①イノベーション本部における研究分野
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・健康研究
緑黄色野菜を主とした機能性研究を中心に、健康情報の発信、野菜摂取の行動変容につながる仕組みの社会実装研究を行っています。積極的に研究をオープン化し、大学の医学部などとの産学官連携を推進しています。
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・農業研究
約7,500種に及ぶトマトの遺伝資源を活用し、気候変動や病害虫への耐性がある加工用トマト、市場のニーズに沿った生鮮・園芸用トマトの新品種開発や栽培技術の研究を行っています。従来の手法に加え、遺伝子に関連するビッグデータ活用や、スマート農業に関連する先端技術の開発・活用を進めています。
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・安全研究
食に関わる様々なリスク与件の収取活動、高度な分析評価技術の装備、原材料の安全性評価など、「畑から一貫して安全を保障する基盤技術」を維持、強化しています。
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②知的財産の保護・活用
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持続的な競争力を維持するため、自社の研究開発活動における発明・発見や、定期的な他社特許調査を通じて知的財産関連基盤(知財の取得、保護、妨害・訴訟予防)を強化しています。さらに、保有する知的財産の社外での有効活用にも取り組んでいます。
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主な取組み
・トマトジュース・トマトケチャップの特許を活用した競争優位の維持
・ベジチェック特許による競争優位確立の推進
・トマト収穫機の特許を活用しての農作業効率向上及び技術利用料収入
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③オープンイノベーションの取り組み例
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「ナトカリ比」を食と行動変容の新指標に
-東北大学(COI東北拠点/東北メディカル・メガバンク機構)との「ナトカリ」普及に向けた取り組み-
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食塩の摂りすぎは高血圧の原因となる一方、野菜や果物などに含まれるカリウムを多く摂取することで血圧が低下するといわれています。塩と野菜の摂取バランスを示す、ナトリウム・カリウム比(ナトカリ比)とその指標に基づいて食行動を変える仕組みの普及を、東北大学と連携で進めています。ナトリウム量を縦軸、カリウム量を横軸に様々なメニューを配置した「ナトカリマップ
®
」を作成し、視覚的に分かり易くすることで、食に対する行動変容をサポートしています。
これらのナトカリの取り組みは、厚生労働省の大規模実証事業にも採択されており、当社も参画しております。
※「ナトカリマップ
®
」は東北大学とカゴメの登録商標であり、両者が共同で特許出願中のものです。
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トマト加工品の夾雑物検出技術の開発
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2018年より、AIを活用してトマトの夾雑物を判別する実験を開始し、AI画像判定サービスを強みとする株式会社YE DIGITALとロボット技術を活用したシステム構築の実績を持つ末松九機株式会社とともに開発を進め、AIによる夾雑物除去システムを当社茨城工場で導入しました。本設備は、ベルトコンベアを流れるダイストマトを連続撮影した画像から、AIが夾雑物を判別し、ロボットで吸引除去するものです。商品の安心・安全を確保するとともに人手不足の対応にも貢献できる技術です。
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茨城工場に導入された夾雑物除去システム
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