① 経営成績の状況
建設事業受注高は、一般土木事業および建築事業の受注高が高水準であった前期を下回り、3,344億12百万円(前年同期比15.8%減)となりました。
売上高は、舗装土木事業および建築事業の完成工事高の増加により、4,457億20百万円(前年同期比3.9%増)となりました。
利益につきましては、舗装土木事業および一般土木事業における完成工事総利益の増加により、営業利益は446億97百万円(前年同期比23.4%増)、経常利益は467億91百万円(前年同期比22.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は310億68百万円(前年同期比31.7%増)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりです。
(舗装土木事業)
官庁工事における大型工事の消化が進捗したことから、売上高は2,144億90百万円(前年同期比7.5%増)、営業利益は281億13百万円(前年同期比34.1%増)となりました。
(一般土木事業)
売上高は前期と概ね同水準の766億88百万円(前年同期比4.4%減)となりましたが、高収益工事の竣工が寄与し、営業利益は81億64百万円(前年同期比39.9%増)となりました。
(建築事業)
完成工事高の増加により、売上高は749億60百万円(前年同期比17.4%増)となりましたが、低採算工事の影響等により営業利益は22億円(前年同期比41.9%減)となりました。
市況が横ばいで推移したことから、売上高は585億23百万円(前年同期比4.5%減)となりましたが、原材料価格の低下やコスト削減の取組みにより、営業利益は116億78百万円(前年同期比15.1%増)となりました。
大型物流施設の引き渡しがあったものの、マンション事業等が好調であった前期を下回り、売上高は170億94百万円(前年同期比12.9%減)、営業利益は17億37百万円(前年同期比36.9%減)となりました。
売上高は39億62百万円(前年同期比15.0%減)、営業利益は7億36百万円(前年同期比6.0%減)となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)は、前連結会計年度末に比べて256億86百万円増加し、当連結会計年度末には1,525億58百万円(前連結会計年度比20.2%増)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は、527億29百万円(前連結会計年度は431億94百万円の増加)となりました。これは、主に税金等調整前当期純利益の計上等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は、204億76百万円(前連結会計年度は257億53百万円の減少)となりました。これは、主に製造・販売事業用の有形固定資産の取得等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の減少は、81億92百万円(前連結会計年度は2億32百万円の減少)となりました。これは、主に配当金の支払い等によるものです。
③ 生産、受注及び販売の実績
(注) ( )内は前年同期比です。
(注) 1.当社グループの建設事業、開発事業およびその他の事業については、生産実績を定義することが困難であるため、「生産の状況」は記載していません。
2.( )内は前年同期比です。
セグメントの状況は、次のとおりです。
ハ. 建設事業およびその他の事業における受注高、売上高および繰越高
(注) 1. 前期以前に受注したもので、契約の変更により請負金額の増減があるものについては、期中受注高にその増減額を含めています。したがって、期中売上高にもかかる増減額が含まれています。
2. 期中売上高は(期首繰越高+期中受注高-期末繰越高)に一致します。
3. 建設事業以外は、製造・販売事業、開発事業、建設機械のリース・製造・修理事業等です。
建設事業については、参考のため当社の事業の状況を次の(a)から(c)に示しています。
〔参考〕
a. 建設事業における受注高の受注方法別比率
建設事業の受注方法は、特命と競争に大別されます。
(注) 百分比は請負金額比です。
b. 建設事業の完成工事高
(注) 1. 当期より集計区分を起工者別に変更しており、前期数値も変更後の算定方法に組み替えたものによっています。
2. 完成工事のうち主なものは、次のとおりです。
第119期 請負金額1億円以上の主なもの
第120期 請負金額1億円以上の主なもの
3. 第119期および第120期ともに売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はありません。
c. 建設事業の手持工事高(2021年3月31日現在)
(注) 1. 当期より集計区分を起工者別に変更しています。
2. 手持工事のうち請負金額1億円以上の主なものは、次のとおりです。
(注) 1. アスファルト合材の生産実績と売上数量との差は、主に当社グループ内使用数量です。
2. その他の売上金額は、アスファルト乳剤、砕石等の販売による売上高です。
3. 生産実績については、協業工場の生産分を含めた数値です。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染拡大の防止策を講じるなかで、各種政策の効果等により、一部で持ち直しの動きがみられましたが、感染症の再拡大により依然として厳しい状況が続きました。
建設業界におきましては、公共投資が堅調に推移したものの、民間設備投資は弱含み、また、労働需給や原材料価格等の動向に注意を要するなど、依然として厳しい経営環境が続いています。このような環境の中、当社グループは、各社が有する技術の優位性を活かした受注活動やアスファルト合材等の製品販売の強化に努めてまいりました。
売上高は、前連結会計年度に比べて166億54百万円(3.9%)増加し、4,457億20百万円となりました。営業利益は前連結会計年度に比べて84億69百万円(23.4%)増加し、446億97百万円、経常利益は前連結会計年度に比べて85億65百万円(22.4%)増加し、467億91百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べて74億73百万円(31.7%)増加し、310億68百万円となりました。
なお、セグメントごとの経営成績の分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載しています。
当連結会計年度末の資産の部は、売上債権の回収に伴う現金預金の増加、製造・販売事業への投資による有形固定資産の増加等により、前連結会計年度末に比べて491億76百万円(9.1%)増加し、5,899億50百万円となりました。
当連結会計年度末の負債の部は、支払手形・工事未払金等および電子記録債務の増加等により、前連結会計年度末に比べて161億28百万円(9.0%)増加し、1,946億29百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産の部は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により、3,953億21百万円となり、純資産より非支配株主持分を除いた自己資本は前連結会計年度に比べて315億26百万円(9.0%)増加し、3,835億13百万円となりました。
この結果、自己資本比率は、前連結会計年度の65.1%から65.0%となり、1株当たり純資産額は、前連結会計年度の2,955.74円から264.75円増加し、3,220.49円となりました。
イ.キャッシュ・フロー
「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
ロ.資本の財源および資金の流動性
当社は、安定的な「キャッシュ・フロー経営」を推進しつつ、事業規模・収益拡大を目的とした積極投資を経営資源の有効活用と位置付け、将来に向けた研究開発、設備投資等を行うための内部留保を充実させ、企業基盤の強化を図ることとしています。
当社グループの事業活動の為に必要な運転資金および設備投資資金は、主に自己資金によるものとしていますが、事業の特性により一部の連結子会社は金融機関からの借入れによる資金調達も活用しています。
資金の流動性については、現在十分な手許資金を保有していますが、キャッシュ・マネジメント・システム(CMS)を導入し、各グループ会社の資金を当社へ集中し一元管理を行うことで、当社グループの資金効率の向上とリスク管理の強化を図っています。
また、当社は株主還元を重要課題とし、安定的な利益配当の継続を前提として、連結業績の推移および見通しを反映した利益還元を実施する方針です。
なお、有利子負債(短期借入金、長期借入金の合計額)は、 67億4百万円 となりました。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しています。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益および費用の報告額に影響を及ぼす見積りおよび仮定を用いていますが、これらの見積りおよび仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積りおよび仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しています。
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