業績

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要ならびに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。

 

(1)経営成績

当連結会計年度の事業環境は、長引く新型コロナウイルス感染症の影響に加え、世界的なサプライチェーンの混乱や原材料価格の急騰など、厳しい状況が続きました。

このような状況のなか、当社グループは、当期より第七次中期計画をスタートしております。当中期計画では、「お客様に対して」「社員とその家族に対して」「社会に対して」という「3つの責任」全てにおいてクオリティ企業への変革を加速するとともに、「スパイス系」「機能性素材系」「大豆系」「付加価値野菜系」の4系列バリューチェーンを私どもの提供価値である「食で健康」をお届けする領域と定め、経営資源を成長領域へ重点的に配分することで持続的な成長をめざしております。

その初年度である当連結会計年度の売上高は、前期に生じた巣ごもり特需の反動やコロナ影響の長期化などから香辛・調味加工食品事業や健康食品事業が低調に推移したものの、海外食品事業やその他食品関連事業が伸長したことで増収となりました。営業利益は、外食事業におけるのれん償却費の減少が寄与したものの、香辛・調味加工食品事業の減益影響が大きく、前期を下回る結果となりました。経常利益ならびに親会社株主に帰属する当期純利益は、前期に計上した持分法による投資損失や減損損失が減少したほか、投資有価証券売却益を計上したことなどにより増益となりました。

 

これらの結果、当社グループの経営成績は以下のとおりとなりました。

 

2022年3月期

金額(百万円)

前期比(%)

売上高

253,386

101.3

営業利益

19,227

99.0

経常利益

21,125

106.5

親会社株主に帰属する当期純利益

13,956

159.5

 

当社が重視する経営指標は次のとおりとなりました。

 

2021年3月期

2022年3月期

ATO(総資産回転率)

0.68回

0.67回

ROS(売上高営業利益率)

7.8%

7.6%

ROA(総資産営業利益率)

5.3%

5.1%

ROE(自己資本当期純利益率)

3.5%

5.3%

 

当連結会計年度の期首より「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)及び「収益認識に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第30号 2021年3月26日)を適用しております。なお、当該会計基準等の適用については、「収益認識に関する会計基準」第84項に定める原則的な取扱いに従って、新たな会計方針を過去の期間のすべてに遡及適用しているため、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。詳細は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」をご参照ください。

 

 セグメント別の経営成績の概況(セグメント間取引消去前)は、次のとおりであります。

事業の種類別

セグメント

売上高

営業利益

(セグメント利益又は損失(△))

金額

(百万円)

前期比

(%)

金額

(百万円)

前期比

(%)

香辛・調味加工食品事業

117,422

97.5

12,628

80.9

健康食品事業

14,432

94.4

△138

海外食品事業

39,110

114.8

5,250

114.5

外食事業

45,422

101.6

1,502

その他食品関連事業

45,571

103.8

1,480

83.6

小計

261,957

101.4

20,721

99.1

調整(消去)

△8,571

△1,494

合計

253,386

101.3

19,227

99.0

(注)1.調整(消去)の内容は、セグメントに配分していない損益およびセグメント間取引に係る相殺消去であります。

 

<香辛・調味加工食品事業>

当事業セグメントは、既存事業の収益力強化とともに新価値創出に基づく成長実現に取り組んでおります。当連結会計年度は、前期生じた巣ごもり特需の反動影響を受けるなか、家庭用事業においてレトルト製品のレンジパウチ化を推進したほか、業務用事業において大容量レトルト製品の製造ラインを新たに稼働するなど、変容するお客様ニーズに即した付加価値の向上に取り組みました。

以上の結果、香辛・調味加工食品事業の売上高は1,174億22百万円、前期比2.5%の減収、営業利益は減収影響に加え、減価償却費の増加や下期以降の原材料価格の急騰もあり、126億28百万円、前期比19.1%の減益となりました。結果、売上高営業利益率は10.8%となり、前期より2.2pt減少いたしました。

 

<健康食品事業>

当事業セグメントは、国内の厳しい事業環境が継続するなか、第七次中期計画において構造改革の推進とともに機能性素材系バリューチェーンの早期構築に取り組んでおります。当連結会計年度は、低収益事業からの戦略的撤退や国内家庭用製品の営業機能の統合による顧客接点の拡大など、構造改革に取り組みました。売上高は、低収益事業からの撤退や外飲み機会が長期間抑制されたことによる主力製品の伸び悩みもあり減収となりました。利益面ではコロナ禍の影響が長引き引き続き厳しい状況にありますが、販売チャネルの多角化など構造改革の成果が一部に見られ、営業損失は前期から縮小しております。

以上の結果、健康食品事業の売上高は144億32百万円、前期比5.6%の減収、営業利益は1億38百万円の損失、前期からは2億58百万円改善いたしました。結果、売上高営業利益率は△1.0%となり、前期より1.6pt向上しております。

 

<海外食品事業> 連結対象期間:主として2021年1月~12月

米国豆腐事業は、拡大するプラントベースフードの需要を取り込むことができたものの、第3四半期以降サプライチェーンの混乱やインフレの進行により原材料価格や物流費等が急騰したことで、増収減益となりました。

中国カレー事業は、散発的な新型コロナウイルス感染症拡大による行動規制の影響を受けるなか、コロナ前の水準を上回る成長を実現し増収となりました。利益面は、事業活動の制限によりコストが抑制された前期の反動に加え、原材料価格の急騰もあり減益となりました。

タイ機能性飲料事業は、大容量パック製品を投入するなど新たなビタミン摂取シーンの創出に取り組みました。加えて、政府による消費刺激策もあり伝統的市場で配荷が促進されたことや税負担の軽減もあり、増収増益となりました。

以上の結果、海外食品事業の売上高は391億10百万円、前期比14.8%の増収、営業利益は52億50百万円、前期比14.5%の増益となりました。結果、売上高営業利益率は13.4%となり、前期と同水準になりました。

<外食事業> 連結対象期間:㈱壱番屋は2021年3月~2022年2月、海外子会社は2021年1月~12月

当事業セグメントは、コロナ影響の長期化に伴い厳しい事業環境となりましたが増収増益となりました。

㈱壱番屋は、継続的に店舗営業時間の短縮を余儀なくされたことで、国内既存店売上高は前期から1.4%減となりましたが、配達代行の導入店舗を増やすなど、拡大する宅配需要の取り込みに努めました。一方、海外店舗はエリアごとに状況が異なるものの、前期の大幅な落ち込みからは回復傾向にあります。

以上の結果、外食事業の売上高は454億22百万円、前期比1.6%の増収となりました。営業利益は15億2百万円、㈱壱番屋を連結子会社とした際に発生したのれんの償却が前期に完了したこともあり、前期から21億62百万円の増益となりました。結果、売上高営業利益率は3.3%となり、前期より4.8pt向上いたしました。

 

<その他食品関連事業>

㈱デリカシェフは、総菜や焼成パン類が伸長したことで生産性の改善が進み、増収増益となりました。

㈱ヴォークス・トレーディングは、MA米(ミニマム・アクセス米)の落札が増加したことで増収となりましたが、外食需要が長期的に低迷したことにより減益となりました。

以上の結果、その他食品関連事業の売上高は455億71百万円、前期比3.8%の増収、営業利益は14億80百万円、前期比16.4%の減益となりました。結果、売上高営業利益率は3.2%となり、前期より0.8pt減少いたしました。

 

 生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。

① 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前期比(%)

香辛・調味加工食品事業

103,647

△4.5

健康食品事業

14,496

+4.5

海外食品事業

20,748

+17.4

外食事業

11,768

△3.5

その他食品関連事業

21,306

+6.5

合計

171,965

△0.2

(注)1.金額は販売価格により算出しております。

 

 

② 受注状況

主要製品の受注生産は行っておりません。

 

③ 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前期比(%)

香辛・調味加工食品事業

117,422

△2.5

健康食品事業

14,432

△5.6

海外食品事業

39,110

+14.8

外食事業

45,422

+1.6

その他食品関連事業

45,571

+3.8

小計

261,957

+1.4

調整(消去)

△8,571

合計

253,386

+1.3

(注)1.調整(消去)の内容は、セグメントに配分していない損益およびセグメント間取引に係る相殺消去であります。

2.当連結会計年度における主な相手先別の販売実績および総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

加藤産業㈱

32,548

13.0

31,467

12.4

三菱食品㈱

17,914

7.2

17,192

6.8

 

(2)財政状態

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べて126億86百万円増加し3,820億21百万円となりました。

流動資産は、前連結会計年度末に比べて1億84百万円増加し1,571億23百万円、固定資産は、前連結会計年度末に比べて125億2百万円増加し2,248億98百万円となりました。

流動資産の増加の主な要因は、現金及び預金が39億1百万円、有価証券が35億7百万円減少した一方で、受取手形及び売掛金が33億42百万円、商品及び製品が16億58百万円、原材料及び貯蔵品が8億95百万円増加したことなどによるものです。

固定資産の増加の主な要因は、ソフトウエア仮勘定が21億44百万円減少した一方で、投資有価証券が64億61百万円、退職給付に係る資産が43億77百万円、ソフトウエアが28億円増加したことなどによるものです。

当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べて10億2百万円増加し834億54百万円となりました。

流動負債は、前連結会計年度末に比べて3億円減少し516億9百万円、固定負債は、前連結会計年度末に比べて13億3百万円増加し318億45百万円となりました。

流動負債の減少の主な要因は、支払手形及び買掛金が14億83百万円増加した一方で、未払金が14億16百万円、電子記録債務が5億77百万円減少したことなどによるものです。

固定負債の増加の主な要因は、繰延税金負債が12億43百万円増加したことなどによるものです。

当連結会計年度末の純資産は、自己株式の取得により自己株式が増加した一方で、親会社株主に帰属する当期純利益により利益剰余金が増加したことや、為替換算調整勘定が増加したことなどから、前連結会計年度末と比べて116億84百万円増加の2,985億67百万円となりました。

この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の69.8%から70.4%となり、1株当たり純資産が2,559円12銭から2,700円99銭となりました。

なお、当連結会計年度の期首より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用し、当該会計方針を過去の期間のすべてに遡及適用しております。

 

(3)キャッシュ・フロー

 当連結会計年度のキャッシュ・フローにつきましては、営業活動によるキャッシュ・フロー161億40百万円に対し、「有形固定資産の取得」「投資有価証券の取得」などの投資活動によるキャッシュ・フロー△103億98百万円、「短期借入れ」「短期借入金の返済」「配当金の支払」などの財務活動によるキャッシュ・フロー△100億68百万円を減じました結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は757億5百万円となり、期首残高より26億38百万円減少いたしました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における営業活動による資金の増加は161億40百万円(前期比△70億42百万円)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益233億69百万円、法人税等の支払額76億76百万円などによるものであります。

 また、前連結会計年度に比べての減少は、売上債権の増減額の増加(前期比△75億6百万円)、税金等調整前当期純利益の増加(前期比+113億4百万円)、減損損失の減少(前期比△94億39百万円)、のれん償却額の減少(前期比△16億64百万円)などが要因であります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における投資活動による資金の減少は103億98百万円(前期比△18億40百万円)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出118億63百万円、投資有価証券の取得による支出106億37百万円、有価証券の売却による収入95億円などによるものであります。

 また、前連結会計年度に比べての減少は、投資有価証券の取得による支出の増加(前期比△61億78百万円)、有価証券の売却による収入の増加(前期比+25億98百万円)、有価証券の取得による支出の減少(前期比+25億8百万円)などが要因であります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における財務活動による資金の減少は100億68百万円(前期比△38億95百万円)となりました。これは主に短期借入金の返済による支出425億24百万円、自己株式の取得による支出40億1百万円、配当金の支払額46億11百万円、短期借入れによる収入429億65百万円などによるものであります。

 また、前連結会計年度に比べての減少は、短期借入れによる収入の減少(前期比△50億円)、自己株式の取得による支出の増加(前期比△39億95百万円)、短期借入金の返済による支出の減少(前期比+51億40百万円)などが要因であります。

 

(4)資本の財源及び資金の流動性について

(財務戦略の基本的な考え方)

当社グループは、財務体質の健全性の維持と資金効率の向上を両立しつつ、企業価値向上のために資金を適切に配分することを財務戦略の基本方針としております。

財務体質の健全性の維持に関しては、「シングルA(安定的)」以上の信用格付の取得・維持を目指し、信用力および透明性の向上を図ります。

資金効率の向上に関しては、当社および国内子会社においてCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入することにより、国内子会社における余剰資金を当社へ集中し、一元管理を行うことで資金効率の向上を図っております。

企業価値向上に関しては、第七次中期計画の期間中に、4系列バリューチェーンの成長領域へ400億円、既存領域へ200億円、デジタル変革・環境領域へ100億円の、計700億円の事業投資を計画しております。また、当社グループが保有するいわゆる政策保有株式の一部売却を原資とした、120億円の自己株式取得を計画しております。

なお、新型コロナウイルス感染症の拡大が続くなか、世界的なサプライチェーンの混乱や原材料価格・エネルギーコストの高騰に加え、ウクライナ情勢などの地政学的リスクの高まりにより、依然として先行き不透明な状況が続いております。国内では、コロナ禍での内食需要の増加が一巡し、新たな生活様式の定着とともに、お客さまニーズの多様化や食の外部化の進展が見込まれ、また、海外では、環境意識や健康意識の高まりを背景にプラントベースフード需要が拡大する米国、市場ポテンシャルの大きい中国やアセアンなど、引き続き市場の成長が見込まれ、当社グループは財務体質の健全性を維持しております。

食品企業の使命として人命の安全を確保しながらも製品供給を果たすため、今後も財務体質の健全性の維持および向上に努めてまいります。

 

(経営資源の配分に関する考え方)

当社グループは、適正な手元資金の水準について、事業上の資金を回収するまでの運転資金調達期間(売上高の約1.8か月分)の観点と不測の事態に対応できる安全資産の額の観点から検証し、適正な水準を設定しております。適正な水準を超える分については、追加的に配分可能な経営資源と認識し、企業価値向上のために既存領域での生産性向上による収益力強化と国内外の成長事業領域への経営資源の重点配分に取り組んでまいります。

 

(資金需要の主な内容)

当社グループの資金需要は、営業活動に係る資金支出では、製品製造のための材料費、労務費、経費、販売費及び一般管理費等の営業費用などがあります。投資活動に係る資金支出では、香辛・調味加工食品事業における「食の外部化」への対応強化に向けた大容量レトルトライン生産設備新設、国内家庭用製品の営業機能統合に向けたシステム改修、海外食品事業(米国豆腐事業)における健康志向や環境意識の高まりを背景に強い需要の続く豆腐製品製造設備の拡張、外食事業における新規出店や店舗譲受、店舗設備や内装の更新などがあります。

また、持続的な成長の実現のため、既存領域だけでなく、4系列バリューチェーンによる成長実現を目指し、成長領域や新規領域についても、投資を行ってまいります。

 

(資金調達)

当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、営業活動によるキャッシュ・フローを内部的な資金の源泉と考えており、設備投資のための資金については、主として内部資金により充当することとしており、必要に応じて金融機関からの借入金や社債の発行等により充当することとしております。

 

(5)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

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