以下において、当社グループの事業の状況及び経理の状況等に関する事項のうち、リスク要因となる可能性があると考えられる主な事項及びその他投資者の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる事項を記載しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対処に努める方針でありますが、当社の株式に関する投資判断は、本項及び本有価証券報告書中の本項以外の記載内容も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。
①海外展開におけるリスク
当社グループは、タイ、シンガポール、カンボジア、ラオス、ミャンマーに海外持分法適用関連会社があり、東南アジアを中心に海外事業を展開しております。2022年9月期からは売上高、営業損益には当該事業の業績は取り込まれませんが、営業外損益の持分法による投資損益に反映されるため、経常利益に対する影響度が相対的に大きくなっております。このため、為替レートの変動により円換算後の連結財務諸表に影響を与えるほか、海外拠点国の政治活動の激変、テロ、社会的混乱等のカントリーリスクが、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
②Digital Finance事業のリスクについて
当社グループのDigital Finance事業におきましては、タイ、カンボジア、ラオス、ミャンマーにおいてオートバイローン、資産担保金融、太陽光パネルローン等の引受やマイクロファイナンスを展開しております。当該融資については、新規契約時の取引審査を厳格に行うとともに、その後の与信管理にも万全を期しております。しかしながら、貸付期間は長期にわたることから、景気変動やその他の事由により延滞・貸倒れ等不測の事態を蒙ることもあります。
延滞については事態発生時に速やかに対応し、債権保全・回収に全力を挙げております。又、貸倒れが発生した場合には原則として貸付契約の解除手続を行い、担保物件の売却を図る等回収の極大化に努めております。
貸倒引当金については、貸付先の状況及び担保資産の価値等を見積もり、個別に回収可能性を検討するほか、貸倒実績率等を考慮して計上しておりますが、予期できない貸倒れが発生した場合には貸倒引当金を積み増しせざるを得ないこともあり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
又、上記進出している各国の政治情勢が、今後の政権交代等により不安定となるリスクや、経済情勢が悪化した場合、為替変動等、さらには法規制が変更となることにより、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。
③リゾート事業のリスクについて
当社グループでは、Engine Holdings Asia PTE.LTD.におきまして株式の取得・保有を通じて持分法適用関連会社の管理を行っており、将来の事業領域拡大を視野に入れた活動をしております。2011年3月にはタイの高級リゾート「Zeavola Resort」を保有するP.P.Coral Resort Co.,Ltd.及びEngine Property Management Asia Co.,Ltd.の株式を取得し、持分法適用関連会社としております。当連結会計年度においてはコロナ禍による悪影響により一時営業停止となるなど、相対的に大きな損失が発生いたしました。今後につきましてはリゾートの稼働率の推移によっては業績に悪影響を与える可能性があります。
④システムリスクについて
当社グループの各事業におきましては、コンピュータシステムを結ぶ通信ネットワークに一部依存しております。自然災害や事故などによって、通信ネットワークが切断された場合に営業・販売活動が困難な状況になります。又、アクセス増等一時的な過負荷によってサーバが動作不能に陥ったり、購入者、参加者もしくはその他のシステム利用者のハードウェアまたはソフトウェアの欠陥等により、正常な売買等が行われなかったり、システムが停止する可能性があります。さらには、コンピュータウィルス、外部からの不正な手段によるコンピュータ内への侵入等の犯罪や役職員の過誤等によって、ホームページが書き換えられたり、重要なデータを消去または不正に入手されたりする可能性もあります。これらの障害が発生した場合には、当社グループの各事業に直接的損害が生じるほか、当社グループ自体の信頼を低下させる上、事業にも重大な影響を及ぼす可能性があります。
⑤個人情報の取扱について
当社グループのDigital Finance事業におきましては各種ローンの申込時に、住所・氏名・電話番号・クレジット番号等のユーザ個人を特定できる情報を取得できる環境にあります。これら情報の管理において当社グループは、プライバシー及び個人情報の保護について最大限の注意を払い、各サービスにおける個人情報のセキュリティについても留意しております。
しかしながら、これらの情報の外部流出や悪用等の可能性が皆無とはいえず、これを理由に法的紛争に巻き込まれた場合等は、当社グループの信用が低下する可能性があると同時に業績にも影響が生じる可能性があります。
⑥親会社からの独立性について
親会社の昭和ホールディングス株式会社の2022年9月30日現在の議決権比率は、63.21%となっております。又、当社は取締役会の構成員7名の内、同社グループから取締役3名の派遣を受け入れており、同社グループの支配力が高い状況にあります。
会社法上、各取締役はそれぞれ会社に対し、善管注意義務、忠実義務を負っており、又、親会社からも当社が上場企業として独立性を確保することについて尊重する旨の意向を確認していることから、親会社からは上場企業として適切な独立性を保っていると認識しております。しかしながら、親会社の経営判断によっては将来的に当社の経営に影響する可能性があります。
⑦新型コロナウイルス感染症に関するリスクについて
当社グループでは、取引先や社員の健康・安全を第一に考え、また更なる感染拡大リスクを防ぐために、出張制限、Web会議の活用、イベント実施に関する規制強化、可能な範囲内での時差出勤、テレワーク、在宅勤務の実施を行う等の安全対策を実施しております。しかしながら、今後、事態の長期化又は感染拡大が発生した場合、景気の更なる悪化を招き、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑧持分法適用関連会社Group Lease Holdings PTE.LTD.が保有するタイSEC指摘GLH融資取引に関する悪影響について
当社持分法適用関連会社であるGroup Lease PCL.(以下、「GL」という。)の子会社Group Lease Holdings PTE.LTD.が保有する貸付債権等(以下、「GLH融資取引」という。)に関連して、GLは、2017年10月16日及び同月19日に、タイ証券取引委員会(以下、「タイSEC」という。)からGL元役員の不正行為や利息収入の過大計上などの指摘を受けました。当該タイSEC指摘GLH融資取引については、この問題の発覚時の2018年3月期決算において、全額損失処理済ですが、タイ法務省特別捜査局(以下、「タイDSI」という。)による調査が継続しております。現在も未解決事項となっており、当社グループは、タイSECの指摘の根拠を特定することはできておりません。また、後述の(追加情報)に関する注記(JTRUST ASIA PTE.LTD.等との係争について)に記載のとおり、当該タイSEC指摘GLH融資取引に関連し、JTRUST ASIA PTE.LTD.からタイ王国及びシンガポール共和国等で、各種の訴訟が提起され係争中となっております。
なお、捜査の動向次第では、当社グループの経営等に影響を及ぼす可能性があります。
⑨JTRUST ASIA PTE.LTD.等との係争について
当社持分法適用関連会社であるGLが発行した総額1億80百万米ドルの転換社債保有者であった JTRUST ASIA PTE. LTD. (以下、「JTA」という。)は、GLがタイSECから2017年10月16日及び同月19日にGL元役員の不正行為や利息収入の過大計上、関連する決算の訂正などについて指摘を受けたことに起因し、タイ王国及びシンガポール共和国等において当社グループに対して各種の訴訟を提起しており、一部終結に至ったものの、現在も係争中となっております。JTAが行っている訴訟の概要につきましては、以下のとおりです。
(1) JTAが行っている訴訟の概要
※実質的に当社親会社である昭和ホールディングス株式会社の株式を保有しているか確認中です。
⑩コンテンツ事業のリスク
日本国内の人口減少と少子高齢化による市場縮小並びに海外市場における漫画やアニメ等の台頭による日本コンテンツの地盤沈下があげられます。
⑪継続企業の前提に関する重要な事象等
当連結会計年度において、上記⑧⑨の事象が存在しておりますが、これらについて、以下の対応策を実行していることから、当該事象の解消が実現できるものと考えており、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。
⑧「持分法適用関連会社Group Lease Holdings PTE.LTD.が保有するタイSEC指摘GLH融資取引に関する影響について」に記載した事項に関しましては、当社グループといたしましては、引き続き、タイSECやタイDSIに対し、当社グループの正当性を主張しつつ、タイDSIの捜査に全面的に協力してまいります。
⑨「JTRUST ASIA PTE.LTD.等との係争について」に記載した事項に関しましては、当社グループでは、法律専門家の意見等も踏まえ、GLがJトラストアジアとの契約に違反したことや、契約上も転換社債を即時返済する義務はないものと認識しており、当該請求は法的に無効と考えております。
GL及び当社といたしましては、法律顧問と相談し検討を進めており、上記一連の訴訟についてはいずれも事実に基づかない不当なものであると考えており、GL及び当社といたしましては、当社グループの正当性を主張すべく粛々と法的対応を進めてまいる所存であり、JTAに対し必要且つ適切な法的処置を取ってまいります。
以上に記載している将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2022年12月28日)現在において当社グループが判断したものであります。
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