事業等のリスク

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 原料価格の変動について

 当社グループの売上高は、主たる事業である飼料事業が90%以上を占めております。この飼料事業における畜水産用配合飼料の原料は、90%以上を輸入穀物に依存しており、穀物相場、為替、海上運賃等の動きによりその原料コストは大きく変動します。一方、畜産用配合飼料の販売価格は、3ヶ月ごとの見直しが慣例となっております。急激かつ不測の相場変動が発生した場合には、原料コストの変動を畜産用配合飼料の販売価格に転嫁することができず、畜産用配合飼料販売に係る利益率が悪化し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 配合飼料価格安定基金負担金について

 原料価格の高騰等により飼料販売価格を改定する際、飼料価格変動による畜産経営への影響を緩和し、畜産経営の安定を図るために配合飼料価格安定制度があります。この制度には、通常補てん基金と異常補てん基金があり、通常補てん基金は畜産家と配合飼料メーカーが基金負担金を拠出し、配合飼料原料の輸入価格が上昇した際、畜産家に補てん金が交付される仕組みです。配合飼料価格安定基金負担金は、原料価格の動向及び基金の財源状況により変動します。一般的には、配合飼料メーカーの負担金額は生産数量に一般社団法人全日本配合飼料価格畜産安定基金により決定された負担金(1トン当たりの価格で算定)を乗じて算出されます。

 また、異常補てん基金は公益社団法人配合飼料供給安定機構の定めに基づき、国と配合飼料メーカーが基金負担金を拠出し、通常補てん基金では対処し得ない国際的要因に起因し、原料価格が著しく高騰した場合、畜産家に補てん金が交付される仕組みです。

 これらの負担金は販売費及び一般管理費として計上され、その増減が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。なお、直近2連結会計年度においては、前連結会計年度は負担金の計上はありませんでしたが、当連結会計年度は16億98百万円の負担金を計上しております。

 

(3) 飼料販売における競争について

 当社グループの主たる事業である飼料事業において、国内市場では飼料メーカー間の競争が激化しております。そのような中、当社グループはお客様の利益に貢献する差別化飼料を武器に、販売量を伸ばしてきております。しかしながら、今後も更に競争が激化する可能性があり、飼料販売量の減少や利益率の低下などが起きる可能性があります。その場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 法的規制について

 当社グループは事業展開において国内の法令により規制を受けております。主要事業である飼料事業においては、「飼料の安全性の確保及び品質の改善に関する法律」等の法律や監督官庁である農林水産省の省令等により、飼料の製造及び販売について規制を受けております。また、使用原料の輸入穀物等の減免税について「関税定率法」に基づき税関より承認工場として承認を受けております。

 更に、飼料販売先である畜産家においては、「畜産経営の安定に関する法律」に基づく各種の畜産経営安定対策事業制度を利用しております。

 今後、新たな立法や改廃、万が一にも法令違反が起こった場合には、事業の運営が困難になること、業務改善に係る諸費用が発生すること、又は取引先の経営悪化による債権回収に問題が発生することにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 家畜家禽及び魚類の疾病等について

 鳥インフルエンザ、豚熱、PED、口蹄疫及びBSEに代表される家畜伝染病の発生や赤潮等の飼育環境の悪化など、家畜家禽及び魚類を飼育することにおいては常に疾病等の発生リスクを伴っております。万が一、日本国内においてこれらの家畜家禽及び魚類の疾病等が発生し、飼育頭羽数が大きく減少する事態や疾病発生に伴う消費者の買い控えによる畜水産物需要の減少が発生した場合、飼料需要の減少により販売量が減少すること、又は取引先の経営悪化による債権回収に問題が発生することにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 貿易政策の変更による影響について

 当社グループの売上高は、主たる事業である飼料事業が90%以上を占めております。政府の農業政策の変更、TPP11、FTA及び日米TAGの発効により、国内における飼料事業を取り巻く環境が変化し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 畜水産物相場の変動について

 当社グループの主たる事業である飼料事業において、畜水産物の市場相場が大幅に低下したことにより、飼料販売先の経営状況が悪化した場合、債権回収に問題が発生する可能性があります。このような場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 飼料製造工場の稼働停止について

 当社グループの主たる事業である飼料事業において、飼料製造工場が9工場あります。各工場とも必要とされる防火・防災設備を設置しているほか、定期的に防火・防災訓練を実施するなど、工場災害の未然防止に努めておりますが、大規模地震や想定以上規模の水災害等により、工場設備が稼働停止に陥る可能性があります。このような場合、復旧までの間、飼料の製造を行うことができないこと、又は復旧に係る諸費用が発生することにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 飼料の品質について

 当社グループの飼料製造工場において、多種多様な原料を使用し多品種の飼料を製造し、出荷しております。これら原料・製品の品質は、品質保証室が中心となり「飼料の安全性の確保及び品質の改善に関する法律」、その他の法令及び社内規程に則って管理しておりますが、不測の事態により、製品の内容等に問題が生じた場合、製品回収の必要性が生じる可能性があります。その場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 新型コロナウイルス感染症について

 当社グループでは、新型コロナウイルス感染症による事業への影響を最小限に抑えるべく、テレワーク、ローテーション勤務等の対策を行っております。今後、感染拡大の長期化により需要や原料調達が急激に悪化した場合や、社内で感染が拡がり飼料製造に支障をきたした場合などには、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

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