1  Smart Lining Systemは、当社、株式会社すばる建設、株式会社エム・シー・エスの登録商標である。

2  建設キャリアアップシステム(CCUS)は、一般財団法人建設業振興基金の商標又は登録商標である。

 

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