課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

当社グループは、時流を捉え、革新的な事業を創造することを目指しています。数多くの金融システム構築で培った知見と最先端のテクノロジーに、金融事業のノウハウを融合させることで得られるIT金融としての新たなナレッジを活かしたサービスを取引先に提供するとともに、デジタル化が進む社会の中で金融と社会が大きく変貌するパラダイムシフトに合致した企業グループとして革新的な金融サービスを生み出してまいります。

 

(2)経営環境に対する認識

当社グループが創業以来手掛けてきたシステム開発事業(SIer事業)は、DX(デジタルトランスフォーメーション)化の進展により、事業構造が大きく変容していくものと考えており、近い将来、業界再編が加速し、劇的な変革に迫られるシナリオも想定しております。これらをふまえ、当社グループでは、50年にわたる金融機関向けシステム開発の知見を基に2016年よりフィンテック戦略を掲げ、ブロックチェーンや暗号資産分野に注力してまいりました。さらに第一種金融商品取引業者であるカイカ証券株式会社(旧商号:eワラント証券、以下「カイカ証券」といいます。)の子会社化、暗号資産交換所を傘下に持つ株式会社カイカエクスチェンジホールディングス株式会社(旧商号:Zaif Holdings、以下「カイカエクスチェンジホールディングス」といいます。)及びその子会社である、株式会社カイカエクスチェンジ(旧商号:株式会社Zaif、以下「カイカエクスチェンジ」といいます。)と株式会社カイカキャピタル(旧商号:株式会社Zaif Capital、以下「カイカキャピタル」といいます。)を連結子会社化し、証券や暗号資産分野への進出を果たしております。

システム開発事業(SIer事業)のさらなる事業効率と採算性を追求すると同時に、自らが金融事業を営むプレイヤーとしてデジタル金融の世界を切り拓いてまいります。

現在、新型コロナウイルス感染症の再拡大が懸念されており、当面の経済にどのような影響を与えるのか見通し難い状況にあります。企業を取り巻く事業環境の急激な悪化により、短期的なIT投資の抑制も想定しておりますが、ウィズコロナ時代での新たな企業の戦略的IT需要や働き方改革への対応、自動化・効率化・省力化へのシステム投資は高まるものと考えております。

 

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

新型コロナウイルスの感染拡大を契機に、デジタル化の進展は急激に加速し、国内外を問わず企業の業務形態が大きく変わることになると認識しております。

当社グループでは、日々進化・拡大するデジタル化の需要に対応すべく、スピーディーに事業を推進していくため、以下の取り組みを行ってまいります。

 

 ・構造改革(経営体質の抜本的強化)

当社グループの借入金のうち、シンジケートローンには財務制限条項が付されており、当該条項に抵触しております。しかしながら、取引銀行と緊密な関係を維持していることから、今後も取引銀行より継続的な支援が得られるものと考えており、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないものと判断しております。

このような状況の解消を図るべく、当社グループは、営業赤字からの早期脱却が喫緊の課題であると認識しており、IT金融企業へと変革すべく事業構造の改革を柱とした以下の施策により黒字転換を目指してまいります。

安定的に収益貢献してきたITサービス事業は大手SIer等の既存顧客からの受注の継続・拡大のみならず一次請け比率を向上することで、より一段高い収益貢献を目指してまいります。

 

金融サービス事業においては、カイカ証券は暗号資産を中心とした多様な商品・サービスの提供、暗号資産交換所Zaifを運営するカイカエクスチェンジでは、ZaifのUI・UX改善、処理性能向上を目的とした次世代システムへの移行及びカイカコインを活用した新たな取り組みを推進、暗号資産に関する投資業等を行うカイカキャピタルでは、暗号資産投資運用を本格化させることで収益化を実現してまいります。

 

・広告宣伝・マーケティングの強化

スマートフォン、タブレットなどの情報端末の進化、SNSの浸透、新たなオンラインメディアの登場などにより、消費者のインターネット上での購買行動が変化しています。これまでのインターネット上での広告や自社webサイトからの発信に加え、新たな広告宣伝・マーケティング手法への迅速な対応が課題であると認識しております。

当社グループでは現在、SNSを利用した広告宣伝・マーケティングを試みておりますが、今後も現在の手法にとらわれることなく新たな方法を模索してまいります。

 

・ITの採用及び教育

システム開発力の増強を図る上で、先端技術を有する人材の採用は重要な経営課題であると認識しております。ビッグデータ、IoT、AI、ブロックチェーン等先端技術を有する技術者は、慢性的に不足しており、競合他社との獲得競争が激化しております。加えてIT金融企業として、金融分野の高度な専門知識を有する人材の確保が必要不可欠であると認識しております。当社グループでは、ヘッドハンティング会社を利用したハイスペック人材の採用や、複数の紹介会社の利用などにより採用活動を行っておりますが、今後はこれまで以上に採用活動を強化してまいります。教育面では、社内外の勉強会やセミナーを積極的に受講することを推奨する等、教育体制の拡充を図っております。

 

・暗号資産分野の事業の拡大

当社グループは「デジタル金融の未来を切り拓く」というミッションの実現を目指し、当社の連結子会社であり、暗号資産分野の事業を展開するカイカエクスチェンジホールディングス及びその子会社であるカイカエクスチェンジ及びカイカキャピタルと、同じく当社の連結子会社であるカイカ証券のシナジー効果の最大化が重要な課題であると認識しております。2021年11月1日付でこれら子会社が属する金融サービス事業の効率的な経営・事業の早期拡大を目的として、会社分割により金融サービス事業を統括する中間持株会社「株式会社カイカフィナンシャルホールディングス」を設立し、当社の持株会社としての事業の一部である金融サービス事業の支配・管理に関して有する権利義務を承継させる新設分割を行っております。

当社グループはこれまで以上にグループ内の人的交流、資金協力を含めた相互の事業連携強化を通じて、暗号資産分野の事業の拡大を図ってまいります。具体的には、暗号資産交換所システムの新機能共同開発、暗号資産に関連した新商品の共同開発、暗号資産交換所Zaifの顧客基盤を活用したマーケティング、Zaifブランドを活用した新規取引先開拓、CAICAテクノロジーズが手掛けたZaifの高度なサイバーセキュリティの運用ノウハウの他サービスへの展開等を行ってまいります。

 

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得

お知らせ

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得