研究開発活動

5 【研究開発活動】

当社グループの研究開発活動は、調味料および機能食品の新製品開発、ならびに基幹製品の用途開発とテクニカルサービスが中心であります。調味料の新製品開発は主に顧客からの依頼開発であり、それに加え、調味料開発グループでは当社オリジナル品の開発や受託生産品の導入を行っております。東京開発グループでは、つゆ、たれ分野を中心に、スピーディーできめ細やかな対応により成長著しい中食分野への展開を進めております。機能食品の新製品開発は機能性素材開発グループが担当し、産学連携によるオープンイノベーションを推進しております。更に、新たな事業分野創出を図るべく、新規開拓グループが化粧品や農業分野の製品開発・応用研究にも積極的に取り組んでおります。特に、農業分野においては、キチン・キトサン研究で培った技術で開発した「低分子量キチン(LMC)」を展開しています。LMCは植物の健全な生長をサポートする“バイオスティミュラント資材”であり、2021年5月に農林水産省が発表した『みどりの食料システム戦略』のなかで化学農薬・化学肥料の削減目標が示されたため、非常に注目が高まっています。

調味料及び機能性食品等の研究開発活動は開発本部で行っており、当連結会計年度において、これらの活動に要した研究開発費は162百万円であります。

 

(1) 調味料

調味料セグメントにおいては、長年培ってきた独自の抽出技術および乾燥技術を駆使して、顧客の課題を解決する製品を開発しております。当連結会計年度において、顧客要望にもとづく依頼開発では、熱風乾燥技術を活用した「魚肉粉末」、連続式真空乾燥機(CVD)を活用した「糖質粉末」などの大型案件を実績化しました。更に、外食・中食産業からの依頼開発に注力している東京開発グループ(東京R&Dラボ)において、コロナ禍においても当社独自の配合ノウハウを活かした和風のつゆ・調味液の採用数が伸長しました。営業部門との連携を強化して開発の迅速化を図ることにより、お客様に信頼いただける品質とサービスを提案できるよう努めております。また、独自の製造技術や調理科学に基づいた用途について、知財部門と連携して戦略的に知的財産権の確保を進めております。

当報告セグメントの当連結会計年度における研究開発費は、上記を含めて96百万円であります。

 

(2) 機能食品

機能食品セグメントにおいては、産学連携のオープンイノベーションを活用し、水産資源を中心にした新規機能性食品素材の研究開発を推進しております。2021年4月には、「テアフラビン」以来6年ぶりとなる新規機能性食品素材「フコース」を上市しました。「フコース」は昆布など褐藻類に含まれる糖質で、世界で初めて当社が量産化に成功した機能性食品素材です。東京大学との共同研究結果をもとに臨床試験を実施し、腹囲の体脂肪の低下や、便通改善といった機能を確認しており、2021年5月発行の学術誌『応用薬理』に発表しました。更に、2022年3月には「フコース」を配合した機能性表示食品の届出が消費者庁に受理されたことから、顧客からの引き合いが強くなっております。当社の主要機能性食品素材「N-アセチルグルコサミン」「アンセリン」についても、機能性表示食品制度のテクニカルサポートによる展開を強化した結果、当連結会計年度において新たに「N-アセチルグルコサミン」の関節・肌訴求で17件(累計25件)、および「アンセリン」の尿酸値訴求で2件(累計32件)の届出が受理されました。これら研究開発活動で得られた知見については、新規開発素材はもちろん、既存素材の新規機能性・用途を中心に、知財部門と連携して特許権等知的財産権の確保を進めております。

 当報告セグメントの当連結会計年度における研究開発費は、上記を含めて65百万円であります。

 

(3) 工業所有権の状況

当連結会計年度末における工業所有権の状況は、次のとおりであります。

工業所有権の内容

累計出願件数(件)

うち登録件数(件)

特許権

355

(74)

43

(4)

実用新案権

(-)

(-)

商標権

72

(15)

51

(11)

 

(注)(  )内は、海外出願又は登録を内数で示しております。

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得

お知らせ

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得