課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末時点において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは、次の3要素をグループ理念体系と位置づけております。グループ理念体系により、めざす方向性を明確にし、一貫性をもった事業活動による成長を図っております。

『創業理念』

日本中の家庭が幸福であり、そこにはいつも温かい家庭の味ハウスがある。~幸せな家庭のマーク~

『グループ理念』

食を通じて人とつながり、笑顔ある暮らしを共につくるグッドパートナーをめざします。

『ハウスの意(こころ)』

社是(「誠意・創意・熱意を持とう。」)・ハウス十論で構成

 

(2)経営環境

当社の経営環境は、新型コロナウイルス感染症の拡大が続くなか、世界的なサプライチェーンの混乱や原材料価格・エネルギーコストの高騰に加え、ウクライナ情勢などの地政学的リスクの高まりにより、依然として先行き不透明な状況が続いております。国内では、コロナ禍での内食需要の増加が一巡し、新たな生活様式の定着とともに、お客様ニーズの多様化や食の外部化の進展が見込まれます。また、生産年齢人口減少に加え、コロナ禍をきっかけにした働き方への意識の変化など雇用・労働環境が変化してきております。海外では、環境意識や健康意識の高まりを背景にプラントベースフード需要が拡大する米国、市場ポテンシャルの大きい中国やアセアンなど、引き続き市場の成長が見込まれます。同時に、CO2や廃棄物の削減をはじめとした地球環境等の社会問題の解決に向けた取組への要請が強まっております。

このような経営環境のなか、当社グループにおいては、一部製品・サービスにおいて価格改定を実施するとともに、お客様ニーズの変化への対応力を強化し、ダイバーシティの実現に向けた取組を進展させ、社会から求められる企業市民としての責務を果たしていくことをめざしてまいります。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略及び会社の対処すべき課題

当社グループは、当期より第七次中期計画をスタートしており、「お客様に対して」「社員とその家族に対して」「社会に対して」という「3つの責任」全てにおいて、クオリティ企業への変革に向けた取組を推進してまいります。

 

「お客様に対して」では、「スパイス系」「機能性素材系」「大豆系」「付加価値野菜系」の4系列のバリューチェーンを当社グループの提供価値である「食で健康」をお届けする領域と定め、バリューチェーンごとの取組領域やテーマを明確にしております。既存領域では収益基盤の強化および生産性の向上に取り組み、成長領域および新規領域では、経営資源を重点的に配分して持続的な成長の実現に取り組んでまいります。

また、「スパイスVC-GOT」「生産GOT」「BtoB-GOT」の3つのGOT(グループ横断取組)を実行に移しております。「スパイスVC-GOT」では、グループの調達力強化をめざし、川上を起点としたグローバル戦略を推進してまいります。「生産GOT」では、グループとして最適な生産マネジメント体制の構築をめざしてまいります。「BtoB-GOT」では、国内BtoB事業においてハウス食品㈱と㈱ギャバンの強みを融合して、業務用市場でのプレゼンス向上を図ります。

さらに、事業開発、R&D、人材開発が一体となり、新価値創出によるトップライン伸長を図ってまいります。

 

「社員とその家族に対して」では、コロナ禍をきっかけにリモートで働く機会が増加し、働き方への意識が変化するなか、働きやすさと仕事のやりがいを追求し、社員一人ひとりが働きがいを感じられる職場に変革する「働きがい変革」を実行してまいります。また、キャリア形成に重点を置いた施策や女性活躍推進を進め、社員一人ひとりの「個性の発揮と融合」を強力に支援してまいります。「ダイバーシティの実現」により生産性を向上させ、個人とグループの成長をともにめざしてまいります。

 

「社会に対して」では、環境問題の深刻化により社会課題への取組要請が強まっていることから、サプライチェーンを含めたCO2および廃棄物削減への取組領域の拡大や、各バリューチェーンの強みをいかした新たな健康価値創出を図ることで、バリューチェーン全体で社会課題への取組を加速してまいります。

●財務戦略

第七次中期計画の期間中に、4系列バリューチェーンの成長領域へ400億円、既存領域へ200億円、デジタル変革・環境領域へ100億円の、計700億円の事業投資を計画しております。また、当社グループが保有するいわゆる政策保有株式の一部売却を原資とした、120億円の自己株式取得を計画しております。

 

●コーポレート・ガバナンスの強化

当社グループは、内部統制システムを、コーポレート・ガバナンス体制の充実と企業理念・経営目標の実現・達成のための仕組みととらえ、企業価値のさらなる向上と持続的な発展をめざし、グループ経営の視点でリスクマネジメント、コンプライアンスを含めたガバナンス体制の構築と運用の強化を図っております。

会社機関におきましては、監査・監督機能を強化し、コーポレート・ガバナンス体制を一層充実することを目的に、2021年6月25日開催の第75期定時株主総会決議に基づき、監査役会設置会社から監査等委員会設置会社へ移行しております。監査等委員会は、監査等委員である取締役5名(うち、社外取締役4名)で構成され、取締役の職務の執行および取締役会の決議の適法性、妥当性の監査・監督を行っております。

取締役会は取締役12名(うち、社外取締役4名)で構成され、当社グループの重要な業務執行を決定するとともに、他の取締役およびグループ会社の業務執行を監視・監督しております。

取締役会の任意の諮問機関として、委員の過半数を独立した社外取締役で構成し、独立社外取締役を委員長とする指名諮問委員会および報酬諮問委員会を設置し、取締役の選任・解任、報酬決定の手続きにおいて、客観性と透明性を確保しております。

 

●次期の主な取組

第七次中期計画に基づき、既存領域では収益基盤の強化および生産性の向上に取り組み、成長領域および新規領域では、グループ最適の観点から経営資源を重点的に配分することで、バリューチェーンの幹を太くし、持続的な成長を実現してまいります。

国内においては、スパイス系バリューチェーンで、成長領域である国内BtoB事業の成長に向けグループ資源を再構成し、顧客価値を最大化し持続的成長をめざすことを目的に、ハウス食品㈱の業務用事業を㈱ギャバンに承継する吸収分割を実施いたします。また、成長するスパイス市場での収益基盤を強化し、コア事業の収益性改善により、国内収益基盤の更なる強化をめざすことを目的に、㈱ギャバン関東工場の生産能力増強に加え、ハウス食品㈱、㈱ギャバン、ハウスあいファクトリー㈱の生産拠点の役割を明確にし、各社の強みをいかした生産体制を構築してまいります。

海外においては、大豆系バリューチェーンで、米国での生産体制強化や欧州への展開などさらなる成長ステージへの基盤強化をすすめてまいります。また、機能性素材系バリューチェーンでは、ハウス食品グループアジアパシフィック社を設立し、東南アジア地域における経営統括、製品開発、技術・販売支援等を担い、機能性素材系バリューチェーンの確立と加速をめざしてまいります。

(4)目標とする経営指標

第七次中期計画最終年度(2024年3月期)における目標とする経営指標は、次のとおりです。

 

第七次中期計画最終年度

(2024年3月期)目標

売上高

3,050億円

営業利益

260億円

ATO

(総資産回転率)

0.80回

ROS

(売上高営業利益率)

8.5%

EBITDAマージン

13.2%

ROA

(総資産営業利益率)

6.8%

E-ratio

(自己資本比率)

70.6%

ROE

(自己資本当期純利益率)

6.1%

 

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得

お知らせ

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得