当社グループの事業その他に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。なお、当社は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。
本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)景気動向等について
①消費者の需要動向について
不動産セグメントは、消費者の需要動向の影響を受ける傾向があり、景気見通しの悪化、消費者所得の減少、金利の上昇、物価・地価の下落、住宅関連政策や税制の動向等により消費者の需要が減少した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
②事業地域について
当社グループの営業地域は首都圏(主として東京都・神奈川県・千葉県)が中心であり、今後も引き続き首都圏を中心に地域密着型の事業展開を計画しております。このため、首都圏における景気動向、住宅需要、地価変動、民間設備動向等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
③競争激化と価格変動について
当社グループの事業領域では、比較的参入障壁が低いため、新規参入による競合企業が増加し、競争が激化することが考えられます。
不動産セグメントでは販売競争が激化した場合、販売価格の下落や販売経費の増加により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、不動産の販売価格は不動産市況や周辺の販売状況の影響を受けるため、販売に長期間を要する場合には
同じく当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2)法的規制等について
当社は主に「宅地建物取引業法」に基づく宅地建物取引業、「建設業法」、「建築基準法」に基づく建設業、さらに「建築士法」に基づく一級建築士事務所としての法的規制があります。また、当社の事業は上記以外にも「都市計画法」、「土地区画整理法」、「農地法」、「宅地造成等規制法」、「国土利用計画法」、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」等さまざまな法的規制を受けております。
子会社である株式会社細田ライフクリエイションは「宅地建物取引業法」、「保険業法」に基づく法的規制を受けております。
子会社である株式会社細田カスタマーサポートは「建設業法」、「宅地建物取引業法」、「建築士法」に基づく法的規制を受けております。
このため、上記法律等の改廃や新たな法的規制の設定によっては当社グループの業績は影響を受ける可能性があります。
(3)個人情報の管理について
当社グループは「個人情報の保護に関する法律」における個人情報取扱事業者に該当いたします。当社グループの顧客情報を含む個人情報の保護管理におきましては、当社は情報リスク管理委員会を設置し、情報セキュリティについて万全な対策を講じております。
しかしながら、何らかの原因により個人情報が外部に流出した場合、その対応における費用の発生や当社グループの社会的信用の失墜により、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4)災害等について
地震、暴風雨、洪水等の自然災害や暴動、テロ、火災等の人災が発生した場合には、不動産の価値が大きく毀損する可能性があり、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(5)訴訟について
建築工事や不動産販売に関しては、様々な制約や慣行があり、当社は法令を遵守し、正規の手続きに則った業務を遂行しておりますが、紛争を完全に排除することはできません。また、裁判に至らず根拠のない誤認であった場合にも当社の信用に悪影響を及ぼし、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、当連結会計年度において当社グループの事業に重大な影響を及ぼす訴訟は提起されておりませんが、今後新たな訴訟が発生した場合には当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)事業内容について
①事業の概要について
(イ)用地仕入について
不動産セグメントにおいては、販売用不動産の仕入の成否が業績に影響を及ぼします。当社が土地の仕入を行う際には、その土地の立地条件・面積・価格・地盤等について調査を行うとともに周辺の販売取引状況を調査検討しますが、当社の想定する価格で販売できない場合は当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。また、他社との競合、情報収集の遅れ・不足等により土地の仕入が想定どおりにできない事態が発生することも想定されます。
(ロ)外注業務について
建築工事においては、当社はすべての工事を一括して外注するのではなく、当社の社員が施工管理(品質・工程・コスト・安全の管理等)の業務を行っております。しかしながら、施工面の大部分を外部に委託しているため、当社の選定基準に合致する外注先を十分に確保できない場合や工期の遅延、外注価格の上昇により建築コストが増加する場合等には当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
設計業務においては、「建築基準法」等の法令を遵守するとともに、建物の構造安全性を確保するため、既に当社独自の「木造住宅構造設計指針」、「基礎設計指針」を制定・運用しております。なお、一部外注の設計事務所を使っておりますが、当社の設計指針等を遵守するよう指導し、品質の維持に努めるため当社では内部管理体制を整えております。
自治体や民間検査機関の許認可業務・検査業務等の遅延により、事業の進捗に支障が生じた場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(ハ)住宅品質保証について
「住宅の品質確保の促進等に関する法律」は瑕疵担保期間の10年間義務化と住宅性能表示制度を定めております。同法により、住宅供給者は新築住宅の構造上主要な部分及び雨水の浸水を防止する部分について10年間の瑕疵担保責任を負っております。
当社の販売する戸建分譲住宅は原則として同法が規定する第三者の指定住宅性能評価機関の審査、評価を受け
設計住宅性能評価書を取得しております。
「特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律」は、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」によって義務付けられた瑕疵担保期間10年間に、万が一倒産等により瑕疵の補修等ができなくなった場合でも保険金の支払い又は保証金の還付によって必要な資力を確保するもので、当社ではそのための保険に加入しております。
しかしながら、当社の品質管理に不備が生じた場合には、クレーム件数の増加や保証工事の増加等が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
②財政状態・経営成績について
(イ)たな卸資産の評価について
不動産セグメントでは、販売用不動産の仕入を行いますが、当社は、戸建分譲を主力事業としており総資産額に占めるたな卸資産の割合が高くなっております。
当社といたしましては、想定されるリスクの排除に努めておりますが、土地の取得後、開発や販売に長期間を要し、その間に土地の時価が下落した場合には、評価損が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社はたな卸資産の評価にあたっては、第52期以降「棚卸資産の評価に関する会計基準」(企業会計基準第9号 2006年7月5日)に基づいており、期末における正味売却価額が取得原価よりも下落している場合には、当該正味売却価額をもって貸借対照表価額とし、取得原価と当該正味売却価額との差額は当期の費用として処理しております。
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第59期 |
第60期 |
第61期 |
第62期 |
第63期 |
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2015年3月 |
2016年3月 |
2017年3月 |
2018年3月 |
2019年3月 |
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たな卸資産残高 |
(百万円) |
13,679 |
10,896 |
9,269 |
11,971 |
13,206 |
総資産額 |
(百万円) |
17,718 |
16,239 |
15,091 |
17,519 |
17,999 |
たな卸資産構成比 |
(%) |
77.20 |
67.10 |
61.42 |
68.33 |
73.37 |
(注) たな卸資産残高は、未成工事支出金、販売用不動産、仕掛販売用不動産及び材料貯蔵品の合計額であります。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、前連結会計年度に係る経営指標等については、当該会計基準等を遡って適用した後の指標等となっております。
(ロ)有利子負債への依存について
当社は販売用不動産の土地仕入資金の一部を金融機関からの借入等によって調達しております。総資産額に占める有利子負債の割合が高いため、事業資金の調達や返済が景気動向や金融政策等に左右され、これにより当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
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第59期 |
第60期 |
第61期 |
第62期 |
第63期 |
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2015年3月 |
2016年3月 |
2017年3月 |
2018年3月 |
2019年3月 |
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有利子負債残高 |
(百万円) |
9,585 |
7,875 |
6,399 |
9,089 |
10,533 |
総資産額 |
(百万円) |
17,718 |
16,239 |
15,091 |
17,519 |
17,999 |
有利子負債依存度 |
(%) |
54.10 |
48.50 |
42.40 |
51.88 |
58.52 |
(注) 有利子負債残高は、短期借入金、長期借入金(1年以内返済予定額を含む)、社債(1年以内償還予定額を含む)、リース債務(1年以内返済予定額を含む)及び長期未払金(1年以内支払予定額を含む)の合計額であります。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、前連結会計年度に係る経営指標等については、当該会計基準等を遡って適用した後の指標等となっております。
(ハ)税効果会計について
現時点の会計基準に基づき、将来実現すると見込まれる税務上の便益を繰税金資産として計上しておりますが、繰延税金資産が会計上の判断または何らかの制約により減額された場合は、業績や財務内容に悪影響を及ぼす可能性があります。
(ニ)退職給付債務について
当社グループの従業員退職給付費用及び債務は、当社が想定する割引率や年金資産の長期期待運用収益率に基づいて算出されております。当社グループの年金資産の時価の下落や収益率が低下した場合等退職給付債務を計算する前提条件に変更があった場合には、損失が発生する可能性があります。また、年金制度の変更により過去勤務費用が発生する可能性があります。
(ホ)固定資産の減損会計について
「固定資産の減損に係る会計基準」を適用しておりますが、保有する固定資産に継続的な地価の下落及び賃料水準、稼働率の下落が生じた場合に減損損失を認識し、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
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