事業等のリスク

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、リスクの内容及び経営方針・経営戦略との関連等から、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主な事項は以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2021年12月31日)現在において当グループが判断したものであります。

 

(1)食の安全性と品質管理について

お客様に安心して食べていただける商品を提供すべき企業として、食品の安全性と品質管理については、一般財団法人食品安全マネジメント協会が発行するJFS-B規格について、横浜、高崎、金町、小平、大阪空港の全5工場が2020年度末までにその認証を取得しました。またグループ会社のスリースター製菓株式会社においては、2017年に食品安全マネジメントシステムに関する国際規格FSSC22000の認証を取得しています。JFS-Bは組織活動のマネジメントに対する要求事項であるFSM、危害要因制御の方法であるHACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point)、一般衛生管理についての要求事項である適正製造規範GMP(Good Manufacturing Practice)から成り立っており、GFSI(世界食品安全イニシアチブ:Global Food Safety Initiative)の提唱するグローバル・マーケット・プログラムの要求事項を参照し、中級の項目を含んでおります。これにより、国際的に研究された食品安全マネジメントシステム活動に準拠することが可能となっております。当グループはパン工場においても引き続き国際規格であるFSSC22000の取得を目指してまいります。

当グループは取得した認証の遵守に努め、食品安全管理体制の強化を徹底させ、万全の体制で臨んでおります。しかし、上記の取り組みの範囲を超えた事象が発生した場合、当グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(2)原材料の価格及び運送コストの変動について

当グループにおける売上原価に占める原材料等の割合は高く、小麦粉・砂糖・油脂・鶏卵等の安定的な調達や価格の維持に極力努めておりますが、市場動向や異常気象等によりもたらされる価格高騰が、当グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、当グループにおける販売費に占める運送コストの割合も高く、ドライバー不足による人件費高騰や原油高など運送コストの増大、あるいは得意先主導による配送システムの大幅な変更などにより、当グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)競合するパン市場について

パン業界の状況については、人口減少による需要減など市場の大きな成長が期待できない中、消費者の節約志向・低価格志向を受け、同業他社との価格競争や販売シェア獲得競争により大変厳しい状況となっております。

当グループといたしましては、業務用商品やコンビニエンスストア等の販路開拓を進めると共に、魅力ある商品をお客様に提供できるよう競争力強化に取り組んでおりますが、他社商品との厳しい競合の結果、当グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)自然災害について

地震や台風等の自然災害が発生し、生産設備の破損、物流機能の麻痺等により生産拠点の操業に支障が生じた時は、他の生産拠点からの商品供給等を受ける対応をいたしますが、当グループの工場が集中している関東地区で危機管理対策の想定を超える災害が発生した場合、当グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)保有資産の価値変動

当グループが保有する様々な資産について、土地や有価証券などの資産価値が下落することにより減損処理が必要となる場合があり、減損した場合、当グループの業績・財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)労働安全衛生上の問題について

当グループは人員採用・多能工化推進・労働法令遵守に努めておりますが、労働安全衛生上の問題が発生した場合、当グループの業績・信用に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)新型コロナウイルス感染症拡大による影響

新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、対面商談や店舗巡回の制限など、競合他社との競争が一層厳しくなっているNB商品において、ドラッグストア及びスーパーマーケットにおける棚落ちの影響により、大幅な売上高の減少となり、当グループの売上全体の枷となっております。その結果、当グループの売上高が減少しております。

こうした新型コロナウイルス感染症の当グループの売上高への影響は翌連結会計年度末まで継続するものと仮定しておりますが、新型コロナウイルス感染症の収束時期及び収束状況によっては競合他社との競争がより激化し、翌連結会計年度の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

また、従業員に感染者が出て、工場内でクラスターが発生した場合、当社の生産体制に影響を及ぼすことが考えられますが、従来より、工場入場時に検温、手洗い、消毒、体調確認を実施し、工場内では常時マスクを着用しております。感染者についても保健所の指示に従い、出勤停止するなど万全の対策を施しております。

 

 

(8)その他の主なリスクについて

当グループは日本国内で事業を展開しておりますが、以下のようなリスクがあります。これらの事象が発生した場合、当グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

①取引先の経営破綻
②生産設備の火災等の事故
③各種の法的規制の改廃
④必要物資の品不足の発生

⑤過度な人材獲得難

⑥労働安全衛生上の事故

⑦外部からの賠償請求

 

(9)各種リスクへの対処

当グループでは、事業等に関するリスクを経営課題と捉え、定期的にコーポレート本部長を中心にリスク管理の状況を見直し、コーポレート本部において、当社及び子会社の損失の危険を含むリスクを総括的に管理すると共に、取締役会規則に基づき、取締役会に報告しております。

中でも食の安全性と品質管理に係るリスクを最重点項目とし、前記食品安全管理体制の強化に加え、さらに上位の認証を受けるべく全社を挙げて取り組んでおります。

また、その他のリスクについても、管掌の各本部にて現状をモニタリングし、対応マニュアルを整備するなどの手当をしておりますが、リスクの発生による非常事態においては、通常は週次で行っている社長、副社長、経営企画室長、各本部長で構成される本部長会議を緊急で招集するなど、経営陣が先頭に立って、リスクマネジメントを推進しております。

 

(10)継続企業の前提に関する重要事象等

当社は、当事業年度( 2021 年1月1日~ 2021 12 31 日)において、営業損失 873 百万円、経常損失 566 百万円、当期純損失 746 百万円を計上しました。また、連結業績においても当連結会計年度( 2021 1 月1日~ 2021 12 31 日)において、営業損失 633 百万円、経常損失 523 百万円、親会社株主に帰属する当期純損失 739 百万円を計上しました

この結果、連結財務諸表及び個別財務諸表ともに、継続して営業損失を計上しております。また、当連結会計年度末における短期借入金及び1年内償還予定の社債の合計金額は4,197百万円であり、流動負債が流動資産を超過しております。加えて 2019 12 26 日に主力行の株式会社みずほ銀行と他の参加行の合意を得て締結した、総貸付極度額 22 億円のコミットメントライン契約(コミットメント期間: 2019 12 30 日から 2022 12 30 日)につきまして、当事業年度末に下記の財務制限条項のうち②の条項に抵触しました

①2019 12 月期決算以降、各年度の決算期の末日における連結の貸借対照表上の純資産の部の金額を直前の決算期末日における連結の貸借対照表上の純資産の部の金額の 75 %以上に維持すること

201912月期決算以降の決算期を初回の決算期とする連続する2期について、各年度の決算期における連結の損益計算書に示される経常損益が2期連続して損失とならないようにすること

このような状況により、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しております

しかしながら、以下の資金面を中心とした手当及び改善策の実施により、現時点では継続企業の前提に関する重要な不確実性はないものと判断しております

資金面では、当事業年度末日後に保有株式の売却を行いました結果、 1,067 百万円の資金を調達すると共に、主力行の当座貸越極度額や証書貸付の継続についても契約の更新を行っております。また、他の主要取引銀行の当座貸越極度額や証書貸付の継続についても他の主要取引銀行との協議を重ねております。加えて、コミットメントラインの継続使用につきましては、コミットメントライン参加行と協議を継続中です。従来より、主要取引銀行及びコミットメントライン参加行に対して、業績の回復に向けた施策、当グループの財政状態及び担保に供していない保有不動産の状況を説明し、一定の理解も得られ、良好な関係を築いております。これらにより、当座貸越極度額も含め、主要取引銀行の支援体制も十分に確保できております

なお、当連結会計年度において連結営業キャッシュ・フローが 10 百万円のマイナスとなっておりますが、 2021 12 月度に新規事業の冷凍クリスマスケーキ等の売上が伸びたため売掛金が増大し、この新規事業に係る生産費用(原料費、労務費等)の支払いが売掛金の回収より先行して行われたことが主な要因であります。更に、保有資産の有効活用についても検討を進めてまいります。よって、キャッシュ・フローについての危惧はないと判断しております

売上面につきましては、 NB 商品の開発を磨くと共に、取引先との連携を密にし、 PB ブランドの商品群に積極的に取り組むと共に、当社の強みであるキャラクター商品に注力し売上の増大を図ってまいります。また、グループ内のリソースを活かし、ロングライフ商品・冷凍品のジャンル、具体的には焼き菓子や冷凍ケーキ、冷凍生地等の非日配商品群の開発に注力し、新たな売上の上乗せを図ってまいります

生産面につきましては、 DPS 活動の継続による品質の安定化と生産効率の改善並びに新規投資を行うことで生産性を上げ、上昇を続ける労務費等の削減を図ってまいります

販売管理費の管理面につきましては、人件費・配送費も含めたあらゆる経費の見直しを行い、コスト抑制に繋げてまいります

今後、原材料の調達価格や労務費・人件費・配送費の上昇等厳しい環境が見込まれますが、これらの施策により、早期の通期黒字化を目指してまいります。

 

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