業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

1)  財政状態

(資産合計)

当連結会計年度の資産合計は、前連結会計年度末に比べ4億8千万円増加の 179億9千9 百万円(前連結会計年度末は175億1千9百万円)となりました。

流動資産は、前連結会計年度末に比べ4億3千4百万円増加の 160億8千9 百万円(前連結会計年度末は156億5千5百万円)となりました。固定資産は、前連結会計年度末に比べ4千5百万円増加の 19億9 百万円(前連結会計年度末は18億6千4百万円)となりました。

(負債合計)

当連結会計年度の負債合計は、前連結会計年度末に比べ11億6千5百万円増加の 128億6千3 百万円(前連結会計年度末は116億9千8百万円)となりました。

(純資産合計)

当連結会計年度の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ6億8千4百万円減少の 51億3千5 百万円(前連結会計年度末は58億2千万円)となりました。

なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末の数値で比較を行っております。

2)  経営成績

当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用環境の改善が続き、個人消費の持ち直しや設備投資の増加など、景気は緩やかな回復基調で推移しております。一方、米中の貿易摩擦や中国経済の成長鈍化、欧州の混乱など、海外の政治、経済の不確実性などから、依然として先行きの不透明な状態が続いております。

建設・不動産業界におきましては、住宅ローン金利は依然として低水準で推移をしているものの、首都圏での事業用地の高騰に起因した取得および販売競争は激しい状況が続き、また、建築資材の高騰や物流コストの上昇等もますます深刻化するなど、業界を取り巻く環境は依然として厳しい状況が継続しております。

このような状況のもと、当社グループは、2017年3月期を初年度として策定しました「第二次中期経営計画」の3年目を迎え、基本方針である「市場変化に対応できる体質の構築」に則り、各種施策を推進するとともに、生産コストの低減と販売費および一般管理費の削減にも引き続き取り組んでまいりました。

利益面につきましては、販売費および一般管理費等の経費削減に努めましたが、当期につきましては、特定のエリアの戸建分譲事業の取得済用地等に関して、競合他社を含めた供給量の増加による需給バランスが崩れたことなどを原因とし、たな卸資産評価損として売上原価に262百万円を計上いたしました。

その結果、当連結会計年度の売上高は 221億 円(前連結会計年度比16.2%増)、営業 損失は3億2千3百万 円(前連結会計年度は 2億8千8百万 円の営業利益)、経常 損失は6億1千2百万 円(前連結会計年度は 3千3百万 円の経常利益)、親会社株主に帰属する当期純 損失は6億7千1百万 円(前連結会計年度は 6千6百万 円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。

セグメントの業績は次のとおりであります。

従来、建設事業、不動産事業と表記していた名称を当期から建設セグメント、不動産セグメントに変更しており

ます。

(イ)建設セグメント

建設セグメントにおきましては、主力となる法人受注では安定的な継続受注をベースに、アパート等の分譲住宅以外の受注や、軽量鉄骨造の受注に積極的に取り組み、施工量の確保と利益率の向上に努めてまいりました。これにより、「プラウドシーズン稲城南山」(野村不動産株式会社・東京都稲城市)、「ヴェレーナガーデン千葉ニュータウン中央」(大和地所レジデンス株式会社・千葉県印西市)、「ザ・パークハウスステージ戸塚」(三菱地所レジデンス株式会社・株式会社日立アーバンインベストメント・神奈川県横浜市戸塚区)、「リーフィア南大沢ガーデンズ」(小田急不動産株式会社・東京都八王子市)などの戸建分譲住宅、さらに、「ミハス練馬春日町」(株式会社明豊エンタープライズ・東京都練馬区)、「グリーンリーフ世田谷喜多見」(京王不動産株式会社・東京都世田谷区)などの非分譲住宅を完成工事高に計上いたしました。

個人受注につきましては、高気密・高断熱仕様と木のぬくもりが体感できるモデルハウスを中心とした営業展開を行い、 リフォーム受注につきましては、本社並びに杉並区内4か所に展開をしている「家と暮らしの相談所」において各種セミナーの開催やイベントを実施し、お客様の需要喚起ならびに新規顧客の開拓を行ってまいりました。

その結果、建設セグメントの売上高は77億2千万円(前連結会計年度比5.8%減)となり、営業利益は1億6千2百万円(前連結会計年度比203.9%増)となりました。

(ロ)不動産セグメント

不動産セグメントにおきましては、主力の戸建分譲事業では、本社を拠点とした杉並エリアで「グローイングスクエア杉並成田西グランフィールズⅡ」(東京都杉並区)、多摩エリアでは「グローイングスクエア調布ミッド・リンクス」(東京都調布市)、「グローイングスクエア狛江こまち」(東京都狛江市)神奈川エリアにおいては「グローイングスクエア青葉荏田西」(神奈川県横浜市)などの販売を行う他、オリジナルスマートハウス「ストロングスマート」も「グローイングスクエア武蔵境ストロングスマート」(東京都西東京市)、「グローイングスクエア西荻窪ストロングスマート」(東京都杉並区)を販売し、東北エリアにつきましては、既存団地を軸とし、新規の用地取得に取り組み、「グローイングタウン高野原」(宮城県仙台市)、「グローイングスクエア愛島台」(宮城県名取市)、「美郷ガーデンシティ」(福島県福島市)の継続団地と、新たに「グローイングスクエア鹿島台」(宮城県大崎市)や「グローイングスクエアときわ台南」(宮城県黒川郡大衡村)、「グローイングスクエア安達駅東」(福島県二本松市)の分譲を開始するなど、住宅をご検討中のお客様へ、質の高い住宅の供給に努めてまいりました。

利益面につきましては、販売費および一般管理費等の経費削減に努めましたが、当期につきましては、特定のエリアの戸建分譲事業の取得済用地等に関して、競合他社を含めた供給量の増加による需給バランスが崩れたことなどを原因とし、たな卸資産評価損として売上原価に262百万円を計上いたしました。

これらの結果、賃貸収入や販売手数料などを加えた不動産セグメントの売上高は、143億8千万円(前連結会計年度比32.9%増)となり、営業損失は1億5千5百万円(前連結会計年度は5億5千2百万円の営業利益)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における税金等調整前当期純損失は6億2千5百万円(前連結会計年度は6千9百万円の税金等調整前当期純利益)となり、当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は18億6千6百万円で前年度末と比較して4億5千2百万円の減少となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、使用した資金は18億8千万円(前年度は35億円の使用)となりました。これは主に、売上債権が減少した一方で、たな卸資産を購入したことによる支出及び税金等調整前当期純損失の計上によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、使用した資金は2千1百万円(前年度は5百万円の獲得)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、獲得した資金は14億5千万円(前年度は26億3千4百万円の獲得)となりました。これは主に、たな卸資産の取得に伴う借入金の増加によるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

当社グループが営んでいる事業の建設セグメント及び不動産セグメントでは、生産実績を定義することが困難であり、建設セグメントにおいては請負形態をとっているため、販売実績を示すことはできません。また、不動産セグメントでは受注生産形態をとっておらず、生産実績及び受注実績を示すことはできません。

このため、受注及び販売の状況については「①財政状態及び経営成績の状況」における各セグメントの業績に関連付けて記載しております。

なお、当社グループのうち、当社が受注及び販売の大半を占めているため、当社単独の事業の実績を次のとおり記載いたします。

(1)建設セグメントにおける受注工事高及び施工高の実績

(イ)受注工事高、完成工事高、繰越工事高及び施工高

期別

区分

前期繰越工事高

(百万円)

当期受注工事高

(百万円)

合計

(百万円)

当期完成工事高 (百万円)

次期繰越工事高

(百万円)

第  62  期

(自 2017年4月1日

至 2018年3月31日)

木造建築工事

2,318

6,076

8,394

5,702

2,691

その他の建築

工事

464

2,268

2,732

2,465

267

2,782

8,345

11,127

8,168

2,959

第  63  期

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

木造建築工事

2,691

3,755

6,447

5,268

1,179

その他の建築

工事

267

1,997

2,264

1,800

464

2,959

5,752

8,712

7,068

1,643

 (注)1.前期以前に受注した工事で、契約の更改により請負金額に変更あるものについては、その増減額は当期受注工事高並びに当期完成工事高に含まれております。

2.次期繰越工事高(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)であります。

 

 

(ロ)完成工事高

期別

区分

官公庁(百万円)

民間(百万円)

合計(百万円)

 

第  62  期

(自 2017年4月1日

至 2018年3月31日)

木造建築工事

5,702

5,702

その他の建築工事

2,465

2,465

8,168

8,168

 

第  63  期

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

木造建築工事

5,268

5,268

その他の建築工事

1,800

1,800

7,068

7,068

 (注)1.完成工事高のうち主なものは、次のとおりであります。

第62期 請負金額2億円以上の主なもの

日本土地建物株式会社

野村不動産株式会社

グランパルケ鎌ヶ谷13期分譲住宅新築工事

(仮称)国分寺市富士本1期分譲住宅新築工事

 

 

第63期 請負金額2億円以上の主なもの

ミサワホーム株式会社

(仮称)アルビオコート検見川浜7期分譲住宅新築工事

 

 

 2.完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりであります。

第62期

該当事項はありません。

 

 

 

第63期

野村不動産株式会社

2,491百万円

35.25%

ミサワホーム株式会社

852百万円

12.05%

 

(ハ)次期繰越工事高(2019年3月31日現在)

区分

官公庁(百万円)

民間(百万円)

合計(百万円)

木造建築工事

1,179

1,179

その他の建築工事

464

464

合計

1,643

1,643

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(2)不動産セグメントにおける販売の実績

期別

区分

数量

金額(百万円)

第  62  期

(自 2017年4月1日

至 2018年3月31日)

不動産販売高

 

 

 

戸建住宅

178棟

10,106

 

土地

16,753㎡

521

10,627

その他売上高

 

191

 

10,819

第  63  期

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

不動産販売高

 

 

 

戸建住宅

216棟

13,452

 

土地

3,997㎡

452

13,905

その他売上高

 

234

 

14,140

 (注)1.不動産販売高のうち主なものは次のとおりであります。

第62期

戸建住宅

グローイングスクエア杉並松庵(東京都杉並区)

 

グローイングスクエア久我山4丁目(東京都杉並区)

グローイングスクエア世田谷深沢(東京都世田谷区)

 

グローイングスクエア調布グラン・テラス(東京都調布市)

 

グローイングスクエア新横浜(神奈川県横浜市)

 

グローイングスクエア青葉台(神奈川県横浜市)

土地

地域別面積は、茨城県7,886㎡、福島県4,456㎡、宮城県3,906㎡、東京都267㎡他であります。

第63期

戸建住宅

グローイングスクエア南阿佐ヶ谷(東京都杉並区)

 

グローイングスクエア杉並成田西Ⅱ(東京都杉並区)

グローイングスクエア世田谷千歳台(東京都世田谷区)

 

グローイングスクエア石神井公園サイト・ウエスト(東京都練馬区)

 

グローイングスクエア狛江こまち(東京都狛江市)

 

グローイングスクエア宮崎台ストロングスマート(神奈川県川﨑市)

土地

地域別面積は、千葉県2,101㎡、宮城県1,152㎡、東京都345㎡、福島県271㎡

神奈川県125㎡であります。

2.その他売上高は、不動産賃貸収入、販売手数料収入等であります。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

  経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

①重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表はわが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成し、

建設業法施行規則に準じて記載しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りが必要となります。この見積りについては過去の実績等を勘

案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、これらの見積りと異なる場合があります。

連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表作成のた

めの基本となる重要な事項」に記載しております。

また、財政状態及び経営成績の分析に関連するリスク情報については「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載しております。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.  経営成績等

1)  財政状態

(資産合計)

当連結会計年度の資産合計は、前連結会計年度末に比べ4億8千万円増加の179億9千9百万円(前連結会計年度末は175億1千9百万円)となりました。

流動資産は160億8千9百万円(前連結会計年度末は156億5千5百万円)となりました。これは主に、事業用地購入の進捗に伴い、現金預金が4億5千2百万円減少し販売用不動産、仕掛販売用不動産及びたな卸材料等の合計が12億3千5百万円増加したことによるものであります。

固定資産は19億9百万円(前連結会計年度末は18億6千4百万円)となり、前連結会計年度末と比較して4千5百万円の増加となりました。

(負債合計)

当連結会計年度の負債合計は、前連結会計年度末に比べ11億6千5百万円増加の128億6千3百万円(前連結会計年度末は116億9千8百万円)となりました。

これは主に、事業用地購入の進捗に伴うプロジェクト資金の借入により、短期借入金及び長期借入金が合計で14億2千9百万円増加したことによるものであります。

(純資産合計)

当連結会計年度の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ6億8千4百万円減少の51億3千5百万円(前連結会計年度末は58億2千万円)となりました。

これは主に、利益剰余金が6億7千1百万円減少したことによるものであります。

なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末の数値で比較を行っております。

2)  経営成績

売上高は、当社の主力である戸建分譲事業において、事業スケジュールや建築工期の短縮、販売価格の見直し等各種施策を実施することで用地取得価格の高騰に対応し、より付加価値の高い商品の供給に努めてまいりましたが、競合他社の供給量と併せ、一部のエリアでは供給過多の状態となり、販売現場への来場者数が想定を下回る結果となりました。そのため、販売の遅れが発生し、目標とする販売計画を達成するには至りませんでした。その結果、売上高は221億円(前連結会計年度比16.2%増)となりました。その内訳は、建設セグメントで77億2千万円(前連結会計年度比5.8%減)、不動産セグメントで143億8千万円(前連結会計年度比32.9%増)となっております。

売上原価は、首都圏での事業用地取得は依然として激しい競争環境にあり、用地取得価格の高騰、建築資材価格や流通コストの上昇の影響もあり、 当期につきましては、特定のエリアの戸建分譲事業の取得済用地等に関して、競合他社を含めた供給量の増加による需給バランスが崩れたことなどを原因とし、たな卸資産評価損として売上原価に262百万円を計上いたしました。その結果、 前連結会計年度に比べ22.4%増の198億8千1百万円となりました。

販売費及び一般管理費は、25億4千3百万円(前連結会計年度比2.3%増)となりました。主な増加要因といたしましては、 販売促進に係る広告宣伝費や支払手数料の増加により48百万円、人件費が62百万円増加した事によります。

その結果、営業損失は3億2千3百万円(前連結会計年度は2億8千8百万円の営業利益)となりました。

営業外収益は1千6百万円(前連結会計年度は2千1百万円)となり、前連結会計年度と比較して4百万円の減少となりました。営業外費用は、3億5百万円(前連結会計年度は2億7千5百万円)となり、前連結会計年度と比較して3千万円増加しております。これは事業用地購入の進捗に伴いプロジェクト資金の借入が増えたことにより、支払利息及び支払手数料が増加したためです。

その結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損失は6億7千1百万円(前連結会計年度は6千6百万円の当期純利益)となりました。

 

b.  経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの経営に影響を与える大きな要因としては、用地取得競争、建築コストの上昇、住宅関連政策や税制の動向、住宅ローン金利の動向などがあります。

用地取得競争について、不動産セグメントにおいては、販売用不動産の仕入の成否が業績に強く影響を及ぼします。当社グループの事業エリアは今後も厳しい取得競争が行われると予想されることから、当社グループが置かれている環境は依然として厳しい状況で推移するものと認識しています。用地取得にあたっては、立地条件・面積・価格・地盤・周辺の取引状況等についての 社内購入基準を再定義した上で、 綿密に調査及び検討を行うことでリスクヘッジを図るとともに、事業エリアを集中させることで情報収集の強化にも努めてまいります。建築コストの上昇について、2020年開催予定の東京オリンピックや慢性的な労務不足、為替変動などの影響により、引き続き建築コストは上昇傾向にあります。 このため需要に合わせた生産システムを再構築し、各種生産経費を見直すとともに、外国人技能実習生の活用や、資材取引先との関係強化にも努め、一層のコスト削減の努力を行ってまいります。 住宅関連政策や税制及び住宅ローン金利の動向については、不動産セグメントは、消費者の需要動向の影響を受ける傾向があり住宅関連政策や税制及び住宅ローン金利の動向により消費者の需要が減少した場合、当社グループの業績に大きな影響を及ぼします。 2019年10月には消費税増税が予定されており、政府による住宅取得にかかる各種対策も予定されております。住宅ローン金利についても依然として低水準で推移をしておりますが、米中の貿易摩擦や中国経済の成長鈍化、欧州の混乱など、海外の政治、経済の不確実性などから、依然として先行きについては予断を許さないと考えております。これらに対し、当社グループでは収益性の改善を徹底し「安定的な黒字体質の定着及び強固な企業体質の構築」を目指してまいります。粗利益率の向上や、建築コストの低減ならびに販売費及び一般管理費の低減などによるコスト構造の適正化を実施・検討してまいります。

 

c.  資本の財源及び資金の流動性

1) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

2) 資金需要

当社グループの事業活動における資金需要は主に運転資金需要であります。

運転資金需要のうち主なものは、プロジェクト用地・物件の購入資金、材料費や労務費などの建築費になります。

3) 財務政策

当社グループの事業活動の維持拡大に必要な運転資金につきましては、金利等の調達状況や既存借入金

の返済時期、調達規模等を適宜判断し、各金融機関から資金調達を行っております。当事業年度におきましては、当期末の有利子負債残高は105億3千3百万円となっております。

また、資金調達コストの低減に努めるため、建築スケジュールの管理を徹底し、販売期間も含めてプロジェクト期間の短縮・効率化を図る事で、棚卸資産回転期間を早め、早期に返済を行う事で調達コストの低減を図ってまいります。

 

d. 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループでは、安定的な収益の確保に向けて、高品質な住宅の安定供給を可能とする企業体質への転換を図り、あわせて財務基盤の強化に努めてまいります。そのため、経営の安定性の観点から「自己資本比率」と、収益性の観点から「売上総利益率」、「売上高経常利益率」の向上ならびに 「たな卸資産回転期間」 を重要な経営指標としております。当連結会計年度における「自己資本比率」は28.5%(前年同期比4.7%減)であり、「売上総利益率」は、10.0%(前年同期比4.6%減)、「売上高経常利益率」は△2.8%(前年同期は0.2%)、 「たな卸資産回転期間」は231.1日(前年同期は238.6日)でした。 事業エリアや規模、需要と供給のバランスを精査したうえで、継続的に供給を行うことで認知度の向上を図り、集客力を高め、それらの施策を実施することで事業期間を短縮し、在庫回転期間を早めることで指標ポイントの改善を図ってまいります。

 

e. セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

1)建設セグメント

建設セグメントにおきましては、主力となる法人受注では安定的な継続受注をベースに、アパート等の分譲住宅以外の受注や、軽量鉄骨造の受注に積極的に取り組み、施工量の確保と利益率の向上に努めてまいりました。これにより、「プラウドシーズン稲城南山」(野村不動産株式会社・東京都稲城市)、「ヴェレーナガーデン千葉ニュータウン中央」(大和地所レジデンス株式会社・千葉県印西市)、「ザ・パークハウスステージ戸塚」(三菱地所レジデンス株式会社・株式会社日立アーバンインベストメント・神奈川県横浜市戸塚区)、「リーフィア南大沢ガーデンズ」(小田急不動産株式会社・東京都八王子市)などの戸建分譲住宅、さらに、「ミハス練馬春日町」(株式会社明豊エンタープライズ・東京都練馬区)、「グリーンリーフ世田谷喜多見」(京王不動産株式会社・東京都世田谷区)などの非分譲住宅を完成工事高に計上いたしました。

個人受注につきましては、高気密・高断熱仕様と木のぬくもりが体感できるモデルハウスを中心とした営業展開を行うとともに、「賃貸併用住宅」「賃貸住宅」の受注営業を積極的に展開し、杉並区を中心として分譲住宅のモデルハウスや竣工後の注文住宅を利用した「完成現場見学会」を開催することで、実際に当社の住宅を体感いただき、集客数や受注単価ならびに契約率の向上に努めてまいりました。

リフォーム受注につきましては、本社並びに杉並区内4か所に展開をしている「家と暮らしの相談所」において各種セミナーの開催やイベントを実施し、また、住宅設備メーカー等のショールームをバスツアーでめぐる「リフォーム相談会」を行うなど、地域に密着した営業展開を行うことで、お客様の需要喚起ならびに新規顧客の開拓を行ってまいりました。

その結果、建設セグメントの売上高は77億2千万円(前連結会計年度比5.8%減)となり、営業利益は1億6千2百万円(前連結会計年度比203.9%増)となりました。セグメント資産は、15億6千4百万円(前連結会計年度比18.3%減)となりました。これは主に、完成工事未収入金が3億8千2百万円減少したことによるものであります。

2)不動産セグメント

不動産セグメントにおきましては、事業用地の高騰と厳しい販売競争が課題の中、主力の戸建分譲事業では、本社を拠点とした杉並エリアで「グローイングスクエア杉並成田西グランフィールズⅡ」(東京都杉並区)、多摩エリアでは「グローイングスクエア調布ミッド・リンクス」(東京都調布市)、「グローイングスクエア狛江こまち」(東京都狛江市)、神奈川エリアにおいては「グローイングスクエア青葉荏田西」(神奈川県横浜市)などの販売を行う他、オリジナルスマートハウス「ストロングスマート」も「グローイングスクエア武蔵境ストロングスマート」(東京都西東京市)、「グローイングスクエア西荻窪ストロングスマート」(東京都杉並区)を販売するなど、事業エリアを厳選しつつ分譲事業の推進に努めてまいりました

戸建分譲事業につきましては、東京区部におきましては、用地の取得において事業エリアを厳選しながら継続的な供給を目指し、知名度の維持・向上を図り集客数の増加や販売促進に繋げるとともに広告宣伝費の圧縮にも努めてまいりました。また、一部プロジェクトにおいては事業期間短縮計画を推進することで在庫回転率を高め、用地価格や建築費の高騰による事業リスクを抑えつつ、売上・収益の向上に取り組んでまいりました。加えて、法人提携先への紹介依頼活動や各種集客イベントの開催、当社ウエブサイトのリニューアルや会員制コミュニティサークル「グローイング倶楽部」の会員数の増加に努め、ソーシャル・ネットワーキング・サービスによる集客を開始するなど各種施策を行ってまいりました。併せて、前期より繰り越した物件の早期完売を目指し、モデルハウスのリニューアルをはじめ、キャンペーンの実施や各種不動産サイトへの物件情報掲載による自社ウエブサイトへのアクセス数増加を促進するなど、各種の販売活動を実施いたしました。しかしながら、当社販売物件へのお問い合わせ件数、資料請求件数、販売現場への来場者数が伸び悩んだことと、競合他社の供給量と併せ、一部のエリアでは供給過多の状態がみられたことから、当初計画した販売棟数210棟に対して50棟不足し、160棟の結果となりました。

また、東北エリアにつきましては、既存団地を軸とし、新規の用地取得に取り組み、「グローイングタウン高野原」(宮城県仙台市)、「グローイングスクエア愛島台」(宮城県名取市)、「美郷ガーデンシティ」(福島県福島市)の継続団地と、新たに「グローイングスクエア鹿島台」(宮城県大崎市)や「グローイングスクエアときわ台南」(宮城県黒川郡大衡村)、「グローイングスクエア安達駅東」(福島県二本松市)の分譲を開始するなど、住宅をご検討中のお客様へ、質の高い住宅の供給に努めてまいりました。

当期より株式会社細田ライフクリエイションで取り組みを開始しております買取再販におきましては、物件の取得活動に努めるとともに、取得物件のリノベーション及び販売を行ってまいりました。仲介におきましては過去に当社の住宅を購入いただいたお客様への営業活動や、各種イベントへの積極的な参加や地域での情報ルートを活用し、売却希望者、購入希望者の開拓を行い、取扱案件数の増加に努めてまいりました。

 

利益面につきましては、販売費および一般管理費等の経費削減に努めましたが、当期につきましては、特定のエリアの戸建分譲事業の取得済用地等に関して、競合他社を含めた供給量の増加による需給バランスが崩れたことなどを原因とし、たな卸資産評価損として売上原価に262百万円を計上いたしました。

これらの結果、賃貸収入や販売手数料などを加えた不動産セグメントの売上高は、143億8千万円(前連結会計年度比32.9%増)となり、営業損失は1億5千5百万円(前連結会計年度は5億5千2百万円の営業利益)となりました。セグメント資産は、143億6千4百万円(前連結会計年度比10.7%増)となりました。これは主に、棚卸資産の増加により販売用不動産、仕掛販売用不動産の合計が12億1千万円増加したことによるものであります。

 

 

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