文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経営環境、経営方針及び経営戦略等
今後の世界経済は、ロシアによるウクライナ侵攻及びロシアに対する経済制裁、世界的なインフレ対応のための金融引き締め、これに伴う米ドル高新興国通貨安の影響により、先行き不透明な状況で推移すると予測しております。我が国経済のみならず世界経済への長期的な影響が懸念されております。この影響に関しては、当社グループが事業を行っております各国政府の方針、事業別の環境等により異なります。そのため、各事業についての記載をご参照ください。
各事業については以下のように見通しと取り組みを進めてまいります。
(コンテンツ事業)
コンテンツ事業におきましては、日本国内において売上高が増加を続けております。一方数年来の構造改革の結果、支出適正化がなされており利益増加に貢献しており、今後これらのコンテンツにも期待をしております。海外展開に関しましては、ベトナム並びにインドネシアが明確に売上高を増加させる段階に至っており、コロナ禍の中でも当社商品の販売店数が増加しておりますので、今後の利益増加への貢献を期待しております。
現在の好調には中期経営計画アクセルプランに基づき、獲得してきたコンテンツが貢献するとともに、数年来の取り組みによる固定費の削減が進んでおりますことが寄与しております。現在においては上記実績による受注が好調であり、また、筋肉質な体質にもなっておりますので、利益も確保できると考えております。
また、この間には中長期的な戦略的投資としてベトナム・インドネシア・タイなどでのコンテンツ事業をグループ会社の協力のもと行ってまいりました。コロナ禍でも着実に活動を継続した結果、明確に当社の展開するコンテンツ商品のファンが増加していると認識しております。
(Digital Finance事業)
当事業は持分法適用関連会社の行う事業であり、セグメントではありませんが、連結財務諸表へは持分法による投資損益として当社の業績へ大きく影響を与えることから記載しております。
Digital Finance事業におきましては、これまで約10年にわたり、創業国であるタイ以外の国での展開を進めてまいりました。すでにカンボジア、ラオス、ミャンマー、スリランカでのファイナンス事業を展開しております。非都市部に集中し、高い競争力を持った、他にない事業を形成しております。
当該事業の持分法適用関連会社への異動に伴い、GLおよびGLに連結されるDigital Finance事業の売上高及び営業損益は連結決算には取り込まれなくなるため、2021年10月以降、当該事業はセグメントではなくなりました。ただし連結財務諸表においては、営業外損益の持分法による投資損益に取り込まれるため、経常損益以下の各段階損益への大きな影響はございません。また、同事業は特定の相手先との国際的な裁判費用やその影響による業績不振に加えて、コロナ禍による各国のロックダウンと国境閉鎖、ミャンマーにおけるクーデター、などにより実質的に営業停止状態の期間も長く、また近年ではロシアのウクライナ侵攻に伴う通貨安など事業環境の大底とでも言うべき5年間を経験しました。これらのことを考慮し前期には損失の引当処理を実行済みであり、今後は環境が改善すると考えられるとともに、財務体質も筋肉質になり、より利益貢献がしやすい状態になったと考えております。
同事業について、今後はコロナ禍からの東南アジア各国の復興と各国別の経済状況に応じた事業方針の展開がテーマとなります。ロックダウンの解除、旅行客制限の解除、各国政府の景気刺激策などにより、営業活動が再開できる状態になりつつあるとともに、顧客である旅行業従事者、飲食業従事者・その他が再度優良顧客として戻ってくることが期待されております。これにより、Digital Finance事業は急速な業績回復や成長への事業環境が徐々に整っていくものと期待されます。
2022年におきましては、コロナ禍からの復興に入ったカンボジア並びにタイ王国と、極端に進んだ通貨安や政情不安によって経済苦境にあるミャンマー、ラオス、並びにスリランカに分かれました。カンボジア並びにタイにおいては既に新規契約が増加しており、売上高並びに利益を増加させるに至っております。一方で、経済苦境にあるミャンマー並びにラオス、スリランカでは輸入に頼るオートバイ等の価格が2倍以上になるなど極端に高騰しており、潜在顧客の購買意欲の減少並びに相対的な返済能力の低下があり、リースなどを拡大させるべき状況にありません。一方ミャンマー並びにスリランカでは直接貸付も行っており、この分野においては現状需要が堅調で、貸付を増加させ好調となりつつあります。ここ数年間継続して損失を計上してきたインドネシアの事業が終了しましたことは今後の業績を下支えすることになります。
過去5年間、コロナ禍並びに同事業を行うGroup Lease PCL.が大型の裁判を行っていたこと、などから全営業国において保守的なリスクマネジメントのために新規貸付を抑制し、回収に注力してきました。この結果、営業貸付金が減少し、現金預金が増加して、売上高・セグメント利益ともに減少してきていました。2022年においては、上記国別商品別の状況に応じて、新たな再成長を開始いたしております。
(リゾート事業)
当事業は持分法適用関連会社の行う事業であり、セグメントではありませんが、連結財務諸表へは持分法による投資損益として当社の業績へ大きく影響を与えることから記載しております。
リゾート事業はタイ国クラビ県の離島ピピ島にある5つ星ホテルZeavola Resortを経営する事業です。当該ピピ島は自然の豊かな特別なリゾート島であり、タイでも有数の多種多様なダイビングスポットを有しております。その中で160mのプライベートビーチを有し、ホスピタリティに溢れたスタッフを有し、「最もロマンチック」「最もサステイナブル」などの部門で数々の世界的なホテル賞を獲得してきた同ホテルは周辺のホテルの中でも特別なホテルとなっており、収益性においても抜きん出るホテルとなっております。2022年においてもWORLD LUXURY HOTEL AWARDSで Luxury Boutique Resort 2022(アジア地域)を受賞いたしました。
今後については、客室稼働率が8割を大幅に超えるなど力強い回復を見せており、既に6月にはタイの入国制限を撤廃するなど緩和されており、同ホテルのターゲット顧客である富裕層が益々旅行をする環境が整っておりますので、今後も力強い回復を見込んでおります。
(2) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当社グループが対処すべき課題とその対処方針としては、「東南アジアにおける事業の推進とグローバル化への対応」をあげております。
当社グループは、タイ証券取引所に上場しDigital Finance事業を営むGroup Lease PCL.を持分法適用関連会社とし、東南アジアを中心にDigital Finance事業を推進しております。現在進出しているのはタイから、カンボジア、ラオス、ミャンマー、スリランカとなっております。
タイ王国においては、ピピ島でリゾートホテルを運営するP.P.Coral Resort Co.,Ltd.を持分法適用関連会社として、リゾート事業を展開しております。
また、日本国内で行っていたコンテンツ事業についても、トレーディングカードゲームをベトナムにおいては大手書店との提携により販売網を展開し、インドネシアにおいては直営店及びフランチャイズ契約店舗での販売を展開し、タイ王国においても現地のカードショップで販売を行うなど、東南アジアでのコンテンツ事業を拡充してまいりました。
東南アジア地域は持続的に経済成長が見込まれ、当社グループはこの地域に強いノウハウや人材、組織を保有しており、今後も積極的に東南アジア市場での事業展開を推進してまいります。
このような東南アジア地域に密着したノウハウを有する人材を今後も発掘・採用することは、当社グループの今後の事業展開において重要な課題であり、現在の人的ネットワークを縦横無尽に駆使してさらに事業展開を加速させてまいります。
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