課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当社が本報告書提出日現在において判断したものです。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社は、事業活動の基礎となる「企業理念」「行動指針」「企業行動5つの誓い」を次のとおり定めています。

 


 

当社グループは、「確かなものづくり」を通して社会基盤や、産業基盤などの形成に貢献する中で、事業の発展と経営の安定を実現し、社会の信頼に応えられる企業経営を目指します。

 

 

(2) 経営環境及び経営戦略

当社グループが今後とも経営の安定と事業の展開を実現していくためには、不透明な事業環境(国内市場が縮小する環境)においても、事業展開を維持・拡大し、安定的な収益基盤を構築し続けなければなりません。このような経営環境のもと当社グループは、2018年5月に「中長期経営ビジョン」(2018年~2030年度)を策定し、安定的な成長を目指しています。

 

① 中長期経営ビジョンにおける経営三カ年計画(2018年度から2020年度まで)の成果

当社グループは、経営三カ年計画(以下「18三計」)において、中長期経営ビジョンの達成に向けた取り組みを確実に実施するため、「当社グループの事業基盤を確立させる事業期間」と定め、収益や財務の基盤強化等を中心に事業を展開しました。その結果、この間の堅調な建設投資にも支えられ、18三計の最終年度となりました2020年度の連結業績では、業績計画等掲げた計画値につきましては概ね達成することが出来ました。

 

 

 

 

単位:億円

 

 

2018年度

2019年度

2020年度

売上高

計画

4,100

4,200

4,300

 

実績

4,132

4,290

4,457

経常利益

計画

410

420

430

 

実績

390

382

467

 

 

今後、当社は18三計により構築した収益や財務基盤等を基本に、引き続き中長期経営ビジョンの展開を進め、事業環境の変化に適切に対応しつつ、安定的な成長を目指します。

 

〔参考〕「中長期経営ビジョン」について

 


 

 

② 新経営三ヵ年計画(2021年度から2023年度まで)の策定

当社グループは、中長期経営ビジョンを展開する中、2021年度を初年度とする新経営三ヵ年計画(以下「21三計」)を策定し、以下の内容にて取り組みます。

 

〔位置づけ・基本方針〕

当該期間を「強靱で柔軟なグループ連携体制をさらに強化する事業期間」と定め、収益性の向上、SDGs、安定した収益とキャッシュの確保に取り組みます。

 


 

〔業績計画〕

21三計の最終年度である2023年度の業績計画は、当社およびグループ工事会社(主に舗装土木事業)・グループ製販会社(製造・販売事業)で構成する中核連結の売上高を3,510億円、経常利益を385億円とし、大日本土木(株)(一般土木事業、建築事業)などの独立事業会社を加えた全体連結の売上高を4,800億円、経常利益を470億円としています。

 


 

 

〔SDGsへの取り組み〕

SDGs(持続可能な開発目標)については、2019年度から本格的な取り組みを開始し、従業員に対し、勉強会や説明会を通じて、SDGsへの理解の促進を図っています。

2020年度からは、当社のCSR活動を通してSDGsに貢献するために「低炭素社会の形成」「循環型社会の形成」「安全確保」「人材育成」「ダイバーシティ&インクルージョンの推進」「ワークライフ・マネジメントの推進」「健康管理」「コンプライアンスの徹底」のそれぞれで、具体的な取り組み項目を設定しました。

 


 

各事業における主な取り組みについては、次のとおりです。

 

〔建設事業〕

■舗装土木事業(当社・グループ工事会社)

事業環境の変化にも柔軟に対応し、強靭なグループ体制を構築します。

■一般土木事業(大日本土木(株)・長谷川体育施設(株)・日鋪建設(株))

各社の技術力を生かした得意分野で確実に売上を伸ばし、安定した利益を確保します。

■建築事業(当社・大日本土木(株))

利益水準の向上に取り組むべく、受注拡大および両社の建築部門の協働化を推進し、収益力の向上を図ります。

 

〔製造・販売事業〕(当社・グループ製販会社)

計画的な設備投資の実施、原材料の適切な調達、製造コストの削減を進めるとともに、グループ内使用合材の増大や適正価格での販売に注力することにより、安定的な利益の確保に努めています。

 

〔開発事業〕(当社)

「投資規模」と「ポートフォリオ」の適正な組み合わせを基本に、「分譲マンション事業」「賃貸事業」「再開発事業」「物流施設事業」の物件を継続的かつ計画的に取得し、収益力の向上を図ります。

 

〔海外事業〕(当社・大日本土木(株))

当社は、保有する優れた技術力を生かした事業の拡大、大日本土木(株)は、ODA事業等の取り組みにより、成長分野としての基盤を構築します。

 

 

(3) 対処すべき課題

(戦略上の課題)

① CSRの徹底(不正行為の防止)

当社は一連の独占禁止法違反を踏まえ「コンプライアンス体制の改革」「適正な受注活動を確保するための施策」「組織・人事的対応」の3つの事項を柱とする再発防止策を、継続的かつ計画的に実行しています。さらに、法務部門と外部専門家によるモニタリングも継続して行っています。これからも、独占禁止法をはじめとするあらゆる法令に違反する行為は絶対に行わないという企業風土・企業文化を盤石なものとするための取り組みに注力します。

 

② 働き方改革の推進

建設業界は他産業に比べ労働時間が長いこと等から、若年層に敬遠される業界のひとつとなり、これにより従事者の高齢化や慢性的な人手不足が生じています。このため当社では「働き方改革=労働環境の整備、生産性の向上」と位置付け、その中でも労働時間に特化して、労働時間の抑制、過重労働防止に向けた取り組みを推進し、魅力ある職場作りに注力します。

 

(事業上および財務上の対処すべき課題)

① 新型コロナウイルス感染症対策について

当社は国土交通省において策定された「建設業における新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン」に準拠し、建設現場や事業所における感染予防と感染拡大防止対策を徹底し、事業を継続することを基本としています。また、当社が請け負う公共工事等は社会の安定と維持の面から、国民生活への貢献という責任を果たすべく、事業を継続できる体制の整備に努めます。

 

② 「ル・サンク小石川後楽園」事業について

開発事業における「ル・サンク小石川後楽園」事業につきまして、当社は、建築確認処分を取り消されたことにより事業を中断しましたが、これにより発生した損害について、2019年5月9日に、東京都を被告として、国家賠償法に基づく損害賠償請求の訴えを東京地方裁判所に提起するとともに、同年9月3日に、指定確認検査機関である株式会社都市居住評価センターを被告として、損害賠償請求の訴えを同裁判所に提起し、現在、両訴訟は係属中です。また、本事業につきましては、事業継続に向けて協議中です。

 

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