課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したもので、その達成を保証するものではありません。

(1) 経営方針

 当社は「飼は食を司る」との使命感のもと、1949年の創業以来、配合飼料の総合メーカーとして歴史を重ねてきました。鶏・豚・牛・魚の飼料製造販売を主力事業に、ごまの成分セサミンが豊富な卵「ごまたまご」などの特性ある畜水産物の販売、環境問題に取り組んだ畜産用機器の製作販売や、有機入り配合肥料の製造販売、畜産保険販売など畜産関連事業も手掛けています。

 当社が何より大切にするのは、お客様と共に課題を見つけ出しこれを解決することです。

 独立系メーカーとして、自社一貫生産設備を活かし「特性ある仕事をして社会に貢献する」という社是の理念のもと、お客様と確かな信頼関係を築き、共に成長することが創業以来培ってきた当社のDNAです。

 なお、2021年5月20日、当社は伊藤忠商事株式会社(以下、「伊藤忠商事」といいます。)及び伊藤忠飼料株式会社(以下、「伊藤忠飼料」といいます。)との資本業務提携に関し、資本提携を解消し、業務提携の内容を変更することを決定しましたが、当社が独自路線を堅持する方針に変化はなく、今後も、消費者が求める良質な畜水産物の国内生産を支え続ける飼料加工メーカーとして、特性ある飼料の開発、製造の推進という成長戦略を実行してまいります。

 

(2) 経営戦略等

 当社は、「お客様への飼料の安定供給責任を万全に果たし規模拡大と収益力向上により、強い収益基盤を構築する」という基本方針のもと、以下の3つの基本戦略を立てております。

① 飼料セグメントの規模拡大と収益力向上

 成長が期待できる北海道や東北における拡販や畜種別の販売戦略、環境に配慮した飼料などによる差別化飼料比率の向上、製販一体の強みであるスピード感を活かした提案営業の強化などの取組みを進めてまいります。

② その他セグメントの事業成長の加速

 特殊卵のブランド化推進や外食・業務用向けの販売強化による鶏卵の拡販、有機入り配合肥料の強みの訴求や関東の生産拠点の設備増強による肥料の拡販、畜産用機器の海外市場への販売強化や下水汚泥処理機器の新規拡販などにより、事業の成長を加速させてまいります。

③ 成長する収益基盤を支えるサステナビリティ経営の推進

 サステナビリティ委員会を推進母体としてESGの取組みを推進し、温室効果ガスの削減や取締役会の実効性向上などを通じて収益基盤を支えてまいります。

 

(3) 経営環境並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 飼料業界につきましては、国内人口減少や輸出入による畜水産物の生産動向の変化、鳥インフルエンザや豚熱等の疾病の発生、穀物相場や為替相場の乱高下、地政学的リスクの発生等、様々な要因が今後の事業活動へ影響を及ぼす状況にあります。また、足元では飼料価格安定基金負担金の大幅な増加やエネルギー価格の高騰による製造コストの増加が見込まれる等、利益水準を押し下げる状況が継続すると予想されます。

 なお、新型コロナウイルス感染症につきましては、現時点では、需要の大幅な減少や原料調達に支障が出るなどの影響は出ておりません。また、当社においても社内で感染が拡がり、工場が操業を停止するなどの事態も起きておらず、業績に与える影響は限定的であります。当社は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大をはじめとする事業継続を脅かす危機の発生時において、「従業員の命と安全を守る」「事業を継続する」ことを優先し、製造不能に陥らない体制及び被害を最小限に止める体制を直ちに構築することで、飼料の安定供給という使命を果たしてまいります。

 

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