文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社は、すべての企業活動の根底にあるものとしてグループ理念を策定しております。
<グループ理念>
私たちは“みんなと暮らすマチ”を幸せにします。
また、このグループ理念のもとに、ローソンが目指すべきゴールイメージを明確化し、すべての活動をこのゴールイメージに向かうものとするべく、ビジョンを掲げております。
<ビジョン>
目指すは、マチの“ほっと”ステーション。
併せて、このビジョンを実現するために全員が一丸となって邁進していくことが可能となるよう、個人に求められる行動を明確化するべく、ローソンWAYを定めております。
<ローソンWAY>
1.マチ一番の笑顔あふれるお店をつくろう。
2.アイデアを声に出して、行動しよう。
3.チャレンジを、楽しもう。
4.仲間を想い、ひとつになろう。
5.誠実でいよう。
(2)目標とする経営指標
当社グループは、株主資本の最適活用を図るとともに、株主との一層の価値共有を図り会社業績に連動させるため、ROE(連結自己資本当期純利益率)及びEPS(1株当たり連結当期純利益)の向上を目標として、事業の成長に取り組んでおります。なお、「2025年チャレンジ指標」として、ROE15%以上、EPS500円以上を掲げております。
また、脱炭素社会を2050年に実現し、青く豊かな地球環境を未来につなげるために、環境ビジョン「Lawson Blue Challenge 2050!」を策定しており、CO
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排出量の削減、食品ロスの削減、容器包装のプラスチックやレジ袋の削減などの環境課題について目標(KPI)を設定し、各目標に対応した取り組みを進めております。
(3)中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、世界的に拡大した新型コロナウイルス感染症の影響により、消費者の生活や価値観の変化が進む状況を踏まえ、「ローソングループ大変革実行委員会」を発足させており、同委員会のもと、新しいニーズの先取り、新しい価値の創造にチャレンジしております。また、コア事業である国内CVS事業への集中投資による「企業価値の向上」、「成長投資と株主還元のバランシング」、「グループ会社個社の成長とローソングループ全体の成長」を通じて2025年チャレンジ指標の達成を目指しております。
各セグメントの戦略は次のとおりであります。
①国内コンビニエンスストア事業
新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、リモートワークの広がりや外出機会の減少などが起こり、スーパーマーケットやEコマースの需要が増加した一方、人々の外出を前提とした品揃えや立地のコンビニエンスストアの需要が減少いたしました。
当社は、今まで以上にこの消費マーケットの変化に対応し、商品の刷新や買い物しやすい売場づくりを続けております。また、グループ内のデータ活用を含めたデジタル技術の活用と、共に働く仲間の働きがい、挑戦心を基盤に、「3つの約束」を追求し、これからの新しい便利を提供できる「新・マチの“ほっと”ステーション」を実現するべく、大変革に取り組んでおります。なお、これらの取り組みを「地域密着×個客・個店主義」により推進すべく、2022年度から、一部、エリアカンパニー制を導入しております。
②成城石井事業
新型コロナウイルス感染症拡大の影響による消費マーケットの変化の中、食にこだわるスーパーマーケットの成城石井は、その事業内容が変化後のニーズにマッチしており、製造拠点、出店力の強化及び更なるエリア拡大を進めております。
③エンタテインメント関連事業
新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、チケットを取扱う対象の興行が中止や延期となり、シネコン事業においても観客受入の制限といった影響がありました。これらの状況から、EC事業の品揃え強化に加え、オンラインライブチケットの取扱いの拡大や新たなコンテンツに挑戦し、唯一無二のエンタテインメント総合企業を目指しております。
④金融関連事業
提携金融機関の拡大やローソン銀行ATMのサービス拡充により、共同ATM事業ではATMの設置台数、1日1台当たりのATM利用件数とも増加しております。引き続き、ATMネットワークを活用したキャッシュレス決済アプリへのチャージ等のサービス展開で、ATM利用件数増加を目指します。また、ローソン銀行が発行するクレジットカードについては、各種キャンペーンの実施や店頭での獲得強化により、会員数拡大を進めております。
⑤海外事業
新型コロナウイルス感染症拡大の影響は、国、地域により差がありますが、新たな店舗フォーマットやサプライチェーン構築へチャレンジするなど、市場環境に応じて、国内コンビニエンスストア事業のスタイルにとらわれずにチャレンジしながら、店舗数を拡大しております。
このような中で当社グループが対処すべきと考える主な課題は以下の項目のとおりであり、これらの課題に取り組むことが経営戦略の根幹であると考えております。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 社会課題等への対応
当社は、ESG基軸経営を推進しており、SDGs委員会において、当社グループで取り組むべき項目・課題を明確化し、課題解決に向けて全社で取り組んでおります。特に、脱炭素活動や食品ロス及びプラスチック削減等を推進し、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
② 加盟店の安定した店舗経営継続
当社は、加盟店の安定した店舗経営継続を重要課題と考えております。加盟店利益を基軸とし、店舗経費の高騰や人手不足に対し、本部がしっかりと加盟店を支援し支える体制を整備してまいります。また、デジタル技術を最大限活用し、店舗オペレーションの簡素化、効率化を進め、働きやすさの追求と省人化にも取り組み、さまざまな年齢、国籍の方に店舗で働いていただける環境を整え、店舗クルー不足という加盟店の課題にも対応してまいります。さらに、加盟店の複数店経営促進による経営の安定化に向けた施策、新規加盟者が安心して経営をスタートできる施策など、短期・中長期の取り組みを行い、少子高齢化等の理由によるFC加盟店オーナー不足にも対応し、加盟店との間に強いパートナーシップを築いてまいります。
③ 商品力、品揃えも強化した店舗の理想形の追求
当社は、「圧倒的な美味しさ」「人への優しさ」「地球(マチ)への優しさ」という3つの約束を掲げており、これらの徹底により、商品力の更なる強化やお客さまの生活スタイル・ニーズにお応えするお店づくりに取り組んでおります。これらの考え方に基づいた理想形の店舗への改装等を進めることにより、お客さまにレコメンド(推奨)されるお店を目指してまいります。さらに、エリアごとに違うお客さまのニーズをより深く理解し、そのニーズに対応するため、エリアで営業、商品、店舗開発等の戦略を立案し、実行する体制へとシフトしてまいります。
④ 将来の成長分野へのチャレンジ
グループの中心である国内コンビニエンスストア事業のほか、成城石井、エンタテインメント関連、金融関連、海外などの各事業において、将来の成長分野のビジネスモデルの確立などを中心としたチャレンジを続けるとともに、グループ各社の特徴を最大限に生かし、相乗効果の創出に努めてまいります。
その際、先進的なデジタル技術を活用するとともに、グループの有するリアルな店舗や顧客基盤等の経営資源も活用してまいります。
⑤ 内部統制の充実と事業リスクへの対応
継続的に事業を展開していくためには、グループ全体の内部統制の充実と事業リスクへの対応が必要不可欠と考えております。また、当社グループを取り巻くあらゆるステークホルダーの期待に応えられるよう、プライム市場上場会社としてコーポレート・ガバナンスへの積極的な取り組みを通じて、企業価値の向上につなげてまいります。引き続き、内部統制の充実と事業リスクへの対応に注力してまいります。
なお、当社は上場親会社(三菱商事株式会社)を有する上場子会社でありますが、取締役には一般株主と利益相反が生じない独立役員を3分の1以上選任することとしております。また、独立役員が大部分を占め、非業務執行取締役及び非常勤社外監査役のみで構成する「指名・報酬諮問委員会」を任意で設置しており、取締役の報酬や代表取締役及び取締役候補者について同委員会に諮問し、同委員会より取締役会に提言することで、経営の透明性を確保し、より公正な判断ができるような体制を築いております。
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