当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュフローの状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルスのワクチン接種が進み、景気に持ち直しの動きがみられるものの、感染拡大の影響を受け、厳しい状況となりました。
食品業界においては、外出や会食の自粛があり、特に飲食店では大きな影響を受け、厳しい経営環境となっております。
このような状況下にあって当社グループは、お客様に、より良い商品と最善のサービスを提供できるよう、従業員の健康管理をはかりつつ、巣ごもり消費など新しい生活様式に対応した営業施策のもと、売上と利益の確保につとめてまいりました。
その結果、当連結会計年度の売上高は、単体の好調な売上により、1,047億51百万円(対前期比105.7%)となり、前期実績を上回りました。利益面でも販売管理費など経費の圧縮につとめた結果、営業利益は41億46百万円(対前期比166.0%)、経常利益は52億18百万円(対前期比171.9%)、親会社株主に帰属する当期純利益は31億73百万円(対前期比303.3%)となり、増収増益となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。
(注)記載金額は、百万円未満を切り捨てて表示しております。
<洋菓子事業>
当社単体の洋菓子においては、洋菓子チェーン店にて、産地・品種にこだわった原料を使用した新製品や人気製品を拡販する施策を週替わりで実行して、お客様に選ぶ楽しさを提供してまいりました。同時に、テレビCMを含め特に若年層に向けた販売促進活動を展開して売上確保をはかった結果、前期実績を上回る売上となりました。なお、当連結会計年度末の不二家洋菓子店の営業店舗数は、前期差25店増の976店となっております。
広域流通企業との取り組みについては、取引先の拡大に加え、『洋菓子屋さんシリーズ』の「シュークリーム」などの販売が好調に推移し、アニメキャラクターとのコラボレーションを実施したパフケーキなどの製品提案も積極的に行って売場確保をはかりました。
上記の結果、単体の洋菓子の売上は、対前期比107.4%となり、利益面では、好調な売上のもと販売管理費の改善につとめ、黒字化を達成することができました。
㈱不二家神戸(2021年4月1日付で㈱スイートガーデンから商号変更)では、前期よりチェーン店の不二家ブランドへの転換を進め、不二家製品の品揃えを充実させた結果、ケーキ類の販売が伸長し、増収に転じました。利益面では物流費など販売管理費の改善を進めることができました。
㈱ダロワイヨジャポンでは、店舗での積極的な販売促進活動のもと、主力製品であるマカロンの販売が伸長し、インターネット通販等の売上好調もあり、前期を上回る売上となっております。また、好調な売上により生産性が向上し、黒字化を達成することができました。
この結果、洋菓子事業における洋菓子の売上高は254億11百万円(対前期比107.2%)となりました。
レストラン事業については、2021年7月1日付で㈱不二家フードサービスを当社に吸収合併いたしました。洋菓子販売を有するレストランとしての特長を活かし、ライフスタイルや市場環境の変化に対応した店舗作り、メニュー強化等に取り組んでおります。好調なケーキ類の拡販や、料理のテイクアウトシステムの導入により売上は徐々に回復傾向にありますが、不採算店の閉鎖もあり、売上高は41億66百万円(対前期比98.1%)となりました。
以上の結果、当連結会計年度における洋菓子事業全体の売上高は295億78百万円(対前期比105.9%)となりました。
<製菓事業>
当社単体の菓子においては、「カントリーマアム チョコまみれ」の好調な販売に対して生産能力を最大限に増強して対応いたしました。さらに、需要に合わせた包装形態も取り揃え、一層の拡販をはかってまいりました。また、『ルック』や発売70周年を迎えた『ミルキー』など主力ブランド製品において新製品を発売するとともにキャラクターコラボレーションやテレビCM、デジタル広告配信等の販売促進活動を積極的に展開し、売上拡大につとめてまいりました。
この結果、当社単体の菓子の売上は、対前期比105.3%となり、利益面でも、生産性の向上等により、増益となりました。
不二家(杭州)食品有限公司では、中国経済停滞の影響を受ける中、新規販路の開拓やインターネット通販の拡大に注力し、前期実績を上回る売上を確保できましたが、原料価格の高騰もあり、利益面では前期実績をわずかに下回りました。
この結果、製菓事業における菓子の売上高は672億13百万円(対前期比106.4%)となりました。
飲料については、外出自粛の影響で低迷していた自販機販売の回復があり、売上高は49億71百万円(対前期比102.5%)と前年同期の実績を上回りました。
以上の結果、当連結会計年度における製菓事業全体の売上高は721億85百万円(対前期比106.1%)となりました。
<その他>
キャラクターグッズ販売、ライセンス事業及び㈱不二家システムセンターのデータ入力サービスなどの事務受託業務は、引き続き好調でありますが、不動産賃貸事業の家賃収入の減少が影響し、その他事業全体の売上高としては、29億87百万円(対前期比95.7%)となりました。
財政状態は、次のとおりであります。
流動資産は371億10百万円で、主に現金及び預金や受取手形及び売掛金の増により前連結会計年度末に比べ14億91百万円増加いたしました。固定資産は386億10百万円で、主に有形固定資産の増により前連結会計年度末に比べ28億62百万円増加いたしました。この結果、総資産は757億20百万円で前連結会計年度末に比べ43億53百万円増加いたしました。
また、流動負債は179億15百万円で、主に支払手形及び買掛金や未払金の増により前連結会計年度末に比べ7億73百万円増加いたしました。固定負債は34億48百万円で、主にリース債務の返済や退職給付に係る負債の減により前連結会計年度末に比べ4億91百万円減少いたしました。
純資産は543億56百万円で、主に利益剰余金の増により前連結会計年度に比べ40億71百万円増加いたしました。この結果、自己資本比率は68.5%(前期は67.6%)となり、1株当たり純資産は2,012円23銭となりました。
キャッシュ・フローにつきましては、当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて17億89百万円増加し、143億64百万円となりました。
営業活動の結果得られた資金は、74億78百万円(前連結会計年度は61億90百万円の獲得)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益によるものであります。
投資活動の結果使用した資金は、46億53百万円(前連結会計年度は31億63百万円の使用)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出によるものであります。
財務活動の結果使用した資金は、12億85百万円(前連結会計年度は16億99百万円の使用)となりました。これは主に配当金の支払やリース債務の返済等によるものであります。
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しておりません。
2 金額は販売価格によっております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しておりません。
2 金額は仕入価格によっております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高は、洋菓子事業、製菓事業ともに好調な売上により、1,047億51百万円(前連結会計年度比5.7%増)となり、前期実績を上回りました。利益面でも販売管理費など経費の圧縮につとめた結果、営業利益は41億46百万円(前連結会計年度比66.0%増)、経常利益は時短協力金の増加などにより52億18百万円(前連結会計年度比71.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は連結子会社の企業再編による税負担の軽減もあり31億73百万円(前連結会計年度比203.3%増)となり、増収増益となりました。
a 売上高
売上高を事業の種類別に見ますと、洋菓子事業においては、単体の洋菓子チェーン店にて、産地・品種にこだわった原料を使用した新製品や人気製品を拡販する施策を週替わりで実行したと同時に、テレビCMを含め特に若年層に向けた販売促進活動を展開して売上確保をはかりました。また広域流通企業との取り組みについては、取引先の拡大に加え、『洋菓子屋さんシリーズ』などの販売が好調に推移し、アニメキャラクターとのコラボレーションを実施するなどの製品提案も積極的に行って売場確保をはかりました。以上の結果、洋菓子事業全体では295億78百万円(前連結会計年度比5.9%増)となりました。製菓事業においては、主に当社単体の菓子において、「カントリーマアムチョコまみれ」の好調な販売や、主力ブランド製品において新製品を発売するとともにキャラクターコラボレーションやテレビCM、デジタル広告配信等の販売促進活動を積極的に展開したことに加え、飲料についても、外出自粛の影響で低迷していた自販機販売の回復があり721億85百万円(前連結会計年度比6.1%増)となりました。その他の事業は、29億87百万円(前連結会計年度比4.3%減)でした。売上高の詳細については「第2 事業の状況」「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」(1) 経営成績等の状況の概要①財政状態及び経営成績の状況に記載の通りです。
b 営業利益
売上原価率は、好調な売上による生産性の向上等により、52.16%で前連結会計年度を0.69%低下しました。販売費及び一般管理費は、物流の効率化や、洋菓子事業における店舗経費や販売促進費の削減等により43.88%で前連結会計年度より0.75%低下しました。セグメント別では、洋菓子事業においては、レストラン事業が新型コロナウイルス感染症の影響を受け苦戦しましたが、単体洋菓子の好調な売上のもと販売管理費の改善につとめ、黒字化を達成するなど、洋菓子事業全体では増益となりました。製菓事業については、単体菓子で「カントリーマアムチョコまみれ」などの好調な販売による生産性の向上等に加え、販売促進費や物流費等も経費圧縮につとめた結果、増益となりました。
以上の結果、営業利益は41億46百万円(前連結会計年度比66.0%増)となりました。
c 経常利益
主に営業利益の増加や新型コロナウイルス感染症拡大防止のための営業時間短縮等の要請に対する協力金等により、経常利益は52億18百万円(前連結会計年度比71.9%増)となりました。
d 親会社株主に帰属する当期純利益
特別損失については洋菓子事業及び製菓事業において減損損失5億3百万円を計上したため増加しておりますが、経常利益が増加したことに加え、連結子会社の企業再編による税負担の軽減により法人税等が減少しました。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、31億73百万円(前連結会計年度比203.3%増)となりました。
② 財政状態の分析
流動資産は371億10百万円で、主に現金及び預金や受取手形及び売掛金の増により前連結会計年度末に比べ14億91百万円増加いたしました。固定資産は386億10百万円で、主に有形固定資産の増により前連結会計年度末に比べ28億62百万円増加いたしました。この結果、総資産は757億20百万円で前連結会計年度末に比べ43億53百万円増加いたしました。
また、流動負債は179億15百万円で、主に支払手形及び買掛金や未払金の増により前連結会計年度末に比べ7億73百万円増加いたしました。固定負債は34億48百万円で、主にリース債務の返済や退職給付に係る負債の減により前連結会計年度末に比べ4億91百万円減少いたしました。
純資産は543億56百万円で、主に利益剰余金の増により前連結会計年度に比べ40億71百万円増加いたしました。この結果、自己資本比率は68.5%(前期は67.6%)となり、1株当たり純資産は2,012円23銭となりました。
③ 資本の財源及び資金の流動性について
当社グループの運転資金需要の主なものは、原材料の購入、製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用であり、投資を目的とした資金需要の主なものは、生産設備の新設及び更新や店舗設備の新設等の設備投資であります。現時点においては、キャッシュ・フローに大きな影響を及ぼす大型の投資は予定しておりません。
これらの運転資金や投資資金は、自己資金により充当することを基本方針としておりますが、必要に応じて資金調達を行ってまいります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
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