課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは「天然素材の持つ無限の可能性を追求し、“おいしさと健康”を通して、豊かな生活に貢献します」を企業理念に掲げ、企業価値の向上を目指しています。

 

(2)目標とする経営指標

当社グループでは、3年毎に更新する中期経営計画において、経営環境に応じた経営戦略と基本方針、推進施策を設け、これを年度毎の経営指標・業務計画に落とし込んで実行・管理しています。また、資本効率の向上を目指し、ROE(自己資本利益率)を経営指標として活用しています。

 

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社グループは、2019年5月に発表した「“おいしさ”と“健康”で価値創造フィールドを拡大し、顧客に支持される食品メーカーへ」を経営ビジョンとする中期経営計画「Create Next YSK」に取り組んできました。しかしながら、2019年の当社製品の一部における不正表示の判明を受け、顧客の信頼回復と再発防止策に優先的に取り組んだことに加え、新型コロナウイルス感染症の拡大など、当該計画の前提となる事業環境が大きく変化したことから、2020年8月に「顧客に支持される食品メーカーへ」を経営ビジョンとした中期経営計画の見直しを行いました。当連結会計年度は、重点施策を継続・遂行し、2022年3月末日をもって前計画を終了しました。

2022年5月に発表した2023年3月期から2025年3月期の新たな中期経営計画は、「価値創造の加速」を経営ビジョンとして、①安全・安心の向上、②国内事業(調味料、機能性)の強化、③海外展開の加速、④新たな事業分野の創出の4つの基本戦略を軸に推進していきます。

① 安全・安心の向上

 原料開発の強化、各国への輸出規制に対する取り組みにより、新たな価値創造に適合する品質保証体制を確立します。

② 国内事業(調味料、機能性)の強化

 調味料事業については、新たな地域からの原料調達や、昆布・エビ分野に集中した商品投入、DXを活用した生産性の進化、成長著しい中食市場に向けた設備導入などの方策により本事業分野におけるシェアを拡大し、食シーンの多様化に貢献できる天然調味料メーカーへの進化を図ります。

 機能性食品事業については、戦略的な知的財産権の取得を基盤として、マーケットインによるオリジナル素材の積極的な商品投入により、健康訴求領域の拡大を図っていきます。また、独自の製造技術を活用した受託生産の拡大にも積極的に取組んでまいります。

③ 海外展開の加速

 海外売上倍増に向けASEANと米国の拠点開設に向けた積極投資を行い、海外市場にYSKブランドを浸透させます。

④ 新たな事業分野の創出

 他社との積極的な協業も視野に入れ、調味料、機能性に続く新たな事業を確立します。2021年に出資いたしましたフードテック特化型ファンド『食の未来ファンド』の投資先企業の情報を共有し、当社の持つ開発・製造・販売ノウハウと融合していくことで、新たな価値創造を加速させ、事業領域の拡大に取り組んでいきます。

これらの基本戦略の実現に向けた経営基盤の強化策として、コーポレート・ガバナンスとIRの充実によるサステナブルな体制づくり、DX推進による生産性の改善や効率的な投資による資本効率の追求、人事制度の改正による多様性のある働き方の実現を図っていきます。

 

当社グループを取り巻く環境は、引き続き大変厳しい状況ではありますが、安全・安心な製品の安定供給に取り組んでいく所存です。

 

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