(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、緩やかな回復が続いておりましたが、2020年初頭からの新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大により、国内、海外とも経済情勢が急速に悪化しており、今後の先行きは極めて不透明な状況となっております。
こうしたなか、当社グループでは、前連結会計年度に低下した工場稼働率の向上に注力いたしました。
業務用食用油では、採算性を維持しつつナタネ油の積極的な販売を行ったことで、販売数量、売上高、売上総利益ともに昨年を上回りましたが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により学校給食向けこめ油の需要が急減したこともあり、業務用食用油全体での売上高増加は限定的なものとなりました。
家庭用食用油につきましては、こめ油の認知度向上による市場拡大が続くなかで引き続き取扱店舗の拡大に注力した結果、販売数量、売上高、売上総利益ともに昨年を大きく上回りました。
油粕製品である脱脂糠につきましては、こめ油の生産に見合った適正数量の販売を安定的に継続いたしました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度の資産合計は、前連結会計年度末に比べ7億50百万円減少し、97億31百万円となりました。
当連結会計年度の負債合計は、前連結会計年度末に比べ5億50百万円減少し、57億30百万円となりました。
当連結会計年度の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ2億円減少し、40億円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度における経営成績は、売上高は123億3百万円(前年同期は118億72百万円)、経常損失2億75百万円(前年同期は経常損失4億68百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失2億9百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失5億1百万円)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、期首残高より3億28百万円減少し、11億22百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、営業活動の結果使用した資金は68百万円(前年同期は56百万円の使用)となりました。主な増加の理由は、減価償却費2億62百万円、売上債権の減少額1億15百万円、主な減少の理由は、税金等調整前当期純損失2億77百万円、仕入債務の減少額91百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、投資活動の結果獲得した資金は1億21百万円(前年同期は5億63百万円の使用)となりました。主な増加の理由は、保険積立金の解約による収入3億24百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、財務活動の結果使用した資金は3億82百万円(前年同期は86百万円の獲得)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
|
前年同期比(%) |
油脂・油粕部門(千円) |
9,802,366 |
2.1 |
石けん・化粧品部門(千円) |
226,031 |
△3.5 |
その他部門(千円) |
72,149 |
△68.1 |
合計(千円) |
10,100,547 |
0.4 |
(注)1.金額は生産価格によっており、セグメント間の内部振替後の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
|
前年同期比(%) |
油脂・油粕部門(千円) |
521,246 |
△52.6 |
石けん・化粧品部門(千円) |
33,261 |
34.8 |
その他部門(千円) |
54,117 |
△2.8 |
合計(千円) |
608,626 |
△48.5 |
(注)1.金額は仕入価格によっており、セグメント間の内部振替後の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.受注実績
当社グループは受注生産を行っておりません。
d.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
|
前年同期比(%) |
油脂・油粕部門(千円) |
11,716,256 |
3.5 |
石けん・化粧品部門(千円) |
364,321 |
5.3 |
その他部門(千円) |
223,122 |
3.8 |
合計(千円) |
12,303,700 |
3.6 |
(注)1.セグメント間の内部振替後の数値によっております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先 |
前連結会計年度 (自 2018年4月 1日 至 2019年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2019年4月 1日 至 2020年3月31日) |
||
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
東亜商事㈱ |
1,113,207 |
9.4 |
936,734 |
7.6 |
(注)上記の金額には消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 当連結会計年度の財政状態及び経営成績の状況に関する分析・検討内容
経営成績等
1)財政状態
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は46億84百万円となり、前連結会計年度末に比べ4億81百万円減少いたしました。主な減少の要因は、現金及び預金が3億28百万円減少したことによるものであります。固定資産は50億46百万円となり、前連結会計年度末に比べ2億68百万円減少いたしました。主な減少の要因は、投資その他の資産が2億80百万円減少したことによるものであります。
この結果、総資産は、97億31百万円となり、前連結会計年度末に比べ7億50百万円減少いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は34億51百万円となり、前連結会計年度末に比べ66百万円減少いたしました。主な減少の要因は、支払手形及び買掛金が91百万円減少したことによるものであります。固定負債は22億79百万円となり、前連結会計年度末に比べ4億83百万円減少いたしました。主な減少の要因は、長期借入金が3億18百万円減少、繰延税金負債が1億22百万円減少したことによるものであります。
この結果、負債合計は、57億30百万円となり、前連結会計年度末に比べ5億50百万円減少いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は40億円となり、前連結会計年度末に比べ2億円減少いたしました。主な減少の要因は、親会社株主に帰属する当期純損失を2億9百万円計上したことによるものであります。
2)経営成績
(売上高)
油脂製品の主力製品である 業務用食用油につきましては、ナタネ油は、 採算性を維持しつつ積極的な販売を行ったことから、 前連結会計年度を 上回りました。 こめ油は、 新型コロナウイルス感染症拡大の影響により学校給食向けこめ油の需要が急減したこともあり、 前連結会計年度を下回りました。
家庭用食用油につきましては、こめ油は、認知度の向上に伴い市場規模の拡大が続くなか、 引き続き取扱店舗の拡大に注力した結果、 前連結会計年度を大きく上回りました。
油粕製品である脱脂糠につきましては、こめ油の生産に見合った適正数量の販売を安定的に継続いたしました。
その結果、売上高は123億3百万円(前期118億72百万円)となり、前連結会計年度に比べ4億31百万円(前期比3.6%増)増加いたし ました。
(売上原価、販売費及び一般管理費)
売上原価につきましては、108億1百万円(前期105億79百万円)となり、前連結会計年度に比べ2億22百万円(前期比2.1%増)増加いたしました。
販売費及び一般管理費につきましては、17億57百万円(前期17億43百万円)となり、前連結会計年度に比べ13百万円(前期比0.7%増)増加いたしました。
(経常損失)
経常損失につきましては、2億75百万円(前期は経常損失4億68百万円)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純損失)
親会社株主に帰属する当期純損失につきましては、2億9百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失5億1百万円)となりました。
経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループといたしましては、海外原料調達コストの高騰等による国内市場価格の動向が業績に大きな影響を与える要因となります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の 財源 及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 ②キャッシュ・フローの状況」をご覧ください。
資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金の需要のうち主なものは、原材料の仕入れのほか製造経費、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものです。また、設備資金の需要のうち主なものは、船橋工場、千葉工場および油脂製造工程を担う各子会社の製造設備の新設または更新によるものです。
当社グループ の短期的な運転資金につきましては、CMSの概念に基づき内部資金を利用し、不足が生じた場合は金融機関からの借入により対応しております。また長期的な設備資金につきましては、内部資金の利用及び金融機関との間で長期借入契約を締結し調達しております。
また、資金調達の機動性を高めるため、メインバンクとの間でコミットメントラインを締結しているほか、各取引銀行との間においては特別当座貸越枠を設けるなど、流動性の備えとしております。
なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は、25億75百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、11億22百万円となっております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたり必要となる見積りは、過去の実績を勘案し合理的な基準に基づいて判断しております。なお、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、不確実性が大きく将来事業計画等の見込数値に反映させることが難しいため、当該見積りには含んでおりません。今後、発表すべき事実が生じた場合には速やかにお知らせいたします。
お知らせ