業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(経営成績等の状況の概要)

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。

なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当事業年度の期首から適用しており、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前事業年度との比較・分析を行っております。

 

(1) 財政状態及び経営成績の状況

当期におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の収束が見られない中、再度の緊急事態宣言の発出がなされるなど、社会経済活動は引き続き制限されました。

菓子・食品業界におきましては、多くの市場でコロナ禍による生活様式の変化に伴い消費の機会が喪失し、企業活動に深刻な影響を及ぼしました。

このような状況のもと、当社におきましては最終年度を迎えた「中期経営計画2021」の一部見直しを行い、大幅に減少した収益の回復に取り組みました。同時に、新型コロナウイルス感染症対策を第一としながら、安全・安心な商品を届けることで、ステークホルダーの満足度の向上に努めました。

具体的には、外出自粛に伴う巣ごもり消費など、消費行動の変化に伴い好調に推移する市販レトルト商品の拡販やコンビニエンスストア販路における中食需要への対応を強化しました。また、新たな需要の開拓として、電子レンジでそのまま温められる個包装された中華まんの販路拡大、「ご褒美喫茶」シリーズをはじめとする自家用菓子の開発及び販売促進、無店舗販売への対応などを重点的に進め、売上の拡大を図りました。

併せて、菓子類・中華まんの供給体制の再構築、物流機能や営業拠点の集約などの効率化を計画的に進め、収益力の強化を図りました。また、2021年8月の東京事業所(本社機能を有する)移転を機に、社内ネットワークシステムの見直しなど会社機能の整備に取り組み、働き方改革を推進しました。

以上のようなコロナ禍における取組みにより、当事業年度における売上高は、33,058,326千円 前年同期に対し2,238,765千円7.3%の増収となりました。

利益面につきましては、売上高の増収に伴い売上総利益が増益となり、営業損失は255,182千円(前年同期は営業損失1,612,352千円)、経常利益は63,006千円(前年同期は経常損失1,378,392千円)、当期純利益は232,599千円(前年同期は当期純損失273,418千円)と改善となりましたが、新型コロナウイルスの感染拡大と原材料・エネルギー価格の高騰の影響もあり、十分な利益の回復までには至りませんでした。

 

 

セグメントの経営成績を示すと、次のとおりであります。

 

① 菓子事業

菓子事業におきましては、次のとおり、売上高の確保と収益改善に取り組みました。

贈答菓子類では、主力商品「月の菓」の品質改良を行い、商品力の強化を図りました。同時に、「ベイクドショコラトリー」ブランドや「新宿カリーあられ」などのカジュアルギフトの販路拡大を進めました。夏のデザート類では、主力商品の品質改良を行うと共に、カジュアルギフト向けの新商品「ひめ彩菓」を発売しました。

自家用菓子類では、モンブラン・チーズケーキなど洋菓子店の味わいを手軽で日持ちする焼菓子に仕立てた「ご褒美喫茶」シリーズを新発売し、量販店を中心に拡販を図りました。

中華まん類では、量販店販路において、常温タイプ・冷凍タイプの中華まんを電子レンジでそのまま温められる個包装タイプに変更し、簡便性を高めました。また、「肉まん」「あんまん」などの品質改良を行い、商品力の強化を図りました。コンビニエンスストア販路では、基幹商品である「肉まん」「ごまあんまん」「ピザまん」「大入り豚まん」の品質改良を行うとともに、「新宿中村屋総料理長監修印度カリーまん」や「新宿中村屋総料理長監修チーズ印度カリーまん」を新発売しました。

新宿中村屋ビル地下1階「スイーツ&デリカBonna(ボンナ)」では、お客様ニーズに応えて調理した総菜商品のラインナップを毎月見直し、好調に推移しました。また、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で休止していた「おせち料理」を再販売し、ご好評をいただきました。

店舗展開では、月餅専門ブランド「円果天」のリニューアルを実施したほか、キャラメルスイ-ツ専門店「CARAMELMONDAY(キャラメルマンデー)」の商業施設での催事出店を継続的に行いました。

以上のような営業活動を行った結果、菓子事業全体の売上高は24,199,817千円、前年同期に対し1,643,316千円7.3%の増収、営業利益は1,434,938千円、前年同期に対し1,328,334千円1,246.0%の増益となりました。

② 食品事業

食品事業におきましては、次のとおり、売上拡大に向けた活動を展開しました。

市販食品では、巣ごもり消費において増えた中食需要に対して、当社の強みである企画から量産化まで調理人が一貫して携わり開発した市販レトルト商品を提供することで、他社との差別化を図りました。「インドカリー」シリーズでは、発売20周年を記念して開発した「極めるインドカリー」を発売しました。また、本場インドの味わいを彷彿させる新シリーズ「インドを旅するインドカリー」を発売し、ラインナップを充実させました。電子レンジ調理が可能な「東京洋食」シリーズでは、「熟成欧風チーズカリー」「芳醇デミミートソース」を新発売し、コンビニエンスストア・ドラッグストア販路への商品提案を進めました。中華調理ソースでは、好調の本格四川麻婆豆腐シリーズに、より材料にこだわった「極み麻婆豆腐」を新発売しました。

業務用食品では、外での飲食機会の回復が遅れる中、提案活動の軸を好調業態であるファストフードをはじめとした中食販路向けにシフトさせ、当社の調理技術の高さを活かした商品をニーズに対応して提案しました。また、会員制倉庫型チェーン向けにレトルトカレーなどの販売促進を図り、業績回復に努めました。

直営レストラン「オリーブハウス」「洋食レストラン」、新宿中村屋ビル8階「カジュアルダイニングGranna(グランナ)」、地下2階「レストラン&カフェManna(マンナ)」では、お客様が安心してご来店いただける店舗を目指し、衛生管理の徹底に努めました。

以上のような営業活動を行った結果、食品事業全体の売上高は8,356,296千円、前年同期に対し563,743千円7.2%の増収、営業利益は359,047千円、前年同期に対し104,761千円41.2%の増益となりました。

 

③ 不動産賃貸事業

不動産賃貸事業におきましては、商業ビル「新宿中村屋ビル」において、快適で賑わいのある商業空間を提供しましたが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて発出された緊急事態宣言及びまん延防止等重点措置が入居テナントに与えた影響は大きく、一部賃料の減額を実施しました。一方、前期退去となった1室については、後継テナントが入居・開業し、満室稼動となりました。

以上のような営業活動を行った結果、売上高は502,213千円、前年同期に対し31,705千円6.7%の増収、営業利益は142,483千円、前年同期に対し18,798千円15.2%の増益となりました。

 

(2) 当期の財政状態の概況

資産、負債及び純資産の状況

当事業年度末における総資産は、売掛金の増加409,532千円、関係会社株式の増加405,035千円等があったものの、機械及び装置の減少323,662千円、建物の減少271,299千円、リース資産の減少260,975千円、原材料及び貯蔵品の減少258,197千円等により、前事業年度末に比べ213,533千円減少し、42,142,643千円となりました。

負債は、短期借入金の増加200,000千円、繰延税金負債の増加132,912千円、未払法人税等の増加103,516千円、買掛金の増加98,326千円、未払費用の増加88,371千円等があったものの、退職給付引当金の減少920,420千円等により、前事業年度末に比べ280,631千円減少し、16,058,371千円となりました。

純資産は、剰余金の配当による減少298,042千円等があったものの、当期純利益232,599千円、その他有価証券評価差額金の増加133,299千円等により、前事業年度末に比べ67,099千円増加し、26,084,273千円となりました。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当事業年度末の現金及び現金同等物は、前事業年度末に比べ、41,116千円増加し、1,182,223千円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、503,967千円の収入(前事業年度は172,534千円の支出)となりました。これは主に、退職給付引当金の増減額△920,420千円、売上債権の増減額△406,838千円等があったものの、減価償却費1,628,428千円、税引前当期純利益387,340千円等があったことによるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、250,118千円の支出(前事業年度は596,209千円の収入)となりました。これは主に、投資有価証券の売却による収入666,392千円等があったものの、有形固定資産の取得による支出△533,720千円、関係会社株式の取得による支出△405,035千円等があったことによるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、212,756千円の支出(前事業年度は1,093,878千円の支出)となりました。これは主に、短期借入金の増減額3,200,000千円等があったものの、長期借入金の返済による支出△3,000,000千円、配当金の支払額△298,474千円等があったことによるものです。

 

 

(4)生産、受注及び販売の状況

① 生産実績

当事業年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(千円)

前年同期比(%)

菓子事業

12,414,526

5.6

食品事業

3,485,425

2.4

合計

15,899,951

4.9

 

(注) 金額は製造原価によっております。

 

② 受注状況

当社は受注生産をしておりません。

 

③ 販売実績

当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

菓子事業

24,199,817

7.3

食品事業

8,356,296

7.2

不動産賃貸事業

502,213

6.7

合計

33,058,326

7.3

 

(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。

2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前事業年度

当事業年度

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

㈱セブン-イレブン・ジャパン

11,505,446

37.3

12,062,574

36.5

 

 

 

(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 ① 経営成績の分析

(売上高)

売上高は33,058,326千円、前事業年度と比較し2,238,765千円7.3%の増収となりました。

菓子事業においては、新型コロナウイルス感染拡大の影響があったものの、コロナ禍で伸長する内食需要や巣ごもり消費に対応したネット通販向け商品の拡大や新たな需要の開拓として電子レンジ対応の個包装された中華まんの販路拡大、自家用菓子の開発及び販売促進などを重点的に進めたことにより、売上高は前事業年度と比較し、 1,643,316千円 7.3%の増収 となりました。

食品事業においては、消費行動の変化に伴い好調に推移する市販レトルト商品の拡販やコンビニエンスストア・ドラッグストア販路における中食需要への対応を強化しました。また、外での飲食機会の回復が遅れる中、好調業態であるファストフードをはじめとした中食販路に当社の調理技術の高さを活かした商品を積極的に提案したこともあり、前事業年度と比較し 563,743千円 7.2%の増収 となりました。

(売上原価)

売上原価は、生産高の増加や菓子・中華まんの供給体制の再構築、物流機能の集約などの効率化を推進し、固定費の削減を進めた結果、対売上高比率は64.0%と前事業年度より2.2%の改善となりました。

(販売費及び一般管理費)

販売費及び一般管理費は、東京事業所の移転を機に社内ネットワークシステムの見直しなどの会社機能の整備に取組み、働き方改革を推進するとともに経費の削減に努めた結果、対売上高比率は36.8%と前事業年度より2.2%の改善となりました。

(特別損益)

特別損益は、固定資産売却益3,788千円、投資有価証券売却益351,815千円、固定資産受贈益85,636千円を特別利益に、固定資産売却損2,423千円、固定資産除却損5,537千円、減損損失35,757千円、本社移転費用73,188千円を特別損失に計上し、 当期純利益は232,599千円 (前事業年度は当期純損失273,418千円)となりました。

 

 ② 経営成績に重要な影響を与える要因について

経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

 ③ 資本の財源及び流動性についての分析

当社の資金の状況は、当事業年度末には1,182,223千円となりました。

営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期純利益等により、資金の収入は503,967千円となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出等により、資金の支出は250,118千円となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済による支出等により、資金の支出は212,756千円となりました。

 

当社の資本の財源及び資金の流動性については、主として自己資金によって充当し、必要に応じて外部から資金調達を行っております。
 

 

 

 

(2) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成しております。財務諸表の作成にあたって、経営者により、一定の会計基準範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りは不確実性を伴うため、実際の結果は異なることがあります。

 

(繰延税金資産)

「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

(固定資産の減損処理)

当社は、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少金額を特別損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。

 

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