当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度におきましては、徹底した新型コロナウイルス感染対策とニューノーマルにおける需要への対応をグループ一丸となって推進してまいりました。具体的には、当社設立50周年に当たる2025年に向けて策定した「Challenge 2025」を実現すべく、2020年9月に立ち上げたローソングループ大変革実行委員会のもと、事業環境の変化に合わせ、国内コンビニエンスストア事業では店舗改装や商品刷新を行うとともに、ローソングループ全体で持続的な成長に向けた中長期課題の解決、新たな収益機会の獲得及び働きがいの向上などに取り組んでおります。
これらの結果、当期の連結業績は、営業総収入6,983億71百万円(前期比4.9%増)、営業利益470億96百万円(同15.2%増)、経常利益475億71百万円(同26.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益179億円(同106.0%増)となりました。
2021年度内部統制システムの整備の基本方針に基づき、当社グループ全体の内部統制の充実と事業リスクへの対応にも注力してまいりました。今後ともより一層、内部統制の充実を図ってまいります。
また、SDGsの推進やESG基軸経営の観点から、2021年6月に「ローソングループ人権方針」を制定し、同年8月には「ローソングループサステナビリティ方針」の制定、「ローソングループ環境方針」の改訂を実施いたしました。
セグメントの業績は次のとおりです。
(国内コンビニエンスストア事業)
当期におきましては、新型コロナウイルスの感染者が増加する一方で、自治体や職域接種などによるワクチン接種も進みましたが、多くの地域で緊急事態宣言が発令及びまん延防止等重点措置が適用されました。上期は、さまざまな社会活動が制限・自粛されましたが、下期は、2021年10月以降、新型コロナウイルスの感染者が減少し、全国で緊急事態宣言及びまん延防止等重点措置が解除、社会活動の制限緩和とともに人流も回復傾向となりました。しかしながら、2022年1月以降はオミクロン株の急速な拡大により、再び人流が減少傾向となりました。
このような状況の中、当社ではお客さまの生活スタイルの変化に対応し、冷凍食品や日用品などの日常使いの商品を拡充するとともに、よりお客さまの需要にお応えできるよう、個々の店舗の事業環境に見合った店舗改装を進めてまいりました。第4四半期に2,636店舗の改装を実施し、当期は合計4,305店舗の改装を完了しました。また、店舗改装と併せて進めていた店内調理サービス「まちかど厨房」の導入は、2022年2月末日現在8,359店舗に拡大しました。
営業面では、すべてのお客さまから支持されるローソンを目指し、「圧倒的な美味しさ」「人への優しさ」「地球(マチ)への優しさ」の3つの約束を実現するための施策を実行しております。ローソンならではのおいしくかつ健康を意識した商品力を一層強化することに加えて、店舗における心のこもった接客の徹底、食品ロスやプラスチック削減・CO2排出量の削減といった地球環境に配慮した取り組みを進めております。食品ロス削減につきましてはAIを活用した値引き販売推奨の取り組み、CO2排出量削減につきましてはAIによる店舗配送ダイヤグラム最適化の実証実験、プラスチック削減につきましてはナチュラルローソンにて食品の量り売りなどを実施してまいりました。
[店舗運営の状況]
店舗運営につきましては、引き続き3つの徹底(①心のこもった接客、②マチのニーズに合った品揃えの徹底、③お店とマチをきれいにする)の強化に努めてまいりました。消費者の生活と価値観の変化に対応する商品の品揃えを拡充し、お客さまのニーズにお応えして売上向上に努めるとともに、店舗オペレーションの効率化や廃棄ロス・水道光熱費の削減など、加盟店利益の向上に向けた取り組みを継続しております。
[商品及びサービスの状況]
お客さまの日常生活をサポートする取り組みとして品揃えの拡充に取り組んできた生鮮品・冷凍食品・日配食品・常温和洋菓子・酒類は、売上が伸長しました。特に冷凍食品におきましては、素材や惣菜などのストックニーズを捉えたことに加え、冷凍デザートなどの新機軸のメニューを開発し、2021年11月から順次メニューを拡大したことなどから販売が好調となりました。米飯は、同年3月に長鮮度化・チルド化へのリニューアルを実施した「これが弁当」シリーズが一年を通して堅調に推移したほか、「金しゃりおにぎり」シリーズやリニューアルしたおにぎりの定番商品が好調に推移しました。また、同年9月に発売したデザートの新商品「生ガトーショコラ」や同年10月に発売したカウンターファストフードの新商品「パリチキ」が好評を博するなど、オリジナル商品のヒットが続きました。店内調理サービス「まちかど厨房」では、「三元豚の厚切りロースカツサンド」など人気の定着した商品に加え、お客さまの外出機会が減る中で、専門店のおいしさを提供している外食企業とのコラボレーション商品や、地域ごとのニーズに対応した「ご当地丼」シリーズなどが好評を博しました。
また、フードデリバリーサービスにつきましては、コンビニエンスストアでは当社がいち早く展開を始めた「Uber Eats(ウーバーイーツ)」含む、5社に加え、2022年2月から「出前館」を導入いたしました。これにより、6社のフードデリバリーサービスの導入店舗数は2022年2月末日現在で45都道府県の2,903店舗となりました。なお、「Uber Eats」では、OTC医薬品の取り扱いを14都道府県の71店舗で実施しております。
<国内コンビニエンスストア事業の商品別チェーン全店売上高>
[店舗開発の状況]
出店につきましては、収益性を重視した店舗開発を継続しております。
当期における「ローソン」「ナチュラルローソン」「ローソンストア100」の国内の出店数は483店舗、閉店数は303店舗となり、2022年2月末日現在の国内総店舗数は14,656店舗となりました*1。 2020年9月に株式会社ポプラとの間で締結した共同事業契約に基づき、当期におきまして同社ブランドから「ローソン・ポプラ」「ローソン」ブランドへ122店舗を転換いたしました。また、2021年5月にエイチ・ツー・オー リテイリング株式会社との間で締結した包括業務提携契約に基づき、同社のグループ会社である株式会社アズナスが運営する駅売店・コンビニエンスストアの「アズナス」から「ローソン」へ97店舗を転換いたしました。
高齢化や健康意識の高まりなどに対応したコンビニエンスストアモデル構築への取り組みとして、調剤薬局、ドラッグストアチェーンとの提携により、一般用医薬品や調剤薬品を取り扱うとともに、通常のローソンよりも化粧品、日用品などの品揃えを増やしたヘルスケア強化型店舗を継続して展開しております。このヘルスケア強化型店舗も含めた一般用医薬品の取扱店舗数は、2022年2月末日現在で280店舗(うち、調剤薬局併設型店舗数は49店舗)となりました。また、介護拠点併設型店舗数は、2022年2月末日現在で22店舗となりました。さらに、病院内コンビニエンスストアとして、コンビニエンスストアの標準的な商品やサービスに加え、医療衛生・介護関連用品などの品揃えを強化した「ホスピタルローソン」の展開は、2022年2月末日現在で337店舗となりました。引き続き、これまで培った病院内コンビニエンスストアのノウハウを生かし、病院に関わるあらゆる人々の生活をサポートしてまいります。
美しく健康で快適なライフスタイルを身近でサポートするお店として、女性を中心に支持されている「ナチュラルローソン」は、2021年7月に20周年を迎えました。体に優しい素材を使った食品や環境に配慮した洗剤や化粧品などを厳選し、「ナチュラルローソン」にしかないこだわりと価値のある商品を取り揃えております。また、「ローソンストア100」は鮮度にこだわった安心・安全で良質な野菜や果物と日常生活に密着した商品を取り揃え、「献立応援コンビニ」として、毎日の食生活を応援いたします。単身者・主婦を中心に、お子さまからご高齢の方まで幅広いお客さまにご利用いただいております。2022年2月末日現在で「ナチュラルローソン」の店舗数は136店舗、「ローソンストア100」の店舗数は669店舗となりました。
*1 出店数、閉店数、国内総店舗数には、当社の運営する店舗のほか、持分法適用関連会社である株式会社ローソン高知、株式会社ローソン南九州、株式会社ローソン沖縄の運営する店舗を含めております。
<国内店舗数の推移>
<国内地域別店舗分布状況(2022年2月28日現在)>
(注)上記表には、当社の運営する店舗のほか、持分法適用関連会社である株式会社ローソン高知、株式会社ローソン南九州、株式会社ローソン沖縄の運営する店舗を含めております。
これらの結果、国内コンビニエンスストア事業の営業総収入は4,245億67百万円(前期比0.5%増)、セグメント利益は283億96百万円(同1.2%減)となりました。
(成城石井事業)
株式会社成城石井は「食にこだわり、豊かな社会を創造する」との経営理念の下、こだわりのある安心・安全な食品をお客さまに提供しております。路面、駅ビル、商業施設などに、多様な店舗フォーマットを展開し、高い商品開発力を生かしたオリジナル商品、自家製商品で「成城石井」ブランドをお客さまにお届けしております。なお、2022年2月末日現在の株式会社成城石井の直営店舗数は 169店舗となりました。上期は、断続的に発令されていた緊急事態宣言の影響による巣ごもりの需要を取り込んだ路面店を中心に好調に推移しました。下期は、2021年10月の緊急事態宣言解除後の巣ごもりの需要の減少などの影響により、路面店を中心に売上が伸び悩みましたが、自社のセントラルキッチンで製造している自家製惣菜・デザートなどは、各種施策の展開などにより引き続き好調に推移しました。今後も、情報発信型製造小売業として、価値ある商品の持続的な開発や、魅力ある販促・広報活動を推進し、株式会社成城石井のブランド力の向上に努めてまいります。
これらの結果、成城石井事業の営業総収入は1,086億32百万円(前期比5.4%増)、セグメント利益は112億40百万円(同8.8%増)となりました。
(エンタテインメント関連事業)
株式会社ローソンエンタテインメントにつきましては、チケット事業において、上期は緊急事態宣言発令及びまん延防止等重点措置適用の影響により、多くのイベントが入場制限、延期・中止されました。下期は2021年10月に緊急事態宣言及びまん延防止等重点措置が解除され、コンサートなどの開催に動き出しましたが、2022年1月以降オミクロン株の感染拡大によるまん延防止等重点措置の適用により、予定されていたGo To Eat食事券の販売停止や人気ライブイベントの販売席数縮小など、事業環境に影響を受けました。しかし、コンサートやスポーツイベントなどの案件獲得に注力した結果、取扱高は上期に引き続き回復傾向となりました。また、EC事業はライブコマースの本格展開で更なる売上拡大に取り組んでおります。物販事業では、音楽・映像ソフトの専門店「HMV」を中心に、書籍・CD・DVDなどを販売する複合店「HMV&BOOKS」やレコード専門店「HMV record shop」を含め、2022年2月末日現在の店舗数は 55店舗となりました。これら店舗で開催するストアイベントや、コンサート会場でのグッズ販売などに取り組み、収益拡大に取り組んでおります。
シネコン事業を行うユナイテッド・シネマ株式会社につきましては、上期は緊急事態宣言発令及びまん延防止等重点措置適用の対象地域で、客席数を間引きしての営業や時短営業を実施するなどの影響がありましたが、下期は2021年10月以降一部の劇場を除き通常営業を再開し、2022年1月のまん延防止等重点措置の適用後も、一部の地域で売店の時短営業をするなど影響を受けたものの、ほぼ全館で通常営業を行いました。また、コンテンツを活用した施策を展開するなど、引き続き動員客数増加への取り組みを行っております。2022年2月末日現在、全国42劇場、387スクリーンを展開しております。
これらの結果、エンタテインメント関連事業の営業総収入は 629億96百万円(前期比8.8%増)、セグメント利益は22億75百万円(前期はセグメント損失2億97百万円)となりました。
(金融関連事業)
金融関連事業につきましては、基盤となる共同ATM事業では、提携金融機関の拡大やローソン銀行ATMのサービス拡充を進めてまいりました。2022年2月末日現在、全国のATM設置台数は13,547台(前期末比89台増)、1日1台当たりのATM平均利用件数は48.4件となりました。提携金融機関数は2021年4月に信用金庫のATMサービスを開始したことから、全国で378金融機関(前期末比249社増)となりました。また2022年2月末日現在、「スマホATM(QR入出金) *2 」の提携先は5社、「即時口座決済サービス *3 」の提携先は12社(金融機関9行、その他サービス3社)となりました。現金を引き出す従来の需要に加え、キャッシュレス決済サービス「au PAY」、「WebMoneyプリペイドカード」、「PayPay」のアプリにATMから現金でチャージできる「ATMチャージ」の利用件数の増加がATM利用件数の増加に寄与しております。
ローソン銀行が発行するクレジットカード「ローソンPontaプラス」につきましては、各種キャンペーンの実施やローソン店頭での獲得を強化することにより、会員数の拡大に継続して取り組んでまいります。
*2 スマートフォンのアプリを用いてローソン銀行ATMでカードを使わずに入出金、カードローンのお借入れ、ご返済ができるサービス。
*3 ATMネットワークを活用して金融機関口座からスマートフォンなどの決済アプリにチャージできるサービス。
これらの結果、金融関連事業の営業総収入は336億3百万円(前期比6.4%増)、セグメント利益は29億62百万円(同69.0%増)となりました。
(海外事業)
海外事業につきましては、中国、タイ、インドネシア、フィリピン、米国ハワイ州におきまして、各地域の運営会社が「ローソン」店舗を展開しております。
事業拡大を続ける中国におきましては2021年9月に4,000店舗を突破し、2022年2月末日現在の店舗数は合計 4,560店舗と前期末比で1,216店舗の純増となりました。当社子会社による出店に加え、各都市における地場小売企業とのメガフランチャイズ契約による出店や、パートナー企業が本部機能を持ち指定エリアにおける運営開発全般を担うエリアライセンス契約による出店などを進め、出店エリアと店舗数の拡大を加速させております。なお、2021年12月には四川哦哦超市連鎖管理有限公司の株式の100%持分を重慶羅森便利店有限公司が譲り受け、2022年1月には天虹微ウォ便利店(深圳)有限公司の株式の100%持分を羅森(広東)便利有限公司が譲り受けることに合意いたしました。中国国内における規模拡大と認知度向上に伴い加盟希望が増え、フランチャイズ店(FC店)での新規出店や既存直営店のFC店への転換も進んでおります。当社の強みである米飯、デザートなど高品質なオリジナル商品を提供し、中国におけるローソンブランドの価値を高めるとともに、収益拡大に取り組んでまいります。
その他の地域におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響を受け一部店舗で時短営業などを実施しておりますが、お客さまの暮らしを支える最も身近な店舗として、感染症の予防を徹底して営業を継続しております。
[海外地域別ローソンブランド店舗分布状況]
これらの結果、海外事業の営業総収入は800億39百万円(前期比30.5%増)、セグメント利益は23億42百万円(同189.4%増)となりました。
販売の実績は、次のとおりであります。
当社グループは、国内コンビニエンスストア事業を主な事業内容とし、成城石井事業、エンタテインメント関連事業、金融関連事業及び海外事業等を営んでおります。
下記販売の実績は、国内コンビニエンスストア事業に係るものであります。
a 商品別売上状況(直営店)
(注) 上記金額には消費税等は含まれておりません。
b 商品別売上状況(加盟店)
(注) 上記金額には消費税等は含まれておりません。
c 国内コンビニエンスストア事業 グループ全店売上高
(注) 1.上記金額には消費税等は含まれておりません。
2.グループ会社は、株式会社ローソン高知、株式会社ローソン南九州及び株式会社ローソン沖縄の運営する店舗の売上高を合計しております。
3.チケット等取扱高は、当社グループの運営する国内のコンビニエンスストア事業全て(当社及びグループ会社を含む)の取扱高を合計しております。
当連結会計年度末の資産の状況につきまして、流動資産は、前連結会計年度末と比べ231億84百万円減少し、6,676億27百万円となりました。これは主に、未収入金が146億19百万円減少、現金及び預金が141億21百万円減少、流動資産その他が48億15百万円増加したことによるものです。固定資産は、前連結会計年度末と比べ50億円減少し、6,696億18百万円となりました。これは主に、無形固定資産が86億60百万円減少、投資その他の資産が25億31百万円増加、有形固定資産が11億28百万円増加したことによるものです。この結果、総資産は前連結会計年度末と比べ281億84百万円減少し、1兆3,372億45百万円となりました。
当連結会計年度末の負債の状況につきまして、流動負債は、前連結会計年度末と比べ630億63百万円減少し、7,046億91百万円となりました。これは主に、預り金が943億円減少、1年内返済予定の長期借入金が800億円減少、コールマネーが680億円増加、銀行業における預金が392億51百万円増加したことによるものです。固定負債は、前連結会計年度末と比べ293億36百万円増加し、3,540億80百万円となりました。これは主に、長期借入金が300億円増加したことによるものです。この結果、負債合計は前連結会計年度末と比べ337億26百万円減少し、1兆587億71百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産の状況につきまして、純資産は、前連結会計年度末と比べ55億41百万円増加し、2,784億73百万円となりました。これは主に、利益剰余金が28億円増加、為替換算調整勘定が25億89百万円増加したことによるものです。この結果、自己資本比率は20.4%(前連結会計年度末は19.6%)となりました。
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比べ126億92百万円減少し、3,884億44百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、主に未収入金の増減額、預り金の増減額、銀行業におけるコールマネーの純増減の増減影響などにより、前連結会計年度と比べ813億9百万円減少し、1,466億44百万円となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出の増加、関係会社株式の取得による支出の増加などにより、前連結会計年度と比べ217億98百万円支出が増加し、△517億81百万円となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の借入による収入の増加などにより、前連結会計年度と比べ311億25百万円支出が減少し、△1,095億16百万円となりました。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性は、新規出店、既存店舗の改装及び新規ビジネスの他、配当金の支払等に資金を充当しております。
運転資金と投資資金については営業キャッシュフローでの充当を基本とし、必要に応じて資金調達を実施しております。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。連結財務諸表の作成においては、過去の実績やその時点で合理的と考えられる情報に基づき、会計上の見積りを行っておりますが、見積りには不確実性が伴い実際の結果は異なる場合があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載の通りであります。
また、新型コロナウイルスの感染症の影響に関する会計上の見積りにつきましても、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
(SDGsへの取り組み)
当社はグループ理念「私たちは“みんなと暮らすマチ”を幸せにします。」に基づき、当社の事業活動を通じて持続可能な社会の実現を目指すため、2019年3月1日付でSDGs委員会を設置いたしました。同委員会を核に、すべての事業活動におきまして社会課題の解決につながる取り組みを進めております。さらに、2021年3月1日に、CSO(チーフ・サステナビリティ・オフィサー:最高サステナビリティ責任者)に代表取締役社長が就任し、取り組みを一層強化しております。
具体的には、当社のバリューチェーンを含めた事業活動におきまして環境・社会・経済に対する影響が大きい課題から優先すべき社会課題を「6つの重点課題」として整理しております。
<6つの重点課題>
1.安全・安心と社会・環境に配慮した圧倒的な高付加価値商品・サービスの提供
2.商品や店舗を通じてすべての人の健康増進を支援
3.働きやすく、働きがいのある環境の提供
4.子どもの成長と女性・高齢者の活躍への支援
5.社会インフラの提供による地域社会との共生
6.脱炭素社会への持続可能な環境保全活動
特に、6番目の持続可能な環境保全活動につきましては、社会・環境面に関わる目標(KPI)として、①CO2排出量削減、②食品ロス削減、③プラスチック削減(容器包装、レジ袋)の3つに関して2019年8月に「2030目標(KPI)」を設定し、重点的に取り組みを進めております。さらに、同年に2050年のあるべき姿に向けて環境ビジョン「Lawson Blue Challenge 2050!~“青い地球”を維持するために!~」として、脱炭素社会の形成及びSDGsが目指す姿にさらに貢献すべく高い目標にチャレンジしております。
CO2排出量削減に向けては、三菱商事株式会社と協業し、2022年度から関東甲信地区及び岐阜県・静岡県・愛知県・三重県の約3,600店舗で、太陽光由来の再生可能エネルギーを導入します。これにより、年間CO2約19,000トンの削減につなげてまいります。併せて2020年4月に「TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)」に賛同し、激甚化する気候変動問題に対応するため、気候に関連するリスクと機会を分析し、2020年12月から公式ウェブサイトで開示しております。今後さらに事業戦略への影響を把握して対策を検討するとともに、積極的な情報開示に努めてまいります。
食品ロス削減については、店舗においてAIを活用した発注数の適正化や値引き販売による売り切り、催事商品の予約販売などで売れ残り食品の発生を抑制するよう努めております。また、商品開発段階において従来と比較して販売許容期限の長い弁当・惣菜の開発や冷凍食品の拡充などを進めるほか、店内調理の「まちかど厨房」の展開店舗数の拡大により無駄な廃棄の抑制を進めてまいります。
プラスチック削減につきましては、店内淹れたてコーヒーサービス「MACHI café」のアイスコーヒーやカフェラテのカップをプラスチック製から紙製に切り替えるほか、弁当・調理麺などの容器への紙容器の採用や、薄肉化、環境配慮素材の使用など、取り組みを進めております。また、「ナチュラルローソン」及び「ローソン」の約10店舗において洗剤やドライフルーツ、ナッツの量り売りも実施しており、今後はさらに拡大を図ってまいります。2021年7月からは、キリンホールディングス株式会社とキリンビバレッジ株式会社と協働し、ペットボトル再利用の循環促進を目的として、両社のインフラを活用した使用済みペットボトル容器回収の実証実験を横浜市内の1店舗で開始いたしました。さらに2022年4月からのプラスチック資源循環促進法の施行に合わせ、2022年4月1日より順次、持ち手部分に穴を開け長さも短くしたプラスチック製スプーンとフォークを導入いたします。これにより、年間で約67トンのプラスチック量削減を図る見込みです。
このほか、SDGs関連の当期取り組みとして以下を実施いたしました。
子どもの教育支援につきまして、ひとり親家庭で就学が困難な生徒さんの夢を応援する「ひとり親家庭支援奨学金制度」を継続し、2021年度の奨学生400名を決定し返還不要の奨学金を給付いたしました。加えて、2021年度下期は大学病院内にある「院内学級」の子どもたちへの特別授業を3道府県で実施いたしました。
また、2019年8月から、店舗への納品期限の切れたオリジナルのお菓子や加工食品などを定期的に一般社団法人全国フードバンク推進協議会や一般社団法人こども宅食応援団などに寄贈しております。商品は全国各地の団体へ送られ、各団体から食品の支援を必要とするご家庭や、子ども食堂、児童養護施設、障がい者福祉施設などに提供されております。2021年度はオリジナル商品及びナショナルブランドの当社留め型商品なども併せ、約2,400,000個(約320トン)を寄贈いたしました。
さらに、新型コロナウイルス感染症に対応し、店舗での感染予防対策に努めるとともに、厳しい状況の中で日々を送る方々に少しでも役立つよう、さまざまな取り組みを行いました。コロナ禍で尽力されている医療従事者及びケアマネジャーの皆さんを応援するため、2021年5月及び同年6月には医療従事者専用サイトの会員の方々に、同年8月にはケアマネジャー専用サイトの会員の方々に、「MACHI café」のコーヒーのSサイズ(1杯)を無料で提供する取り組みを行いました。同年12月には、コロナ禍でサポートを必要とされている学生さんなどにクリスマスケーキを約900個寄贈するとともに、医療従事者の方や支援を必要とする子どもたちに、おせちを846名分(282セット)寄贈いたしました。加えて、同年12月31日から2022年1月1日の2日間、新型コロナウイルス感染症拡大による需要回復の遅れや、年末年始で学校給食用の消費が減少する牛乳の消費拡大を応援するため、「ホットミルク」を半額の65円(税込)で販売し、大変ご好評をいただきました。当社はこれからも新型コロナウイルス感染症で影響を受けられている方々の少しでもお役に立つよう努めてまいります。
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