2 【事業等のリスク】
当社の事業に関し、経営者が投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると認識しているリスクは以下のようなものがあります。同時に、リスクにはプラス側面(機会)もあると捉えており、その内容は「3.事業に関する機会」に記載しております。また、以下に記載のリスク(プラス側面含む)は当社に関する全てのリスクを網羅したものではありません。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書の提出日(2022年3月30日)現在において入手し得る情報に基づいて、当社が判断したものです。
1.事業に関するリスク
区分
|
リスク
|
主な対策
|
顕在化した場合の影響度
|
顕在化する可能性
|
リスク認識の前年からの変化
|
市場環境
|
国内
|
・消費者の消費動向の変化、多様化する消費者ニーズへの対応遅れによる既存事業への影響、成長機会の損失
・他社との競争激化を起因とする主力ブランド商品の販売減少、リベート増加等による収益性低下
|
・主力ブランド商品の刷新及び育成
・新ブランド商品の開発及び育成
・デジタルマーケティングの推進
・自社ECサイト「Kanro POCKeT」を通じた販売拡大、新たな商品、サービス提供
・国内キャンディ市場のシェア拡大によるコア事業強化、競争優位性の確立
・糖の価値啓蒙創造活動の実施
・イノベーティブな飴(ハードキャンディ)商品の開発に向けた取組
|
中
|
大
|
↗
|
・少子高齢化、人口減少の影響による国内キャンディ市場の縮小
・糖に対するネガティブな風評の拡大による事業への影響
|
中
|
中
|
→
|
海外
|
・TPP、日EU経済連携協定など関税引き下げなど経済グローバル化加速による輸入品との価格競争
・海外市場進出遅れによる機会損失
|
・戦略的パートナーを通じた中国市場他への進出
・戦略的な輸出売上の増加
・海外専用商品、国内外統一規格商品の開発
|
低
|
中
|
→
|
食の安全・安心
|
・製品の品質、表示不備によるお客様からの信頼低下
・輸出国の品質基準を充足しない製品輸出による現地のお客様からの信頼低下
|
・食品安全マネジメント充実のため、FSSC22000運用による品質管理
・品質本部の新設により、グローバル基準での品質保証体制の確立
・CS向上委員会の設置
|
高
|
中
|
↗
|
区分
|
リスク
|
主な対策
|
顕在化した場合の影響度
|
顕在化する可能性
|
リスク認識の前年からの変化
|
サプライチェーン
|
原材料調達
|
・調達価格の変動による原価上昇
・調達先の倒産など、調達先起因による供給の不安定化
|
・計画的な購買による原価低減
・同一原材料の複数購買先の検討
・代替原料の検討
・サプライヤーとのエンゲージメント向上
|
中
|
中
|
↑
|
生産
|
・製造設備トラブルによる生産遅延、停止
|
・計画的な設備保守、メンテナンスの実施
|
中
|
中
|
→
|
物流
|
・欠品発生による機会損失
・需要予測の見誤りによる長期滞留在庫の発生
・ドライバー不足等による輸送コスト上昇
|
・需給予測精度の向上
・発注ロット見直しなど安定供給に向けた配送体制の検討
|
低
|
大
|
↗
|
自然災害・感染症等
|
・大規模地震、河川氾濫などの自然災害による企業活動の停滞、停止
・感染症等のまん延による企業活動の停滞、停止
|
・企業活動の早期回復に向けた災害、感染症BCP運用
・工場の水害に備えた浸水対策の実施
|
高
|
中
|
↗
|
財務
|
資金
調達
|
・シンジケートローンの財務制限条項へ抵触するリスク
|
・財務体質の維持、強化
|
中
|
小
|
↗
|
2.経営基盤に関するリスク
区分
|
リスク
|
主な対策
|
顕在化した場合の影響度
|
顕在化する可能性
|
リスク認識の前年からの変化
|
情報システム
|
・システム障害による企業活動停滞、停止
・サイバーテロ、不正アクセス等による企業活動の停滞、停止や情報漏洩
|
・情報セキュリティポリシー及び情報セキュリティ管理規程の遵守
・定期的な社員情報セキュリティ教育及び訓練の実施
・サイバーセキュリティリスク対策の強化
・SaaS利用に関する内部管理体制の強化
|
高
|
中
|
↗
|
地球環境
|
・企業活動における環境配慮への欠如による企業価値毀損
・気候変動による原材料の調達不全
・気候変動による当社製品需要への影響
|
・
CO
2
排出量削減、食品廃棄物削減の為の生産設備投資・製品の賞味期限延長などフードロス削減に向けた各種取組
・包装資材等の新たな環境配慮型素材への変更
・各工場における排水処理の適切な実施
|
高
|
中
|
↗
|
区分
|
リスク
|
主な対策
|
顕在化した場合の影響度
|
顕在化する可能性
|
リスク認識の前年からの変化
|
人権の尊重・ダイバーシティ
|
・人権に関する取組み不十分による企業価値毀損
・多様な人材確保の困難
・多様な人材活躍を推進する、働く環境の整備遅れによる競争力低下
|
・人権ポリシー策定への取組み開始
・女性活躍の推進
・男性社員の育休取得の推進
・カンロファームの取組強化
・ダイバーシティに係る社員教育の定期的実施
|
高
|
中
|
↗
|
ガバナンス
|
・コーポレート・ガバナンス、内部統制の機能不全による事業継続のリスク
・コンプライアンス違反発生による企業価値毀損
|
・コーポレート・ガバナンス体制の強化
・投資家向け説明会の開催による機関・個人投資家とのエンゲージメント向上
・ガバナンス委員会、コンプライアンス委員会の設置
・定期的な社員コンプライアンス、ハラスメント研修の実施
・ソーシャルメディア規程の遵守
|
中
|
中
|
→
|
3.事業に関する機会
(デジタル化について)
消費者の消費動向の変化や、少子高齢化・人口減少の影響による国内キャンディ市場縮小などへの対応として、2022年よりデジタルコマース事業本部を新設し、デジタルツールを介した新しい体験価値を生活者へ提供しながら、デジタルコマースの成長に注力してまいります。また、当社デジタルマーケティングの進展は各事業本部を跨ぐ新たな提供価値を創出する可能性があり、さらにスマートファクトリー化の実現に向けた、生産現場におけるデジタルツールの利活用は、当社の生産性をより向上させることができると認識しております。
(グローバル化について)
TPP、日EU経済連携協定などの発効により、キャンディの輸入関税率は漸次低下・撤廃されることから、将来輸入品の価格競争力が高くなる、販売促進が強化されるなどの動きが加速し、国内市場もグローバル化が進むと想定しております。
そのような状況を踏まえて、当社が海外本格進出を見据え、国内販売商品のスペックを国際品質基準へ順次移行し、国内外統一規格商品の開発を行うことは、当社の輸出売上を拡大させるだけでなく、より強固な品質保証体制の構築につながり、将来のキャンディの国内輸入関税率の漸次低下・撤廃下においても、競争力を大きく向上させると捉えております。また、輸出取引の拡大を目指す中、為替変動は、脅威と同時に機会でもあり、当社製品の価格競争力を高める可能性があります。
(サステナビリティについて)
地球規模の気候変動をはじめとする環境・社会に関わる様々な課題は大きな脅威であり、当社は
CO
2
排出量(Scope1,2,3)や食品廃棄物の削減などに引続き取り組んでまいります。一方で、環境・社会課題の解決に取り組み、貢献することは、結果として、当社の新たな事業機会を創出する可能性があります。