文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2021年12月31日)現在において当グループが判断したものであります。
当グループは、「おいしさに まごころこめて」をモットーとし、お客様の期待を超える感動をお届けすることを目指しております。
1947 年創業の歴史の中で培われたパン及び菓子分野における技術力と商品力をベースにしながら、改善活動による品質向上と原価低減を図り、食を通じたお客様への価値提供に努めてまいりました。
今後とも、マーケティング力を強化し、独自技術で差別化した商品群を創造し、安全で高品質な商品作りに努め、食を通じて社会の発展に貢献してまいります。
当グループの主要な事業は食品事業であり、中でもパンの製造販売が中心となります、パン市場については近年全体で1.5兆円規模の市場となっており、日本の人口の推移と相まって、長期的には縮小傾向が続くと予想されます。さらに、パン市場のうち、ホールセール市場は約1兆円規模で、上位3社が過半のシェアを持つ中、一定の市場を取り合う厳しい競争環境にあるといえます。
当連結会計年度(2021年1月1日~2021年12月31日)においては、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種率の上昇に伴い新規感染者数が減少し、移動や外出などの制限が緩和されることによる経済活動の回復に兆しが見られた一方で、新たな変異ウイルスの発生が再び感染拡大をもたらす懸念は拭えず、依然として先行き不透明な状況が続いております。
製パン業界におきましては、コロナ禍における消費動向の変化に加え、原材料及び原油価格の高騰により価格改定を実施せざるを得ない状況に至り、消費者の買い控えや同業他社間の顧客獲得競争がますます激しくなるなどの厳しい環境が続いております。
当グループは日配品であるパン市場をメインの市場としていますが、パン市場の大きな伸びが期待できない中において、当社の強みであるキャラクターパン、業務用商品をより強化することや、消費行動の変化やフードロス等の社会問題に対応した定番自社ブランド(NB)商品の開発や新たなチャネルを開拓することで「売上の質改善」と「売上高の維持」を図ってまいります。
中・長期的視点では、パンと親和性の高い非日配品のロングライフ商品や冷凍品のジャンルといった新領域、具体的には焼き菓子や冷凍ケーキ、冷凍生地等の商品群の開発に注力し、新たな売上高の上乗せを図ってまいります。既に既存の設備と技術を応用し、ロングライフパンや焼き菓子の商品を発売するほか、冷凍ケーキ、冷凍生地についても他社のOEM受注を開始しています。今後も積極的に冷凍設備等の投資を行うことで、非日配品の新領域のジャンルを伸ばし、売上高の拡大を図ってまいります。
なお、翌連結会計年度においては、コロナ禍でも成長機会のある商品カテゴリやチャネルでパンの売上高を上乗せすると共に、非日配品の新領域のジャンルで新たな売上高を創造し、「収益認識に関する会計基準」等の適用後でもグループ全体の売上高238億円を維持することを目指してまいります。
当グループでは、2021年度の基本方針であった「NBを磨き、新しい価値を創る」から一歩進み、2022年度の基本方針を「新しい価値、新しい第一パンを創る」としました。
これまで当社の「顔」であるキャラクター商品やNB商品の売上を確保しながら品質向上を目指し、「NBを磨く」こと、コロナ禍でも売上を確保できる新領域(パンと親和性が高く、パンとグループ会社が担う菓子類との中間に位置する領域)の製品群を拡充し、「新しい価値を創る」ことに注力してまいりましたが、更にそれを発展・定着させることで「新しい価値を創る」ことを目指してまいります。
当社の販売網は、スーパーなどの量販店やコンビニエンスストア、ドラッグストア等を中心に展開してまいりました。当グループの主軸となるパン事業においてはこの状況は変わりませんが、今後取組みを増やしていく新領域製品群のうち、冷凍ケーキ、冷凍生地は、新たな販売先との取組みを増やすことに繋がります。
従来のパン事業に加え、新領域事業で売上高の拡大を図ることが、最大の課題と捉えております。
新型コロナウイルス感染症拡大による経済活動の停滞により、消費者の低価格志向や人手不足に拍車がかかるなどの非常に厳しい経営環境に加えて、原材料価格及び物流費の変動等による不透明な市場環境が続くものと予想されますが、当グループでは、全社一丸となって収益回復に向けて取り組んでまいります。
① パン事業
当連結会計年度は、コロナ禍における厳しい外部環境により、財務目標を達成することができませんでしたが、当グループの顔であるNB商品については、強みであるキャラクター商品をキャンペーンや店舗毎への地道な営業活動により売上伸張させるほか、2019年3月に発売した食事パンブランド「emini」を中心に定番商品の育成や新しい販路の開拓などによる売上確保を強化してまいります。プライベートブランド(PB)商品については、コンビニエンスストア専用の商品開発プロジェクトを立ち上げ、提案の機会を逃さずに採用数を伸ばすほか、業務用商品を中心に販路の拡充を図ります。
② 新領域事業
パウンドケーキやクッキーなどのロングライフ商品や冷凍ケーキ、冷凍ピザ生地の新領域では、更なる商品群の拡充に取り組み、それらの開発にあたって習得する技術や知識を蓄積し、価値のある製品を創り出していくことにより、厳しい経営環境の中でも耐えられる収益基盤の構築や企 業の安定性の確保を目指してまいります。
当社はパン製造工場を保有し、そこで生産される製品を販売することを主たる事業としております。この観点より、お客様への販 売実績、製造原価及び販売に関わる管理費用が収益を算定するうえでの重要項目と認識しており、これらの項目から算出される営業利益が最も重要な指標と考えております。
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