事業等のリスク

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社が判断したものです。

 

(1) 市場および事業に関するリスク

 

主なリスクの概要

主な対応策・取り組み

建設市場の縮小リスク

当社グループの当期売上高のほぼ4分の3は建設事業によるものです。当事業は、舗装、土木、建築の請負工事を主体としており、公共投資と民間設備投資の動向に大きく左右され、当社グループの建設事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、アスファルト合材の製造・販売事業は、その需要の大部分が公共投資関連工事の材料として使用されていることから、公共投資の動向に大きく左右され、当社グループの製造・販売事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

・官庁工事、民間工事の確保と拡大に向けた諸施策を、業務運営計画において詳細に定め、進捗および取り組み状況について、定期的にモニタリングを行っています。

・「中長期経営ビジョン」において、中核事業(舗装土木事業、製造・販売事業)の安定的な維持拡大を掲げています。高度な技術が求められる工事から地域に密着した小型工事まで網羅して、当社グループ全体の受注量およびアスファルト合材使用量の安定拡大を図ります。

資材価格、特に石油製品価格に関するリスク

製造・販売事業は、石油製品であるアスファルトを主材料として使用しており、アスファルト合材の製造および運搬手段においても重油・軽油等の石油製品を使用しています。

石油製品の価格動向は、製造・販売事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

・原材料価格上昇への適切な対応に注力し、適正価格での販売に努めつつ、製造数量の確保に取り組んでいます。

・原材料価格上昇下においても、製造コスト削減、品質向上のために製造技術の開発を推進しています。

開発事業の事業環境に関するリスク

開発事業における宅地開発、マンション分譲等の不動産事業は、建築基準法、都市計画法、宅地建物取引業法等の法規制下にあるほか、地価や金利の変動、不動産市況、不動産税制改正等の動向に影響を受けやすい事業です。販売先への不動産の引渡しが完了した時点で収益を計上するため、販売の不振、建築工期の遅延等により、引渡しの時期が事業年度および四半期の決算期末を超える場合には、当社グループの開発事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

・予めリスクの抽出及び分析や評価、リスク回避の方針を検討の上、当社の常務会および取締役会において投資判断しています。

・投資枠においては、企業体力に見合ったリスクの範囲内で設定し、計画的に投資を行っています。

・当社の常務会または取締役会等において、開発事業の進捗状況、投資残高、ポートフォリオ、時価評価を定期的に検討し、必要な対策を講じています。

海外事業に関するリスク

当社グループは、国外既存市場への展開、新規市場への領域拡大を推進していく方針ですが、当該進出国の政治・経済情勢、法令制度、為替相場等に著しい変化が生じた場合には、当社グループの海外事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

・予めリスクの抽出及び分析や評価、リスク回避の方針を検討の上、当社の常務会および取締役会において投資判断しています。

・当社の常務会または取締役会等において、海外事業の進捗状況、工事施工等におけるトラブルの有無、進出国の社会情勢や法令制度の改定等を情報共有し、必要な対策を講じています。

 

 

 

(2) 外部環境に関するリスク

 

主なリスクの概要

主な対応策・取り組み

取引先の信用リスク

保有する完成工事未収入金・売掛金等の金銭債権が、債務者(取引先)の信用悪化や経営破綻などにより、回収不能となり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

・与信管理規程等に基づき、取引先毎に与信限度額を設けた上で、取引先の財務状況等について定期的にモニタリングし、債権回収の期日および残高を取引先毎に適切に管理することにより、回収懸念の早期把握を図っています。また、与信管理委員会を毎月開催し、金銭債権に関する管理状況を確認しています。

新型コロナウイルス感染症に関するリスク

新型コロナウイルスの感染拡大による消費の落ち込みや生産活動の停滞が長期化した場合、民間設備投資が大幅に減少することが想定され、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループの従業員への感染による事業継続に影響を及ぼす可能性があります。

 

・公共工事は、新型コロナウイルス禍においても、社会の安定と維持の観点から、継続を求められる事業として位置づけられています。当社グループにおいても、事業を通じた国民生活への貢献という役割を果たすべく、従業員の健康確保や建設現場における感染防止対策を徹底し、工事施工を継続できる体制の整備に努めています。

大規模な自然災害の発生に関するリスク

地震、津波、台風、洪水等の自然災害において、大規模な自然災害が発生した場合、施工中の工事の中断、遅延、また所有する設備等の修復のための多額の支出が想定され、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

・復旧の生命線である「道路を中心としたインフラ復旧」を積極的に支援する体制をいち早く構築することを目的とした事業継続計画(BCP)に基づく緊急対応体制の整備に努めています。

・「非常災害対策規程」に基づき、従業員とその家族の安全を確認するとともに、会社施設の速やかな復旧と保全を図っています。

情報システムに関するリスク

当社グループは、受注・売上・会計などのプロセスに関する電子データを、様々な情報システムやネットワークを通じて利用しています。これらの情報システムに、自然災害やサイバー攻撃等により、予期せぬ障害が発生し、業務が停止する可能性があります。その場合、当社グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。

 

・情報システムセキュリティに関する規程等、情報管理に関する社内ルールを整備するとともに、「コンピュータウイルス対策要領」において、より具体的・詳細な対応法を明記しています。

・新入社員および中途採用者に対するセキュリティ研修や、全従業員に標的型攻撃メール対応訓練を実施し、セキュリティに対する意識向上を図っています。

 

 

 

(3) 業界特性および組織内部に関するリスク

 

主なリスクの概要

主な対応策・取り組み

法令違反に関するリスク

当社グループの事業は、建設業法、独占禁止法、廃棄物処理法、さらには労働基準法、労働安全衛生法、ハラスメント関連の法令等、さまざまな法的規制を受けていますが、法令に違反する行為を行った場合には、事業活動が制限され、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

当社グループは、コンプライアンスの推進・徹底を図るため、グループコンプライアンス体制の整備運用を図っています。

(主な取り組み)

・規程の整備・運用

当社の規程に準拠したコンプライアンス規程等をグループ各社に制定させ、運用しています。また、法令等に違反する行為があった場合の当社への報告ルールを定めています。

・遵法点検の実施

グループ会社も含めて遵法状況自主点検を実施し、点検結果およびフォロー状況を確認しています。また、グループ工事会社・製販会社に対して業務監査を実施しています。

・教育の実施

グループ会社の役員・従業員まで対象としたコンプライアンス教育を実施しています。

・内部通報制度の整備・運用

法令等に違反する行為の未然防止・早期発見・是正を図るため、グループ会社まで含めた内部通報制度を整備し運用しています。

重大事故に関するリスク

重大な品質事故、人身事故、環境事故等が発生した場合、社会からの信頼を喪失し、受注機会の減少等、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

「安全作業5つの誓い」の遵守をはじめとする安全管理に関する基本方針ならびに品質、衛生、環境に関する基本方針を定め、関係法令をはじめとする社会的な要求事項に対応できる体制の整備に努めています。

建設業の担い手不足に関するリスク

建設業界は、他産業に比べ労働時間が長いという理由から、若年層に敬遠される業界のひとつとなり、これにより従事者の高齢化や慢性的な人手不足が生じています。十分な対策が取れない場合、施工体制の維持が困難になり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

以下の人材戦略の考え方に基づき、人材の確保や育成と労働環境の整備を推進しています。

(人材の確保、能力開発)

・当社グループ内における人材の確保

・従業員の研修や教育の実施

(働き方改革の推進)

・働き方改革プロジェクト行動計画にて、外勤事業所では「計画的な休日の確保」内勤事業所では「社内イントラ等の有効活用」を重点施策として推進

(建設キャリアアップシステムの活用)

・建設キャリアアップシステムを利用した、技能者の資格や経験に応じた労働環境の整備

 

 

 

 

主なリスクの概要

主な対応策・取り組み

会計上の見積りに関するリスク

建設事業に含まれる各セグメントの工事契約は、道路新設・補修などの道路舗装工事、土地の造成などの一般土木工事、ビル等の建物建設の建築工事として、工事の施工を請け負うものです。工事進行基準の適用対象となる当該工事については、基本的な仕様や作業内容が発注者の指図に基づいて行われることから、工事原価総額の見積りにあたっては画一的な判断尺度を得られにくい面があります。このため、工事原価総額の見積りは、工事に対する専門的な知識と施工経験を有する工事現場担当者による一定の仮定と判断が含まれ、不確実性を伴うものとなります。工事原価総額等の見積りの信頼性が十分でない場合、当社グループの建設事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

・工事収益総額を担保するにあたっては、建設業法に基づき、書面による契約を徹底しています。

・工事原価総額および工事進捗度の見積りの基礎となる実行予算書については、工事に対する専門的な知識と施工経験を有する工事現場責任者により作成され、工事に対する専門的な知識と施工経験を有する支店等の責任者の必要な承認を得ることにより信頼性を確保しています。

・工事の損益管理、工事進捗度については、工事原価の信頼性に責任を持つ工事原価管理部署が適時・適切にモニタリングを行っています。また、工事の施工状況や実際の原価の発生額、あるいは発注者からの仕様変更指示に応じて、適時に工事原価総額の見積りの改定が行われる体制を確保しています。

 

 

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