課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

(1)経営方針

 当社は、常に本質を究め、誠実性と公正性をもって真の社会的付加価値を創造するという経営理念の下、次世代の医療を支える革新的な技術及びサービスを迅速かつ効率的に社会に提供することにより、人々の健康と“Quality of Life(生活の質)”の向上に資することを使命として事業を展開しており、独自の研究開発、技術開発はもとより、国内外の医療機関や研究機関、企業その他との広範で柔軟なコラボレーションを積極的に推進することにより、事業の成長スピードを早め、より大きな事業機会の創出を図ることを経営の基本方針とします。

 

(2)経営環境

 2014年11月に再生・細胞医療を、より安全により早く患者に届けることができる、新たな2つの法的枠組みが設けられました。1つは「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」(以下、「再生医療等安全性確保法」)で、これまでは医療機関のみが許されていた治療に用いる細胞加工について、特定細胞加工物製造許可を取得した企業が細胞加工を受託できるようになりました。もう1つは「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(以下、「医薬品医療機器等法」)で、従来の医薬品、医療機器とは別に「再生医療等製品」という新たなカテゴリーが設けられ、安全性が確保され効果が推定されれば、条件・期限付きで早期に承認される仕組みが導入されました。これらの新たな法的枠組みの下、当社は、新たなビジネス展開による事業拡大に向けた取り組みを進めております。

 当社は、1999年から免疫細胞治療に用いる細胞の加工のほか、免疫細胞治療を実施する際に必要となる細胞培養加工施設の設置・運営管理を始め、細胞加工技術者、信頼性保証、技術開発などを医療機関に対して提供してまいりました。これまで経験してきた細胞加工件数は約19.2万件に及びます。また、国家戦略特区に位置する羽田空港近隣に細胞培養加工施設(以下、「品川CPF」)を保有しております。品川CPFは、2015年5月に特定細胞加工物製造許可を取得し、続いて2020年1月には再生医療等製品製造業許可を取得したことにより、特定細胞加工物の開発・製造受託と再生医療等製品の開発から商業生産まで、様々な細胞や組織の加工を行うことが可能な施設となっております。当社は、これらを当社の競合他社に対する競争優位性と考えております。

 現在はこれらの当社の強みを生かすことができる主力事業の特定細胞加工物の製造受託において、主に医療機関等から免疫細胞治療に用いる細胞の加工を受託しております。今後はさらに、体細胞や体性幹細胞を用いた細胞などの加工を受託するとともに、バリューチェーン事業において、研究から開発、製造、マーケティングといった再生・細胞医療のバリューチェーンをワンストップで実現するトータルソリューションを提供することで、お客様がスムーズに再生・細胞医療を実施できるよう、様々な支援を行ってまいります。これらに加えて、CDMO事業において、企業から再生医療等製品や治験製品の開発・製造受託を図ってまいります。

 

 当社を取り巻く経営環境は、新型コロナウイルス感染症への対応が進み、経済活動が持ち直して、穏やかな回復が見られる一方、急激な円安の進行や資源・エネルギー価格の高騰などがあり、依然として先行きは不透明な状況が続くものと想定されます。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

 当社は、「再生医療等安全性確保法」及び「医薬品医療機器等法」による新たな規制環境の変化を捉え、これまで事業の中核をなしていた医療機関向けの特定細胞加工物の製造に加えて、企業等に向けた細胞加工業への展開等、新たなビジネス領域を拡大することで、早期の黒字化を目指してまいります。さらに、再生医療等製品の開発を加速させ、製造販売承認を取得することで、飛躍的な成長を目指してまいります。

 

 中長期的には、当社は、「VISION2030」をビジョンに掲げ、その達成のための経営方針に基づき、事業を推し進めてまいります。

 

VISION2030

 メディネットは、病気やけがを治すとともに、健康維持・改善に寄与することにより、Well-Being社会(“身体的・精神的・社会的に良好な状態にある社会“)に貢献するHealthcare Innovating Companyを目指す。

 

「VISION2030」を達成するための経営方針

1.メディネットの強み・経験を最大限に活かした成長

2.環境の変化に対応し、継続的成長に向けた変革の推進

3.会社基盤の強化

 

(4)優先的に対処すべき会社の課題

 「(3)中長期的な会社の経営戦略」を踏まえ、当社が対処すべき特に重要な課題は、以下のとおりであります。

 

1.経営方針「メディネットの強み・経験を最大限に活かした成長」における課題

①特定細胞加工物製造受託の拡大

②CDMO事業の基盤強化

③再生医療等製品の開発の加速化と新規シーズの育成

 

2.経営方針「環境の変化に対応し、継続的成長に向けた変革の推進」における課題

①当社事業の収益性及び生産性の向上

②当社事業へのシナジー効果、VISIONに合致する新規事業の育成

 

3.経営方針「会社基盤の強化」における課題

①「先を見据え、自ら一歩先の考動ができる」人財への活性化

②DX実現に向けた社内環境整備の加速化

 

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