文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。
(1)経営の基本方針
当社は、「社是」「企業理念」を次のとおり定めており、当社グループの事業を通じて地域・社会に貢献することにより、持続的な成長と企業価値の向上を目指している。
(2)経営戦略等
当社グループは、創立80周年の節目となる2024年度をターゲットに、更なる成長に向けた中期経営計画2024〔2021~2024年度〕を策定している。
この中期経営計画2024は、引き続き「変革と成長」とテーマとして、前中期経営計画の検証・分析結果に基づく施策の見直しや強化に加え、経営環境の動向を踏まえて新たな施策を織り込んだものであり、これを当社グループ全員で共有して、安全とコンプライアンスを最優先に、以下の5つの諸施策に取り組んでいる。
(3)経営環境
当期の経営環境は、公共投資は高水準にあり,民間設備投資に持ち直しの動きがみられるものの、厳しい受注競争や労働者不足、原材料価格の高騰に加え、コロナ禍の影響が懸念される状況にあった。
今後の経営環境についても、資源の高騰や製造業における部品の調達難に加え、コロナ禍やウクライナ情勢の影響など、不透明な状況が続くものと思われる。
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、中期経営計画において「売上高」「営業利益(率)」を重要な指標に位置づけ、変革と成長を進めて企業価値の向上を目指している。
(5)優先的に対処すべき課題
当社グループでは、グループ間における連携を強化し、以下の課題に取り組んでいる。
① 利益率の改善
近年、受注競争の激化や労働者不足による外注費の増加、原材料価格の高騰などにより、売上の増加が必ずしも利益の増加につながらない傾向にあり、これら高コスト構造の見直しによる利益率の改善が喫緊の課題となっている。
これに対し、工事のピークカットや労働力の安定的な確保のため、工程を前倒しで作業を行う「フロントローディング」や工程の短縮に柔軟に対応するための「外注の分散発注」などの取り組みを進めている。また、工事の進捗遅延など、工事原価の増大につながる兆候を早期に把握し、迅速に対応していく。
② 生産性の向上
現場管理者の慢性的な不足・働き方改革などの課題に対応すべく、業務負荷軽減に向けた工務サポート体制の充実や施工図作成支援体制の強化を推進するとともに、業務プロセスの見直しや最新のデジタル技術を活用した業務改革など、デジタルトランスフォーメーション(DX)による生産性の向上に取り組んでいる。
③ 事業の拡大
現在進めている都市圏を中心とした事業拡大は、中国地域の市場縮小に対応した成長戦略であり、中期経営計画2024の達成に欠かせない施策となっている。
今後も引き続き、中国地域においては効率的な施工体制の構築や工場関連工事の受注・施工体制の強化等により事業基盤を維持しつつ、都市圏における大型工事の受注・施工体制の強化を図りながら事業拡大を進めていく。
また、持続的な成長のための投資として、主要事業である設備工事業を中心に、M&Aによる事業拡大も進めていく。
④ 人材の育成
当社社員の3割を占める30歳未満の若手社員の早期育成は、今後の更なる成長を進めるうえでの重要な課題である。
そのために、社員一人ひとりの適性を踏まえながら、大型工事現場等への計画的配置や、現場代理人として必要な資格の取得支援等といった施策を確実に実施していく。
⑤ 品質の向上
事業を拡大していくためには、品質の向上によりお客様の信頼を得ることが不可欠である。
そのために、施工した設備の機能・性能はもとより、工事の過程における施工の効率化や安全・環境への対応等を含め、工事全体に対する顧客満足度の向上に努めていく。
⑥ 脱炭素化の推進
SDGsやカーボンニュートラルへの動向に対応して、自社社屋に自家消費型太陽光発電を設置するなど、自社の脱炭素化を推進するとともに、自家消費型太陽光PPA事業、ZEB化等の省エネ提案など、お客様の脱炭素化をサポートしていく。また、再エネへの投資等についても引き続き行っていく。
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