業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

なお、当社は、2021年10月4日付で駿河技建株式会社の全株式を取得し、連結子会社としたことに伴い、当連結会計年度より連結財務諸表を作成しております。なお、前連結会計年度は連結財務諸表を作成していないため、前連結会計年度との比較は行っておりません。

 

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における日本経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中、感染抑止対策の徹底と経済活動の活性化を両立する動きが進んだものの、変異株の感染拡大による経済活動の制限、原油価格の上昇等に伴う原材料コストの高騰、金融資本市場の変動など景気の下振れリスクが生じており、景気の先行きは不透明な状況が続いております。

当建設業界におきましては、公共の建設投資は新型コロナウイルス感染症の影響は限定的であり、高速道路などの社会インフラの老朽化に伴う維持更新事業を中心に堅調に推移しました。公共の建設投資の先行きにつきましては従来の公共事業関係費に加え、「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策(令和2年12月)」に代表される年間3兆円規模の集中的な公共投資が上乗せされ、これらを背景に、引き続きインフラ老朽化対策など必要性の高い事業を中心に底堅く推移していくと見込まれます。一方で、民間の建設投資は新型コロナウイルス感染症の影響に起因する新規案件の着工遅れが顕在化するなど景気の不透明感が高まりましたが、市場全体の縮小には至らず推移しました。民間の建設投資の先行きにつきましては、新築建物に替わる既存建物の有効活用や集合住宅の老朽化対策としての維持更新需要が中長期的に継続するものと期待されます。

このような経営環境のもと、当社グループは「新たな成長戦略に向けた経営リソース(人材、技術・生産設備、財務)の拡充」をメインテーマとした第5次中期経営計画「VISION2030」を2021年度よりスタートさせました。本計画に掲げた成長目標の早期達成と次なるステージへのステップアップに向け、M&Aの実施・研究所の新設・既存工場リニューアル計画の立案など経営リソースの充実に取り組みながら企業活動を行ってまいりました。また、働き方改革を深化させるための人事制度の再構築や健康に関する福利厚生制度の充実、「DX」を推進するための専門部署の組成、「SDGs」の全社的展開を通じた社会的な企業価値の向上等、様々な施策を実施してまいりました。

なお、新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照下さい。

 

a.財政状態

当連結会計年度末の資産合計は、27,786百万円となりました。

当連結会計年度末の負債合計は、17,956百万円となりました

当連結会計年度末の純資産合計は、9,830百万円となりました。

 

b.経営成績

当連結会計年度の受注高は37,691百万円、売上高は27,301百万円となりました。損益につきましては、営業利益は1,048百万円、経常利益は1,111百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は775百万円となりました。

 

セグメントの経営成績につきましては、次のとおりであります。

土木事業は、NEXCOが進める高速道路の暫定2車線区間の4車線化事業において、NEXCO西日本発注の佐世保高架橋拡幅工事、NEXCO東日本発注の首都圏中央自動車道阿見高架橋など大型工事を受注し、発注量が増加しているNEXCO維持更新事業においてはNEXCO西日本発注の宮崎自動車道池島川橋(上り線)床版取替工事の他、製品協力としての床版取替工事用プレキャストPC床版製作案件を複数受注いたしました。また、国土交通省では九州・中部・中国の各地方整備局において技術力によりWTO(政府調達協定対象工事)案件を受注し、大阪府が進める大阪モノレール延伸事業でのPC軌道桁工事やJR東海が進めるリニア中央新幹線橋梁工事などの案件がバランスよく受注できたことにより、受注高は31,279百万円となりました。

売上高は、NEXCO中日本・西日本各社発注の床版取替を中心とした大規模更新工事、JRTT発注の北陸新幹線工事などの大型の繰越工事やプレキャストPC床版製作など工場製品の進捗も概ね順調に推移いたしましたが、一部現場において作業条件見直しによる工程遅延が発生したことなどにより、20,708百万円となりました。

セグメント利益は、3,195百万円となりました。

 

建築事業は、首都圏および近畿・中部圏のマンション事業の契約が順調に進んだことで、受注高は6,166百万円となりました。

売上高は、第2四半期で首都圏のマンション建設現場において新型コロナウイルス感染症の集団感染が発生し、工程遅れが生じた影響などにより、6,341百万円となりました。

また、セグメント利益は工事採算性の改善などに努め、924百万円となりました。

不動産賃貸事業は、テナント獲得の競争は依然として継続しているものの、安定した入居率の確保を目指して営業活動を展開した結果、受注高及び売上高は245百万円、セグメント利益は、148百万円となりました。

その他セグメントにつきましては、重要性が乏しいため、記載を省略しております。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物は1,778百万円増加し、期末残高は3,255百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、獲得した資金は3,149百万円となりました。収入の主な要因は、税金等調整前当期純利益及び減価償却費の計上、仕入れ債務の増加等によるものであります。支出の主な要因は、売上債権の増加等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、使用した資金は1,083百万円となりました。これは有形固定資産の取得及び子会社株式の取得による支出が主な要因であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、使用した資金は287百万円となりました。これは、配当金の支払いが主な要因であります。

 

 

③生産、受注及び販売の実績

a.受注実績

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

(百万円)

土木事業

31,279

建築事業

6,166

不動産賃貸事業

245

その他

△0

合計

37,691

 

b.売上実績

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

(百万円)

土木事業

20,708

建築事業

6,341

不動産賃貸事業

245

その他

6

合計

27,301

(注)1.当社では生産実績を定義することが困難であるため、「生産実績」は記載しておりません。

2.売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の売上高及びその割合は、次のとおりであります。

 

 

相手先

 

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

 

金額(百万円)

割合(%)

西日本高速道路㈱

5,647

20.7

 

 

 (参考)提出会社の建設事業における受注工事高及び完成工事高の実績は次のとおりであります。

 

(1)受注工事高、完成工事高及び繰越工事高

期別

区分

前期繰越
工事高

(百万円)

当期受注
工事高

(百万円)

(百万円)

当期完成
工事高

(百万円)

次期繰越

工事高

(百万円)

前事業年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

土木工事

20,057

19,608

39,666

17,464

22,201

建築工事

1,002

483

1,486

1,330

155

21,060

20,092

41,152

18,795

22,357

その他

9,874

8,364

18,239

8,898

9,340

合計

30,934

28,456

59,391

27,693

31,697

当事業年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

土木工事

22,201

27,244

49,446

16,990

32,455

建築工事

155

1,217

1,372

821

550

22,357

28,461

50,819

17,812

33,006

その他

9,324

8,614

17,938

9,240

8,697

合計

31,681

37,076

68,757

27,053

41,704

(注)1.前事業年度以前に受注した工事で、契約の更改により請負金額に変更のあるものについては、当期受注工事高にその増減額を含んでおります。したがって、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれます。

(注)2.「収益認識に関する会計基準」等の適用による影響額を当事業年度の「前期繰越工事高」に反映しております。

 

(2)受注工事高の受注方法別比率

工事の受注方法は、特命と競争に大別されます。

期別

区分

特命(%)

競争(%)

計(%)

前事業年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

土木工事

18.2

81.8

100

建築工事

100

100

当事業年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

土木工事

7.4

92.6

100

建築工事

100

100

(注) 百分比は請負金額比であります。

 

(3)完成工事高

期別

区分

官公庁(百万円)

民間(百万円)

計(百万円)

前事業年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

土木工事

15,800

1,664

17,464

建築工事

1,156

174

1,330

16,956

1,838

18,795

当事業年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

土木工事

16,130

859

16,990

建築工事

558

263

821

16,689

1,122

17,812

(注)1.前事業年度の完成工事のうち請負金額2億円以上の主なものは、次のとおりであります。

独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構

九州新幹線(西九州)、東大川橋りょう

大阪府

安威川ダム 左岸道路橋梁上部工事(7号橋)

福岡県

県道筑紫野古賀線大隈高架橋(仮称)橋梁上部工(P16~P21)工事

福岡北九州高速道路公社

第601工区(香椎浜)高架橋上部工(床版)既設橋梁補強工事(その1)

国土交通省

令和元-2年度 外環空港線余戸南第3高架橋下り上部工事

 

 2.当事業年度の完成工事のうち請負金額2億円以上の主なものは、次のとおりであります。

西日本高速道路㈱

中国自動車道(特定更新等)常国橋他2橋床版取替工事、

中国自動車道(特定更新等)東ノ迫池橋(下り線)他1橋床版取替工事

独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構

北陸新幹線、第2三ツ屋橋りょう(PCけた)

中日本高速道路㈱

北陸自動車道(特定更新等)九頭竜川橋他2橋床版取替工事(その1)

西日本鉄道㈱

福岡都市計画都市高速鉄道事業5号 西日本鉄道天神大牟田線新線上部工工事

 

3.完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりであります。

前事業年度

独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構

4,429百万円

23.6%

 

西日本高速道路㈱

3,035百万円

16.1%

当事業年度

西日本高速道路㈱

5,596百万円

31.4%

 

中日本高速道路㈱

1,786百万円

10.0%

 

(4)次期繰越工事高(2022年3月31日現在)

区分

官公庁(百万円)

民間(百万円)

計(百万円)

土木工事

32,433

22

32,455

建築工事

496

54

550

32,930

76

33,006

(注) 次期繰越工事のうち請負金額4億円以上の主なものは次のとおりであります。

西日本高速道路㈱

令和2年度 佐世保道路 佐世保高架橋(拡幅)工事

中日本高速道路㈱

名神高速道路(特定更新等)木曽川橋床版取替工事

西日本高速道路㈱

新名神高速道路 城陽第二高架橋東(PC上部工)工事

大阪モノレール株式会社

大阪モノレール PC軌道桁製作・架設工事

独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構

北陸新幹線、動橋川橋りょう他

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、本報告書「第一部 企業情報 第5 経理の状況」に記載しております。この連結財務諸表の作成に当たっては、会計上の見積りを行う必要があり、のれん、貸倒引当金、完成工事補償引当金、工事損失引当金、株式給付引当金、退職給付に係る負債、収益認識に関する会計基準に基づく収益認識などの判断につきましては、過去の実績や合理的な方法により見積りを行っております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。

 なお、会計上の見積りに対する新型コロナウイルス感染症の影響に関して、現時点で影響は軽微であり、翌連結会計年度以降においても通常の事業活動が行えていることを前提として、当連結会計年度において会計上の見積りを行った結果、当連結会計年度における連結財務諸表に及ぼす影響、及び翌連結会計年度における連結財務諸表に及ぼす影響は軽微なものと判断しております。

 上記のうち、見積り及び仮定の重要度が高いものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載の通りであります。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績等

1)財政状態

 当連結会計年度末の総資産は、27,786百万円となりました。

 流動資産は、19,098百万円となりました。主な内訳は、現金預金3,255百万円、受取手形・完成工事未収入金等14,828百万円であります。

 固定資産は、8,688百万円となりました。主な内訳は、建物・構築物等の有形固定資産が7,072百万円、のれん等の無形固定資産が547百万円、投資その他の資産1,067百万円であります。

 負債合計は17,956百万円となりました。

流動負債は、14,791百万円となりました。主な内訳は、支払手形・工事未払金等4,431百万円、電子記録債務2,403百万円、短期借入金3,053百万円等であります。

固定負債は、3,164百万円となりました。主な内訳は、長期借入金1,826百万円であります。

 純資産は9,830百万円となりました。なお、当連結会計年度における配当金の支払いは214百万円、親会社株主に帰属する当期純利益775百万円であります。

 以上の結果、自己資本比率は35.4%となりました。

 

2)経営成績

(売上高)

当連結会計年度における売上高は、27,301百万円となりました。

なお、セグメント別の分析については、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 b.経営成績」の項目をご参照ください。

 

(売上原価、販売費及び一般管理費)

当連結会計年度における売上原価は、23,029百万円となりました。売上総利益は4,271百万円、売上総利益率が15.6%となりました。土木事業、建築事業ともに原価低減に努め工事採算性の改善を図っております。

販売費及び一般管理費は、3,222百万円となりました。当連結会計年度においては、子会社株式の取得に関する費用、サイバーセキュリティに関する費用、DX関連費用等が発生しております。

 

(営業利益)

 営業利益は1,048百万円、営業利益率は3.8%となりました。

 

(営業外損益)

 営業外収益は、124百万円となりました。鉄屑等の売却による物品売却益及び固定資産の経常的な入れ替え等伴う処分益の計上が主なものとなります。

営業外費用は、60百万円となりました。借入金の利息の計上が主なものとなります。

 

(特別損益)

当連結会計年度における特別損益の計上はありません。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

親会社株主に帰属する当期純利益は、775百万円となりました。

 

b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの経営に影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営環境並びに事業上及び財務上の対処すべき課題」、及び「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご参照下さい。

 

c.資本の財源及び資金の流動性

1)キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

2)資金需要

当社グループの資金需要は、運転資金、投資資金及び株主還元に分けられます。

運転資金需要の主なものは、工事の施工及び工場の製品製造のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用や管理費用であります。

投資資金需要の主なものは、設備資金であり、工場における製造設備、工事現場における建設機材等固定資産の購入によるものであります。

また、株主還元については、財務健全性等に留意しつつ、配当政策に基づき実施しております。

 

3)資金調達

当社グループは、資金の効率的な活用と金融費用の削減を目的として、子会社(非連結・持分法非適用)を含めた資金調達は、原則として当社が一元管理しており、必要に応じて当社より子会社へ貸付けを行っております。

運転資金及び株主還元につきましては、主として営業活動から得られるキャッシュ・フローを源泉とする内部資金により充当しておりますが、運転資金において不足が生じた場合には金融機関からの借入金を利用しております。

設備資金につきましては、設備投資計画に基づき資金計画を作成し、内部資金で不足する場合には金融機関からの借入金を利用しております。なお、工場建設等の大規模な設備投資の場合には、内部資金に加え長期借入金を初めとした複数の調達方法を検討しております。

当社は、健全な財務体質、継続的な営業活動によるキャッシュ・フローの創出を維持するとともに、長期・短期の借入金のバランスを考慮した安定的な資金調達を行いながら、今後の事業成長に資するため事業運営上必要な手元流動性を高めることに努めております。

 

d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、テーマを「新たな成長戦略に向けた経営リソース(人材、技術・生産設備、財務)の拡充」をメインテーマとした第5次中期経営計画「VISION2030」を当連結会計年度よりスタートさせました。

この「VISION2030」における前半の5年間(「稼ぐ力」を蓄える期間)における具体的な数値計画は以下の通りとなっております。

(百万円)

 

2022年3月期

(当期)

2023年3月期

2024年3月期

2025年3月期

2026年3月期

売上高

28,160

29,400

31,200

33,000

35,300

営業利益

980

1,160

1,250

1,500

1,750

(営業利益率)

(3.5%)

(3.9%)

(4.0%)

(4.5%)

(5.0%)

 

 売上高及び営業利益(率)は、企業経営の基本的な指標であり、会社の本来の業務における収益性の判断材料として、重要な指標としております。

当連結会計年度における実績は、上記計画に対し売上高が859百万円下回り27,301百万円となりました。この要因は、手持ち工事はおおむね順調に進行したものの、一部工事において作業条件の見直しや新型コロナウイルス感染症の影響で工程遅延が生じたことによる製品納入遅延が発生したことによるものであります。

営業利益は、上記計画を68百万円上回り1,048百万円となりました。これは、売上高が計画を下回ったものの、土木事業における設計変更契約が順調に進捗したこと、及び工場等において原価低減に努めたことにより、上記計画時に比べ採算性が改善したことによるものであります。

この結果、営業利益率は3.8%となり、0.3ポイント好転することとなりました。

 

投資につきましては、維持補修・更新分野において、優秀な人材の確保と技術力の強化を進めることによって、更なる事業拡大を目的に静岡県及び首都圏を中心に高速道路や橋梁などのコンクリート構造物の耐震補強、補修を主体とした工事を手掛けている駿河技建株式会社の全株式を2021年10月4日付で取得し、当社の連結子会社と致しました。

また、当社グループは建設業界に属していることから工事用機材の適切な維持更新は安全な施工を行うために不可欠であり、また、工場においても生産性の向上、省人・省力化等のために継続的な設備投資は不可欠と考えております。したがって、設備投資額を重要な指標としております。当連結会計年度における設備投資は老朽化設備の更新に加え、大型機材や工場製造設備といった整備増強、安全性、生産性の向上のための設備の取得、技術開発のための設備として技術センターの研究棟建設を行い694百万円となりました。

さらに、生産力アップのため既存工場の本格的なリニューアル工事を九州小竹工場を皮切りにスタートさせました。当連結会計年度においては、九州小竹工場リニューアル計画策定、及び上屋等の設計を実施し、翌連結会計年度より製造等の建設等を実施いたします。今後の計画については、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載しております。

 

研究開発については、設立以来、新製品の開発、製造技術の合理化、現場工事における施工方法の開発、施工上の問題解決等の課題に挑戦しながら、社会のニーズに対応できるよう研究開発活動を実施していることから研究開発投資も重要な指標としております。当連結会計年度における開発費の額は104百万円で、売上高の0.4%となり、方針としている売上高の0.3%を達成する結果となりました。

 

財務につきましては、ROE(自己資本利益率)は投下した資本に対しどれだけの利益を獲得できたかを示す指標であり、重要な指標としております。

当連結会計年度において、連結で8.1%、個別で8.0%となり、方針としている7%超の目標を達成しております。

また、当連結会計年度の設備投資額は、694百万円であり、親会社株主に帰属する当期純利益775百万円の範囲内となっております。

今後の工場リニューアルに関する資金については、翌連結会計年度においては自己資金での実施を予定しており、その後は借入金等による調達も視野に入れ検討しております。

 

当社グループは、株主に対する利益還元を経営の最重要課題の一つと位置付け、財務体質の強化と積極的な事業展開に必要な内部留保の充実を図りながら、安定配当を実施することを基本方針としており、配当性向を重要な指標としております。

当連結会計年度における当社の配当性向は21.1%であり、方針としている20%超を維持しております。

 

また、「VISION2030」においては、SDGs<持続可能な開発目標>の17の目標への取り組みについても掲げております。「世界レベルのSDGs達成に貢献する企業グループ」を2030年に目指す姿の一つと定め、その実現に向けて、基本理念に基づいた重要と思われる5つの課題(マテリアリティ)及びその課題を解決するための活動方針(アクションプラン)を策定しました。当連結会計年度においては、「北九州SDGs登録制度」への登録や「健康経営優良法人2022」の認定を受けるなど、SDGsに寄与する取り組みを実施しました。

 

 

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