業績

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度(2020年11月1日~2021年10月31日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの変異株の出現による感染再拡大の影響により急激な悪化が続き厳しい状況にありました。緊急事態宣言解除後は、経済活動を段階的に引き上げていく動きではありますが、新型コロナウイルスの感染再拡大懸念から依然として先行きは不透明な状況となっております。

当社グループが事業を展開するITサービス業界及び金融サービス業界は、新型コロナウイルスの感染拡大を契機にデジタル化の進展が更に加速し、国内外を問わず企業の業務形態が大きく変わることになると認識しております。

このような状況の下、当社グループは、デジタル金融の世界を切り拓くべく「ITサービス事業」においては、ブロックチェーンや暗号資産分野における一次請けの開発比率の向上や自社ソリューション型商品比率の向上に努めました。「金融サービス事業」においては、暗号資産を原資産とした商品の開発や販売による売上拡大に努めました。

2020年11月、新たな事業領域であるSI事業者に向けた業務効率化支援サービスプラットフォームを運営する専門会社として株式会社CAICAデジタルパートナーズを設立いたしました。

2020年12月、当社の100%子会社であるカイカ証券株式会社(旧商号:eワラント証券株式会社、以下「カイカ証券」といいます。)とともに、国内外の暗号資産、主に有望なDeFi ※1 案件への投資を迅速に実行していくために、暗号資産及び暗号資産デリバティブへの投資を行うEWC匿名組合の運営する「暗号資産ファンド」に出資いたしました。また、アートへの投資を行うとともに、出口戦略として一般的な相対での売却の他にNFT ※2 の仕組みを活用した売却も視野に入れた、EWA匿名組合の運営する「アートファンド」に出資いたしました。EWC匿名組合、EWA匿名組合は当社の連結子会社に該当いたします。なお、NFTのシステムは、当社子会社の株式会社CAICAテクノロジーズ(以下「CAICAテクノロジーズ」といいます。)が開発するブロックチェーンプラットフォームを利用します。

2021年3月、株式(上場、未上場)、社債(上場、未上場)等への投資を行うCK戦略投資事業有限責任組合に出資し、第3四半期連結会計期間より、同ファンドを連結子会社といたしました。

同じく2021年3月、持分法適用関連会社であった株式会社カイカエクスチェンジホールディングス(旧商号:株式会社Zaif Holdings、以下「カイカエクスチェンジホールディングス」といいます。)が第三者割当により発行する普通株式(DESを含む)の引受けを行うとともに同社の株式を取得し連結子会社化いたしました。これに伴いカイカエクスチェンジホールディングスの子会社である株式会社カイカエクスチェンジ(旧商号:株式会社Zaif、以下「カイカエクスチェンジ」といいます。)及び株式会社カイカキャピタル(旧商号:株式会社Zaif Capital、以下「カイカキャピタル」といいます。)を連結子会社化いたしました。さらに、2021年8月、株式交付によりカイカエクスチェンジホールディングスの株式を追加取得し、83.76%を保有いたしました。

 

また、当社は自社で発行した暗号資産「カイカコイン」(単位:CICC)の流動性向上を狙い、新たに海外の暗号資産交換所に上場いたしました。現時点では、日本国内の「Zaif」、セイシェル共和国の法人が運営する「FinexBox」、上海及び台北を拠点とする「Hotbit」、エストニア共和国に本社を置く「Exrates」に上場しております。当社は暗号資産を発行している数少ない上場会社として、「カイカコイン」の海外投資家への認知度の向上や利用範囲の拡大を図るとともに「カイカコイン」の可能性を追求し革新的な金融サービスを創出してまいります。

なお、当社グループは、2021年11月1日付で、当社及び当社の金融サービス事業に属する子会社の商号を変更いたしました。IT金融企業としてのビジョンを明確化するとともに金融サービス事業の子会社をCAICA(カイカ)ブランドへ統一することで更なる認知度の向上を図ってまいります。また、同日付で金融サービス事業の効率的な経営及び事業の早期拡大を目的として、金融サービス事業を統括する中間持株会社として、株式会社カイカフィナンシャルホールディングス(以下「カイカフィナンシャルホールディングス」といいます。)を会社分割の方法により設立いたしました。

※1 Decentralized Financeの略称で、金融分野におけるDAppsです。非中央集権の暗号資産交換所や、デリバティブ、レンディング等のサービスがあり、最も注目される分野の一つです。

※2 NFTとは「Non-Fungible Token」の略称で、代替不可能で固有の価値を持つデジタルトークンのことです。NFTではすべてのトークンは唯一無二で、また分割することができません。価値の高いアートにNFTを利用することで、新たな価値共有の形態を実現し、また、その価値交換市場を提供することが可能となります。

(商号変更一覧)

旧商号

新商号

株式会社CAICA

株式会社CAICA DIGITAL

(会社分割により新設)

株式会社カイカフィナンシャルホールディングス

SJ Asia Pacific Limited

変更なし

eワラント証券株式会社

カイカ証券株式会社

EWARRANT FUND LTD.

変更なし

EWARRANT INTERNATIONAL LTD.

変更なし

EWM(HONG KONG)LIMITED

変更なし

株式会社CAICAテクノロジーズ

変更なし

株式会社CAICAデジタルパートナーズ

変更なし

EWC匿名組合

変更なし

EWA匿名組合

変更なし

CK戦略投資事業有限責任組合

変更なし

株式会社Zaif Holdings

株式会社カイカエクスチェンジホールディングス

株式会社Zaif

株式会社カイカエクスチェンジ

(サービス名「Zaif」は継続して使用します)

株式会社Zaif Capital

株式会社カイカキャピタル

 

 

当連結会計年度における売上高は5,946百万円(前連結会計年度比0.9%減)となりました。CAICAテクノロジーズにおけるシステム開発については、新型コロナウイルスの影響により停滞していた新規案件の需要が復調傾向にあったことに加え、既存の継続案件が引き続き堅調に推移いたしました。一方、カイカ証券の売上高は、暗号資産を原資産とした新商品が好評を得ているものの、これまでの主力商品であったカバードワラント(eワラント)の販売が想定を下回り低調に推移いたしました。さらに、前連結会計年度は株式会社クシム(以下、「クシム」といいます。)の業績が6ヵ月分計上されておりますが、同社の全株式を売却し連結から除外したことにより当該売上高が減少しております。また、カイカエクスチェンジホールディングス、カイカエクスチェンジ、カイカキャピタルの3社は、2021年4月~9月の6ヵ月分が損益計算書に連結されております。なお、第2四半期連結累計期間までは持分法適用関連会社として取込むとともに、第2四半期連結会計期間末に貸借対照表のみを連結に取込んでおります。

 

営業損益につきましては、グループ全体で販売費及び一般管理費の削減に努めましたが、当社における増資に伴う一過性の費用の計上、クシム売却による売上高減少の影響、カイカ証券における売上高低迷の影響及びカイカエクスチェンジホールディングス、カイカエクスチェンジ、カイカキャピタルの3社の販売費及び一般管理費の取込等により、営業損失は915百万円(前連結会計年度は営業損失679百万円)となりました。

経常損益につきましては、営業損失の計上に加え持分法による投資損失を25百万円計上したこと等から、経常損失は929百万円(前連結会計年度は経常損失903百万円)となりました。

親会社株主に帰属する当期純損益につきましては、当社の持分法適用関連会社であったカイカエクスチェンジホールディングスの株式を追加取得し、同社及びその子会社を連結子会社化したことに伴い、従前から保有する持分を当該追加取得時の時価で再評価することによる評価差益(段階取得に係る差益)1,379百万円を特別利益に計上いたしました。一方で、カイカエクスチェンジホールディングス、カイカエクスチェンジ、カイカキャピタルの3社を第2四半期連結会計期間に連結子会社化した際に発生したのれんについて、将来キャッシュ・フローの見積り額を基に回収可能性を検討した結果、当該のれんを回収可能価額まで減額し、当該減少額981百万円を減損損失として特別損失に計上いたしました。さらに、カイカエクスチェンジにおいて、当初予定していた事業計画に対して、実績値が計画を下回っており、再度事業計画を見直した結果、当社は2021年10月期第4四半期連結会計期間において追加の減損損失190百万円を特別損失に計上いたしました。また、2021年10月期第4四半期において、カイカ証券の固定資産の減損損失55百万円を特別損失に計上いたしました。 加えてカイカ証券が保有する投資有価証券について、財政状態や今後の見通しについて判定を行った結果等により、2021年10月期第4四半期連結会計期間において、投資有価証券評価損151百万円を特別損失に計上いたしました。

これらの結果、親会社株主に帰属する当期純損失は799百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失557百万円)となりました。

 

セグメントごとの業績は以下のとおりであります。

当連結会計年度より、報告セグメントをITサービス事業と金融サービス事業に変更しております。以下の前連結会計年度比較においては、前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しています。

 

1)ITサービス事業

CAICAテクノロジーズにおいては、新規案件は新型コロナウイルスの影響によりやや停滞しておりましたが顧客の新年度にあたる4月以降、復調傾向が続いており、積極的に営業リソースを投下することで引き続き案件の獲得を図りました。

金融機関向けシステム開発は大型の案件は少ないものの概ね堅調に推移し、とりわけ保険分野は一次受けの案件を中心に安定的に伸長いたしました。

非金融向けシステム開発分野は、コロナ禍においても顧客の事業拡大意欲が引き続き強く、IT投資も継続されており、新規案件の引合いが 常時確保できております。 このような状況に対応すべく オフショア開発も活用しつつ、リーダー人材の確保に注力しております。

暗号資産関連のシステム開発分野は、暗号資産交換所向けパッケージ「crypto base C」は引合いを獲得できていたものの受注には至りませんでした。一方、暗号資産交換所「Zaif」向けの案件は引合いが活発であり、受注が拡大しております。「Zaif」においては現在、次世代システムへの移行を進めており、 これに伴う複数の開発案件の受注が確定しております。 また、株式会社レジストアートが提供する、高額で資産性の高いアート作品等のコレクションに小口から参加できる会員権プラットフォーム「crowd ART」を開発するとともに、NFTの発行、流通が可能なNFTプラットフォームの販売を開始いたしました。今後は販売のみならず、他企業のプラットフォームとの提携を含め各種検討を行ってまいります。

CAICAテクノロジーズでは引き続き、大手SIer等の既存顧客からの受注の拡大に加え、自社ブランドであるブロックチェーンコミュニケーションサービス「Gu-Gu(グーグー)」、セキュリティ・コンサルティング・サービスの販売・提供を強化し、ソリューション型商品の比率を高めてまいります。

 

これらの結果、ITサービス事業の売上高は、4,824百万円(前連結会計年度比4.6%減)、営業利益は313百万円(前連結会計年度比280.0%増)となりました。

 

 

2)金融サービス事業

2021年3月、当社は実質支配力基準によりカイカエクスチェンジホールディングスを持分法適用関連会社から連結子会社といたしました。これに伴いカイカエクスチェンジホールディングスの子会社である、カイカエクスチェンジ及びカイカキャピタルも当社の連結子会社となっております。潜在的なポテンシャルが高い、当該3社を連結したことで将来的な当社連結業績への寄与を期待するとともに、当該3社に対する当社主導による迅速な意思決定の実現が可能となりました。

当連結会計年度においては、カイカエクスチェンジホールディングス、カイカエクスチェンジ及びカイカキャピタルの業績は、2021年4月~9月の6ヵ月分が損益計算書に連結されております。なお、第2四半期連結累計期間までは持分法適用関連会社として取込むとともに、第2四半期連結会計期間末に貸借対照表のみを連結に取込んでおります。

カイカエクスチェンジホールディングス、カイカエクスチェンジ及びカイカキャピタルの売上高は主に暗号資産交換所「Zaif」における受入手数料や暗号資産売買の損益及びカイカキャピタルにおける暗号資産の自己勘定による運用損益で構成されております。 暗号資産市場は2021年4月まではビットコインが毎月最高値を更新するなど活況を呈しておりましたが、5月より相場環境が大きく変わり、5月から7月にかけて下落相場が続きました。「Zaif」における取引量は、8、9月は回復基調となりましたが5月から7月の取引量の減少を補いきれず、売上高は想定を下回って推移いたしました。 カイカキャピタルにおいては、暗号資産の価格の推移を見極め、慎重にトレーディングを行っております。

暗号資産交換所「Zaif」では現在、UI(ユーザーインタフェース)とUX(ユーザーエクスペリエンス)のリニューアルや、大量注文を処理する性能の向上等、次世代システムへの移行を進めております。なお当該システム移行に係る開発はCAICAテクノロジーズが担っております。また、「Zaif」の認知度向上に向けた取組みの一環として各種キャンペーンを実施いたしました。また、「Zaif」では、他の暗号資産交換所ではみられない、トークンを含む豊富な銘柄を取り扱っており、2021年6月には国内初となるネムの新通貨「シンボル(XYM)」の上場を果たし、取扱いを開始いたしました。今後も独自性を活かした取組みを推進し、事業の拡大を図ってまいります。

 

カイカ証券は主に、小口からでも資金効率よく投資可能な金融商品であるカバードワラント(eワラント)を提供しており、2019年9月よりカイカ証券自身によるインターネットでの直接販売(独自に開発した取引ツールによるカバードワラント「eワラント・ダイレクト」)を開始しております。また、2020年4月からCFD取引(Contract for Difference:差金決済取引)のサービスを開始し、2021年7月からは暗号資産を原資産としたCFD取引のサービスを開始いたしました。CFD取引は国内外の相場にレバレッジをかけた投資をほぼ24時間行うことができ、MetaTrader5 ※3 を採用し、自動売買にも対応している点に特色があります。

当連結会計年度においては、暗号資産を対象とした証券化商品の提供に注力し、2021年2月及び3月には、第1弾である「ビットコインレバレッジトラッカー」、第2弾の「イーサリアムレバレッジトラッカー」、2021年5月には、第3弾の「ビットコイン先物インデックストラッカー」及び「イーサリアム先物インデックストラッカー」の取り扱いを開始いたしました。これらの新商品の発表を受け、口座申込み数は着実に増加し、減少していた売買の取次ぎ量も回復いたしました。一方でカバードワラント(eワラント)の販売が低調であったことに加え、株式会社SBI証券が2021年7月より新規eワラントの銘柄追加を中止したことも起因し、低調に推移いたしました。

※3 MetaTrader5は、ロシアで創業し現在はキプロス拠点のメタクオーツ・ソフトウェア社が開発した世界的に有名な取引プラットフォームであり、MetaTrader4(MT4)の後継バージョンとなります。

 

これらの結果、金融サービス事業の売上高は1,125百万円(前連結会計年度は、125百万円)、営業損失は704百万円(前連結会計年度は、営業損失456百万円)となりました。

 

 

財政状態は、以下のとおりとなりました。

当連結会計年度末における資産合計は、前連結会年度末に比べ95,920百万円増加し、107,218百万円となりました。当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ93,763百万円増加し、95,821百万円となりました。当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ2,157百万円増加し、11,396百万円となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて711百万円減少し、4,248百万円となりました。
 当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動による資金の減少は、2,069百万円(前連結会計年度は591百万円の資金の減少)となりました。これは主に、カイカエクスチェンジホールディングス、カイカエクスチェンジ及びカイカキャピタルを連結の範囲に取込んだことにより、預り暗号資産の減少額18,959百万円、預り金の減少額4,160百万円、段階取得に係る差益1,379百万円などにより資金が減少し、利用者暗号資産の減少額18,959百万円、預託金の減少額3,436百万円などにより資金が増加したものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動による資金の減少は、187百万円(前連結会計年度は446百万円の資金の増加)となりました。主な増加要因としては、関係会社株式の売却による収入589百万円などによるものであり、主な減少要因としては、投資有価証券の取得による支出552百万円などによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動による資金の増加は、1,544百万円(前連結会計年度は2,540百万円の資金の増加)となりました。主な増加要因としては、行使価額修正条項付株式会社CAICA第2回新株予約権(停止要請条項付)の一部権利行使による新株の発行による収入1,844百万円などによるものであり、主な減少要因としては、長期借入金の返済による支出180百万円、社債の償還による支出140百万円などによるものであります。

 

(生産、受注及び販売の状況)

(1) 生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

(単位:千円)

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2020年11月1日
  至 2021年10月31日

金額

前年同期比(%)

ITサービス事業

4,238,536

91.1

 合計

4,238,536

91.1

 

(注) 1 金額は製造原価によっており、消費税等は含まれておりません。

2 「金融サービス事業」につきましては、生産活動を行っていないため記載を省略しております。

3 当連結会計年度より報告セグメントの変更を行っております。詳細は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等)」をご覧ください。

4 前年同期比は、前年同期の数値をセグメント変更後に組み替えて算出しております。

 

(2) 仕入実績

 当社グループの仕入実績は、金額的重要性が乏しいため、記載を省略しております。

 

 

(3) 受注実績

 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

(単位:千円)

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2020年11月1日
  至 2021年10月31日

受注金額

前年同期比(%)

受注残高

前年同期比(%)

ITサービス事業

4,706,514

90.2

948,866

75.2

 合計

4,706,514

90.2

948,866

75.2

 

(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2 「金融サービス事業」につきましては、受注生産形態をとっていないため記載を省略しております。

3 当連結会計年度より報告セグメントの変更を行っております。詳細は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等)」をご覧ください。

4 前年同期比は、前年同期の数値をセグメント変更後に組み替えて算出しております。

(4) 販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

(単位:千円)

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2020年11月1日
  至 2021年10月31日

金額

前年同期比(%)

ITサービス事業

4,821,706

95.8

金融サービス事業

1,125,116

723.8

 合計

5,946,823

114.6

 

(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2 当連結会計年度より報告セグメントの変更を行っております。詳細は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等)」をご覧ください。

3 金融サービス事業セグメントの販売実績に著しい変動がありますが、これは当連結会計年度より株式会社カイカエクスチェンジホールディングス及びその子会社を連結子会社としたことによるものであります。

4 前連結会計年度にありました「HRテクノロジー事業」については、前連結会計年度に同セグメントを構成していた株式会社クシムの全株式を売却し廃止したため、当連結会計年度の販売実績はありません。

5 前年同期比は、前年同期の数値をセグメント変更後に組み替えて算出しております。

6 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次の通りであります。

 

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

楽天グループ株式会社

744,022

12.5

 

(注) 前連結会計年度では10%未満のため記載を省略しております。

 

(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 当連結会計年度の経営成績の分析

① 売上高、営業利益

当連結会計年度の売上高は5,946百万円となりました。売上原価は4,260百万円で、販売費及び一般管理費は2,602百万円となりました。この結果、営業損失は915百万円(前連結会計年度 営業損失679百万円)となりました。詳細につきましては「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。

 

② 営業外収益(費用)

営業外収益は55百万円となりました。これは主に助成金収入27百万円によるものであります。

営業外費用は69百万円となりました。これは主に持分法による投資損失25百万円によるものであります。

 

③ 特別利益(損失)

特別利益は1,406百万円を計上しております。これは主に段階取得に係る差益1,379百万円によるものであります。

特別損失は1,415百万円を計上しております。これは主に減損損失1,226百万円によるものであります。

 

④ 税金等調整前当期純利益

以上の結果、税金等調整前当期純損失は938百万円(前連結会計年度 税金等調整前当期純損失521百万円)となりました。

 

⑤ 法人税、住民税及び事業税(法人税等調整額)

法人税等は23百万円を計上しております。

 

⑥ 親会社株主に帰属する当期純利益

以上の結果、親会社株主に帰属する当期純損失は799百万円(前連結会計年度 親会社株主に帰属する当期純損失557百万円)となりました。

 

(2) 当連結会計年度の財政状態の分析

① 資産

流動資産は、100,758百万円(前連結会計年度は6,139百万円)となりました。これは主に、カイカエクスチェンジホールディングス、カイカエクスチェンジ及びカイカキャピタルを連結の範囲に取込んだことにより、利用者暗号資産79,689百万円、預託金14,222百万円が増加したことなどによるものであります。

固定資産は、6,459百万円(前連結会計年度は5,157百万円)となりました。これはカイカエクスチェンジホールディングス、カイカエクスチェンジ及びカイカキャピタルを連結の範囲に取込んだことにより、のれんが5,432百万円増加し、投資有価証券が4,285百万円減少したことなどによるものであります。

この結果、総資産は107,218百万円(前連結会計年度は11,297百万円)となりました。

 

② 負債

流動負債は、95,229百万円(前連結会計年度は1,128百万円)となりました。これは主に、カイカエクスチェンジホールディングス、カイカエクスチェンジ及びカイカキャピタルを連結の範囲に取込んだことにより、預り暗号資産79,689百万円、預り金13,734百万円が増加したことなどによるものであります。

固定負債は、591百万円(前連結会計年度は929百万円)となりました。これは主に長期借入金180百万円、社債140百万円それぞれ減少したことなどによるものであります。

この結果、負債は95,821百万円(前連結会計年度は2,057百万円)となりました。

 

③ 純資産

純資産は、11,396百万円(前連結会計年度は9,239百万円)となりました。これは主に、行使価額修正条項付株式会社CAICA第2回新株予約権(停止要請条項付)の一部権利行使により資本金及び資本剰余金がそれぞれ947百万円増加し、またカイカエクスチェンジホールディングス、カイカエクスチェンジ及びカイカキャピタルを連結の範囲に取込んだことにより、非支配株主持分が322百万円増加したことなどによるものであります。なお、2021年3月1日に、当社の繰越利益剰余金の欠損を補填し更なる財務体質の健全化を図り効率的な経営を目的とする無償減資及び剰余金の処分を行い、無償減資により資本金が3,143百万円減少、資本剰余金が3,143百万円増加し、剰余金の処分により資本剰余金が492百万円減少、利益剰余金が492百万円増加しております。

 

以上により、当連結会計年度末においては、自己資本比率が10.3%(前連結会計年度末81.8%)となりました。

 

(3) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性についての分析

① キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比べて711百万円減少し、4,248百万円となりました。

これは、営業活動の結果使用した資金が2,069百万円、投資活動の結果使用した資金が187百万円、財務活動の結果得られた資金が1,544百万円となったことによるものであります。詳細につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 

② 資金需要

当社グループの運転資金需要の主なものは、ITサービス事業ではシステム開発開始から顧客による検収後現金回収までのプロジェクト関連経費の支払いにかかるものであります。その主なものは、システム開発にかかる労務費、外注費であります。金融サービス事業では暗号資産ビジネスの次世代システム開発費用及び内部管理態勢強化のための人材採用費用並びに暗号資産に関する投資に関する支出であります。

 

③ 資金の財源及び資金の流動性

当社グループは現在、必要な運転資金、設備投資及び投融資資金については、自己資金、または借入、増資、社債の発行といった資金調達方法の中から諸条件を総合的に勘案し、最も合理的な方法を選択して調達していく方針であります。当連結会計年度におきましては、行使価額修正条項付株式会社CAICA第2回新株予約権(停止要請条項付)の一部権利行使により、1,882百万円の資金を調達致しました。

当社グループは、今後も営業活動により得られるキャッシュ・フローを基本に将来必要な運転資金等を調達していく方針であります。

 

(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成されております。

この連結財務諸表の作成に際しては、連結決算日現在における財政状態並びに連結会計年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える見積り及び判断を行う必要があります。当社グループでは、過去の実績や状況等を総合的に判断した上で、合理的と考えられる見積り及び判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。また、特に重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載しております。

当社の財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は「第5 経理の状況 2 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。また、特に重要なものについては、「第5 経理の状況 2 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載しております。

なお、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定に対する新型コロナウイルス感染症の影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しております。

 

(5) 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご参照ください。

 

(6) 戦略的現状と見通し及び今後の方針について

「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりです。

 

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