課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

Ⅰ.企業理念

「幸せづくりのパートナー ~人に社会に環境に、もっと豊かな輝きを~」

 

Ⅱ.企業文化

「“Challenge & Change”
  環境の変化をいち早く捉え、新たな領域を切り拓いて、自ら進化させていく。」

 

Ⅲ.事業コンセプト

「航空分野で培われた『安心』『安全』を礎として、高品質で独自性のある事業・商品・サービスを創造する。」

 

Ⅳ.経営姿勢

お客様に常に良質な商品・サービスを提供していくことにより会社を発展させ、その発展に伴い育成された長期安定的な成長力により企業基盤を強化し、お客様・株主・社員・社会への利益還元を図ります。

1.お客様中心:

お客様の満足の為に努力し、信頼される「幸せづくりのパートナー」を目指します。

2.株主重視:

株主の皆様との長期的な関係を構築し、安定的な利益還元を図ります。

3.社員の幸せを大切に:

社員と家族の幸せを大切にし、働きがいと誇りの持てる環境をつくります。

4.企業の社会的責任:

コンプライアンス順守を基本に環境保護、社会貢献へ積極的に取り組み、CSRを重視した事業活動に努めます。

 

(2) 目標とする経営指標

いわゆる「コロナ危機」の長期化により、持続的成長を実現する蓋然性の高い成長戦略を策定するため、中期経営計画のスタートを1年ずらし、2022年度を初年度とすることとしました。そのため、翌連結会計年度につきましては従来経営指標として掲げていた「ROE」「ROA」の目標は設定せず、経常利益・親会社株主に帰属する当期純利益のみとしております。

なお、次の中期経営計画においては資本コスト経営を目指して改めて経営指標の設定を検討してまいりますが、すでに管理会計制度においてはWACCをベースとした社内金利制度や個別投資案件ごとのハードルレートの設定などを行っております。

* 2021年度の目標値(連結経常利益2億円、親会社株主に帰属する当期純利益1億円)

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、当連結会計年度が前中期経営計画の最終年度であったため、本来であれば翌連結会計年度を初年度とする新たな中期経営計画を策定し開示すべきと認識しております。しかしながら、いわゆる「コロナ危機」の長期化により、持続的成長を実現する蓋然性の高い成長戦略を策定するため、中期経営計画のスタートを1年ずらし、2022年度を初年度とすることとしました。よって、翌連結会計年度につきましては単年度の計画のみを公表し、まずは事業継続性の確保に努めるとともに、次の中期経営計画策定に向け収益構造改革に注力致します。

なお、次期中期経営計画においては、「(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」においても記載しているイノベーション推進とサステナビリティ推進を成長ドライブの両輪と位置付けて、当社グループの更なる成長に向けて取り組んでまいります。

 

(4) 経営環境

当連結会計年度におきましては、世界中で拡大した新型コロナウイルス感染症が経済や人々の日常生活に甚大な影響を及ぼしました。そして現在も新たに新型コロナウイルス変異株の脅威が生じるなど、未だ事態の終息が見通せない状況が続いています。日本国内においても、3度の緊急事態宣言発出などにより、人々の移動や接触は著しく制限されました。このような環境は、航空・空港ビジネス領域を中心に事業を展開する当社グループにとって大変厳しいものと認識しており、引き続きこうした厳しい環境が続くものと考えております。

一方で、リモートワークの普及が加速し、日常生活においても人々の外出が控えられたことから、消費者の在宅での購買意欲の高まりが見られました。当社グループにとっても関連する事業においては追い風となる環境と認識しております。

このような環境認識の下、当社グループとしてポストコロナの更なる成長に向けた施策を実施してまいります。施策の詳細につきましては、「(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」をご参照下さい。

 

(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社グループは「幸せづくりのパートナー」という企業理念の下、航空・空港ビジネス領域を中心に事業を展開しておりますが、いわゆる「コロナ危機」の長期化により、2020年度決算は多大な損失を計上することになりました。2021年度においても、その動向は未だ予断を許さず、経営計画に大きな負のインパクトとなり得る脅威と捉えております。そのため、以下の課題に取り組んでまいります。

 

① 収益構造改革の加速
 当社グループの航空・空港ビジネス領域は人の移動や接触を大きく制限する新型コロナウイルス感染症拡大が長期化する中、多大な影響を受けておりますが、コロナワクチンの量的確保と接種のスピードアップが進み、徐々にではありますがコロナ前の日常が戻ってくるものと認識しております。当社グループは、ポストコロナに向け、イノベーション推進によるさまざまな変革に取り組むと同時に、「コロナ危機」リスクに対する耐性の高い事業領域である“非航空・空港ビジネス”の更なる推進・強化に取り組むことにより、航空・空港ビジネス領域への集中リスクを低減させる事業ポートフォリオを構築することで、当社の収益構造改革を加速させます。具体的な取り組みは、以下のとおりです。

 

・リテール事業におけるデジタルテクノロジーの導入(航空・空港ビジネス領域)

 当社グループが大きな強みを持つ航空・空港ビジネス領域においては、インバウンドの急激な増大、そして、航空機・空港需要の拡大というトレンドを大いに享受して、国内空港物販店、国内・海外免税店、航空機部品、エンジンリース、海外空港運営事業などのビジネスを展開してまいりました。これらの領域は「コロナ危機」の影響を大きく受けておりますが、ポストコロナを視野に入れ、既存の優良ビジネスの復活・再生を行うと同時に、技術イノベーションの積極的な導入とビジネスモデル変革によって、収益性向上と市場シェア拡大の両方を目指します。具体的には、当社グループで展開している空港物販店、国内・海外免税店等のリアル店舗と通販事業「JALショッピング」などのECサイトにおいて、積極的にデジタルテクノロジーを導入し、航空旅客を中心とした当社顧客へ提供する付加価値の最大化を図ります。

 

・非航空・空港ビジネス領域の更なる推進・強化-地方創生プロジェクト

 「コロナ危機」においても、水産物、農産物、ワインなどの輸入販売、輸出販売、国内販売や大手百貨店との良好な関係を基盤とするビジネスなど多岐に亘る食品事業は、不動産投資事業や保険サービス事業と共に比較的堅調に推移しました。当社グループは将来のウイルス感染パンデミックリスクに対する抵抗力を高めるために、当社グループが長年に渡り築き上げてきた経営資源が豊富に存在する食品事業に注力する方針を決定しました。特に、地方創生プロジェクトとして、「食」を通じた持続的な地域経済の発展とサステナビリティに直結するビジネスを地方自治体や有力小売事業者とのパートナーシップ戦略により多角的に取り組んでおります。昨年11月にはふるさと納税サービス(JALふるさと納税)も開始いたしました。引き続き、当社が信頼関係を築いてきた日本全国の「生産者の顔が見える」食材を大都市圏に供給するとともに、これらの食材を活用した当社独自の食品開発を進めてまいります。

 

② イノベーション推進
 当社グループのビジネスを取り巻く環境変化のスピードがますます加速する中、その変化にタイムリーに対応することでスピード感を持って進化していくという強い意志の下、経営の意思を反映させるステアリングコミッティとしてイノベーション推進委員会を設置いたしました。また、従来の縦割り組織に捉われない全社横断的なイノベーション推進チームも組成し、さまざまなアイデアを駆使して、オペレーション上の工夫といった身近なものから、既存ビジネスの派生・融合領域への展開に向けた新たなバリューチェーン構築や事業投資、フードテックやヘルスケアといったビジネス領域での事業開発やベンチャー投資等へ引き続き挑戦してまいります。(当連結会計年度はフード関連のベンチャー投資ファンドに出資)

 

③ サステナビリティ推進

 当社グループは、地球規模の気候変動問題への取組など持続可能な社会の実現が、企業活動の大前提であることを認識し、サステナビリティ推進を経営戦略や事業戦略に組み込むよう取り組んでまいります。当連結会計年度は役社員、社外専門家などを中心にアンケート、ディスカッションを行い、5つのマテリアリティを特定しました(詳細は後述ご参照)。翌連結会計年度は特定した5つのマテリアリティ達成に向けた具体的な活動計画を策定するとともに、長期的な目線でサステナビリティの考え方が企業文化レベルにおいても深く浸透されて行くよう取り組んでまいります。

 

④ 事業継続性の確保
 当社グループは、不透明な事業環境が続く中、健全な財務体制を維持すべく、金融機関からの借入やコマーシャル・ペーパーの発行など、複数の資金調達手段を確保しております。また、大規模な自然災害や事故災害をはじめとする事業活動に多大な影響を及ぼす懸念のある事象に対応するため、既存体制のシステム整備を継続し、定期的にその有効性を評価することで、事業継続性をより確実なものとする仕組みを引き続き強化してまいります。また、当社が事業継続する上で最も重要な人的リソースの確保に向けて、持続的成長に資する人材育成を行っていくとともに、より社員が働きやすい環境を作るために、テレワーク、フリーアドレス、時短勤務などの働き方改革を継続して推進してまいります。

 

ご参考

 

JALUXグループのマテリアリティ(サステナビリティ重要課題)

 

 当社グループがサステナビリティ経営を推進するにあたり、多岐にわたる社会課題の中から当社グループとして優先的に取り組むべきテーマ「マテリアリティ」を、2021年3月31日開催の取締役会にて以下のとおり特定しました。今後、それぞれの課題において具体的な活動やKPI(Key Performance Indicator)を定め、PDCAサイクルを実行しながら取組みを進めてまいります。

マテリアリティ

 

気候変動への対応と

循環型社会の実現

 

 

 


 


 

 

 


 


 

 

 


 

 

 

 

 

 

地球規模の共通課題に対応し、航空・空港をはじめJALUXグループが携わるすべての事業領域において、ステークホルダーと協力しながらサプライチェーン全体を通じた2050年カーボンニュートラル・脱炭素社会と循環型社会の実現を目指していきます。

 

地域社会に貢献し、

豊かな未来を実現

 

 

 


 


 

 

 


 


 

 

 


 


 

 

 

 

JALUXグループが長年培ってきた全国ネットワークを活かし、各地の産品をより多くの消費者に届けることや、国内のさまざまな地域において持続可能な生産体制づくりの支援などを行うことで、地域社会と共に成長していきます。

 

「食」を通じた

社会課題の解決

 

 

 


 


 

 

 


 


 

 

 


 


 

 

 


 

 

 

 

 

 

原料調達から製造・流通・販売というサプライチェーン全体で事業を展開するJALUXグループの強みを活かし、各工程において、食の安全、フードロス、エシカル消費、持続可能な食料供給など、食に関わる社会課題の解決に取り組んでいきます。

 

人権の尊重、人材育成とダイバーシティ&インクルージョンの推進

 

 

 


 


 

 

 


 


 

 

 


 


 

 

 

 

すべての企業活動において人権を尊重します。また、多様な人材が個々の能力を最大限に発揮して新たな価値を生み出せるように、人材の育成に取り組んでいきます。

 

すべてのステークホルダーの信頼に応える基盤の構築

 

 

 


 


 

 

 

 

経営の透明性を追求し、コンプライアンスの徹底に基づく誠実な姿勢で、安全かつ高品質な商品・サービスの提供に最善を尽くしていきます。

 

 

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